遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜   作:SOD

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ほぼ確実にオタク推し問答(解釈違い)が決着することは無い。良くて停戦で終わる。


解釈不一致推し問答

 

 

 

 夜。イエロー寮。レスバに負けて遊乃を追い返した虚路居偽遊は、あれからすぐに眠っていた。夕方から今にかけて。

 

 「……………………久し振りに寝たな。レイに添い寝して貰って以来か」

 

 気分は晴れやか、とはならないが。それでも普段よりは幾らかマシな気分を感じながらベッドから降りる。

 

 「………………遊乃に、悪いことしたかな……」

 

 眠っている間に乱れた髪を掻き上げながら、夕方のことを思い出す。お互いコミュ障なものだから、上手く他人との距離が測れない。

 そんな二人の決定的な違いは、歩み寄ることを諦めないか、諦めているのかだ。遊乃は未だに諦めず、偽遊は完全に諦めている。

 

 「人格形成に重要な時期に、生き残ることに必死になるしか無かった人間に、距離感だの人の気持ちだのを上手く測れなんてのは酷な話だ。

 俺はソレが出来ないことと切り捨て諦めた。だがアイツはそれを諦めていない。

 

 …………ああ、ご立派なもんだよ」

 

 その独り言は、誰のためのものなのか? 誰も聞いていない部屋で一人。言の葉を綴り続ける。

 

 「出来なくても失敗しても、努力を続ける人間と。

 出来ないから失敗する前に何もしない人間。

 

 好き嫌いはともかく、どちらが辛く苦しい行動なのかは…………いや、これは比べる意味も無いな」 

 

 冷蔵庫からミネラルウォーターを一本取り出し、口を濯いでから一口飲み込む。

 

 「夜……そろそろ、奴が来る頃だろうか?

 

 転生者がセブンスターズ……つまり影丸の勢力で暗躍しているのなら、十中八九ダークネス吹雪のデッキは強化されている。

 

 

 十代のデッキが得意とする、様々な場面での対応力を更に伸ばしたデッキになるのか?

 

 速攻、又はロック系の【バーン】デッキなのか?

 

 『真紅眼融合』を毎ターン使用しつつ、魔法・罠でアドバンテージを広げていく【コントロール】?

 

 

 紅き竜がもたらすのは勝利では無く可能性とはよく言ったもんだ。候補が多すぎる」

 

 口の端が笑う。ソレはデッキビルダーとしての性か。デッキの可能性を考えることで、虚路居偽遊の気分は高揚した。

 彼は気付いたら生徒手帳を手に取って電話をかけている。

 

 『………………えっと、もしもし。こんばんわ』

 

 深夜にも関わらず電話を掛けられた相手は、文句も言わずに対応してきた。聖人だろうか。

 

 「よう、起きてたのか」

 

 『あ……えっと……はい…………ちょっと眠れなくって』

 

 「そうか。そりゃあ丁度いい。ちょっと夜の登山に付き合え」

 

 『…………登山……?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 三十分後。ワイルドボルケーノ(ジム・クロコダイル命名)の道中。

 

 

 

 「ゼェ……ゼェ…………辛い…………寒い。何だこれ…………」

 

 「何で誘ったんだよ!?」

 

 そこには山道中で息を切らしている情けない偽遊と、息一つ切らしていない遊乃がいた。

 

 「さ、寒いし……足痛いし……何なんだよこれ」

 

 「いや、登山としてはクッソ楽な方だろ。つーか何でいつもの服装(タンクトップ一枚、サンダル)なんだよ寒いし痛いに決まってんだろ! 山舐めんな!!」

 

 「むしろお前は何でそんな真冬にお出かけするね。キャッキャッ♪ みたいな装備なんだよ……火山だぞここ……(ガタガタブルブル)。何ピンクのコート着てんだよ! 何だよその背中のリュック!! ガチ登山か!!」

 

