遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜   作:SOD

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投稿が遅いのは別にスイカ作ってるからじゃない……。

ところで最新話投稿する度に毎回お気に入りが何人か飛んでいくの何なん? 触れたら飛んでくタンポポの綿毛なの?


俺はメガネ掛け機(新八くん)じゃねえんだよ

 

 鮫島が恐る恐る慎重に扉を開く。それはさながら、ゾンビのいる洋館を探索するかのように。

 一秒先にも自分は獣の爪に引き裂かれているかもしれない。そんな危機感と恐怖心と戦いながら、退くことは許されない、誰より己自身に。

 

 そんな鮫島が、部屋に入って見た光景は…………。

 

 「……………………?」

 

 

 

 「はーい、レイちゃん〜もうちょっと右腕に全身を密着させる感じでー。あー別に筋力とか踏ん張りとか要らないから〜。いやマジでー。重要なのは接地面を増やすことだよ〜☆

 

 ネズ太郎さんはそのままお膝の上でお座りしててー。もしも何かお尻に硬いものが当たってたとしたら…………気付かないふりをして上げましょうねぇ〜。急に上下運動とか、お尻の肉を押し付けたりしないことー。暴発したら発案者の遊乃ちゃんが殺されるからね〜。

 …………おい止めろコラ。振りじゃねえぞ。

 

 ああ、それからサスケちゃん。君が全身で抱きしめている偽遊さんの左腕の肘関節を解放して上げてねー。偽遊さんは悦びの方が上回ってるから無反応だけど、普通その肘のキメ方はものっっそい痛いんだよー泣き出しちゃうんだよー」

 

 

 右腕にレイがコアラのように巻き付き、左腕にはサスケ。そして、お膝にネズ太郎を乗せた虚路居偽遊の姿だった。

 

 「これは……いったい?」

 

 「こんちゃ、校長先生。

 こちら、遊乃ちゃん発案の対偽遊さん専用封印術。

 

 名付けて、『幼遁・四肢封陣の術』です。

 

 普通なら成人女性の拘束すら厳しい三人の筋力と重量ですが、偽遊さんに限って言えば、これ以上の拘束具は無いと言えるでしょう。遊乃ちゃんかしこい! 可愛い!!」

 

 「…………コホン。

 すみません。少々真面目な話をしに来たので、少し席を外して頂けますか?」

 

 「ーー何言ってんだお前、正気か?

 

 今この世でもっとも自分の命の盾になってくれてる幼女3人を手放して、校長先生の命の保証があり得ると思ってるの?

 

 社畜は休日に出勤命令出してくる糞上司に対して、あらゆる憎悪と怨念を厭わない。ほら、見て偽遊さんのあの目。貞子だってもうちょっと理性を宿した目をしてたよ。ベンタブラックより暗い瞳だよ。

 

 

 それでもあなたは、彼女達をここから遠ざけますか?」

 

 

 「是非ともそのまま、私が帰るまで封印術を継続して頂きたいですな! ハッハッハッハッハ!」  

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 「で、何のようだハゲ」

 

 「タヌキを付けてください。ハゲでもせめてタヌキくらいつけましょう!?」

 

 「用がねえならさっさとそこの窓から飛び降りろ目障りだ」

 

 「いつにも増して辛辣ですね虚路居くん……」

 

 「とても素敵な何かの動画を食い入るように見ていたら、突然広告が挟まって、眼前に安田大サーカスのクロちゃんと背景一杯の無数のチー牛の投げキッスが広がったような心境だ」

 

 これにマイナスの感情を微塵も持たないと確信出来るノンケだけ、俺に岩を投げてこい。

 

 

 「それで……その、セブンスターズの件なのですが」

 

 「断る。死ね」

 

 「取り付く島もないっ!!」

 

 「話がそれだけならとっとと帰れ」

 

 「…………それが、そうもいかないのです」

 

 鮫島の目に、真剣さが灯る。

 

 「昨夜の戦いで……十代くん、亮は入院。天上院明日香くんと丸藤翔くんに至っては重症で、七精門の守護者としてはリタイアと言わざるをえません。

 昨夜偶然その場にいて戦ってくれた火武羅くん以外は、重症です。

 

