「はあああああああああ!」
「お前、私の血鬼術を切っているのか?なんて不幸なやつ!」
チッ、避けられた。ならば……こいつはどうだ!
「魂魄流・本家派―――伍ノ型
『獄炎剣・業風閃影陣』!」
肆ノ型よりもさらに速い一閃。その速度は音の速度を優に超える。しかし、私の狙いはこの人型じゃない。
「本体はそこだな!下弦の壱!」
そう。この伍ノ型は近づくための手段でしかなかったのだ。本命は―――
「全集中―――魂魄流・本家派―――奥義!
『待宵反射衛星斬』!」
「ぎゃあああああああああああああ!」
そして、私は下弦の壱の首を切り落とした。この鬼は、人間だった頃から最低だったらしい。となると地獄行きか。
「……ああ、やり直したいやり直したい……。何という惨めな悪夢だ……」
彼は灰となった。現世への未練を残し。しかし、未練が叶うことはない。何故ならば、それが世の理なのだから。
その直後、背後から大きな気配を感じた。
「よお、魂魄妖夢」
「お前か。上弦の参―――猗窩座!先手必勝!魂魄流・黒分派―――壱ノ型
『始解・草早楼観剣』」
炎の弾幕。それは、あらゆる物を焼き尽くす地獄の炎。しかし、上弦の参はそれを避けようともしない。
「ほう。この程度で俺に勝てると思っていたのか。
―――『破壊殺・空式』!」
虚空へ拳を放つ。その衝撃で空気が振動し、衝撃波が発生する。その衝撃波によって、草早楼観剣は破られてしまった。
そして、その衝撃波は、私の方へと向かってくる。
「危ない!魂魄流・非想天則派―――弐ノ型
『天星剣・涅槃寂静の如し』」
これは血鬼術と呼吸によって動体視力・運動神経を限界まで上げ、そして斬れぬものさえも斬れるようにする技。この技を使った際に、体の速度が一時的に音速を超え、鼓膜が破れ音が聞こえなくなることから、魂魄流の開祖が釈迦の最期を想起し、この「涅槃寂静の如し」という名がついた。
目に映る空気の振動により発生した空間の歪みを斬り伏せる。
「中々やるな。まだその技は序の口なんだろう?ならば、俺ともっと踊らないか?魂魄妖夢!
―――『破壊殺・砕式―――万葉閃柳』!」
あれは刀では受け止めることができない!次の技か……!
「魂魄流・本家派―――陸ノ型
『迷符・半身大悟』!」
呼吸で、鬼の血が流れている半身より人間の割合が強いもう半身の方を一拍遅らせて動かす技。こうすることで、鬼の血が流れている方の体で視認し、思考。そしてから、再生の遅い人間の割合が強い半身を守りつつ動ける。半身で大きく悟る―――それ故の「半身大悟」。そして続けて……
「反撃だー!魂魄流・月戦派―――壱ノ型
『剣伎・桜花閃々』!」
意図的に血鬼術と白楼剣・楼観剣の力を封じることによって、人間本来の呼吸を最大限に本能が活用しようとするのを利用した技。血鬼術に頼らないので、威力は他の剣技よりも劣るが、その分、反撃などの自身があまり使わない戦闘態勢では、相手からしてみれば、途端に切っ先が変わるため、奇襲や意図しない攻撃に使える。まあ、それも私の信条に関わるのであまりやらないが。
切っ先は、首に届くか―――。
実は、この作品は「ノ」以外のカタカナを(恐らく)使っていません。大正だからね。仕方がないね。
―――そう思っていた時期も、私にはありました。
「ワンテンポ」
*久々に更新。「ワンテンポ」が「一拍」になりました。これでカタカナなくなったね!