2040年代後半、地球の情勢は荒んでいた。
新共産主義を掲げるチロマ社会主義共和国率いる社会主義協力機構、通称:社会軍とイニア合衆国などの世界民主主義連盟(World Democracy alliance)加盟国通称:WDa軍の間で冷戦が始まった。
この冷戦により世界は第一次冷戦時の時よりも大きく分断されてしまった。
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うううぅぅぅぅぅ…………
深夜1時過ぎ突如として鳴り出した警報音。
識別不明機を察知したらしい。
俺は、出撃の準備をしていた。
「今日2回目だぞ」
「はぁ、毎日毎日飽きんのかね」
基地内はピリついていた。
ここはWDa(World Democracy alliance)加盟国日本・防衛隊下総基地で管轄範囲は房総と房総沖である。
ここ最近は太平洋に新たに造った人工浮島の基地拠点から飛来しているらしい。
レーダーはここから350マイル先の太平洋沖に6つほどの機影を捉えた。
時速はマッハ2程度らしく西方向へ向かっていて、15分後には防空識別圏内に入るらしい。
建物から出てすぐ灰色の自分の機体に飛び乗る。
翼には赤色の剣と青の戦闘機が描かれている。
整備士が機体のチェックをし、自分はJHMRCS Ⅲ (ヘルメット装着式統合目標認識指定システム3)を頭にセットして、整備士の点検も終わった。
スタートボタンを押し、補助動力装置を稼働させ、電子機器を起動、タワーと交信する。
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格納庫から出てタワーの指示に従い滑走路内で待機する。
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タワーからの許可を得てエンジンの出力を高めた。
速度計の表示が勢いよく上がっていく。
130knほどまで上がったところで機首を上げ離陸する。
続いて2番機も離陸した。
基地から少し離れたところでGCIと交信する。
GCIからの指示に従い、目標まで一直線に向かう。
「ブレード、今回は多いな」
「ああ、だけど、流石に俺たちだけじゃないだろ」
「バーミリオン隊へ、君たちのほかに百里基地のと空母『あわ』のfragoreからも派遣している。空域到達後は前から3、4番目の機体に警告してくれ」
「こちら、バーミリオン01、了解」
「ほらな」
六機の襲来に対応するための下総の他に百里基地、東京沖にいた軽空母「あわ」からも二機ずつ向かっていて、レーダーで右前と左後ろにいるのを確認できた。
機数は違えどいつも通りに進んでいた
「フォール、今回もSu-78かな」
「いや、SR-70の編隊訓練かもしれないだろ。ほら、二週間後に建軍記念日じゃなかった?」
世界が二極化しているとはいえ衝突することはほとんどない。
年間1000回以上のスクランブルがあるが半分程度は領空手前で帰っていく。
もう半分は入ってくるが、警告を出すと素直に従って帰っていくので世界の秩序は保たれていた。
「こちらフラゴーレ1、アンノウンを発見、国籍はチロマと見られる、機体の型式は不明」
「了解、接近し監視せよ」
フラゴーレ隊の位置を見るためにレーダに目を向けると、識別不明機の編隊が崩れてフラゴーレ隊に接近しているのに気づく。
どうなるかと思いレーダーを見つめていたその時と一切の機影が消えた。
GPSもうまく機能していない。
強力なジャミングを受けているようだ。
「フォール、聞こえるか? 」
「あザァーかすkザァーーーー」
ぎりぎり聞こえる程度らしい。
周波数帯を変えて交信してみる。
「聞こえるか?」
「ばっちり聞こえるぜ」
「了解」
レーダーの周波数を変えると六機の機影があった。
「フラゴーレ、聞こえるか? 状況は? 」
「……フラゴーレ2、不明機と戦闘中、フラゴーレ1ロスト」
「了解」
「こちら、GCI聞こえるか、バーミリオン」
「バーミリオン1、感度良好」
「フラゴーレ1がロスト、2が交戦中、また敵機一機を撃墜、フラゴーレ、インジャリーも戦闘に参加せよ」
「直ちに向かう」
「散るぞ」
「了解」
「11時の方から敵機が来るぞ」
「フォール、レーダー照射を受けている」
「注意、ミサイル! 避けろ」
「うっ……」
フォールがフレアとチャフを巻きながら回避運動を行う。
「FOX2! 」
続けて俺がミサイルを打つ。
敵がチャフとフレアでかわす。
敵機のはらに向けてレーザーを照射するがダメージはあまりないようだ。
自機の残りのミサイルは10発となった。
ディスプレイに敵機の解析結果が出る。
どのデータベースにも当てはらずミサイルの搭載数は10発らしい。
「やはり新型か……」
敵機の背後を取るために操縦するがなかなか真正面に補えることができない。
その時唐突に照射警報が響わたった。
敵機の増槽が取れていき、中身が見えた。
そこにはミサイルが後ろ向きにセットされていた。
レーダー範囲から逃れるために急激に機首を上げる。
急激にかかるG。
「レーダー照射を受けている」
ミサイルが機体から離れるのが異様に遅く見えた。
回避行動をとるが迷わずこちらへ向かってくる。
右翼側で爆発し、機体が炎上する。
遠のいていく意識の中、ノイズが鼓膜をついた。
「ブレード、おい聞こえるか、おい。ドゴザザ……」
音が遠のいていくのを感じ、浮遊感を感じながら、それを最後に意識が途切れた。