仮面ライダーバクト   作:墓脇理世

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第3話「222:闇のライダー」

 博人たちがギャンベット社の外部メンバーとして契約を結んで、はや一ヶ月。ジャンクラーとの戦いを終えた博人は、ホクホク顔で皐月の家の扉を開けた。

「たっだいまー‼︎ いやー大漁大漁……っと?どーしたサッチ、なんか浮かねー顔してっけど。生理か?」

 しかし、そんな博人を出迎える皐月の表情は、博人のそれに反して暗い色をしていた。心配になって、博人は問うた。

「違うけど。ていうか、あんたデリカシーなさすぎでしょ……普通女の子相手に生理?って聞く?」

「いやーワリワリ、ホストやってた時にオーナーに『機嫌悪い女、これ即ち生理なり』って教わったモンだからつい……」

 しかし、聞き方が悪かった。デリカシー皆無の質問をされ、皐月の機嫌はさらに悪くなる。

「……あんた、さっき出たジャンクラーと戦ったって聞いたんだけど。それにしては随分と帰りが遅かったわね」

 タン、タン、タン、タン。足で地面を何度も叩きながら、皐月はつぶやく。

 彼女はバクトのサポート用のデバイスを渡されており、戦闘時にはそこからバクトとの通信を行うのだが、今回はメイド喫茶でのバイトの真っ最中に怪人が出たため、それができなかったのだ。

「ジャンクラーが出たのは一六時頃って聞いたんだけど、なんでそれから四時間も経ってから帰ってきたわけ?」

「いやー……その、ちょっと帰りにパチ屋寄ったら思いの外勝っちまってよー。いつもサッチには世話んなってるし……」

 ジャンクラーが現れたことを知ったのは、バイトの休憩時間だった。バクトが勝利したということは輝彦から聞いていたが、いつになっても帰ってこなかったため、少なからず心配していたのだ。博人の口からこぼれたあまりにもくだらない現実に、皐月の怒りのボルテージが上がっていく。

「別にあたしそういう言い訳聞きたいんじゃないんだけど。……あたしが言いたいのは、なんで何の連絡も入れずに勝手なことしたのかってことなんだけど」

「いーやいやサッチがバイトしてっからそこに連絡入れんのもわりーかなーって思って連絡しなかったんですけどー? なんでちょっと連絡しなかったくらいでそんなキレてんだよお前、めんどくせーやつだな……」

 博人にとっては、この程度のことはもはや日常であった。そのため、彼の目には、責め立てる皐月の方が異端に映っていた。額に青筋を浮かべながら、博人はため息を吐く。

「はぁ⁉︎ 元はと言えばあんたが何の連絡もせずに遊び呆けてたからでしょ⁉︎ せめてちょっとLINEするなりしてればあたしだってあんたを怒ったりしないし‼︎ なんであたしがあんたに責められなきゃなんないわけ⁉︎」

 一切悪びれず、むしろ開き直って逆ギレまでしているその態度こそが、皐月の怒りをさらに強く燃え上がらせる。皐月は声を張り上げ、博人の肩を強く押した。バランスを崩した博人は尻餅をつき、地面に倒れた。

「てめ……ッ‼︎」

「……もういい。出てって、今すぐ」

 博人は立ち上がり、皐月に詰め寄ろうとするが、その直前で扉を閉められ、鍵までかけられてしまった。博人は、頭に血が上ったまま皐月の家を後にする。

「……ってな訳で、これから世話んなるわテル」

「いや、それ九割五分くらいお前が悪いからな吊鐘。少しは反省しろ。それに……うちにはお前を泊めてやれるほどのいらんスペースはない。そういうわけだから……帰れ」

 そんなこんなで、輝彦のアパートを訪ねてみたが、輝彦には冷たく断られ、その引き戸をピシッと勢いよく閉められてしまった。

 心地のいい夜風が、独り外に放り出された博人の頬を掠め、ぴゅうと吹き抜ける。行くあてをなくした博人は、足に使っていたイッチャクマンバーに跨り、目的もなく走り出した。

 


 

「──ってわけなんだけど、さぁ‼︎ これあたし悪くないよね⁉︎ なんかあいつに逆ギレされたけど、悪いの全部あいつじゃん‼︎」

 その翌日、皐月は旧友とともに昼間から酒を呷っていた。激情のままに叫ばれた言葉は、周囲の喧騒に紛れて消えていく。

「ん〜……きっかけは完全にその彼氏さん?だし、逆ギレしてきたっていうのも全面的に向こうが悪いけど……メイちゃんもそこで暴力に走っちゃったのは良くないと思うなぁ私」

 感情に任せてジョッキの中身を飲み干す皐月と対称的に、その友人はあくまでも上品にワインを口に運んだ。

 ──彼女の名は瑠璃川(るりかわ)カオリ。ダイバーシティでもかなり上位に位置するキャバクラ『Empress』のナンバーワン嬢で、かつて皐月がそこでバイトしていた頃、同時期に入社していた、無二の親友だ。

