遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜   作:SOD

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 圧倒的戦力差とは如何なるものか。諸君らに示そうではないか。
 チートカードを使わず、クソゲーと醒めさせず、羨望の眼差しを集める、ロマンコンボにて。
  byもうすぐ消える転生者


VS【リバース】 〜ロマンとロマンの激突〜

 

 「ドローフェイズ。ドロー。スタンバイ、メインフェイズ」

 

 

 万丈目卓のターン。

 隙あれば煽っていた汚いチワワの瞳に真剣さが宿り、直視し難いシュールな絵になっている。

 

 「魔法カード『儀式の下準備』を発動だ」

 

 「儀式の下準備だと……?」

 

 

 聞いたことのないカード名に、『儀式』と言う名称。儀式モンスターに関する何かだろうか? 万丈目がそう予想している時……。

 

 

 

 

 

 「………………アイツ、転生者特典みたいなもので『幸運』でも貰ったのか……?」

 

 

 サーチ先を予想した偽遊が、表現し難い顔でポツリと呟いた。

 

 「相手が何を持ってくるのか分かったの、偽遊?」

 

 偽遊の座る車椅子を握りながら、偽遊の顔を覗き込んだのはレイ。

 偽遊がここに来るまでに様々な交渉が有り、結論としては車椅子の使用とレイから離れないことを条件にして今に至る。

 

 なお、SP(狂徒)達は全出入り口を固めている。

 

 「多分、持ってくるのは『タロットレイ』だな」

 

 

 「ーーオレは、デッキから『聖占術の儀式』と『聖占術姫タロットレイ』を手札に加える!」

 

 

 「当たったね。

 

 儀式モンスターって使う人ほとんどいないけど、あのモンスターって強いの?」

 

 「やりたいことをやれればしっかり強い。

 お手並み拝見だ」

 

 

 

 

 「魔法発動。儀式魔法『聖占術の儀式』!

 手札か場から、レベル9以上になるようにリリースして『聖占術姫タロットレイ』を儀式召喚!」

 

 「レベル9の儀式モンスター……偽遊の予想したカードの中には無かったものだな……」

 

 「オレがリリースするのは『冥占術姫タロットレイス』だ」

 

 

 

 聖占術姫タロットレイ ATK2700

 

 

 

 「ハハッ……これは酷い。

 是非とも俺もやってみたいね……」

 

 偽遊が苦笑いを浮かべながら、膝に置いてあったお茶を拾い上げようとして落としてしまう。

 

 「はい、どうぞ。偽遊」

 

 「ありがとう。レイたん……」

 

 お茶を渡した後前に向き直った偽遊の眉間に皺が寄っていたのを、レイは見逃さなかった…………。

 

 

 

 

 

 

 「モンスターをセット。そしてリバースカードオープン。

 永続罠『星遺物の傀儡』。自分のセットモンスターをリバースする!」

 

 「自分の場のモンスターを自由に表裏に変更出来る永続罠! こっちは偽遊の予想が当たっていたか!!」

 

 「セットした『影霊の翼 ウェンディ』をオープン! この瞬間リバース効果発動! デッキから『シャドール・ビースト』を裏側でセット!」

 

 影霊の翼 ウェンディ ATK3000

 シャドール・ビースト DEF2200(裏)

 

 「随分守りが固くなった。倒せる時に倒しておけという方針はこの為か」

 

 「守りだと? 寝ぼけてんじゃねぇよ! 教えが泣いてるぜ!!

 これら全ては攻撃の為の軍勢だ!!

 

 『聖占術姫タロットレイ』の効果を発動! フリーチェーンでモンスターを表裏に変えられる!」

 

 「何っ!? 永続罠だけで無く、モンスターにまでその効果があるだと!?」

 

 「『シャドール・ビースト』オープン!! リバース効果発動! 2枚引いて一枚捨てる!」

 

 シャドール・ビースト ATK3700

  

 「くっ……!!」

 

 「バトルだぁ!! ビーストでアームド・ドラゴン・サンダー Lv7にアタック!!」

 

 シャドール・ビースト ATK3700 VS アームド・ドラゴン・サンダー Lv7 ATK3500

 

 「ぐうっ!?」

 

 万丈目準 LP3800

 

 「影霊の翼 ウェンディでアームド・ドラゴン Lv5に攻撃!!」

 

 ウェンディ ATK3000 VS アームド・ドラゴンLv5 ATK2400

 

 「うう……っ!! アームド・ドラゴン達が、こうも簡単に……っ!??」

 

