遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜   作:SOD

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キャラクター紹介


辰(16)

身長160cm 体重50kg

脳内のCV 早見沙織さん(ラブリーマイエンジェルあやせた〜ん)

大きく柔らかく形良く。
引き締まって
柔らかい

 
好きなもの

虚路居偽遊 自分より優れている者(エジソンなどの人類史の変換点になった偉人など) 整理整頓
 

嫌いなもの

愚か者(勉強が出来ないとかではない) 火武羅遊乃


ハマっていること

偽遊が食べているお菓子の自作。(いずれ購買部よりも自分のところにお菓子を要求しに来るようにしたい)


将来の夢

未定


裏話

知能が高く何でも覚える。文武両道。
一方で自分だけの特別な何かが無いことは小さなコンプレックスになっている。


ダークネスの影が悍ましい製造方法で生み出されていたことに気付いている。その理由はーーーー。






 




ただ、抱きしめて欲しいだけだ。

 

 「…………………………」

 

 

 これまでのあらすじ。万丈目サンダー。お兄ちゃん取られる。

 

 

 「な? 簡単な話じゃないだろ」

 

 ただただ沈黙して画面を見続ける万丈目に、偽遊が呆れたように話しかける。ゴソゴソとチュッパチャップスの包みを開くのに苦戦しながら。

 

 「俺も驚いたもんさ……まさか学校でNTR構文を聞くことになるとはよ。

 

 しかも男同士。ポリコレ配慮に痛み入るなあオイ。

 掘られるのはどっちだ?」

 

 「……………………」

 

 「返事がねえ。ただの屍のようだ。

 

 クロノス先生。惡いけどちょいふたりきりにしてくれます?

 そこのすっげえキモいデザインの人形も持っていって」

 

 「分かったノーネ……」

 

 『すっげぇキモいとは……私のことですか?』

 

 

 クロノスは鮫島の疑問には答えずに校長室を退室する。

 後に残るのは万丈目と偽遊のみ。

 

 

 

 『知っての通り、我々の目的は「政界」』

 

 『「財界」』

 

 『『『そして「カードゲーム界」に君臨し、世界に万丈目帝国を作り上げること!』』』

 

 

 「………………長作兄さん…………正司兄さん…………」

 

 

 虚ろな瞳でかつての兄達を呼ぶ万丈目の声は、もちろん録画の二人には届くはずもない。

 画面の向こうにもいない二人の兄達。触れられもしないその姿を求めて、画面に額を埋める。

  

 「にい…………さん……………………っ」

 

 ポタリ。

 校長室の無駄に汚い金を掛けたであろうカーペットに、純粋な涙が零れ落ちる。

 

 万丈目の姿は、まるで世界に一人だけ置き去りにされた迷子。

 自分の生きた世界の全てに、忘れられてしまったよう。

 

 「長作にいさん…………正司にいさん………………っ」

 

 二人の胸の中で泣きたい思いで、画像を映し出すだけのモニターに縋る。

 恥も、外聞もない。

 

 悲しい。喪失感でいっぱい。悔しい。

 

 

 

 

 違う。

 

 

 「かえりたいよ…………っ。にい、さん…………!!」

 

 

 ただ、抱きしめて欲しいだけだ。

 

 

 

 『というーわけでぇ〜ちゃんボクが、元三男にデュエルで勝てたら、海馬社長が買収に応じちゃう的な。

 

 なんで、お兄ちゃんに捨てられて傷心なとこメンゴなんだけどさ〜。

 

 

 明日ちょろ〜んと出てきてさ。()()()()()()()()()()()()()? もっかい、みんなの前で負け犬になってチョーダイ!』

 

 

 グイッ!!

 

 

 「ーーえ……?」

 

 

 バァン!!!!