 ちなみに、お互いに相手の本名は知らない。メイというのは、キャバクラ時代の皐月の源氏名だった。

「彼氏じゃないし。ただの同居人よ。急にアポもなく押しかけてきて、流れであたしの家に住み着きやがった穀潰し」

「うーん……付き合ってるわけでもない相手と同棲してるっていうのはちょっと気になるところではあるけど……まぁ、そこはメイちゃんの自由だし、別にいっか」

 あんなのが彼氏だと思われるのが癪だったのか、身を乗り出して皐月は否定する。カオリは少しの冷や汗を拭い、再びワイングラスに口をつけた。

「それで、メイちゃんはどうしたいの?その彼……じゃなかった、同居人さんと」

「まぁ、あたしもちょっと言い過ぎた節はあると思うし……。でも、あたしから謝るっていうのもなんか癪だし……」

 しかし、皐月の反応から、完全に彼に愛想を尽かしたわけではないと考えたカオリは、くすっと笑いながら問いかける。酔いが回って素直になったのか、皐月は口ごもりながら答えた。

「なら……そうだ。メイちゃん、今日の夜って空いてる?」

 するとカオリは、したり顔で皐月に問うた。どうやら、何か妙案があるようだ。

「空いてるけど……なんで? 何かあたしに用でもあった?」

「いや……実は、ね。私の知り合いに、男心にも女心にも精通してる人がいて、ちょうど今日会う予定だったんだけど……良かったら、メイちゃんも来る?」

 


 

 そんなこんなで、夜になる。皐月は、カオリとの待ち合わせ場所で、ある人物の到着を待っていた。

「ごめんね、カオリ。それに……メイちゃん、だっけ? オーナーが新人教育してたせいで更衣室入れなくて、ちょっと待たせちゃった」

 二人の合流から少し遅れて、二人の前に中世的な美男子が駆け寄ってくる。

「ううん、全然大丈夫だよシュウくん♡私服も最高にイケてて今日もかっこいい♡」

 彼の名は、神去(かむさり)シュウ。カオリの担当ホストで、前年度は2億円近くを売り上げた、『KAGURA』のナンバーツーだ。シュウは、人好きしそうな柔和な笑みで、皐月に笑いかける。

「……あ。どもです」

「なに、照れちゃってる感じ? か〜わい。そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」

「いや、別に緊張はしてないんだけど……なんていうか、親友の性癖がわかりやすすぎてちょっと引いてるっていうか……」

 シュウの姿を見た皐月は、あまりにもわかりやすすぎる親友の性癖に若干引きつつ、そう呟いた。三人は、すぐ近くのバーに入っていく。

「それで……メイちゃんは、彼氏さんと喧嘩したんだっけ」

「彼氏じゃない。……カオリ、こいつになんて伝えたの? あいつは別に彼氏じゃないってあたしちゃんと言わなかったっけ?」

 開口一番、博人のことを彼氏と勘違いしていると正直に教えてくれたシュウと、そのことをちゃんと伝えていなかったカオリとに、交互に冷えた視線を向けつつ、皐月はぼやく。

「いやほんとごめんねメイちゃん。シュウくんてば聞くなり『それは彼氏以外にありえないね』って言うんだもん。許してあげて?」

「全くもうカオリってば甘いんだからほんとに……」

 しかし、カオリは全く反省していない様子だ。昔から親しい相手にはどこまでも甘かったし、その恩恵を少なからず受けてきたこともあって、皐月としてはあまり強く出られないのだが。

「それで、メイちゃんはその人と仲直りしたいんだよね?」

「まぁ、有り体に言えばそうだけど……」

 カオリとじゃれていると、しばらくしてそれぞれのカクテルが運ばれてきた。シュウはマティーニを一口、その口に含んでから、まっすぐな目で皐月へと確認の問いを放った。

 その目は、見るものを掴んで離さないような、そんな魔性の色をしていた。皐月は、その目にかすかに恐怖しながらも、小さく頷く。

「でも、どうすればいいのかわからない。……なら、俺がその人とうまく仲直りできる方法、教えてあげる」

 その怯えを知ってか知らずか、シュウは目を細めて笑う。彼の言葉は、真面目に聞くつもりなど対してなかったにもかかわらず、不思議と心の底まで入っていった。

 


 

