魔王学院の不適合者 仮面の戦士の力を継承した転生者   作:コレクトマン

2 / 5
転生、入学実技試験

 

士が展開したオーロラカーテンを通過した俺は、あの時に意識を途絶えた。何秒……いやっ何時間経ったのか分からなかったが、ふと夢から覚めたように意識が戻ってきたそして俺が目を覚ました時には……

 

「あら。目が覚めたのね」

 

「いや~っこのまま一生目を覚まさないかと心配したぞ!」

 

何やらこの家の主である夫婦が、俺が目を覚ますのを待っていたようだ。この時に俺はある違和感を覚えた。それは、夫婦の背が高いという疑惑。その疑惑を確認しようと自分の手を見た瞬間、一瞬で理解した。どうやら俺は子供として転生してしまったようだ。……どうしてこうなった。

 

「貴方が外でレオンを肩車して遊んでいるときにレオンが木にぶつかって、気を失った時にはもう心配したのよ!」

 

「す、すまない。まさか気にぶつかるとは思わなかった、本当に申し訳ない」

 

どうやら俺はこの家の主の息子として転生したようだ。一応確認のために前世の名前を思い出そうとしたが、何故か晴れない靄がかかっているかのように思い出せなかった。これが転生の代償なのだろう。今わかっているのは、自分はレオンという名前であることだけだ。すると脳裏にある言葉と魔法が浮かび上がった。その魔法が気になったのかつい口に出してしまう。

 

「……成長(クルスト)?」

 

そう唱えた瞬間、俺の体は一気に高校生と同じ年齢までに急成長した。その時に俺が急成長を目撃した夫婦は驚愕の表情を浮かべている。この時に俺は思った。やらかしたと……

 

「え……あ……お……」

 

「ちょ……の……お……」

 

「あぁ……やらかした」

 

「「お、お……大きくなったぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」」

 

その際に夫婦もとい、父のダルと母のミーアから事情聴取を受けることになったのは言うまででもない。

 

 

俺が転生し、この世界に過ごしてから一ヶ月が経った。俺は自室にて一ヶ月間のことを振り返っていた。この一ヶ月で分かったことは、この体の持ち主の名は“レオン・オーマ”という人間の血を濃く継いだ魔族の混血の少年。生まれた時から病弱体質だった故か外に出る機会が少なかったようだ。その為故か両親にいつも心配をかけてしまっていた。何かと親バカ感というか愛情表現が強すぎるような気がする。なにせ……

 

「もう……仮に前世の記憶があったとしても、貴方は私たちの子よ。赤の他人には到底できないわ」

 

「あぁ!どうあっても父さんと母さんはお前の味方だぞ!」

 

前世の記憶を持った俺を否定せず、むしろ肯定して受け入れている。これほどいい親に恵まれたことか。それはそうと、ここ一ヶ月の間、俺は自分の力を把握すべく色々な魔法に挑戦しつつも、仮面ライダーの力を発現させる訓練を行った。そのおかげで全ての平成ライダーに変身することが可能になった。令和ライダーはもう少し訓練すれば全ライダー変身可能になる。

 

そう活き込んで訓練を続けようとした時に一匹のフクロウが部屋の中へ飛び込んできた。そのフクロウが口に挟んでいた招待状らしき手紙を俺に渡した。招待状の内容にはこう書かれていた。

 

“レオン・オーマ様。おめでとうございます、あなた様は始祖の血を引かれる者として〚魔王学院 デルゾゲート〛の入学試験に招待されました”

 

「デルゾゲート……

.確か、魔王の城の名前だったな。城を学園として再利用した感じか?」

 

俺は改めてデルゾゲートのことを考えていると、招待状を渡したフクロウが口を開いた。

 

《デルゾゲートは魔皇を育成する学校でございます。暴虐の魔王を始祖とし、魔王の始祖に最も近き者を魔王として君臨させるのが魔王学院の役割です。あなたは始祖の血を引かれる御方……故に招待状をお持ちしました》

 

「なるほど。……そういえば、今年は確か……」

 

《はいっ……今年は始祖が転生される年です。今年入学予定の生徒は、混沌の世代と呼ばれるほど有望な者が揃っております。その中には始祖ではないかと目されるものが何人もおります。始祖が帰られた暁には、デルゾゲートは魔族の歓喜で賑わうことでしょう》

