その白スクで魔法少女は無理でしょ、スイムスイム 作:超天才清楚系病弱魔法少女
問11.もしもアニメ『マジカルデイジー』がダブル主人公モノの作品だった場合、マジカルデイジーと肩を並べるもう1人の主人公として似合いそうなまほいくキャラを1人挙げよ。この時、restart勢以外のキャラをピックアップしても良いものとする。
◇@娘々(あっとまーくにゃんにゃん)
マジカルデイジーが行方不明になった。
ゲーム世界に3回目のログインを果たしてまもなく、@娘々はこの異常事態に気づいた。
マジカルデイジー・のっこちゃん・夢ノ島ジェノサイ子・@娘々。
4人がなりゆきでパーティーを組んでからというもの、パーティーはいつも4人一緒に行動していた。マジカルデイジーが団体行動を命じたわけではない。ただ場の雰囲気でそうなっただけだ。
そもそも、パーティーのリーダーがマジカルデイジーだと決まっているわけでもない。@娘々の所属するパーティーにはこの手の曖昧な部分が多々存在する。それが嫌というわけではない。むしろ懐かしくて、心地いい感覚だ。
どこかふわふわとしている@娘々のパーティーは、誰に指示されるわけでもなく、ゲーム世界にログインしたらまず4人集まるようにしていた。今回もいつものようにジェノサイ子と合流し、のっこちゃんと合流し――しかし、マジカルデイジーと合流できない。
パーティーメンバーは、各メンバーの現在地を魔法の端末の地図アイテムで確認できる。地図の指し示すに従い、マジカルデイジーの居場所までやってきたにもかかわらず、当人が存在しない。ここで@娘々たちは異常事態に気づいた。
マジカルデイジーの人となりは、これまでのゲーム生活でおおよそ把握できた。
パーティーメンバーに何も言わずに、忽然と姿を消すような無配慮な人ではない。
「一体どこへ……?」
「魔法の端末の調子が悪い説あるかな? ちょっとファルに聞いてみっか」
のっこちゃんが不安そうに周囲を探索する。ジェノサイ子が魔法の端末のサポートコマンドでゲームのマスコットキャラクター『ファル』を召喚して、質問し始める。特にのっこちゃんの精神面が心配だ。パーティーの精神的支柱だったマジカルデイジーが不在の今、ここは私がしっかりしないと。
マジカルデイジーの行方につながる手がかりがないか探していると、@娘々は奇妙なものを見つけた。穴だ。地面にそこそこ大きめな穴がある。ゲーム世界の風景はどこまでも単調で。そのせいで危うく見逃すところだった。
「これ、なにアルか?」
穴をのぞき込んでみる。底は見えない。
穴から吹き上げてきた冷たい風が、@娘々の横顔を撫で去っていく。
この穴は、どこかへ通じている?
「にゃんにゃんなんか見つけたん?」
「謎の穴を発見したアル」
@娘々の様子に気づいたジェノサイ子がのっこちゃんを連れて駆け寄ってくる。
@娘々は2人に穴を指し示した。
「なんですかこれ……」
「ひょー、ずいぶん深そうだねぇ」
魔法少女の強化された視力をもってしても底の見えない穴。のっこちゃんはうっかり足を滑らせてしまわないかと怯えながら、ジェノサイ子は興味津々な様子で穴をのぞく。
「ファルが言ってたよ。魔法の端末や地図アイテムに不具合はないって」
「じゃあ、もしかしてマジカルデイジーさんは穴に落ちたんですか?」
地図アイテムが主張しているマジカルデイジーの現在地は、まさにこの穴の場所だ。となると、ファルの回答を正とするなら、のっこちゃんの言うように、マジカルデイジーが穴に落ちた可能性くらいしか考えられない。
今でこそ穴は丸見えだけど。元々は落とし穴として隠されていて。マジカルデイジーがうっかり引っかかってしまったなら、マジカルデイジーが行方不明という現状もあり得なくはない。
けれど違和感が強い。マジカルデイジーの戦闘能力を知っている@娘々としては、マジカルデイジーがそんなドジするとは到底思えない。マジカルデイジーの身に何かあったのか?