 さて、カオリとシュウのアフターも終わり、時計は二六時を回る。シュウのアドバイスを受けた皐月は、三○分ほど迷いあぐねた末に、意を決して博人に連絡を入れていた。

『これは俺の持論なんだけどね、男って生き物は基本的に女の子から連絡貰ったら喜ぶようにできてるんだよね』

 よっぽど苦手な相手でもない限りだけど、と補足しながら、シュウは語る。

『呼び出して素直に謝りさえすれば、きっと大丈夫。その人も、メイちゃんのこと嫌いなわけじゃないだろうしね。……頑張ってね、メイちゃん』

 これといって特別なことは何も言っていないのに、なぜかその言葉を信じさせられる。皐月は不思議な感覚を抱きながら、博人を呼び出した。

「……あ、バク」

 しばらく待っていると、なにやら袋を提げた様子の博人が、全速力で走ってきた。博人は皐月の目の前まで駆け寄ると、ゼェゼェと肩を上下させながら、その息を整える。

「えっと、その……バク、ごめ」

「本っっっっ当に悪かった‼︎全部俺が悪かったです‼︎心を入れ替えましたので何卒お許しくださいっ‼︎」

「……ほへ?」

 そんな博人の様子に面食らいながらも、皐月が謝ろうとすると、それより先に博人がものすごい勢いで頭を下げてきた。同居人の思いもよらない行動に、皐月の口から素っ頓狂な音が漏れる。

「いや、本っっっ当にすみませんでした‼︎ この通りですサッチ様‼︎ どうか愚かなバクめをお許しください‼︎ あっ靴舐めましょうか⁉︎ ぺろぺろ‼︎」

「いやいやいやまってまってまって‼︎ なに⁉︎ 急にどうしたのバク⁉︎ 落ち着いて⁉︎ 靴なんて舐めなくていいしまず顔上げて⁉︎ てかまず土下座やめて恥ずかしいから‼︎」

 土下座までして、靴まで舐めて謝意を示そうとする博人に、皐月はかえって羞恥を覚え、必死で彼の頭を上げさせる。

「ふぅ……」

「うわぁ⁉︎ 急に落ち着かないでよバク‼︎ 落ち着けって言ったのはあたしだけど落差でびっくりしちゃうじゃんか⁉︎ てかあたしだけはしゃいで馬鹿みたいじゃんこれ‼︎」

 落ち着けと言われた博人はスッと立ち上がり、こなれた手つきで、取り出したタバコに火をつけた。そのあまりの変わり身の速さに、皐月は思わずツッコんでしまう。もうこのままでは話が進まないと理解した皐月は、いじけて地面をつつき出した。

「あー……その、悪かったよサッチ。あんなひでーこと言ったばっかだってのに呼び出してくれて、そんで舞い上がってテンションおかしくなっちまった」

「……別にいいわよ。気にしてないから。……あたしこそ、ごめん。あんたに謝ろうって思って呼び出したのに、あたしも変になっちゃった。……昨日は、本当にごめん。流石に言い過ぎたよね、あたし」

 ようやく落ち着いた二人は、互いの目を見て、真摯に頭を下げた。直後、安堵の息を漏らす皐月の視界に、博人が提げていた紙袋が差し出される。

「……? えっと……なにこれ?」

「完全に俺が悪りーのにサッチに逆ギレしちまったし、そのお詫びに買ってきた。モノで釣んのもどーかと思ったんだが、やっぱ誠意を見せるにはこれが一番かなーって思ってよ」

 状況があまり飲み込めず、つい聞いてみると、ばつが悪そうに博人は答える。友人の姑息さに、皐月は呆れの息を漏らした。

「ものに頼るって……ほんとそういうとこだよバク……。まぁ、でも、くれるって言うなら受け取るけど。……開けていい?」

「おーよ。サッチのお気に召すかはわからねーけど、是非開けてくれ」

 しかし、貰えるのであれば貰った方がいいに決まっている。皐月は若干そわそわしながら、上目遣いで博人に問いかけた。チラチラと首元から覗いている双丘を凝視しないよう目を逸らしながら、博人は頷く。皐月は子供のようにはしゃぎながら、その紙袋を開いた。

「ん、これ……?」

 そこに入っていたのは、シルバーのネックレス。以前、二人で外出した際に、皐月が少し気にしていたものだった。

「前サッチそれ見てたなーって思ってよー。ちょうど昨日パチで勝ったし、せっかくだしって……」

「うそ、めちゃくちゃ嬉しいんだけど⁉︎ バク最高‼︎ 大好き‼︎」

「うおっ⁉︎ 待て待てサッチそんな急に来られっと……ぎゃあ⁉︎」

 思いもよらないプレゼントに大はしゃぎした皐月は、勢いよく博人に抱きついた。実は、先程シュウには『後は、まぁ……ちょっと甘えたりとかすると完璧かな』とのアドバイスも受けていたのだが、図らずもそれを実現する形になった。

 しかし、抱きつかれる博人の方の準備ができていない今、急に抱きついてしまえばどうなるか。「あ」皐月が気付いた瞬間、博人の体はバランスを崩して倒れた。

 


 

