好奇心は猫をも殺す   作:やまぎ

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アニメ第四話に入ります。

筆者の大好きな(というかおそらくみんな大好き)バランスマリモと早くからませたい。


絶対それ外で言うなよたきな

 

その日、井ノ上たきなは頼まれていた買い出しを終え、リコリコへと帰路についていた。

目的地を目の前にしたところで

 

「んなぁぁぁぁあぁぁ!!」

「!?」

 

 叫び声を聞きつけ急ぎ店内に戻ると

「んがぁぁぁ!ぐやじぃ~~!」

「ムキになりすぎだろう…」

「だってこの人名前がぁ~!」

 

 やはりというべきか声の主は千束で、VRバイザーを付けて銃の形をしたコントローラーらしきものを手に悶えていた。

 傍らでクルミが呆れた表情を隠しもせずにテレビ画面を見ていた。

 

 じきにたきなに気付いた千束はこれやって!とそのままゲームをたきなに代わるよう要求した。

 たきなにVRゲームの経験はないが、題材はどうやらシューティングゲーム。

────射撃なら常日頃磨いている!

 

 Winner!の文字が表示されたことを確認すると、ゴーグルを外した。

 千束はなぜだか唖然としていたが、たきなが勝ったことに気が付いたようで、

 よっしゃー!とわがことのように喜んだ。

 たきなは呆れた。

「喜びすぎでしょ…」

「だってぇコイツ名前がムカつくんだよ!」

 画面にはVS FUKIの表示が踊っていた。

 

──────────────────────────────────────────

 

「ねぇクルミ」

「ん~」

「たきなのパンツ、見たことある?」

「あるわけないだろ」

 だよね。

 クルミは、ノーパン派か?と続けた。んなわけないでしょ。でも…あれは…

 

 よし。たきなは今更衣室だ。そうと決まれば!

「なんですか?」

「ナニ…コレ…」

「下着です」

 たきなのスカートを捲って確認する。やっぱり見間違いじゃなかった。

 男物じゃん!とたきなに詰め寄ると、きょとんとした顔でこれが指定なのでは…って!

 

「きかせてもらいましょ~か!」

 先生!

「店の服は支給するから下着だけ持参してくれと」

「どんな下着がいいのかわからなかったので」

たきなぁ~。

「だからってなんでトランクスなの!」

「店長が」

先生!

「好みを聞かれたからな」

「アホかぁ!!」

はいてみると結構楽などと言うたきなに、そーじゃない!と伝えた。

 

明日12時駅に集合ね!と一方的に叩き付けた。

仕事かと問うたきなに

「ちゃうわ!パ!ン!ツ!買いに行くの!」

約束を取り付けて店を後にする…大事なこと言い忘れた。

「制服着てくんなよ~。私服ね!私服」

満足した私は今度こそ店を後にした。

 

──────────────────────────────────────────

 

 

 

 千束が帰り、私は店長に質問した。

 

「指定の私服はありますか」

「…」

 

 押し黙った店長は、眼を閉じて天井を見上げた。どうしたんだろう。

 

「ないよ」

「!」

 

 全然気付かなかった…

 カウンターの奥から、いつもと変わらない微笑と共に、万里さんが現れて言う。

 

「ごめんね、盗み聞きしちゃって」

「話の内容的に、俺がいると話しにくいかともって、気配消してた」

「あ、それは全然…」

 

 話が聞かれていたことは特に問題はない。

 というか気配消してたってすごく簡単に言うなこの人。

 

「私服なんて、失礼じゃなければ何着たっていいんだよ。好きなものを着ればいいさ」

「好きなもの…」

「もしわからなければ、明日錦木さんに言ってみな。『千束が選んでください』って」

「多分、めっちゃテンション上がると思うな、錦木さん」

 まあ、上がりすぎちゃって振りまわされるかもだけど、と続けた万里さん。

 ものすごく想像がつく。

 

 好きなもの…か。

 

「あの、万里さん」

「ん?なんだい」

「話を聞いてたならわかると思うんですけど、明日下着を買いに行くんです」

「そうだね、楽しんでくるといい」

「それで…万里さんの好みの下着を教えてください」

「絶対それ外で言うなよたきな」

 

 万里さんの真顔初めて見た。

 

──────────────────────────────────────────

 

万里がボク達を脅迫してリコリコに雇われてから、はや数週間。

──奴は説得だと言って憚らないが、ボク達全員が脅迫されたという共通認識で絆を深めた。

 

 万里はこの短い期間で、何もかもを吸収しつくした。

 レジの操作速度はたきな以上、注文取りから新規客の席誘導に導線確保はミズキ以上、

 千束と同等の反応速度でトラブル対応何でもござれだ。

──これまた奴は、コーヒーの味はミカに及ばないと嘆くが、詳しくないボクには違いが判らなかった。

 

 このように万里はすさまじいスピードで、リコリコになくてはならない存在となった。

 混んできたからと駆り出される機会がぐんと減って言うことなしだ。

 

 そして極めつけが、あれだ…

 

「あの!」

「はい、なんでしょう」

 

 万里が働くようになってから、女性客が爆発的に増えた。

 今この瞬間も、万里が配膳したテーブル席にいた女子高生三人組が、

 真っ赤な顔で万里に声を掛けた。

 

「突然すみません!しゃ、写真いいでしょうか!」

「写真…ああ、ええ。もちろん構いませんよ」

「本当ですか!」

「ええ。もしよろしければSNSなどで宣伝、お願いしますね」

 

 パチン、と音が聞こえてきそうなほど完璧なウインクを披露した万里は、一礼してカウンターの中へ戻っていった。

 

──エグイな、あれ。万里は十中八九運んできたスイーツの写真のことだと思ってやがる。

 

 女子高生たちは万里と写真が取れなかったことを悔しがることもなく、目の前で披露されたパーフェクトウインクで完全に固まってしまっている。

 触らぬ神に祟りなし、だ。ボクは風呂でも入るかな。

 

 

「武器相場に変化なし、か」

「てめぇ、何してんだ」

「見てわからんか。風呂だ」

「アホかァ!営業中だぞ!」

 

 言葉と共にミズキによって風呂から放り出された。まったく、PCが濡れたらどうする。まあ防水だが。

 

「んで?相場に変化ないから何なのよ」

「闇市場にまかれてないってことだよ。この筋では追えないな…っと」

 扇風機の風に負けて後ろに倒れ込む。火照った体に床が気持ちー。

 

「銃千丁もガメてどうするってのよ。腕は二本しかないのよ」

 なら500人兵隊がいるんじゃないか、とボクは答えた。

 ミズキは、そんなのをDAが見つけられないはずないでしょ、と否定した。ごもっとも。

 

 下からミカの催促の声が届いた。

「あんたも早く着替えて手伝いなさい。千束とたきなは夕方まで帰ってこないのよ」

「ボクいるか?万里がいるだろ」

「あのねぇ、いくら万里くんでも休憩なしで働き続けられるわけないでしょーが」

 おお、ミズキがまともなことを言っている。とはいえ…

「本気で言ってるのか?『あの』万里だぞ」

「…」

「突然変異種みたいなフィジカルモンスターだぞ」

「…い、いいから行くの!」

 

あ、誤魔化した。




ここからの話の展開に悩んでおります。
ちさたきのデートを描くか主人公視点を筆者の妄想全開で描くか…

まあすでに妄想全開なんですが。
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