 

 もう、この学園には戦力がいないのです。【キマイラ教】と、ソレを率いる獣王(キマイラ)。虚路居偽遊を除いては……」

 

 「フン。オベリスクブルーの雑魚どもに戦わせりゃいいだろう。

 

 普段あれだけイキリ散らしているエリートサマの実力を見せて貰おうじゃねえか」

 

 「…………キミには、釈迦に説法でしょう。

 

 オベリスクブルーは、あくまでも学園側が用意した基準を満たした生徒に送られる優待の称号に過ぎません。

 

 戦力としては……貴方の教えを受けた【キマイラ教】のオシリスレッドにも劣るでしょう。

 

 

 我々アカデミアの教員は、貴方より劣っている。デュエリストとしても、デュエルの指導者としても……」

 

 「だからどうした。給料出てんだろ。働け。

 

 テメエの給料は、泣き言を言うための支払いか」

 

 「……なるほど。貴方が私を嫌うのは、不甲斐なさのせいですか」

 

 「要因の一つだ。上げだしたら切りがねえ」

 

 「そうですか。

 

 ならば、今更恥の一つが増えても変わりませんね」

 

 「…………」

 

 鮫島が、額を床に付ける。日本では見飽きた土下座の構えだ。

 

 「どうかお願いします。虚路居偽遊さん。

 

 貴方の力を貸してください。そして、このデュエルアカデミアを護って頂きたい!

 

 キマイラ教(獣たち)の王、キマイラとして……!」 

 

 土下座の体勢のまま、小さな小箱を差し出してくる。七精門の鍵の入った箱だろう。

 

 「……………………」

 

 鮫島の言葉に沈黙するだけの俺。鮫島は更に遊乃に向き直った。

 

 「ふえ?」

 

 「火武羅遊乃さん。昨夜の戦いから唯一無傷で生還したデュエリストの貴女にも、是非お願いしたい!

 

 力をお貸し頂けませんか!」

 

 「私は別に良いよ? お金次第で」  

 

 「ーー!! 本当ですか!」

 

 鮫島が顔を上げる。遊乃は鍵を摘み上げてプラプラと弄ぶ。

 

 「言っとくけど私、安い女じゃないですよ〜?」

  

 「私に出来る範囲ならお礼は惜しみません。デュエルアカデミアをお願いします……!!」

 

 「いや〜そこまで言われちゃ仕方ないな〜! やっちゃおう☆」

 

 「………………」

 

 「…………虚路居くん。お願い出来ませんか……?」

 

 鮫島の真剣な声に、俺は小箱を拾い上げて中身を見る。

 

 (これが七精門の鍵か。現物見るのは初めてなんだよな……)

 

 なんてことのない立体パズルのなり損ないだ。

 俺は蓋を閉じて、鮫島に返答する。

 

 

 「断る」

 

 そして、箱を投げ返した。

 

 「……………………どうしても……ダメですか……」

 

 「何度来ようが、俺は断る。百回でも、千回でも」

 

 「……………………わかり、ました……」

 

 鮫島はそう言うと、小箱を拾って出ていった。

 

 

 「………………偽遊」

 

 パタンとドアが閉まった後、それまで黙っていたレイが口を開いた。

 

 「……何だ」

 

 「どうして戦ってあげないの? 校長先生、必死だったよ……」

 

 「みたいだな。

 だが、俺には関係無い」

 

 「………………………そっか。

 

 ボク、偽遊は真剣な気持ちは無視しない人だと思ってたよ…………」

 

 レイの目尻に涙が浮かぶ。

 それは、期待を裏切られた涙か……それとも、他の何かか。

 

 「…………ごめん、ボクももう戻るね。

 

 なんか……今、偽遊と一緒にいたくない」

 

 「…………ああ。ネズ太郎、悪いが着いてやってくれないか?」

 

 「大将の頼みとあれば、喜んで」

 

 「…………ごめん、ごめんね偽遊…………命懸けの戦いなのは、ボクも分かってるのに……っ」

 

 「良いんだよ。涙に罪は無い。

 

 受け止め切れない感情で心が壊れないように、人は涙を流すんだ」

 