「ほんとごめんねバク……。大丈夫だった? 怪我とかしてない?」

「心配ねーよ。体が丈夫なだけが俺の取り柄だしな」

 数刻ののち、すっ転んだ博人の腰を心配した皐月は、その部分を撫でながら歩いていた。側から見れば完全に痴漢である。心配いらないと親指で自らを指し、博人は笑う。

「……つーか、それ。別にわざわざその場でつけなくなって良かったんじゃねーか?」

「だって嬉しかったし……。バクも、せっかく連れて歩くならより可愛くなったあたしの方がいいでしょ?」

 そして、皐月の首元にかけられたネックレスを指し、思っていたことを口にした。すると、想定外の反撃を食らい、柄にもなく博人は顔を赤らめる。

「サッチお前……随分と恥ずかしいこと言うじゃねーか。お前もしかしてさっきまで飲んでた?」

 指先でこめかみを掻きつつ、博人は問う。すると、皐月は、手を口元にやって上品に笑った。

「ふふ、ちょっとね。……あ、バク照れてる」

「そりゃ照れるわ。……つーか、お前マジで何が目的でこんな訳わかんねー態度取ってんだ? もしかしてまだ怒ってんのか?」

「違うわよ。……ちょっと、友達の知り合いがこうしたら喧嘩した男の子とも仲直りできるって言ってたから、ちょっと試してみてただけ。嫌ならやめるわよ?」

 皐月の態度が明らかにおかしいと感じていた博人は、もしやまだ怒っているのではないかと考え、横髪を指で弄りながら問うた。しかし、そうではなかったらしい。シュウからのアドバイスを実践していたと白状し、皐月は、元の調子へとスンとテンションを戻していく。

「嫌ではねーけど、なんか変な性癖に目覚めそーだからやめてくれっと助かるわ。……つーか、その相談相手の名前聞きてーんだけど。なんかすげー嫌な予感すんだわ」

 そんな皐月の態度から、何やら妙なものを感じ取ったらしい博人は、その『友達の知り合い』の名前を知りたがった。別に隠すほどのものでもないし、と皐月はその名を思い出すべく記憶を辿る。

「えっと……なんだったかな。確か……神去シュウ、だっけ」

「うわっ‼︎ 嫌な予感当たりやがった‼︎ なんでお前シュウと会ってんの⁉︎」

「いや、私の友達がそいつに貢いでて……ってまって? バク今シュウって言った? もしかして知り合いなの? いや世間狭すぎない……?」

 ようやく思い出した名前を口にすると、博人はこめかみに添えられていた右の手を額にやり、フゥ……と深く息を吐いた。その様子からして、どうやらシュウは博人とも知り合いであるらしい。これだけ広いダイバーシティだと言うのに、渡る世間は狭すぎる。皐月は思わず戸惑いをこぼす。

「まー、知り合いっつーか友達って感じだな。ホスト時代の同僚なんだが……あ、さっきも偶然会って一緒に飯食ったわ。そんで、仲直りのためのアドバイスももらっ……あ」

 博人は、苦笑いしながら、シュウとの関係性について語る。その直後、勢いで彼からのアドバイスを受けて皐月にプレゼントを送った旨を口走ってしまい、大口を開けたまま固まってしまった。

「……いや、そんなやっちまった顔しなくてもいいから。あんたにしては気が利いてると思ったら、やっぱそうだったのね」

「……本当に‼︎ 申し訳ございませんでしたァ‼︎」

「いやいいって。これ選んでくれたってことは、アドバイスしたのはあいつでも、あんたが自分の意思でやってくれたってことでしょ? そんな気にする必要ないって」

 呆れの冷や汗を浮かべる皐月に、博人は必死で頭を下げる。そんな彼を諌めつつ、皐月はその手を掴み、

「帰ろ、バク。あたしたちの家に」

 そう、振り向きざまに笑いかけた。

 


 

 博人と皐月が仲直りしている頃、シュウとカオリは、腕を組みながら夜の道を歩いていた。と言っても、カオリが自らの腕をシュウの腕に絡めているだけなのだが。

「ねぇ、シュウくん。よかったら、なんだけど……今日、しない?」

 目を蕩けさせ、頬を上気させて、カオリが誘惑する。

「……はぁ?」

 しかし、シュウはそれに応えることなく、軽蔑の色さえ浮かべた目で、彼女を睨みつけた。

「え……。でも、私、頑張ったんだよ……? シュウくんがバクちぃとメイちゃん仲直りさせたいって言ったから、他の女となんて会わせたくもないのにアフターにメイちゃん誘ったんだよ……?」

 シュウの答えを聞くなり、目の光をたちまちに失ったカオリは、青ざめた顔でシュウへと詰め寄る。すると、シュウは慣れた手つきで煙草を取り出し、オイルライターで火をつけた。

 ──昼間、博人と会ったシュウは、彼の話から、同居している相手と喧嘩していることを把握していた。以前、博人の姿をニュースで見たときに、その傍らに皐月がいたことから、皐月こそがその同居相手なのだと考えたシュウは、彼女の友人だというカオリに頼み、皐月と自分を巡り合わせるようにしていたのだ。二人の仲を取り持つために。

