皇帝はなんかもう最初から難しい言葉使います、なんなら英語もわかります(岡辺騎手感)
牝馬三冠最後のレースは京都競馬場芝2400メートルで行われるエリザベス女王杯。
直線が長く差し有利となっていることから、マヴはダイアナソロンの次の二番人気。
一応桜花賞馬だが前走の惨敗が尾を引いたのだろう。
能力なら、無敗の二冠馬シンボリルドルフにだって負けないと間違いなく言えるのに。
悔しい、と無意識に新発田は拳をきつく握りしめる。
その思いが伝わったのか、マヴも頭をぶんぶんと上下に振る。
「お前も悔しいか」
『私、いちばんじゃないの?…………ぜんっぜんみるめないわね!』
落ち着きがなさそうなのはいつものことだ。
もしかしたらさらに人気下がるかもな……と新発田は思った。
「一番人気はいらない。俺らが目指すのは一着のみだ。そうだろマヴ。マイペースに、貪欲に行こうじゃないか」
『わたしが!いちばんー!!』
ぶんぶんと頭を振り続けるマヴ。
……これ、ちょっと大丈夫なのかな。
カッコいいこと言ったけど、不安になってきたぞ。
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「エリザベス女王杯、スタートしました。少し出遅れたか三頭。サガクイナー、マーサレッドが先手をとって前へ行く。ダイアナソロン控えた位置。トウカイローマン中団やや後方。おっとマヴはやはり今日も一番後ろから」
前に行きたがってたマヴだが、鞍上新発田がその豪腕でおさえて宥める。
マヴはソラ使うから逃げは向いてないし、前に行かせたらハナをとろうとしてムキになるのが目に見えているからだ。
『ちょっとなにするのよ!』
「お願いだからここは抑えてくれ……」
懇願するかのように新発田が呟くと、多少はマシになる。
マヴは言葉の意味はわからなかったが、新発田が自分に切実に頼み込んでることはわかったから。
『仕方ないわね……ふん』
直線一気ではなく、ロングスパートのまくりをすることにして、徐々にポジションを上げていった。
「マヴが上がってきている!マヴが上がってきているぞ!」
アナウンサーがその馬の到来を叫ぶ。
「このまま先頭に並ぶぞ」
『おもいっきりわたしはやるの!』
最終直線は長い。
けどマヴの加速力なら……
『ぶっちぎるわよ!!そこをどきなさい!』
楽勝だ
「マヴ、マヴがもう先頭だ。とんでもない速さ、加速力、ストライド!母子二冠牝馬の偉業だ!桜の女王から二冠女王へ!マヴ、逆襲のラン!」
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『早くあいつと走るの!』
「次走どうします?……有馬記念にしますか?」
「ジャパンカップにはあのシンボリルドルフが出るらしい。リベンジ、したいよな。でも古馬混合G1、しかも外国馬も参戦するジャパンカップでマヴが走れるか……」
『……ねえ、今シンボリルドルフって言った?そのジャパンカップにでるのね!わたしもでるわ、いやだしなさい!』
「うわっ、マヴが柵噛んで揺らしてる!」
「暴れてるなあ……」
『はーやーく!わたしはでるのー!!』
感想待ってる(期待に満ちた目)