胸がうずく。ちくちくと痛みを訴える。
大事な何かが@娘々の手から零れ落ちてしまったかのような、ゲームに参加してからは久しく忘れていた感覚だ。嫌な予感がする。
「まったくもー、まさかマジカルデイジーにこんなあからさまなドジっ娘属性があったとは知らなかったよ。しょうがない、ここはおねーさんが助けにいってあげますか! 待っててね、デイジーちゃぁん!」
と、その時。ジェノサイ子が意気揚々と穴の中に飛び込んでいく。あまりに即決な判断すぎて、@娘々とのっこちゃんが止める間もなかった。
「「ジェノサイ子さん!?」」
慌てて穴をのぞき込む。すでにジェノサイ子の姿は見えない。
ジェノサイ子のコスチュームの『どんな攻撃も平気な魔法のスーツ』の性能はよく知っている。山岳エリアで次エリアの開放ミッションをクリアするために、ジェノサイ子が溶岩の海に飛び込んで、山の民の鍵を拾ってきたこともあった。
ジェノサイ子の魔法のスーツの性能は本物だ。けれど心配にならないわけがない。
のっこちゃんと一緒にただただ穴を見つめる。ジェノサイ子からの反応はない。魔法の端末を取り出し、ジェノサイ子宛てに『無事なら返事して』とメールを送る。反応がない。
「大丈夫でしょうか、ジェノサイ子さん……」
「……ジェノサイ子さんは無敵アル。だから、きっと……多分」
心がざわめく。
まさか、ジェノサイ子も穴の先で何かアクシデントに襲われた?
さりとてジェノサイ子のような『魔法のスーツ』もなければ、飛行手段を持たない@娘々が穴に飛び込んでいっても意味がない。それはただの自殺だ。
どれだけもどかしくても、待つしかない。
のっこちゃんと一緒に穴の前でしばらく待機していると、魔法の端末に着信音が響く。見ると、ジェノサイ子からメールの返信が届いていた。
ジェノサイ子は生きている。@娘々は安堵の息を吐いた。
『こちらジェノサイ子。ただ今、墜落完了。すっごく深い穴だった、スリル満点』
『着地じゃなくて墜落アルか……怪我はないアルか?』
『超絶元気。やっぱ私の無敵スーツしか勝たん!』
『マジカルデイジーさんはいるアルか?』
『ちょっと待ってて。捜してるとこだから』
ジェノサイ子とメールのやり取りを終えて、@娘々はギュッと目をつぶって手を組んだ。どうかマジカルデイジーが見つかりますように。@娘々はマジカルデイジーの無事を心から願う。
「緊急招集ですぽん。皆さん『荒野の街』の広場に集まってもらいますぽん。強制移動は今から1分後に行いますぽん」
刹那。@娘々とのっこちゃんの魔法の端末からファルが勝手に投影され、これから強制召集をかける旨を一方的に伝えられる。
ゲーム世界にログインしていざこれから冒険だ、と息まいているだろう他のパーティーにとって、ファルの唐突な招集は水を差す行為に他ならない。だが、@娘々は安心した。ファルが強制移動させてくれるのなら、マジカルデイジーやジェノサイ子と再会できる。
「良かったですね」
「こんな思いはもうこりごりアルよ」
@娘々はのっこちゃんと見つめ合って、互いにふにゃっと笑った。
◇◇◇
◇@娘々
荒野エリアの街に強制転移させられた@娘々は早速、集結した魔法少女たち1人1人を確認する。マジカルデイジーは……いない。どこにもいない。どうして。ついさっきまで安堵していた心に、強烈な不安がのしかかる。
「にゃんにゃん、のっこちゃん」
@娘々の正面にジェノサイ子が立っている。
いつも朗らかなジェノサイ子の表情が暗い。
「魔法の端末は見つけた。でも……」
ジェノサイ子は@娘々に魔法の端末を差し出す。
発言から察するに、これはマジカルデイジーの魔法の端末。
「それではルールの訂正と追加発表をさせていただきますぽん」
『でも』? 『でも』何だというのか。