「……え? 何? 見返りが欲しくて俺の頼み聞いたってこと? だとしたら普通に引くんだけど。適当に言うこと聞いとけば俺のこと思い通りにできるとでも思ってんの? それってさぁ、俺を人間扱いしてなくない?」

 彼の頼みとはいえ、そのために他の女をシュウと向き合わせてしまった。そう叫ぶカオリを睨むと、メンソールが効いた煙を、毒を帯びた言葉とともに、淡々と吐き出していく。

「ほんとがっかりなんだけど。鏡香(きょうか)は俺のことわかってくれてると思ったのにな……。他の姫たちと違って、ちゃんと『俺』を見てくれてると思ってたのに……」

 冷めた瞳が、カオリの──否、木立(きだち)鏡香(きょうか)の心の奥を鷲掴みにする。愛する人を失望させてしまった後悔に襲われ、鏡香の表情はみるみるうちに曇っていった。

「ご、ごめんシュウくん……わ、私、そういうつもりで言ったんじゃ…………‼︎」

「じゃあどういうつもりで言ったの? 俺のこと都合のいい道具とでも思ってないと出ない言葉でしょあれ。……もういいよ、俺自分が人間扱いされないのとか耐えられないから」

 必死で否定しようとする鏡香に背を向け、シュウは更なる追撃を口にする。このままでは捨てられる。そう感じた鏡香は、大粒の涙を散らしながら、シュウへと縋りついた。

「やだ、捨てないで……‼︎ 私、なんでもするよ⁉︎ シュウくんの頼みならなんだって聞くし、もうこんな我儘言ったりしない‼︎ だから……‼︎」

 その姿を見下ろしつつ、シュウは煙草の火を消した。吸い殻を携帯灰皿にしまい、鏡香の頭を撫でる。そして、アンニュイな微笑を浮かべて、彼女を抱きしめた。

「……ごめん、鏡香。俺もちょっと言い過ぎた。だから顔上げて。鏡香のことはちゃんと愛してる。捨てたりなんかするわけないだろ」

「……うん。ありがと、シュウくん……だいすき…………」

 立ち上がった鏡香は涙を拭い、シュウの隣を歩いていく。向かう先は鏡香の住むマンションの上層。入浴を済ませた二人は、しばしの間、情熱的な愛を交わし合った。

「ん……シュウくん……だいすきだよぉ……♡」

 寝言を呟く鏡香の髪に指を絡ませながら、シュウは煙草に火をつける。煙を吐きながら、一日の情報を脳内で整理しているのだ。

「(相も変わらずチョロい女だ。こうやって適度にエサをやるだけで、また俺に貢ぎ続ける。いやはや、コスパと都合のいいペットだこと)」

 鏡香を見下して、シュウは心中で独り言つ。やがて、タバコが短くなってくると、その火をもみ消し、シャワーを浴びに向かった。微温の雨が、煙草の匂いをかき消していく。

 体を拭き、髪を乾かすと、それと同時に設定していたアラームが鳴り響く。朝の五時半。眠らない街ダイバーシティと言えども、喧騒のピークが過ぎて静まり返った頃合いだ。シュウは億劫げに息を吐き、パーカーに袖を通した。

「……さて。買い出しでも行くとするかな」

 


 

 ジリリリリ‼︎ 午前九時を少し過ぎた頃、皐月の枕元に置かれていた通信用デバイスが爆音を轟かせ、二人の眠りを強引に覚ました。

「うひゃああああ⁉︎」

「おいサッチどーしたこの音ォ⁉︎」

 部屋を飛び出した二人は、顔を見合わせてパニック状態になる。震える指先で応答ボタンを押すと、輝彦の叫び声が聞こえてきた。

『やっと繋がったか……ジャンクラーが出た‼︎ 吊鐘はすぐに向かってくれ‼︎』

「いやそれバクの携帯に直接連絡入れれば良くない⁉︎ バクはともかくあたしの安眠の妨害すんのやめてくれる⁉︎」

『した‼︎ それでも返事がなかったからお前のデバイスにわざわざ送ったんだよ‼︎ もうこんな時間なのに起きていないお前らが一方的に悪い‼︎ そういうわけだから吊鐘、頼んだぞ‼︎』