 

「……もうそんな時期なのか」

 

俺としてはもう少し訓練して、万全の状態から入学試験を受けようと考えていたが、とても間に合いそうにないのでライダーの訓練は学校か自主練で行うことにした。

 

「……わかった。招待状は確かに受け取ったよ」

 

《ご入学をお待ちしております》

 

招待状を渡し終えたフクロウは直ぐに俺の部屋を後にした。俺は魔王学院の招待状のことを両親に伝えると……

 

「すごいわぁ~レオン!あの魔王学院から招待状が送られるなんて~!」

 

「あぁ!やっぱり俺たちの子はきっと立派な魔王になるに違いない!」

 

「ハハッ……大げさすぎると思うけど、招待されたからには頑張るよ」

 

あまりにも過剰な愛表現にもはや苦笑いしかない。この世界の魔王である彼もこんな感じで苦労しているのだろうか?

 

 

それから時が経って……

 

 

魔王城こと魔王学院デルゾゲートの城下町“ディルヘイド”に引っ越した俺と両親は入学試験が行われる魔王学院の入り口前にいた。

 

「大丈夫よ、レオンならできるわ」

 

「あぁ、だから胸張っていってこい!」

 

「もとよりそのつもりだけどな。……じゃあ行ってくる」

 

そうして両親に見送られながらも魔王学院に向かう俺。すると周りから何かしらの声援が聞こえた。

 

「がんばれ、がんばれアノスッ!!」

 

「アノスちゃん、しっかりねー!!」

 

「フレー、フレー、ミーシャッ!!ファイト、ファイト、ミーシャ!!」

 

ミーシャとアノス。その名前を聞いた瞬間、俺はいち早く周りを見てみるとそこには、この世界の魔王こと暴虐の魔王“アノス・ヴォルディゴード”とネクロン家の一人“ミーシャ・ネクロン”の姿があった。まさかの早めのエンカウントに俺は一瞬だけ思考が停止しかけた。その時にアノス達とちょうど目が合ってしまった。

 

「あ……えっと、初めまして……かな?」

 

「……お互いに苦労するな」

 

「えっ?」

 

アノスからお互いに苦労すると言われたときに俺はどういう事だと思い後ろの方を見ると、そこにはアノスの両親とミーシャの親代わりの人、そして俺の両親がいた。アノスの両親とミーシャの親代わりの人が応援している中、俺の両親は声は出していないものの、手を振って見送っていた。これを見た俺は少しばかり羞恥心を感じた。

 

「アッハハ……その様だ。俺はレオン、レオン・オーマ。君たちは?」

 

「俺はアノスだ。アノス・ヴォルディゴード」

 

「……ミーシャ……ミーシャ・ネクロン……」

 

「アノスに、ミーシャか……今後ともよろしくかな?」

 

「あぁ。よろしくな、レオン」

 

「……ん……」

 

それぞれ自己紹介したアノスとミーシャ。アノスに関しては、あった瞬間から流石と言わんばかりの力と魔力を有していた。下手をすれば平成、令和ライダーの力をもってしても勝てない。そもそも、アノスとは敵対するつもりは毛頭ないから良いとする。ミーシャは案の定なのか無口な感じだ。まるで氷の姫君みたいな感じだ。物語上、彼らを守るのが俺の使命でありながらも彼らと友達になれたらいいなと思いながらも魔王学院の正門をくぐろうとした。すると、目の前に男が立ちはだかった。

 

「は。親同伴で入学試験たぁ、いつから魔王学校は子供の遊び場になったんだ?」

 

「……おい、あれ?」

 

「ああ……まずいな……。傍若無人なゼペスに目をつけられたら、あいつ、五体満足で帰れるかどうか……」

 

入学試験を受けに来た生徒たちが何やらざわついていた。どうやら目の前にいるゼぺスという男は魔公爵家の血族らしい。俺個人としてはあまり面倒ごとは関わりたくないので俺の行動は決まっていた。

 

 

それは……スルーすることだ。

 

 

アノス達もゼぺスのことを気にせずミーシャと試験について話しながらスルーしていった。

 

「んなっ!?おい待て!!貴様らだ、貴様らっ!!」

 

どうやらスルーすることはできなかったようだ。一応相手を怒らせないよう口を開く。

 