 万丈目準 LP3200

 

 「次ィ!! 聖占術姫タロットレイでダイレクトアタックだ!!」

 

 聖占術姫タロットレイ ATK2700

 

 「うわあああああああーー!!」

 

 万丈目準 LP500

 

 敵性の勢い付いた進行は激しく万丈目を攻めたてる。

 遂には直撃を喰らい、壁際まで吹き飛ばされた。

 

 

 「ハァ……ハァ……!! だ、だが……まだオレは生きている……!」

 

 

 「生きてるだぁ? 当たり前だろ。ってか息切れすんのは早ェよ。こんなもん、ただのジャブだぜ? ジャーブッ」

 

 

 「ーージャブ……!」

 

 

 

 《最強デュエリストの使うカードは全てがジャブ。様子見。牽制に過ぎない。

 

 牽制に失敗したからもう勝てませんだの、戦力の一部を取られたから負けましただの、あるわけ無いだろ。》

 

 

 

 「…………………………虚路居偽遊……奴は…………どこまで、高みに……?」

 

 

 

 「メインフェイズ2。カードを伏せる。

 後はエンドフェイズだが、その前に何かやりたいことはあるかぁ?」

 

 「なら遠慮なくやらせてもらおう。

 リバースカードオープン。永続罠『おジャマパーティ』。

 

 メインフェイズに一度、デッキから『おジャマ』と名のつくカードを手札に加えて、その後手札を一枚捨てる。

 オレが加えるのは『おジャマジック』。捨てるのも『おジャマジック』だ。

 

 墓地のおジャマジックの効果発動。デッキから『おジャマ・イエロー』『おジャマ・グリーン』『おジャマ・ブラック』を手札に加える。

 

 オレももうやることはない!」

 

 

 「そして、お楽しみのエンドフェイズだ」 

 

 「……お楽しみだと?」

 

 「そうさ! 聖占術姫タロットレイは、エンドフェイズに一度、手札か墓地からリバースモンスターを裏側で特殊召喚出来る!」

 

 「……なるほど、リバースモンスターを用意して、好きなタイミングでリバース効果を発動出来るわけか……!!」

 

 「そういう事。んで、さっきオレが儀式召喚する時にリリースしたモンスター覚えてっか?」

 

 「…………儀式モンスター…………まさか!?」

 

 「そのまさかだ!! 裏側で特殊召喚するのは、儀式モンスターにしてリバースモンスター! 『冥占術姫 タロットレイス』だぁ!!」

 

 冥占術姫タロットレイス DEF2700(裏)

 

 「こんな……こんなことが……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 万丈目卓 LP4000

 

 手札5

 場 

 地中界の厄災 星遺物の傀儡

 

 シャドール・ビースト ATK3700

 エルシャドール・ウェンディ ATK3000

 聖占術姫タロットレイ ATK2700

 冥占術姫タロットレイス DEF2700(裏)

 

 万丈目準 LP500

 手札5(おジャマトリオ)

 場 

 伏せ×2

 

 

 

 「ジワリ……。ジワリと。

 追い詰めてやる。

 

 ターンエンドだ」

 

 

 「オレのターン……ドロー!」

 

 (なんということだ。

 ライフポイント。手札の枚数に、場の状況。全てが劣勢だ……!)

 

 ジワリと嫌な汗を掻きながら、万丈目は歯噛みする。

 

 (だが……手が無いわけでもないか)

 

 「メインフェイズ。オレは、手札抹殺を発動。

 お互いのプレイヤーは手札を全て捨てて、捨てた枚数分ドローする」

 

 

 

 「へへへ。ああ、分かる分かる。おジャマジックからの手札抹殺コンボ。ちょうど『この時くらい』だよな。考え始めたの」

 

 

 

 「何の話だ?」

 

 「フフフ……気にすんな。別にお前に言ってるわけじゃねえよ。

 そのデッキを組んだ奴の話だ」

 

 

 「……?」

 

 意味が分からない。という顔の万丈目に特に何を言うでもなく、やれやれという笑い方をする卓。

 

 「まあ良い。ちょうど必要なカードは引けた。

 

 行くぞ! 魔法カード『サンダーボルト』!!」

 

 

 サンダーボルト。相手のモンスターをすべて破壊すると言うとんでもない効果を持つ魔法カード。

 そのテキストにより、場も手札もデッキも。全てからモンスターを破壊されたプレイヤーは数知れず。その極悪かつ全てを破壊する効果から、近年まで禁止カードとなっていたウイルスカードよりウイルスをしているカードである。