 

 

 万丈目が何かに引っ張られて尻もちを付いた後、蛍光灯が破裂したようなボンと言う音と焦げ臭い臭いが拡がった。

 

 顔を上げれば、破壊されたモニター。首から上の無い自称万丈目兄弟三男。

 

 そして、それをやった張本人の脚。

 

 

 「………………………………偽遊」

 

 

 「あーわりぃ。まだこの動画の続きあったんだけどもよ。

 

 俺コイツのふざけた声がどーにも癇に障るんだよな。

 

 

 我慢できなかったわ」

 

 

 「…………………………」

 

 

 偽遊の声に、万丈目は応えない。

 

 ただ、頬を伝う涙が、有るがままに流れているだけ。

 

 

 「……………………まあアレだ。泣きたきゃ泣いとけ。

 今更俺に隠す体液なんざねえだろ。散々泣き叫ばせてたわけだし。

 この前鼻血も出してたし。あとは何だ? 脊髄とかの液体か?

 晒せとは云わねえから安心しろ」

 

 ボタリ……偽遊の頬からも汗が流れる。そして胸元からは血潮。

 

 「……………………いっそ、オレごと蹴り砕いたら良かったんだ……」

 

 

 「俺は、俺の敵に回った奴は殺す。

 俺の大切なものを、泣かせる奴も殺す」

 

 言いながら、グイッと乱暴に万丈目の髪を掴み上げて視線を合わせる。

 両者とも苦痛に歪む顔で目を合わせる。

 

 

 

 「ハア……っ、ハア……っ。

 

 ……っ、倫理だの道徳だの……語る気もねえ」

 

 「…………偽遊……キズが………………」

 

 無理に腕を上げること二回。もはや白い包帯やギプス固定が何の意味も成さないほど真っ赤に染まっている。

 

 「はぁっ……! 

 死にてえなら…………っ、……殺して、やる……」

 

 「キズが…………」

 

 意識飛びそうなほどの激痛と、聞き逃しそうなくらい小さく巨大な身体からの警鐘。

 全て無いことにして、校長室の床を赤く濡らす。

 

 「血が…………」 

 

 「気にすんな。

 死ぬってことは全部無くなるってことだ。痛みも、悲しみも、温かさも。

 痛みも、血も。出会いも、別れも……」

 

 偽遊の痛みを堪える汗が、万丈目の顔に伝って目尻から溢れる。

 

 「だから、万丈目…………お前、もしもまだ兄貴と家族でいたいなら」

 

 「………………」

 

 

 

 「あのいけ好かねえチャラ男殴り殺して、寝取り返してこい。

 

 家族の絆も、血の繋がりも。永遠なんて証明してくれない。

 

 欲しいものは…………自力で繋ぐしかねえんだよ」

 

 「偽遊……」

 

 「泣いてて迎えに来て貰えるのは、小学生までだ。

 

 ボケて徘徊するようになった家族を連れ戻すのは……若いやつの役目なんだぜ…………」

 

 「オレが……迎えに……?」

 

 「ああ。ボケてりゃお前のことも分からなくなるかもしれない。

 攻撃的になってくるかもしれない。

 それでもだ。お前が死ぬまで、ソイツと家族で居たいなら………………何が何でも連れ戻して来い」

 

 

 「……………………連れ、戻す………」

 

 

 「……………………………………………………………………………………………羨ましいよ。準。

 お前の家族は、まだ同じ空の下に居るんだから」

 

 「………………お前の……家族は……?」

 

 「………………………………さあな」

 

 「………………そう、なのか……」

 

 

 万丈目の目に光が戻っていく。生気が。力が。そして…………

 

 「……………………っ」

 

 「ーー偽遊!!」

 

 それと反比例するように、重傷の身体で一時のテンションに身を任せた大バカ者は気を失った。

 

 

 「おい! しっかりしろ!! 偽遊!

 

 くそっ!! 誰か! 誰か来てくれー!!」

 

 万丈目の叫び声が響いた次の瞬間、扉が開け放たれてクロノスが飛び込んで来た。

 

 「何事ナノーネ!?

 

 ーーマンマ・ミーア!!!?? シニョール偽遊があああああああああああああーー!!!!」

 

 「退いてくださいクロノス教諭!!

 

 偽遊くん聞こえますか!? 鮎川です!! 聞こえますか!?」

 

 クロノスに続いて、保険医の鮎川も駆け寄ってくる。

 偽遊が退室を促したところで、クロノスが早急に連絡を取っておいたおかげで、彼女はここにいた。

 

 「アワワワワワ!??? とんでもない血が流れているノーネえええーー!?

