マヴ(牝)(栃栗毛)(1981年4月12日~1997年10月1日)
父トウショウボーイ
母テイタニヤ(父アローエクスプレス)
父は天馬トウショウボーイ、母は同期の二冠牝馬テイタニヤ。
昭和最強の牝馬と名高く、強烈な追い込みを得意とする。
馬主 原七衛
調教師 因幡幸夫(美浦)
「気高く、鮮烈に」
天馬と妖精女王の血を継ぎし乙女は、まだ見ぬ景色を求め舞う
清く、美しく、華麗に駆けた乙女の瞳に映るのは、同期の無敗三冠馬だった
(名馬の肖像2017年エリザベス女王杯より)
「その威光は世界にも」
二冠牝馬として、時代をシンボリルドルフと共に牽引したマヴ。
いくつもの史上初の記録が建てられ、多くのファンはその気性を愛し、その走りに見惚れた。
そして彼女は海の向こうのロンシャンで、高貴な血筋と日本馬の強さを証明した。
(1986年ヒーロー列伝)
戦績
1983年
新馬戦 二着
未勝利戦 一着
デイリー杯三歳S 一着
1984年
桜花賞 一着
オークス 十着
エリザベス女王杯 一着
ジャパンカップ 二着
有馬記念 二着
1985年
マイラーズカップ 一着
宝塚記念 一着
天皇賞秋 二着
ジャパンカップ 二着
1986年
産経大阪杯 四着
宝塚記念 一着
ヴェルメイユ賞 一着
凱旋門賞 二着
ジャパンカップ 一着
17戦9勝(9-6-0-2)
G16勝
■気性について
非常に荒い。
例えるなら我が儘娘で、よく調教師や厩務員、騎手を困らせた。
■容姿について
栃栗毛で、一筋の流星が通った小顔。
馬体重は430キロから450キロ。
■打ち立てた記録
牝馬最高記録となるG16勝(後にウオッカが更新)
史上初の宝塚記念連覇(ゴールドシップが後に達成)
グレード制以降牝馬初の古馬混合G1勝利
凱旋門賞最高着順
日本調教牝馬による初のジャパンカップ制覇
日本調教馬初の海外G1勝利
上がり3ハロンレコード
■レーティング評価
ヴェルメイユ賞の勝利、凱旋門賞の二着が評価され、long(2101~2700)部門で137(140)の評価を得たが後にダンシングブレーヴらとともに下方修正され134(137)となった。これには今でも物議を醸している。
だがまだ日本が国際的に認められてない時期にこの評価は異例中の異例。
同値はエルコンドルパサー(だが牡馬換算だと137なのでトップ)のみ。
■他関係
☆シンボリルドルフ
宿命のライバル。直対成績(先着数)だと五戦三勝でマヴが勝利している。
鞍上同士も同期である。
交配経験もある。
お互いかなり意識しあってたようで、新馬戦のときにマヴがシンボリルドルフを睨み続けていたというエピソードがあるほど。
皇帝という異名と対比して妖精女帝と呼ばれることもある。だが海外からはフェアリークイーンと呼ばれている。
☆新発田政人
全戦手綱をとった。
彼女に非常に苦労させられていた模様。
彼が思う「最強馬」である。
☆欧州関係者
当時、島国の牝馬を舐めていた彼らはヴェルメイユ賞の勝利をフロック視した。
だが1986年凱旋門賞。
歴代最高メンバーで迎えた世界最高のレースでひとつの事件が起こる。
一番人気のダンシングブレーヴと七番人気のマヴが大外からとんでもない脚で襲いかかってきた!!