ジェノサイ子からもっと詳細に情報を聞きたい。けれど、魔法少女たちの魔法の端末からファルが投影されて、ファルが話し始めたことで情報共有の機会を妨害されてしまう。
ファルは通達する。
曰く、ゲーム世界で怪我をしても現実世界の体には影響ないけれど、ゲーム世界で死ねば心臓に強い負荷がかかって現実世界でも否応なしに死亡すること。
曰く、テストプレイヤーはゲームの目的を果たすまで、ゲームをやめられないこと。
曰く、ソーシャルゲーム『魔法少女育成計画』はトップシークレットなゲームであり、ゲームのことを参加者以外に話した瞬間に、告発者が死亡すること。
ファルの通達内容は、場の空気を凍らせるに十分だった。
しばしの硬直。その後、ファルの発言内容を理解できたものから次々と怒号が飛び出した。「ふざけるな!」とか「認められるかそんなもの!」といった、絶叫に近い怒声だ。
「あの、ファルさん」
そんな中、のっこちゃんが震える声でファルに呼びかける。当然のように怒号が飛び交う中で、のっこちゃんの声色が異質だったせいか、のっこちゃんに注目が集まる。
「なんですぽん?」
「どうしてマジカルデイジーさんはここにいないんですか……? ファルさんがみんなを集めたはずですよね……?」
のっこちゃんからの質問に、魔法の端末から投影されているファルの映像がわずかにノイズでぶれる。数秒かかって、崩壊しかけていたファルの映像は元に戻り、幾ばくかの沈黙の果てに。
「ログアウト直前のイベントの時や今回みたいな臨時のお知らせがある時は、全員参加ですぽん。生きている魔法少女はどんな状況でも荒野の街に強制召集されますぽん」
ファルはゲームの仕様を回答する。
のっこちゃんがガクリとその場に膝をつく。
ジェノサイ子が愕然とした表情で立ち尽くしている。
@娘々は2人ほどは驚かなかった。
あぁ、だって。そんな気がしていたから。
なにせ、マジカルデイジーが行方不明になってからというもの。
@娘々の胸中に、大なり小なり存在していた感情は。
親友で、魔法少女仲間だった美千代と昌子を、2人そろって交通事故で失ってしまった時と同種のものだったから。
◇◇◇
◇スイムスイム(憑依)
【悲報】ぼくのかんがえたさいきょうの作戦、ぶっ壊れる【作戦ちゃんはおしまい!】
ファルの緊急招集から数時間後。
魔法少女たちがそれぞれ荒野の街から解散した後。
ボクは今、荒野の街の一角に身を潜め、体育座りをしている。
視線を上げて、空を見上げてみる。太陽くん、こんにちは。今日も元気だね。
(どうしよう)
はい、状況はすっかり悪化しました。
ボクが精一杯考えた作戦『遅延戦術』の続行はもはや不可能です。
その理由を改めて整理する。どうにかして次の作戦を考えなきゃいけないし。
『遅延戦術』が壊れた理由その1。
それはゲーム参加者の1人、マジカルデイジーの死亡に伴う悪影響だ。
ボク個人としては。マジカルデイジーの死、ということ自体はさしてショックではない。ボクがマジカルデイジーと会ったのは『透明な敵』の存在を伝えた時だけで、ほぼ他人に過ぎないのだし。日々のニュースで報道される殺人事件の被害者を見ても一々ショックを受けないのと同じだ。
ボク的にショックだったのは、ボクの今までのムーブが魔法少女の死を防ぐファインプレーにつながってたっぽいことを受けて、『これなら何だかんだゲーム参加者を全員生き残らせられるのでは? ボク天才なのでは?』と期待し始めていた折に、『はい残念』と言わんばかりにマジカルデイジー死亡という事実を突きつけられたことだ。この落差は精神的にきつい。
なお、精神的ダメージを負ったのはボクだけではない。
ファルがマジカルデイジーの死を、ゲームの仕様の説明という間接的な手段で伝えた時。ディティック・ベル様は顔を青ざめさせていた。けれど、ベル様の瞳にはしっかり理性が残っていて、時間をかければショックから立ち直れそうな様子だった。さすがは名探偵ベル様。