 

 急いで保健室にィィィィー!!」

 

 「バカかっ!? 保健室で済むような状態か!!

 何ですぐ病院に運び込まないんだ!?」

 

 「このデュエルアカデミアには、海馬コーポレーションが主体となって常に最新鋭の医療技術が提供されているの。

 下手にドクターヘリで移動して身体に負担を掛けるよりも、ずっと安全なのよ」

 

 「そ、そうだったのか……(風邪も引いたことないから、知らなかったな……)」

 

 

 「とにかく、彼を保健室に運びます。

 ストレッチャー!」

 

 「…………ここに」

 

 「ーーうおっ!? だ、誰だこの小さいのは!? いつの間に……」

 

 準備を終わらせた状態のストレッチャーを運んできたのは、狂徒の申。サスケ。

 モニターを偽遊が蹴り込んだ辺りで『……あ(察し)』となり、本来の護衛の担当よりずっと早く今の状態を予見した彼女は、一番近場に常備されているこれを用意してきたのだった。

 

 なお、本来の担当は…………。

 

 「め、メタウマちゃーん!! こっちこっちー!」

 

 「はいっ! 学園内ならどこでもおおよそ2分半以内で到着です!!」

 

 「こ、こんどは何だ……!?」

 

 「兎さんに呼ばれて飛び出てメタウマです! トメさんに人気投票で負けました……何故ですかぁー!!」

 

 「知るかぁー!!」

 

 「ナイス判断よ兎の子! ここにいるメンバーじゃ力に心もとないものね」

 

 万丈目(引きこもり)

 クロノス(オカッパ)

 鮫島(すっげえキモい)

 鮎川(女医)

 サスケ(論外) 

 兎(腕力は弱い)

 

 「お師匠様を運べば良いのですね!

 トップスピードで行けば十秒です!!」

 

 「わー!! ストップストップ!! だめだめだめだめ〜!!

 

 重病なボスを十秒で運んだりしたら死んじゃうから〜!

 

 担架に乗せるまでがメタウマちゃんのお仕事ですっ!」

 

 

 「そ、そんな……っ!? ならばせめて担架で御運びを……!」

 

 「メタちゃん身長高いからバランス崩れちゃうでしょー!」

 

 「力士のように腰を沈めて歩く覚悟です!!」

 

 「それで転んだりしたら大変でしょ! とにかくボスを運ぶのはわたしたちでやります!」

 

 「うう……っ、恵まれた身体がこんな形で害になるなんて……っ!!」

 

 

 「それじゃあみんな、ゆっくり運んでねー! せぇーのー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この後、保健室で治療してポケモンのように回復した。(怪我は据え置き)

 

 

 が、この事を知ったレイたんがついにブチ切れて完治まで外出禁止を言い渡された。

 

 

 

 「トイレ行きたいな〜」

 

 「尿瓶があるでしょ」

 

 「大がしたいな〜」

 

 「おまる用意して貰うね」

 

 「誰が捨てるんだよソレ……」

 

 「ボク」

 

 「やだっ……レイたんマジでママ……」

 

 「は?」

 

 「あ、すんません……」

 

 

 

 

 「お腹空いたしちょっと購買にでも……」

 

 「ドローパンと水は買い込んで置いたから、行かなくて大丈夫だよ」

 

 「お菓子ほしいな〜」

 

 「病人が食べるものじゃないから」

 

 「おおう…………レイたん、目が怖いお」

 

 「あ?」

 

 「いえ、何でもないです」

 

 

 

 

 

 

 




 偽遊「と言うわけだから、明日に向けての特訓は保健室で行う。

 ここをキャンプ地とする」

 レイ「………………」

 万丈目「…………おい、偽遊。なんなんだあの少女は?
 何でオレは親の仇のような目で睨まれているんだ?(コソコソ……)」

 偽遊「レイたん。俺のヨメ。今は鬼ヨメ」

 レイ「なんか言った?」

 偽遊「いいえ、なんでもありません。レイたんマジ天使」
  
 レイ「本当はこの講義だってさせたくないんだけど?」

 偽遊「はい。手短にします。すんません、ホンマすんません」 

 万丈目「…………………………あの獣王(キマイラ)が…………萎縮している……!????」



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