 もろちんウソである。

 

 「さあ消え去れ! リバースモンスター共!!」 

 

 バチバチと鳴り響く雷鳴が、敵を焼き滅ぼさんと降り注ぐ。

 

 「懐かしいねえサンダーボルト。昔はマジで強かったよなぁ……けど、今となっては無意味だ。

 

 チェーン。リバースカードオープン『身代わりの闇』。

 破壊効果を無効にして、デッキから闇属性レベル3以下のモンスターを墓地へ。『シャドール・ヘッジホッグ』だ

 

 ヘッジホッグの効果『影依の炎核 ヴォイド』を手札に」

 

 「サンダーボルトを無効にしただけでなく、モンスターを更に手札に加えた!?」 

 

 「『過去の強者』が先の未来でも()()()()()()()ことなんてねえのよ。

 時代に置いていかれるか、()()()()()()()()だけだ。現代や未来を憂います……なんて寝言(こうやく)でな。金儲けしか考えてねえ老人なんか特に。

 

 古い力は新しい力に飲まれ、新しい力は旧い神に食い物にされる」

 

 「何が言いたいんだキサマ」

 

 「へへへ。わっかんねぇかなぁ。

 

 どんだけ足掻いても無駄だって話だよ。タメになっただろう」

 

 

 「ふん。なんだ、聞いて損したぜ」

 

 「何……?」

 

 

 「お前の言葉は諦めばかりだ。

 

 だが。

 勝て、勝て、勝て。今日も明日も、その次も、次の次も。

 それが万丈目家の教えだ。

 

 

 お前にはその覚悟が無いらしい」

 

 「はっ……知ったようなこと言ってんなよガキ。

 ただ勝つだけじゃ虚しいんだよ。たまには負けたくなるもんさ。張り合いが無さすぎてよ!」

 

 「今までどれだけ勝ってきたのかは知らん。だがなぁ……。

 

 そんな体たらくだから、お前は今日オレに負けるんだぜ!」

 

 「オレに勝つつもりか? この状況で?

 やれるもんならやってみろやバカガキがああああーー!!!!」

 

 「やってやるともさ!! オレは手札から『おジャマ改造』を発動!!

 融合デッキから『ABCードラゴン・バスター』を公開。  

 墓地の『おジャマ・イエロー』『おジャマ・グリーン』『おジャマ・ブラック』をゲームから除外して、ドラゴン・バスターの融合素材モンスターをデッキから特殊召喚!!」

 

 「なっ!? ABCだと!?」

 

 「知っているなら話は早い!

 来い! 『Aーアサルト・コア』『Bーバスター・ブレイク』『Cークラッシュ・ワイバーン』!!」

 

 

 Aーアサルト・コアATK1900

 Bーバスター・ブレイクDEF1800

 Cークラッシュ・ワイバーンDEF2000

 

 「くっ……!!」

 

 このデュエル、初めて卓が焦る。

 

 (まさか万丈目デッキでABCを突っ込んでいやがるとは……!!

 流石にあのモンスターが居るとなるとやべえ!)

 

 

 

 「更に、墓地から『おジャマデュオ』を発動!」

 

 「このタイミングで『おジャマデュオ』だと? 

 カードそのものはメタモルポットで送られたとしても、何でこのタイミングで……!?」

 

 「デッキから特殊召喚するのは『おジャマ・レッド』と『おジャマ・ブルー』」

 

 おジャマ・レッド DEF1000

 おジャマ・ブルー DEF1000

 

 

 

 「手札から魔法カード『融合識別(フュージョン・タグ)』を2枚発動! おジャマ・レッドとおジャマ・ブルーをそれぞれ『VWータイガー・カタパルト』と『XYZードラゴン・キャノン』として除外して

 融合デッキから『VWXYZードラゴン・カタパルトキャノン』を特殊召喚!!」

 

 VWXYZードラゴン・カタパルトキャノン ATK3000

 

 「…………!!」

 

 「フィールドのA・B・Cを除外して融合デッキから『ABCードラゴン・バスター』を特殊召喚!!」

 

 ABCードラゴン・バスター ATK3000

 

 「ABCと……VWXYZが……同じフィールドに!!」

 

 何というロマン溢れるフィールドか。ABCとVWXYZが両雄揃い踏み。しかも1ターンで喚び出した。

 これに熱くならぬならデュエリストではない。

 

 しかし、卓は嬉しそうな……子供のような無邪気さを一瞬浮かべた顔を引っ込めて眉間にシワを寄せてしまった。

 

 

 

 「ABCの効果発動! 手札を捨てて、地中界の厄災を除外!」

 

 「あっ……」

 

 地中界の厄災がABCに射抜かれ、それまで恩恵を受けていたモンスター達は全てその力を失う。

 

 シャドール・ビースト ATK2200

 エルシャドール・ウェンディATK1500

 

 「これでお前の場のモンスターの馬鹿げた攻撃力は元に戻った!

