遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜   作:SOD

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やあ、遊戯王GXリアタイ勢の諸君。作者だよ。
現代の若い子はどうやら西遊記の悟空の『ナマカ』を知らないみたいだよ。

どうして時代はいつもおじさんを置き去りにして行ってしまうんだろうね。


【ピロトーク】デッキ作りは良いぞ……【余韻】

 

 万丈目の万丈目による万丈目の為の万丈目決戦が終わり、一夜。

 

 万丈目兄弟は万丈目サンダーと少しだけ打ち解けたようだった。

 流石にあの弟が人前で自分たちを抱き締めながら号泣するところには、ミソッカスに積もったチリのカケラ程度の人の心でも思うところがあったのだろう。

 相変わらず、勝てだのエリートだの万丈目の未来だの言っていたが、去り際に……。

 

 

 

 『これからも勝利と栄光の為に励むのだぞ!

 

 …………まあ……その英気を養う為にも…………今度、食事の時間でも取ってゆっくり話をするとしよう』

 

 

 

 『お前は万丈目家の未来を背負っているのだ!

 

 ……なので………その……風邪など引かぬようにな』

 

 

 などとツンデレセリフを言って帰って行ったのが、サンダー的には本当に嬉しかったらしい。

 

 

 

 

 

 

 「…………感謝している。偽遊」

 

 わざわざ昼休みに保健室に顔を出したかと思えば、万丈目は手土産片手に開口一番頭を下げていた。んが、そんなことは今はあんまり重要じゃない。失礼な気もするが、マジでそれどころじゃない。

 

 

 「……万丈目。お前その制服どったの? ペンキ被って裾をバッサリ切られたの?」

 

 

 「…………むっ……あ、ああ……これは、その……」

 

 顔を赤らめて背ける万丈目。

 

 その色はまるで、()()()()()()()()()()()()だ。

 

 

 

 「…………まあ、その……なんだ……制服を新調する良い機会だったんだ…………。

 昔おまえに、汚い物を見る目で見られたのを思い出したのもあるが」

 

 

 

 万丈目の制服は『赤』い。オシリスレッドの制服そのものだ。

 原作では黒のままだったと言うのに。なんでまた。

 

 

 「……………………制服の色に拘っても、仕方がないからな。

 オレは今、紛れもなくオシリスレッドなんだ」

 

 「まあ、それはそうね。進級かかってるし」

 

 「それもあるな」

 

 「けどよぉ、言っちゃなんだけど……別に実力がどうので落ちた訳でも無いんだし、2年になったらチャッチャと昇格すれば良いんじゃね?」

 

 真面目な話、原作で万丈目が3期までオシリスレッドなのはシナリオの都合が100割だ。

 

 キモい下まつ毛とのデュエルで昇格チャンスがお流れになってその後に何の音沙汰も無かったが、3年になって唐突にラーイエローすっ飛ばしてオベブルへ。

 ギャグみたいな話ですが本当に起きたことなんです。

 が。実際その気になれば進級した後ならいつでも戻れるだろ。

  

 ところで奥さん。オベリスクブルーのモブのデッキに採用されてるカードご存知? 

 

 『援軍』よ『援軍』。

  

 『増援』じゃないの。

 

 そのターン中にモンスター一体の攻撃力を500上げるってだけの()()()3()()で 完 全 上 位 互 換 が出たあの『援軍』なの。 

  

 サテライト住民だってもう少しマシなカード持ってるぞ。

 

 

 そんなわけで、万丈目がオベブルに戻るつもりの無いオシリスレッド制服を着ていることに俺が驚いていると、何やらおずおずとした様子で疑問に答えてきた。

 

 

 「……その…………いい機会だと思ったんだ。これまでの自分から変わるには」

  

 「変わる……? 」

 

 これが醤油の零れたのを袖で拭かない男になると言う意味なら素晴らしいと思うが……まさかケチャップか? 黒い袖だとケチャップを拭いた時目立つという話をしているのか!?

 

 「うむ。なるほどな。

 確かに赤い制服なら、醤油を拭いた袖でケチャップを拭けばなんか塗装した感じになるな」

 

 なるか。

 

 「それは一度忘れてくれ! あああ〜〜っっ!! 

 

……………………………………だから……その、アンタの元で! 一から鍛え直したいと思うんだ」   

 

 言葉の意味が分からない俺に対して、万丈目は照れ臭そうにそう言った。

 

 「何でまた急に」

 

 「……オベリスクブルーであることは、オレの誇りだった。

 

 けど、今この学園の実力者はカイザーと天上院くんを除けば、殆どがイエロー、そして落ちこぼれのはずのレッドにすら力あるデュエリストがいる。

 

 カードには新しいも古いも無い。

 だが、デュエル・アカデミアは新しい時代に来ているんだ。

 

 

 虚路居偽遊という、新たな時代が……」

 

 「なんだろう、人を勝手に時代の年号にするの止めてもらって良いですか?」

 

 「ええいっ!! 人の話を茶化さずに聞けないのか貴様はぁ!!!!」

 

 「無☆理」

 

 「何でだ!!」

 

 「そんな当たり前なこと出来てたら『獣』だの『狂気』だの『人でなし』だの言われてねえよ」

 

 「開き直ることか!」

 

 「自分が出来ないことを出来ないって認めるじゃろ? 少しだけ人生が軽くなるんじゃよ」

 

 「軽いのは貴様のノリだ!!」

 

 「命も軽いぜ」

 

 「軽くては困るんだ!! お前の元で鍛え直すと言っているだろうが!!」

 

 「断る!! 基礎が知りたいなら()()()のお友達を作って教えてもらいなさいよ!! デュエルはコミュニケーションからだ!!」

 

 「人の話も聞けない奴が何をほざくか!!」

 

 「俺は良いんですぅ〜〜!! お前らに教えてもらうこととかねえからああああ〜〜! ベロベロババア〜〜!!」

 

 「誰がババアだぁ!!