 どうやら、連絡を入れたのに返事がなかった博人に対し、輝彦はお冠らしい。

「いやお前この状況で頼み事するかフツー⁉︎ 髪もボッサボサだしこの状況で外出るとかフツーに無理なんだが⁉︎」

 ヘアスプレーと櫛で寝癖を直しながら、博人は勢いよく飛び出した。

『ケイバ!』

 ケイバギャンボールのボタンを押し、空中に放り投げる。すると、ギャンボールは変形・巨大化し、競走馬を思わせるバイク・イッチャクマンバーに姿を変えた。

『息からアルコール成分が検出されました。逮捕のリスクが予想されます。運転を続行しますか?』

「まだ酒抜けてねーのかよ……。まーでも知らん‼︎ 法より人命救助が先だからなァ‼︎」

 ヘルメットを深く被り、イッチャクマンバーに跨った博人は、飲酒運転を警告するアラートを無視し、ジャンクラーの出現地点へと走り出す。

『パチンコ!』

『運転とは無関係の行動が検出されました。危険防止のため、停車を推奨したします』

「そんなこと言ってられる場合じゃねーよな⁉︎ この無駄にハイテクなの気が散るからやめてくんねーかなマジで‼︎」

 そして、運転しながらドライバーにギャンボールを装填した。危険運転を咎める機械音声は聞き流し、博人はドライバーを操作する。風に乗ったボディが、三つ揃った〝7〟を通過して走っていく。

「変身ッ‼︎」

『仮面ライダー! GO! ON!』

 仮面ライダーバクトは、車と車の間を縫うように高速で走行しながら、ジャンクラーのもとまで向かうと、その速度のままにジャンクラーを撥ね飛ばした。

『衝撃を検知しました。交通事故の可能性が予想されますが、警察への通報を行いますか?』

「あーもーマジで黙ってくれお前‼︎ 今それどころじゃねーんだって‼︎」

『……承知しました。運転補助AIをスリープモードに設定いたします』

 轢かれた怪人──サイクル・ジャンクラーを見据え、バクトはイッチャクマンバーを降車した。スリープモードに入ったAIは、もはや何も言わずにバクトを送り出す。

「さーて……愉しもーぜ、命賭けでなァッ‼︎」

 ドライバー上部から噴出した液体金属が、パチンカーストライカーへとその姿を変えた。バクトはそれを掴み取ると、サイクルが放った無数のギャンキーズに向けて、弾丸を掃射していく。

 撃ち抜かれたギャンキーズが消滅するとともに、二つの数字がサイクルを襲う。バクトは駆け出し、剣に変形させたそれで、勢いよく斬りつけた。火花と三つ目の〝6〟が、サイクルを吹き飛ばす。

「しゃッ‼︎ 今日の俺は絶好調っとォ‼︎」

 フィーバーによる強化を受けたバクトは、目にも止まらぬ速さでサイクルへと飛びかかり、その体を地面へと叩きつけた。サイクルはなんとか体勢を整え、腕に備えられた二つの円盤を投擲する。高速回転するノコギリが、バクトに向かって空気を裂いていく。

「残念。見えてんだ、よッ‼︎」

 バクトはそれをパチンカーストライカーで切り裂き、触れることもなく爆発させる。最大の武器を失ったサイクルは、バクトに背を向けて逃げ始めた。

「待てよ。そー簡単に逃がしちゃ、報酬が減らされちまうだろーが‼︎」

『パチンコ!』

 武器を投げ捨てたバクトは、ドライバー内のギャンボールのボタンを押した。胸のエナジーコンバーターから供給されるパワーが、全てバクトの足に宿っていく。

「ライダー……」

『パチンコ! ジャックポットストライク!』

「……キーーーック‼︎」

 未知なるエネルギーを纏った一撃が、サイクルへと降り注いでいく。その一撃で、爆ぜ散ったサイクルの体から、ギャンボールが放出された。

「よっと、これで終わり、か……ッ⁉︎」

 同時に、フィーバーによる身体能力のブーストも終わる。バクトはドライバーを操作し、変身を解除しようとし──直後、立ち込める爆煙の先に、紫色の光を見た。

 その光の主が地面に転がったギャンボールを拾い上げると、色が失われていたギャンボールに、元と同じ色が戻っていく。

 それを、倒れた鳥人の体に埋め込まれたユニットに飲み込ませた。鳥人は歪に立ち上がり、再びジャングラーへと変貌する。

「お前、何やって……ッ‼︎」

『見ての通りだよ、仮面ライダー……吊鐘博人』

 ジャンクラーを生み出した、ヘルメットの男は、そのシールドに浮かぶ電飾の表情を切り替えながら呟く。

「なんで、俺の名前……ッ‼︎ それに、それは……なんでお前がそれを持ってる⁉︎」

『さぁ、どうしてだろうね。……君は俺たちのシマを荒らしすぎた。そういうわけだから……ここで死んでもらおうかな』

 バクトの問いには答えず、男は懐からあるものを取り出した。ギャンベットドライバー。本来であれば博人以外は所有していないはずのそれを。

『パチンコ……』

 紫色のパチンコギャンボールのボタンを押し、ヘルメット越しにそれに口づけをして、それをスロットに装填していく。。

『BANG! BA・BA・BANG! BANG! BANG! BA・BA・BANG! BANG! BANG! BA・BA・BANG! BANG! BA・BA・BA・BA・BURN‼︎』

『──変身』

 電飾の表情が、目を吊り上げ、口をへの字にしたものに変わる。男は呟き、レバーを回転させた。その身が変質し、バクトの体を歪めたかのような、禍々しいものへと変わっていく。