 バトルフェイズだ!!」

 

 「ーー調子くれてんじゃ…………ねえぞ小僧おおおおおーーーー!!

 

 バトルフェイズのスタートステップ時、聖占術姫タロットレイの効果発動! 冥占術姫タロットレイスを表側に返す」

 

 冥占術姫タロットレイス ATK1200

 

 「この瞬間、タロットレイスのリバース効果発動! デッキからリバースモンスターを裏側で特殊召喚する!!」

 

 「相手のターンにリバースモンスターを特殊召喚……!!」

 

 「オレがデッキから喚ぶのはレベル9の『禁忌の壺』だ!!」

 

 禁忌の壺 DEF3000(裏)

 

 「そして、『星遺物の傀儡』の効果を発動。裏側モンスターを表に返す。

 表側守備表示へ!」

 

 禁忌の壺 DEF3000

 

 「禁忌の壺……一体どんな効果だ……?」

 

 「禁忌の壺は、リバースした時4つの効果のうち一つを選択して発動する。オレが選ぶのは、相手のフィールドのモンスターを全て破壊する効果だ!!!!」

 

 「相手のフィールドのモンスター全てを破壊するリバース効果だと!?」  

 

 「吹っ飛べやアアアアアアーーー!!!!」

 

 万丈目がサンダーボルトでそうしたように、今度は卓が相手の敵を滅ぼしにかかる。禁忌の力を存分に振るい、焼き直しが行われる。

 

 「リバースカードオープン。『無限泡影』!」

 

 「ぐ…………!」

 

 言わずとしれた無限泡影。相手のモンスター効果を無効にする手札誘発罠カード。縦列に相手の魔法・罠があればそれも無効化出来るが、大会勢にとって

 

 『相手の正体不明の伏せカードと同じ縦列で魔法・罠を意味も無く発動しない』

 

 は限りなく呼吸。或いは反射と同義なので、無効に出来るカードはない。

 最近、新しい定石が生えては来たが、使用頻度の関係で血肉になっているのは紛れもなく『無限泡影』の方だろう。

 

 「これでようやくこっちが攻撃出来るぜ!!

 

 行け、ABCードラゴン・バスター。冥占術姫タロットレイスに攻撃!」

 

 「くそっ……!! バトルステップ時、タロットレイスの効果発動!

 自分の場の表側モンスターを好き放題裏側に変える!!」

 

 「やってくれるぜ……!!」

 

 「オレは、全てのモンスターを裏側に変える!!」

 

 シャドール・ビースト DEF1700(裏)

 エルシャドール・ウェンディ DEF1500(裏)

 冥占術姫タロットレイス DEF2700(裏)

 禁忌の壺 DEF3000(裏)

 聖占術姫タロットレイ DEF1200

 

 「このままタロットレイスを攻撃だ!」

 

 ABCードラゴン・バスター ATK3000 VS タロットレイス DEF2700

 

 「次!」

 

 (VWXYZには攻撃宣言時に相手の表示形式を変更する効果と、場のカードを対象に除外する効果がありやがる。

 

 万丈目はここで何を狙い、何処を攻めて、どう崩してくるんだ……?)

 

 「へっ……へへへ……っ!!」

 

 卓は無意識に笑いが込み上げた。この笑いは、何の感情ゆえなのか……。

 

 「さあ、来やがれ万丈目」

 

 「望み通りにしてやろう。

 

 

 

 

 

 オレが攻撃するのは……!!」

 

 

 

 





どうだい? ロマンとロマンの激突。カタルシスは。
ガチカードとロマンカードの入り乱れる殴り合い。
『こうだから仕方ない』と『この方が熱い』の鍔迫り合い。

美しいだろう?



 良いんだぞ。好きになっても……。

デュエルについて

  • タリナァイ……もっと戦わなキャア……!
  • ハナス! ハナス! ゼェーンブハナシダァ
  • ガチじゃない決闘なんてツマラーン!
  • 意味も無く戦うカラ楽しいんだよォ!
  • 転生者…オリスト…結末は何処へ行く?
  • 見たいキャラのデュエルがある
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