好奇心は猫をも殺す   作:やまぎ

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ちさたきのデート、主人公視点の妄想。
選べないのでどっちも書いてみることにしました。
…書けるかなぁ。

誤字脱字報告よろしくお願いいたします。


俺にも貸してくれるかな

昨日千束に言われた時刻に駅前に向かうと、すでに彼女は待っていた。

声を掛けた私に気付いた千束は、私を見るなり

「お、おぉう、新鮮だなぁ」

と何とも言えない表情で何とも言えないコメントをくれた。無理にコメントしなくていいのに。

 

千束は、私が背負っているリコリスに支給されるサッチェルバッグに気付いたようで、柔和な表情で言う。

「銃持ってきたな、貴様」

「ダメでしたか」

「抜くんじゃねぇぞ」

「千束、その衣装は自分で?」

「衣装じゃねぇ」

 

千束を見やると、彼女のイメージにぴったりの赤いロングコートに白のショートパンツを合わせている。今の季節柄でも暑くないように、袖丈は二の腕あたりまでしかない。

詳しくない私でも、よく似合っていることくらいは分かる。

 

ここで、昨日万里さんから言われたことを思い出し、言ってみることにした。

 

「服には詳しくないので、千束が選んでください」

 

私と万里さんの想像通り、たちまちテンションを上げた千束の後を追うことにした。

 

──────────────────────────────

 

「お~、いいねぇ!」

 

「お、似合う!」

 

「いいねぇ~!」

 

「めっちゃ可愛い!」

「…どうも」

 

試着室のカーテンを開けるたびに、千束は私の装いを褒めてくれた。

そういった経験がないので戸惑う気持ちもあるが、褒められて悪い気はしない。

 

……万里さんも、褒めてくれるだろうか。

 

「たきな~リップグロス持ってる?」

 

千束は衰えることなく今度はコスメをチェックしている。悪くはないが、今日は。

 

「千束」

「ん?」

「そろそろ本来の目的を」

「あ」

 

そーだった!下着だった!と千束は溢した。忘れてたのか。

 

──────────────────────────────

 

「どう?好きなのあった?」

「やっぱり好きなのを選ばなきゃなんですか?」

「へ?」

「万里さんの好きな下着は教えてもらえませんでしたし、仕事に向いている奴がいいです」

 

千束はおどけた様に、あ~、銃撃戦向けのランジェリーですかぁ?そんなもんあるかーい!とノリ突っ込みをしていた。

 

「…ん?」

「どうしました、千束」

「神楽くんに…聞いたの?」

「何をですか?」

「好きな下着」

「ああ、はい…ものすごい真顔で外では絶対言うなよと言われて教えてもらえませんでしたけど」

 

そういって千束の方に目をやると、たきな…恐ろしい子ッ!と白目をむいていた。なんですかそれ。

 

とにかく。

「これいいんですけどね。通気性もよくて動きやすいし。さすが店長だなと」

「いやいや先生そんなこと考えてるわけないでしょ~。大体トランクスなんて人に見せられたもんじゃないでしょお」

「パンツって見せるもんじゃなくないですか?」

「いざって時どうすんのさ」

「いざってどんな時です?」

 

千束が言い淀んだ。と思ったら見る見るうちに顔を真っ赤にして叫んだ。

「知るかっ!」

 

やはりよくわからない。

千束の手をつかんで更衣室へと引っ張って行く。

「ちょちょちょ!」

 

カーテンを閉める。

「…なにッ」

「千束のを見せてください」

「ふぁ!?」

「見られて大丈夫なパンツかどうか知りたいんです」

「ぇぇぇ」

「早く!」

 

千束は観念したのか、渋々ショートパンツを下した。

………

「これが私に似合うっていうと違いますよね」

「その通りだよなんで見せたの私!」

なんかすみません。

 

 

 

なんとか数セット下着を選び購入を終えた。

千束は、これで男物のトランクスは全部処分するからね。と宣言した。はい。

 

「さ・て・と!次は千束さんお待ちかねのおやつタイムだ~!」

「目的は完遂しましたよ」

「完遂って任務じゃないんだから。い~じゃん今日は付き合ってよ~」

 

なんだかんだ千束には今日お世話になっているし、まあいいか。

 

──────────────────────────────

 

喫茶リコリコ内にある和室の一角。

そこでボクは、例の銃取引現場の写真をPCに取り込み、VR技術を駆使して立体化。

彼らの背格好や立ち位置などを3D映像として出力し、VRゴーグルで観察していた。

 

───ツナギを着ている人物が4人。黒いコートに緑色の頭髪が特徴的な男が一人。

 

ツナギの4人はサングラスで顔を隠し、マリモ頭は髪が邪魔で顔が見えない。

 

「主犯は誰だ…?」

 

無知であることは嫌いだ。だからもっと情報が欲しい。

 

ほかに情報がないか探るため、ゴーグルをつけたままぐるぐると歩き回る。

 

───ポスッ

 

「わぷッ」

 

しまった、なにかにぶつかった。さてはサボっているのがミズキにバレたか。

言い訳を口にしようとVRゴーグルを外した。

 

「やぁクルミちゃん、楽しそうだね、ソレ」

「俺にも貸してくれるかな」

 

見るものを惹き付ける鮮やかな紫色の瞳。ボクと目を合わせるために屈んでいるそいつの顔は至近距離にある。

こんな間近で見たのは初めてだが、この距離で見てもシミ一つない。なるほど、とんでもない美少年だ。認めよう。

 

とはいえ

「…ああー」

 

失態だな、ボクの。

 




なんでこの主人公ほっとくと悪役みたいなムーブするのかしら。
ええ、筆者の性癖です。

飄々としたお兄さんキャラ大好きなんです。

この作品のモデルというわけではないですが、学生時代にドはまりしたゲームの主人公にまんまと歪められました。筆者男なんですけどね。

皆さまご存じでしょうか。
ユーリ・ローウェル君っていうんですけど。
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