『マックス・フルスロットル……! ダークライダー……GO……ON……!』

『──上がれ(Raise)。ここが君の死に場所だよ』

 生まれ堕ちた闇のライダー──仮面ライダーフェイゼルは、挑発するようにその指先をくいっと前後させた。

 


 

『どうした? 来ないのかい? なら……俺から行くけど、文句は言うなよ』

 その気迫に圧倒され、動けないバクトを見下ろし、フェイゼルは呟く。直後、高速で動き出したその拳が、バクトの装甲を撃った。

「か……ッ⁉︎」

 ただの、パンチ一発。それだけで、バクトの体は浮かび上がり、十メートル以上吹き飛ばされる。

『バク‼︎ 今すぐ逃げてッ‼︎ そいつからは、嫌な未来しか見えないッ‼︎』

「ッ、つったって、これが逃げられる状況かよ……ッ‼︎」

 このままではまずい。フェイゼルの姿からは、剥き出しの殺意が溢れている。カメラ越しにしか戦況を見ていない皐月にすら伝わるほどの殺意は、希望のあるビジョンのかけらも見せはしない。

 皐月は叫ぶ。しかし、目の前の敵があまりにも強大であるということは、彼と直に向き合っているバクトが一番よく理解していた。逃げ出すことすらできないほどの強敵を前に、バクトは拳を握る。

『逃げようとすらしない、か。……いいね。側から見れば蛮勇でしかないかもしれないけど、俺はそういうバカは嫌いじゃない』

 そして、フェイゼルに向けて、力の限りの拳を振るった。フェイゼルは避けようともせず、その一撃を受ける。それがクリーンヒットしたことによって、二つの〝7〟がフェイゼルを襲った。

 〝7〟が三つ揃えば、より大きなボーナスが得られる。ギャンブルに費やしてきた人生で、そのことはよく理解していた。

「(これは……)」

『(いける、かも……ッ‼︎)』

 三つ目で〝7〟が出さえすれば、もしかしたら、目の前の強敵にも勝てるかもしれない。博人と皐月は、そんな希望を抱き始めていた。

 ──しかし。

『残念。そう簡単にやられるわけないよね』

 その希望は、フェイゼルの手によって打ち砕かれる。彼が手にした丸鋸型の武器が、降りようとしていた三つ目の〝7〟を切り裂いた。

「だが、〝7〟は出た。これで俺も……ッ‼︎」

『待って、バク……。あんたが出した図柄……』

 それでも、〝7〟が三つ揃ったことに変わりはない。そう考える博人とは裏腹に、皐月は絶望的な表情を浮かべる。

 皐月の言葉を聞いたバクトは、視線を図柄の方に移す。すると、先程バクトが発生させた二つの〝7〟の図柄は、バクトの姿が描かれていたそれは、フェイゼルの色に染められてしまっていた。

「嘘、だろ……ッ⁉︎」

『嘘じゃない、これは現実だよ。……俺の武器、レイズサーキュラーってとこかな。こいつを使えば、君のリーチを乗っ取ることができちゃうわけ。……それじゃ、君の豪運にあやからせてもらおうかな』

 フェイゼルは、手にした丸鋸──レイズサーキュラーを愛おしそうに撫でながら、バクトの腹部を蹴飛ばす。

『パチンコ……』

『ボタンを押せ!』

 吹き飛ぶバクトを尻目に、フェイゼルの指が、ドライバー内のギャンボールのボタンを押す。それと同時に、ドライバー中央のタイフーンスイッチが高々に叫んだ。力任せに押し込むと、フェイゼルの体が七色の輝きを放ち始めた。

『ジャックポットモード突入!』

 フェイゼルは、強化された視覚でも捉えきれないほどの速度で、バクトへと襲い掛かる。拳が、蹴りが、丸鋸による斬撃が、その全てが致命的なダメージとして、バクトを蝕んでいく。

「ぐ、か、は…………ッ‼︎」

『さて。これ以上無為に甚振るのは趣味じゃない。……あと一撃で終わらせてあげるよ』

 フェイゼルは再びギャンボールのボタンを押し、強く地面を蹴った。エネルギーは全てレイズサーキュラーの刀身に纏わせ、それを勢いよく振り下ろす。

『パチンコ……ジャックポットストライク……!』

『蛇毒斬』

 高速回転する刃が、バクトの装甲を切り裂き、その変身を解除させる。倒れた博人は、傷だらけのまま、フェイゼルを睨みつけた。

『そんなに睨まなくても。俺には君を殺す理由もないし、命まで取る気はないよ。……ただ、これだけは覚えておいてほしいかな』

 そのすぐそばにしゃがみ込み、博人の髪を掴んで、フェイゼルは笑う。そして、次の瞬間、声色を一気に冷酷なものへと変えて、言い放った。

『次に俺たちのシマを荒らしたら、今度こそ殺す。君だってこれ以上痛い目は見たくないでしょ? だから……全部忘れて元の日常に帰りなよ』

 単なる脅しではない。この男は、それをできるだけの力を持っている。蓄積したダメージで気を失った博人に背を向け、フェイゼルは歩き去った。

 