 「………………うん」

 

 浮かない表情で部屋を出ていくレイと、小さな身体でお姉ちゃんのようにレイに着いていくネズ太郎。

 二人を見送って、俺は腰掛けていたベッドに寝転んだ。

 

 「……………………はぁ」

 

 「慰めてあげよっか? パパ」

 

 すると、遊乃が無駄に良い顔面を近づけて可愛い子ぶった声で煽って来やがった。殴りてえ。

 

 「…………持ってきた下着寄越せ。被ってやるから満足したら帰れ」

  

 なんかドッと疲れた。眠れないにしても休みてえ。その為にはまずこの歩くストレスフリーWi-Fiをオフにする必要がある。

 

 「よいっしょ……っと」

 

 遊乃が俺の身体に跨ってよつん這いになる。絵だけ見れば色気のあるシーンかも知れない。

 

 「…………膝を上げたら上手いこと股関節に膝蹴りを入れられそうだな」

 

 「いや止めてよ!? 女の子でも痛いやつだからね!!」 

  

 「ならさっさと退け。鬱陶しい」

 

 「まあまあ、折角だから可愛い遊乃ちゃんと性癖ドストライクなちっちゃいおっぱいを堪能してなって。ほら、見えちゃうかもよ…………?」

 

 そう言いながら、遊乃は俺の鼻先を髪で擽りながら俺の脚を弄ってきた。

 具体的には、ズボンの右のポケット辺り。

 

  

 「……………………二人っきりだね?」

 

 「…………誰かしらいつも覗いてるけどな」

 

 「……………………みんなに内緒でシたい?」

 

 「………………………………ああ」

 

 「………………大変なことになっちゃうね?」

 

 「………………乱交よりはマシだろうよ」

 

 「………………純情なんだから。これだから童貞は」

 

 「…………仕方ないだろ。俺の身体は一つきりだ。

 

 全員の面倒なんか見れるかよ」

 

 「………………そうだね」

 

 そう言うと、遊乃は俺の髪に唇で触れて起き上がってベッドから降りた。

 

 

 

 「じゃあ、私たち転生者組。本格的に原作介入だね!」

 

 「………………まるで主人公みたいなセリフだな。

 クソ似合わねえ……」

 

 「偽遊さん捻くれ者のツンデレだもんね☆」

 

 チュッと右手に持った七精門の鍵に口づけしながら、訳の分からないセリフを吐く遊乃。

 つか、そんな誰が触れたか分かんねえの口に入れんなよきったねえ。

 

 「意味が分かんねえし脈絡もねえな」

  

 「私は分かるから良いってことよ!」

 

 再度近づいてきた遊乃は、俺のズボンの両ポケットに手を突っ込んで来た。なんだろう。バカかな? 

 

 「…………ほんっと……やっばいくらい格好良いよ……偽遊さん。

 ちゅっ」

 

 テンションが余程バカになっているらしい遊乃は、今度は俺の目元に口を寄せて来た。

 そして、ズボンのポケットから両手を出して、左手の鍵を差し出して来た。

 

 「首にかけて。一度やって見たかったの。表彰式みたいなの!」

 

 「…………表彰されるようなことしてから言え」

 

 面倒くさいので、仕方なく首に掛けてやった。

 

 鍵に首に掛けるための糸? 的な物が標準装備なのは原作通りです。

 

 

 

 「よっしゃ! そんじゃあお金の為に頑張ってきますかね!

 

 偽遊さん、また今度メガネ掛けさせてね〜!!」

 

 

 そうして、遊乃もようやく部屋を出ていくのだった。

   

 

 

 

 

 

 「………………俺はメガネ掛け機(新八くん)じゃねえんだよ」

 

 




やっぱり偽遊くん、命懸けのデュエルも禿狸に言われてデュエルすんのも嫌だってよ!(笑)

100話記念にヒロイン人気投票してみる。(ネームドに限る)

  • 早乙女レイ
  • 天上院明日香
  • イノ子
  • トラちゃん
  • ネズ太郎
  • メタウマ
  • レイン恵
  • 火武羅遊乃
  • トメさん
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