ダンシングブレーヴは欧州でも最強馬との呼び声高く、強烈な差し脚を武器とする馬だった。
先行有利、追い込み不利のロンシャン2400メートルで、二頭は大外から追い込み、マッチレースとなった。
結果は五センチ差でマヴが敗北した。
この結果は様々な人物が強く衝撃を受けた。
マヴは馬体をぶつけられ直線で大きく不利を受けていたからだ。
そこから建て直し、ダンシングブレーヴ以上の末脚を繰り出した。
たったひとつの敗戦で伝説になったマヴはレーティング、世界のホースマンからも高い評価を受けた。
ちなみにマリー病により日本で種牡馬として来たダンシングブレーヴはマヴと交配している。
なんでもシャワー中のマヴに興奮したというエピソードも残ってる。
マヴのレーティングを下方修正したことは日本競馬ファンより欧州競馬ファンのほうが怒ってたり……
■繁殖成績
活躍馬を複数産み、そこから牝系を広げ、今や世界中に活躍馬がいるほどとなった。
1988生
メイヴ(牝)
父シンボリルドルフ
1990年いちょうS、1991年エリザベス女王杯二着
繁殖牝馬としては
セタンタ(牡)(1995年生)
父サンデーサイレンス
1998年スプリンターズS、1999年シルクロードS、スプリンターズS
ジュリエット(牝)(1998年生)
父トニービン
2001年フラワーカップ、オークス
後にヨーロッパで繁殖牝馬として活躍
英オークス馬トップレディ(牝・父モンジュー)や凱旋門賞馬ダルメシアン(牡ガリレオ)を産んだ。
1989年生
アルブレヒト(牡)
父シンボリルドルフ
1992年シンザン記念、皐月賞二着、高松宮杯、天皇賞秋二着、1993年日経新春杯、ジャパンカップ、1994年日経新春杯、天皇賞秋、ジャパンカップ
種牡馬としては僅か三世代しか残せなかったが、後継としてアルフヘイム(母ゴールデンサッシュ)がG1馬を出している。
1990年生
バーゲスト(牡)
父ニホンピロウイナー
1993年きさらぎ賞、高松宮杯、マイルCS
1994年、ダービー卿チャレンジトロフィー
1991年生
ウンディーネ(牝)
父シンボリルドルフ
1995年紅梅ステークス(op)
直子に活躍馬はいないが、四番子レプラコーン(父サンデーサイレンス)の長女(父クロフネ)にフェブラリーSを制したクーシーがいる
1992年生
牡馬
父ノーザンテースト
死産
1993年生
メリュジーヌ(牝)
父ダンシングブレーヴ
・海外馬主に買われる
1997年英オークス、ヴェルメイユ賞
繁殖牝馬としては、2003年生エインセルがBCフィリー&メアターフを連覇、その後英ダービー、キングジョージ馬レーシーを産む。
・長生きは出来なく、残した産駒は僅か一頭だけだがそこから欧州で牝系を広げる
1994年生
ヴォジャノーイ(牝)
父シンボリルドルフ
5戦0勝
1995年
不受胎
父サンデーサイレンス
1996年生
父シンボリルドルフ
牡馬
未出走
1997年生
ケットシー(牝)
父サンデーサイレンス
2000年チューリップ賞、桜花賞、ローズS、秋華賞
2001年マーメイドS、エリザベス女王杯
マヴ牝系ファミリーライン
マヴ 1981 牝
├メイヴ 1988 牝(いちょうS)
│├セタンタ 1995 牡(スプリンターズS連覇)
│├ジュリエット 1998 牝(フラワーカップ、オークス)
├アルブレヒト 1989 牡(天皇賞秋、ジャパンカップ連覇)
├バーゲスト 1990 牡(マイルCSなど)
├ウンディーネ 1991 牝(紅梅S)
│├レプラコーン 2002 牝
│ ├クーシー 2008 牡(フェブラリーS)
│ ├デュラハン 2012 牡(若駒S、京都大賞典、産経大阪杯)
├メリュジーヌ 1993 牝(英オークス、ヴェルメイユ賞)
│├エインセル 2003 牝(BCフィリー&メアターフ連覇)
│ ├レーシー 2010 牡(キングジョージ、英ダービー、凱旋門賞)
│ ├フォーユー 2012 牝(BCターフ、英国際S、ドバイシーマクラシック)
├ヴォジャノーイ 1994 牝
│├ダイワリリーフ 2000 牡(朝日杯FS、コーフィールドカップ、マイラーズカップ)
├ケットシー 1997 牝(チューリップ賞、桜花賞、ローズSなど)
├シルクマジェスティ 2011 牝(アネモネS)
├スプリガン 2018 牡(京都大賞典、香港ヴァーズ)
■最期
1997年10月1日、胸部出血で急死。
享年16。
余談
G17勝最年長シンボリルドルフ
G16勝最年長マヴ
G15勝最年長ナリタブライアン
G14勝最年長ミスターシービー
G13勝最年長ニホンピロウイナー
わりとブライアン以外は世代固まってます