 

次回予告

シュウ「はーい毎度恒例設定補足コーナーの時間だよー」

カオリ「ちょ、ちょっとシュウくん……真面目にやろうよ……でも気だるげなシュウくんもかわいいしかっこよくて最高……♡」

シュウ「あーそう。……なんかもうめんどくさいしさぁ、あとカオリが全部やってよ。俺は寝るから、終わったら起こして。ぐーすかぴー」

カオリ「シュウくんてば勝手なんだから……そういう媚びないとこがかっこよくて素敵なんだけどね♡ ……待てよ。寝てるなら今のうちに襲っちゃっても…………」

シュウ「心の中に留めたつもりかもしれないけどそれ普通に聞こえてるからね? やめてよ、そんなことしたら強制猥褻で警察呼ぶからな」

カオリ「はぁい♡ えっと……今日紹介するのは……ってもう時間ない⁉︎ 嘘でしょ⁉︎」

シュウ「俺の寝込み襲おうとして発情するからそうなるんでしょ……それじゃ、今回はここでおしまい」

 

シュウ「次回、仮面ライダーバクト」

カオリ「『10JQKA:逃げた先に、お前はいない』!」

シュウ「次回も──愉しもうね、命賭けで」




 やっとシュウくん出せた〜!!!!!!!!

 というわけで墓脇です。シュウくんをキャラとして思いついた日から、ずっと彼を本編に登場させられる日を心待ちにしてたわけですが、今日、ついにその日が来ました。めちゃくちゃ嬉しいです。7月2日は神去シュウ記念日にして全世界共通の休日にすべき。

 と、まぁ。アホな発言はここまでにして、本題に入りましょうか。
 今回は、新たな主要キャラクターとしてシュウとカオリが登場しました。まぁ言っても1話ラストには出てたわけですが、本格的な登場は今回からになります。

 シュウは、二面性のあるDV営業ホストです。飴と鞭を適切に使いこなして、ダイバーシティでもトップのホストクラブの、そのナンバーツーまで上り詰めた最強のホストです。
 そこまでしてナンバーツーなの?と思われるかもしれませんが、KAGURAのナンバーワンは本当に異次元なので、人間レベルでは最強と言って差し支えありません。
 ちなみにそのナンバーワン、多分ですがバクト本編にはあんまり関わってきません。チョイ役で出ることはあっても、話に深く関わってくることは今のところはないと思います。

 カオリは、そんなシュウくんに身も心も虜にされちゃった哀れなトップキャバ嬢ですね。
 伸びるキャバ嬢の裏には色管ボーイがいるか担当ホストがいるかってのはたまに聞く話ですが、彼女もそのタチです。
 モラハラDVホストに、そいつに貢ぐ人気キャバ嬢。二人がこれからのバクトにどのように影響を与えていくのか、非常に楽しみですね。

 さて、今回は博人と皐月の喧嘩シーンが前半の話としてありましたが、実はこの二人、大学時代から割と些細なことで喧嘩しまくってます。
 バクトが始まってからの二人は同居してる影響もあって二人とも仲直りしなきゃみたいな感じになってはいますが、多分シュウくんいなくても二日くらいで自然と仲直りしてたんじゃないですかね。
 それはそうと、ちゃんと仲直りすることはいいことなのでね。これからも仲良く喧嘩してもらいたいところですね。

 それから、今回のメイン。タイトルにもある『闇のライダー』ことフェイゼルについても語りましょうか。
 謎のヘルメットの男が変身するライダーで、バクトとは色違いのパチンコギャンボールで変身します。
 外見はアナザーバクトというか、パチンコ版に登場する闇のライダーとかそんな感じになってます。
 ジャンクラー化が解除された人を再度ジャンクラーにできたり、バクトのリーチを乗っ取ることができたりとかなりの強敵ですが、今後バクトはどう彼に立ち向かっていくのか。注目していきたいところですね。
 ちなみに、名前の由来は「Raise」と「False」を組み合わせて被った文字を消したものになります。なので無理やり英語表記にすると「Faiserl」となります。

 突如登場した闇のライダーの正体や目的はなんなのか、次回で急にタイトルの形式が変わったのはなんなのか、シュウくんはなぜ博人と皐月の仲を取り持とうとしたのか、などなど。謎はまだまだ山積みですが、ようやく六人の主要キャラが揃いました。
 前回のあとがきでも言いましたが、ここからバクトの物語はどんどん加速していきます。楽しんでいってください。墓脇でした。


 ……とはいえ、最初の博人のノンデリ発言はかなり最低だと思うので、本当に反省してください。
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