だけど、アカネは。
すごくショックを受けていた。
あの時、彼女はただただ目を見開いていた。目を限界以上に見開き、血の涙を流し、袴でぬぐっていた。みんなが、ファルの実質的な『マジカルデイジー死亡宣言』の影響でファルに注目する中、ボクはアカネの深紅の涙を目撃していた。
きっと、アカネはボクやベル様以上に期待していた。
『今度こそみんなを守れる』と。ボクとベル様と3人で力を合わせれば、悪い魔法少女の策謀を打ち砕けると、全員生存できると誰よりも信じていた。
一筋の希望に向かって全力疾走していたところで足場を崩されて、絶望の底に叩きつけられたのが今のアカネなのだろう。
アカネの精神状態が不安だ。
このまま放置していると変な方向に暴走してしまうかもしれない。
アカネのメンタルケアをしたい。でも、ボクとアカネのつながりはギリギリまで隠しておきたい。なので、アカネに何度もメールを飛ばしているのだが、反応はない。
マジカルデイジーの死によってアカネの精神が不調をきたしている。
とてもマジカルキャンディーの独占行為を継続できそうにない。
『遅延戦術』が壊れた理由その2。
それはゲームのモンスターが大幅に強化されたことだ。
『怖がりな魔王が、
ゲーム世界に3回目のログインを終えたボクを待ち受けていたかのように魔法の端末にお知らせが届いてからというもの、モンスターが超強化されている。
ファルに緊急招集される前に、荒野エリアの白い骸骨とエンカウントしたのだが、動きがかなり早くなっていた。黒いGみたいな敏捷性だった。モンスターの耐久力に変化はなかったのでどうにか戦闘素人のボクでも倒せたが、荒野エリアの最弱モンスターですらあの強さだ。他のエリアのモンスターも相当厄介な強化が施されていることだろう。
まさかゲームマスターがこうも露骨に牙を剥いてくるとは。
ボクとしては、ゲームマスターが介入してくるならログアウト直前のイベントを凶悪なものに変えるくらいだと思っていた。あくまでゲームマスターは魔法少女同士の醜い殺し合いを期待していて、それゆえ殺し合いを助長する追加の
けれど、実際にゲームマスターが選択した一手は、モンスターの超強化。つまりゲームマスターにとって魔法少女同士が殺し合うという過程は重要じゃなく、ただゲーム参加者として選んだ魔法少女がみんな死んでくれれば良いということだ。
こうなってしまうと、たとえアカネの精神状態が正常だろうと、アカネ1人でモンスターを討伐してもらうのは非常に危ない。よって、マジカルキャンディーを他の魔法少女に集めさせないボクの作戦の継続は無謀になってしまった。
『遅延戦術』が壊れた理由その3。
それはマジカルデイジーの置き土産だ。
ファルから間接的にマジカルデイジーの死が伝えられた後。どうして彼女が死んだのかが話題の中心に上がった。ゲームで死ねば現実でも死ぬことが明言された以上、マジカルデイジーの死亡理由は誰もが知りたい情報だった。誰もが生き残りたくて必死だった。
手がかりは、ヒーロースーツ姿の魔法少女:夢ノ島ジェノサイ子が荒野エリアの落とし穴に入って、はるか地下深くから回収したマジカルデイジーの魔法の端末だけだった。
ジェノサイ子はみんなからの注目を一身に浴びながら端末を操作し、異変を共有した。
曰く、マジカルデイジーのマジカルキャンディーの数が『マジカルキャンディーの数が一番少ない人をゲームオーバーにさせる』イベントの時より大幅に増えている。
曰く、マジカルデイジーが+12相当の防御力を有する謎のアイテム『竜の盾』を入手している。
そんな異変を聞くや否や、プフレが「マジカルデイジーのモンスター図鑑を確認してくれ」と要求したことで、異変の正体が明らかになった。