「いやっすまない。俺は面倒な人物はスルーする方針なんだ。だからそうカリカリするな」

 

「悪いな。魔力が小さすぎて目に入らなかった」

 

「な…!?んだとぉ…!?…特に貴様っ!このオレを、魔公爵ゼペス・インドゥと知っての侮辱か?」

 

「魔公爵…?聞いたこともない」

 

アノスよ、何で火に油を注ぐようなことを言うんだ?ほら、あのゼペスって奴が魔方陣を展開して攻撃魔法を放とうとしているよ。……まぁ、アノス相手には低レベルの魔法だが。……だが、試験前の厄介ごとは祓っておく必要があるな。

 

「はっ!命乞いをすれば許してやる。早くしねぇと神々すら焼き尽くすと言われたこの闇の炎で、嬢ちゃん諸共骸骨にしちまう“パーンッ!!”……!?」

 

この時に俺は手と手を鳴らすように叩き、小さな衝撃波を放ってゼぺスの炎を消した。

 

「はいっそこまで。試験前に問題を起こしては入学出来ないだろう。決着は実技試験の時にすればいい」

 

「な…き、貴様っ!?いったい何をしたっ!?」

 

「何って……面倒ごとを起こす火の粉を消しただけだ。この学院前で火災を起こしたらそれこそ問題だろう?常識的に考えて……」

 

「くはは!まさかそれだけの理由でマッチの火を消したという事か。面白いな、お前?」

 

そうアノスが言うが、前世の俺の世界は小さな火の粉でも火災になるからマジで気を付けた方がいい位だ。世の中には山火事やそういったもので焼死してしまうことあるからな。火事は危険、いやマジで……

 

「俺の魔炎(グレスデ)が、マッチの火だと……!?貴様ぁ……これほどの侮辱……生きて返すと思うな「“待て”」……ぐっ!?」

 

ゼぺスが言っている最中にアノスが言霊で無理やり黙らせちゃったよ。相変わらず凄まじいものだ。

 

「う、動かな……な、なにをしやがった……!?」

 

「これしきの言霊で言うことを聞くとは……まあ、“しばらくそこで反省しろ”」

 

そうアノスが言った瞬間、ゼぺスはまるで某海賊王のネガティブの力を受けてしまった者のようにネガティブになってへこんでいた。野次馬たちもゼぺスを黙らせたアノスに驚愕していた。その中には俺に対する視線もあった。

 

「完全に目をつけられたか……はてさて、この先どうなることやら……」

 

俺は一生別の意味で生徒たちに白い目で見られるだろうなと悟った。……といっても、前世での経験があるためにそういうものには慣れているけどな。

 

 

魔王学院の実技試験は、闘技場での受験生同士の決闘である。あらゆる武器、防具、魔法具の使用を許可されており、勝ち抜くことが絶対条件である。敗者は失格となり、勝者は五人勝ち抜くことで次のステップである魔力測定、適合検査に移行し、初めて魔王学院へ入学できるのだ。決闘順は招待状に記載されているアルファベット順にミーシャはE、アノスはF、そして俺はGとグループ内で決闘を行う。

 

アノスの決闘相手がゼぺスだった。二人の決闘を観戦していたが、アノスの圧倒的強さに一方的なワンサイドゲームが成り立っていた。ゼぺスを殺しては蘇生魔法蘇生(インガル)で蘇らせ、また殺しては蘇らせと無限ループを繰り返していた。

 

アノス曰く、三秒以内に蘇生を使えばリスクなしで生き返る。俗に言う三秒ルールだそうだ。……そんな三秒ルールがあってたまるかと思ったのは俺だけではない筈。単にゼぺスは運がなかったのだ。アノスと敵対したことで既に敗北していたのだ。

 

アノスの決闘を見届けた後、俺は控え室で待機していた。そして俺の番がやって来た。闘技場のフィールドに立ち、決闘相手と相まみえる。相手の武器はブロードソードに鎧とフル装備できたようだ。大してこちらの装備は……

 

「っ…!お前、ふざけているのか!?」

 

「ふざけていない。俺の場合は特殊なだけだ」

 

俺がもっている装備は鉄でできた棒と銃に見立てた木の工作品の二つだけ。それらを地面に捨てて一旦観客席の方を見る。そこにはアノスとミーシャがいた。

 

「ここでかっこ悪い所は見せられないな。……行くとするか」

 

そう改めて覚悟を決めた俺は、両手を腰の前でかざし、変身ベルト“アークル”を出現させた。アークルのバックルには霊石アマダムが輝いていた。アークルを出現させ、右手を左斜め上に伸ばすと同時に左手を左腰に添える。そして、右腕の位置を左から右へゆっくりと移動させ、俺は口に出す。決意の言葉を……!

