“5月〇日”
今日は気分が悪い
隣人とばったり会ってしまった
声をかけようとしたけど避けられてしまった
そこまで嫌われているとは思わなかったから正直、もう隣人の事はいないことにしようとした
そんな時に可可さんから電話
すごい剣幕で中国語を話していたけど最終的にはスクールアイドルフェスに出るから見に来て欲しいという電話だった
とりあえず分かった、と言ったものの正直言うとあまり行きたくはない
…複雑だ
~澁谷家・玄関前~
「あ…」
かのん「え…?」
突然声が聞こえて、びっくりしちゃった
隣を見るとあいつがいた
すごい、切なそうな顔で。
なんであんたがそんな顔をするの?
その顔が余計に私を苛立たせた
かのん「…」
「…しぶ「チッ…」…」
イラつきがどうしても収まらず私はあいつを置いてきた
かのん「…ただいま」
ありあ「ん~おかありぃ~今日遅いね?」
かのん「部活が忙しいからね」
ありあ「あ、あ~…スクールアイド「わーーーーー!!」うるさ…」
かのん「やめてよ~…なんか恥ずかしくなってきた…」
ありあ「今さらでしょ…ってスクールアイドルってさ、あの人大ファンだったよね?今となりに越してきたさ」
かのん「…疲れたから部屋戻るね」
ありあ「え、あ、うん」
ありあまであんな男のことを覚えてるの?
だって、あいつは勝手に消えたのに…
今さら戻ってきて何するか分からないのに…
“5月1〇日”
ある女の子と知り合った
というのも偶然歩道橋を歩いているとハンカチを落とした女の子を見つけて、拾ってあげたってだけ
でも服装が隣人や千砂都さんと一緒だからつい、話しかけてしまった
千砂都さんと同じ学科で生徒会長らしい
これも何かの縁ですね、と連絡先を交換してしまった
名前は葉月恋さん。名前に恋が入っていて、恋とかお好きなんですか、なんて変な質問をしてしまった
すごい顔を赤くしながら否定してたけど
その後すぐ千砂都さんに会った
どうやら次のフェスまで練習を見ているみたいでもう来週に迫ってるから、と気合が入っていた
そんなきらきらとした千砂都さんにつられて僕も行くつもりだから、と言ってしまった
そしたら一緒に行くことになった
嬉しいような、恥ずかしいような…
~表参道某所~
恋「…鏡谷、凛音」
名前だけは知っていた
というのも嵐さんからお話を伺ったことがあるというだけ。
すごく嬉しそうな顔で大好きである親友に久しぶりに会えたと喜んでいた
その話をただ聞いていた、それだけ。
恋「何かの縁ですね、は強引すぎました、かね…」
ただ何となく、彼を一目見た時、私の世界を変えてくれそうな感じがして
思わず口に出てしまった
貰った連絡先に私は何も言わず、そっと閉じた
恋「いつかまた、会えるといいですね」
~嵐家・千砂都の部屋~
千砂都「そっかぁ…りんくんもフェスに行くんだねぇ~…」
やっぱり元幼馴染で元恋人の動向は気になってしまうものなのか
はたまた無頼のスクールアイドルオタクだから、気になっているのか
真相は定かではないけれど
千砂都「…ま、かのんちゃんには希望無し、だろうけどね」
“5月2〇日”
久しぶりのアイドルフェスだった
野外ライブだったけれどやっぱり僕はスクールアイドルが好きなんだな、と素直に思った
何よりあのサニパが出てくるなんて思わなくて、思わず拝んだ
隣の千砂都さんは引いていたけど
可可さんも綺麗だった。最初照明が落ちた時は大丈夫かと思っていたけれど、最終的にそのハプニングが魅力へと変わっていた
隣人は相変わらず上手かった
~渋谷・代々木公園~
可可「あ、かのん!リンリン来てますよっ!」
かのん「えっ…」
なぜいる
が、最初の感想
やっぱりオタクだな
が、次の感想
私を見に来たんだろうか、未練がましく?
…気持ち悪
でも、なんだかあいつの顔を見てたら吹っ切れた
音も良く聞こえるし、声も出る
久しぶりに楽しく、歌えた気がした
~渋谷・舞台裏~
可可「つ、つがれだデズゔ…」
かのん「あはは…可可ちゃん、お疲れ様」
歌いきった
結果はどうであれ、何も緊張せずにただ我武者羅に歌ってた
かのん(気持ち良かったな…)
「おーーい!」
かのん「っ!ちぃちゃーーん!!」
千砂都「すっごい良かった!!私、感動してうるうるしちゃったよ~…」
かのん「あはは、ありがと!…で、さ…あいつは」
千砂都「え?あいつって?」
かのん「え…い、いやなんでもない…」
千砂都「そかそか!でも本当に良かったよ~!可可ちゃんも一緒に今夜はタコパだね!!」
可可「ホントですかっ!千砂都っ!」
やったデス!と和気あいあい、タコパで盛り上がっている中
私は冷め切っていた
あいつがなんで見に来て、勝手に帰るのか
少しくらいアクションくらいあってもいいだろう
千砂都「か~の~んちゃん!」
かのん「うぎゃあ!?」
千砂都「ほら、行こ!タコパタコパ~♪」
かのん「ちょ、ちぃちゃん!早いよ~!」
そんな怒涛な一日は終わり、私はモヤモヤしながらたこ焼きを貪っていた
“6月〇日”
恋さんから連絡があった
どうやらスクールアイドル部は続行になったらしく、理由は教えてくれなかった
なんで僕に伝えたのかも分からないけれど、千砂都さんと同じ学科だからそこで話が弾んだんだろう
その後、可可さんからも連絡があった
同じ内容だったけどフェスで新人特別賞を貰ったみたいで本当にうれしそうだった
…僕も頑張ろう
“6月1〇日”
悔しい、悔しい、悔しい、悔しい
僕が何をした、なんで言われなくちゃいけない
純粋に応援することも許されない
ずっとあいつが足枷のように僕を締め付けてくる
もう散々だ、二度と、彼女…いや彼女たちとは会いたくない…
~渋谷某所~
かのん「あ…」
「…ども」
なんでまた会うんだろう
しかもここで可可ちゃんたちと待ち合わせなのに…
かのん「…ねぇ、あんたなんでここにいるの?」
「え、いや…友達を待っているんで…」
かのん「友達?ふーん…あのさ、待ち合わせの場所変えてくれない?ここで可可ちゃんとちぃちゃんとすみれちゃんと待ち合わせしてるから」
「…なんでか聞いても良いですか?」
かのん「だって、からかわれるの嫌じゃん」
「どういう意味、それ」
かのん「ちぃちゃんとか、さ。私たちの昔の関係知ってるからさ。ほら…」
過去が走馬灯のように蘇る
どれも嫌な記憶
消してしまいたい
でも、目の前にこいつがいるとどんどん出てきてしまう
「…千砂都さんと可可さんは元気ですか?」
かのん「…そうやって、人を誑かすのやめてくれる?迷惑だから」
「いや…でも「はぁ…」…」
———気持ち悪いよ、凛音
「…そう、ですか。」
あれ、私今何を言った?
気持ち悪い?
いや思っていたとしても口に出そうとしなかったはずなのに、あれ?
かのん「さ、さすがに言いすぎだったね、ごめ「大丈夫ですから」あ…」
それじゃ、待ち合わせ場所変えますね
そう言って、あいつはどこかに行ってしまった
なんで私が罪悪感を感じてるの
だって、ちぃちゃんたちを誑かしてる悪い奴はあいつなのに、私は守っただけのはずなのに…!
次回の日記に