マジカルデイジーのモンスター図鑑には、パーティーメンバーのジェノサイ子たちが戦ったことのないモンスターの詳細情報が記録されていた。
グレートドラゴン。
地底エリアの主であり、全長15メートルクラスのドラゴン。
倒せば大量のマジカルキャンディーと、ドロップアイテム『竜の盾』を入手できる。
これらの情報から、マジカルデイジーとグレートドラゴンが共倒れしたのではないか、という説が有力候補となった。
そして、モンスター図鑑には以下の情報も明記されていた。
【次のエリアの開放ミッションは、グレートドラゴンを討伐すること】
そう、これがボクの遅延戦術が壊れた3つ目の理由であり最大の理由だ。
マジカルデイジーは『必殺のデイジービームを撃てる』魔法少女だ。ボクもアカネの家で、アニメ『マジカルデイジー』を履修し始めているから知っている。
そんなマジカルデイジーは、何を思ったか、荒野エリアの地面に向けてひたすらデイジービームを撃った。そうしてまだ開放されていなかった地底エリアにたどり着き、さらには地底エリアの次のエリアに行くための『グレートドラゴン討伐ミッション』までクリアしてしまった。
つまりは、マジカルデイジーは魔王へたどり着くまでの大幅なショートカットを切り開いてしまっていたのだ。
加えてプフレの指示で、シャドウゲールがガードロボットの残骸に『機械を改造してパワーアップできる』魔法を行使して、マジカルデイジーの作った穴を安全に昇降できるエレベーターを作ってしまった。
誰であろうと安全に、未開放だったはずの地底エリアすらスキップして、その先のエリアに進めるようになったわけだ。こんなの、ゲーム攻略の遅延どころかRTAめいている。何なら原作より攻略速度が早いのでは?
(太陽くん。どう最近?)
そんなわけで、ボクの『遅延戦術』は粉々に壊れました。もう修復できません。
はぁぁ、どうしよっかなこれから。
マジカルデイジーが死亡した。
1人救えなかった以上、スノーホワイトポイントが1加算された状態だ。
スノーホワイトポイントが何ポイント越えたらボクはバッドエンドまっしぐらなんだろうね。わからないね。そうだね、プロテインだね。
どうしてこうなってしまったのか。
結局、ボクごときがじたばたもがいたところで魔法少女の死を防ぐことはできないということか。
スノーホワイトポイントは加算されてしまうし。
アカネのメンタルはおかしくなってしまうし。
モンスターはすごく強くなってしまうし。
つーか魔王も魔王だよ。
なんだよ『怖がりな魔王』って。
まったく、魔王がクソビビりな設定のせいで、大変なことになってしまった。
魔王くんさぁ…。いやホント誰だよ魔王、ボク許せねぇよ。
……ん? 誰? 誰? 誰だよってなんだ?
「……………あ」
あーーーーーーーッッ!!
ありえるじゃんそれ!
そっかー、そうだよね。ありえる。凄くありえる。
魔王がモンスターだって誰が決めた。
いつから魔王がモンスターだと錯覚していた?
これ、ゲーム参加者に魔王が潜伏している可能性があるな?
これ、『汝は人狼なりや?』の構図になってる可能性があるな?
――よし、見えてきた。
これなら今からでも変則型の『遅延戦術』を実行できそうだ。
いける、いけるぞ。ボクはまだ舞える。
やっぱりボク天才では?
頭脳が冴え渡っているのでは?
灰色の脳細胞を5000兆個くらい持っているのでは??
でもこの作戦怖すぎるんだけども!
怖い、超怖い。けど、さすがにやるしかない。
ボクは改めてゲーム世界の空を見上げる。
雲一つない空。太陽しかない青空。閉鎖空間の天気を司る存在を見上げて、ボクは心の中で心からの本音を呟いた。
だれかたすけて?(猫なで声)
次回 第12話
『止めてくれディティック・ベル、その言葉はアカネに効く』