 

「……変身っ!」

 

叫んだ後、右手を左手の上に移動させ、左手でアークルの左腰にあるスイッチを押し込んだ。身体を開き、アークルが唸りを上げていくと、俺は古代リントの戦士“仮面ライダークウガ マイティフォーム”に変身した。

 

“邪悪なる者あらば 希望の霊石を身に付け 炎の如く邪悪を倒す戦士あり”。それがクウガ マイティフォームである。

 

「な…!?なんだその姿はっ!?」

 

「……フッ!」

 

相手が変身した俺の姿に戸惑う中、俺は一瞬の隙を見逃さず一気に走り出し間合いを詰め、拳で腹に一撃くらわせる。しかし、此処で問題が発生した。一撃を食らった相手はそのまま気絶してしまったのだ。……無理もない、仮面ライダーのパンチ力とキック力は(トン)クラスなのだ。

 

それを腹パンで一撃とかなりオーバーキルなのだ。この時の俺は加減をしなければ相手にとって死ぬレベルで危険だと改めて認識し、力加減に気を付けるのだった。ともかく、一回戦はクウガのマイティフォームの一撃で勝利を収めた。残りの四連戦はクウガの力を加減しながらも相手の武器と防具を破壊するだけに留め、フォームチェンジすることもなく無事に五連勝を果たすのだった。

 

 

実技試験を終えた後、魔力検査のために合格者が集まっていた。そこにはアノスとミーシャの姿があった。

 

「アノス、ミーシャ。どうやら実技試験は合格のようだな」

 

「レオンか。お前の戦いを見ていたぞ、変わった力を持っているようだな」

 

「……ん、レオンは少し変わっている」

 

「まぁ、俺の場合は少し特殊なんだよ。さっきの変身は俺でしか出来ない特技だ。他の者には真似できない」

 

アノス達は俺が仮面ライダーに変身したことに興味を示していた。この力は偉大なる人たちから継承した力であるが故に、負けることはできないのだ。そう考えているとフクロウが飛んできた。

 

「只今より、魔力測定を行います。魔力水晶の前にお並びください。測定後は隣の部屋に移動し、適性検査を行います」

 

それを切っ掛けに魔力測定が行われた。一部は百の者がいれば千の者、万の者がいた。ミーシャの魔力は100246と高水準の魔力を宿しており、アノスに至っては魔力が多すぎて測定不能の0が出て、魔力水晶が壊れてしまう。アノスの次に俺の番が回って学院側が新しく用意した魔力水晶に触れる。この時に俺は思った。確かライダーの中で魔法使いの仮面ライダーはウィザードやビースト、メイジにワイズマン、そしてソーサラーと五人分の魔力を宿しているが為にちゃんと測定できるだろうか?

 

その予感が別の意味で的中した。アノスと同様に0と表示されると同時に魔力水晶が砕け散った。

 

「……あぁ、またやらかしてしまった」

 

「意外……アノスと同じ……」

 

「本当に面白いものだな、レオン」

 

魔力測定では色々とあったが、次の適性検査では様々な質問をされた。魔王の本名や、何故街を焼いたのか、そして適性のある子とない子の何方を救うか始祖の視線で答えよと質問の連発だ。魔王の本名に関しては既に答えは近くにいるので最初の質問は意味を成してはいなかった。二つ目の質問だが、記憶が正しければ当時の魔王が寝ぼけていた為に間違って魔法を発動してしまい、街を一つ焼き払ってしまっただっけか?そして最後の質問だが、魔王関係なく俺は両方を救うと答えた。

 

それ以外の質問も答えて無事にアノス達と合格し、魔王学院の入学が確定した。この先で俺は無事にアノス達を守れるだろうか?……それ以前にアノスは助けはいらなさそうな感じする。何せ、暴虐の魔王という肩書きの通りチートの塊だ。逆に俺がアノスの足を引っ張らないようにしないように気を付けることにするのだった。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。