 「普通着るだろ! 山の上だぞ。寒いのは常識だから!!」

 

 「俺に常識を語るなぁ!!」

 

 「語られたくなかったら学べ常識を!!」

 

 普段だったら真逆の立ち位置。なんとも珍しい光景がそこにあった。 

 

 「ったくもう……ねえ誰か狂徒の人いないのー!? 神様が寒がってますよー!!」

 

 「いるわけねえだろ何時だと思ってんだ……SPじゃねえんだぞアイツラは……」

 

 歯をガチガチ言わせながらツッコむ偽遊。遊乃は一瞬自分のリュックに視線を移して戻す。

 

 「いいからちょっと呼んでみろよ。犬笛みたいな感じで来るかもよ?」

 

 「あー…………クソっ!!

 

 アンパンマンードラえもんーダレカタスケテー

 

 

 「ーーお呼びでしょうか、主様?」

 

 

 「ーーふわっ!!??」

 

 「やっぱいたか」

 

 

 見渡す限りのどこに隠れていたと言うのか。どこからともなく現れたのは辰の娘。選ばれたのは神龍でした。

 

 「ど、どこにいたのお前ェ!?」

 

 「我々狂徒は常に12時間おきに交代でメインとサブの警備がおります。お声掛けさえ頂ければ何時でもお役に立ってご覧に入れます。

 もちろん、主様が平素の服装で登山を行われるとなった段階で、サブの狂徒が用意した登山一式もスタンバイ済みです。

 

 

 どこぞのぽっと出に遅れを取ることなど、決してございません」

 

 横目で遊乃を恨めしげに一瞥しつつ、辰は防寒具と登山用の靴。靴下を準備する。

 

 「はぁ!? 別に私だって、偽遊さんの防寒具くらい用意してるが!? こっちとらシンクロモンスター売った金で潤ってんだよ! 恵はファラオで満足してから金かかんなかったしな!!」

 

 「…………………は?」

 

 信じられない言葉を聞いたような反応で、偽遊が遊乃を見た。

 

 「ふふふ……これはこれはご冗談を。それなら何故わざわざ我らを呼ぶように主様に進言されたのでしょうね?」

 

 「はっ! 私より長く偽遊さんと居ておいてそんなことも分かんねえのかよ!

 

 スッと出されるより焦らされる方が、性癖なんだよバーカ!」

 

 「ーー!???」

 

 「あれだけ辛いご様子の主様の近くにいて優先事項がご自分のことですか!

 主様は確かに言動からは想像もつかないほどに仁義に厚く、他者からの一方的な恩恵を受けることを良しとされない高潔なお方です! しかしだからこそ近くにいる事を許された者がそんな体たらくとは……!

 主様はレイ様にママ〜と甘えたいくらい母性大好きなお方なのですよ! 素直になれない方なのです! 察しなさい!!」

 

 「ーー!!!!???」

 

 ギャーギャーワーワーと言い争う二人。内容は偽遊の性癖暴露。地獄だろうか。

 

 「……………………」

 

 偽遊の顔が赤くて涙目なのは、登山の疲労なのか、はたまた二人の言い争いの流れ弾のせいなのか…………。

 

 「……………………先行くかぁ……うーさむっ」

 

 

 

 どちらにせよ、この推しの解釈論争はしばらく続きそうなので。虚路居偽遊は一人で先に進むのだった。

 

 

 

 

 5分で追い付かれた。

 





↓山を舐めたアホ偽遊さん


【挿絵表示】




段々争いが低レベルになっていった遊乃辰


【挿絵表示】



前回の感じからどうしてこうなったのか。

100話記念にヒロイン人気投票してみる。(ネームドに限る)

  • 早乙女レイ
  • 天上院明日香
  • イノ子
  • トラちゃん
  • ネズ太郎
  • メタウマ
  • レイン恵
  • 火武羅遊乃
  • トメさん
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