 

 とにかく、オレはお前にデュエルを教わると決めたんだ!!

 何が何でもやり遂げて見せるぞ!!」

 

 「ふっ……死すら辞さない俺を相手に、何が出来ると言うのかね?」

 

 イザとなったら俺は逃げる! 死んでも逃げる! 逃げるが勝ちだ!

 俺は数多の転生者の中でも自分の命を軽く考えていることに関しては上位に位置する存在だ!! フハハハハハハー!!

 

 死んでも逃げるを物理的に実行した初めての転生者になるんだー!

 

 

 

 「オレも死んで追い掛ける」

 

 

 

 「………………え、何それ重い。ってか怖っ……何考えてんだコイツ。頭大丈夫そう? 誰も幸せにならないじゃん」

 

 「そうだ。お前が死んでも誰も幸せになどならん……」

 

 「武人系のヒロインみたいなこと言うじゃん」

 

 「早乙女レイだったか……どれほどの心の傷を負うか、想像が付くか?」

 

 「レイたん?

 まあ、初めて身近な命の死を体感するって言うのは、子どもは泣いちゃうかもな。

 

 けど、いずれはパパンもママンもいなくなっちゃうんだ。慣れておくのも人生さ……フッ」

 

 

 「…………………………………なるほどな。

 ヤツが最期に言っていた言葉の意味がよくわかった……」

 

 「ヤツ?」

 

 「………………卓だ」

 

 「……………………?? ………………??????」

 

 卓………………????????

 

 「…………誰、ソレ?」

 

 「昨日オレが戦った相手だろうが!!」

 

 「あー。あの爆裂顔芸チワワか。

 何、もう友達になったの? お前らってデュエルしたら相手はみんなお友達なの?

 世界平和かよ最高だな」

  

 

 「…………深夜に電話が掛かってきたんだ」

 

 「一晩すら経たずにかよ。面の皮の厚さがほぼ地球。

 

 んで、なんだって?」

 

 「………………少し長いから、黙って聞いておけよ」

 

 「頑張るかもしれない」

 

 「…………ハァ。

 

 奴の電話は、名乗りの後『対戦ありがとうございました』と言うセリフから始まったんだ……」

 

 

 

 その後の話は長すぎて、夜ふかしの仮面が欲しいレベルだったので、要所だけ纏めてみる…………。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『万丈目。お前の仲間に何人転生者がいるのは知らねえ。でも、きっとどんな奴らも、大まかに分けて3種類のタイプのどれかだ』

 

 『3種類……?』

 

 

 『ああ。

 

 1つは、この世界のデュエルが苦痛で腐るタイプ。正確には、磨いてきた腕を発揮する機会が無さすぎて、今までなんだったんだってなるタイプだ。

 

 この世界に夢を見て、大地を踏みしめたあの瞬間。

 まさか自分がこんなふうになるなんて、思っても見なかったよ……きっと、これまでを取り返せるよう幸せな人生が送れるんだと、信じて疑わなかった』

 

 『腕を発揮する機会…………』

 

 『ああ。この世界はデュエルディスクがあって、デュエルで人生を生きれる世界だ。

 だから、オレたち底辺の底の底辺達はこの理想郷に夢を視た……』

 

 

 

 『2つ、敵が居無さすぎるのは一緒だが……そこからまるで自分が王様か神にでもなったかのように振る舞うタイプ。

 

 このタイプはきっと大した強さはねえ。カードの力や【特典】で粋がるタイプだ。

 

 

 …………まあ、オレなんだがよ』

 

 『なるほど。きっと性格もろくでもないな』

 

 『ああ。なんたってそれまでクソ以下の立場だった奴が王様になったんだ。妄想だけどもよ。

 そりゃあ〜イキるイキるの大盤振る舞いだ』

 

 

 

 『そして3つ目は、幸せなことにこの世界の住人として馴染めるタイプ。一番幸せな転生者のカタチだ。

 

 

 

 

 なあ、万丈目。オレは別にオレの行いに言い訳したくて言ってるんじゃねえ。

 ねえけどよ……あのバーン使いや、お前にそのデッキを与えたヤツが、お前にとって少しでも『仲間』だと思えるヤツならばだ。

 

 ソイツをガチでやって倒せるほど強くなってやってくれ』

 

 『強くなって()()()()()?』

 

 

 『………………ああ…………実際に転生してきて初めて気が付いたよ。

 ここには、磨いた力を受け止めてくれるライバルがいない……力、知識。経験を。

 

 オレたちみたいなよぉ……腕を磨いて来たような大会勢(キモオタ)にとってはさ楽園だと思ってたんだよ。

 楽園だって…………この世界は…………。

 

 「楽園の姿をした【罰】」だった……』 

  

 『罰……!?』

 

 『ああ。

 楽しさを強くなることと置き換えた、修羅達の罰だ!!

 

 ファンデッキ使いなら、まだ勝負の駆け引きを楽しめただろう交流が、ただの一方的な蹂躙だ!!

  

 歯応えがない。手応えがない。苦戦が無い。学びがない。

 

 弱い……ッッ!!』

 

 『ーーっっ!!!!』

 

 

 『それでも…………オレたちは、これまで研いだ(デッキ)栄光(かこ)を棄てられない!!!!』

 

 

 『…………おまえ……』

 

 『勘違いすんな。

 別に同情して欲しいわけじゃない。

 

 

 人の人生を奪おうとしたカスに、そんなものは分不相応だ…………』

 

 

 『………………そう、か』

 

 

 『けど、お前と一緒にいる奴らは違うんだろ?

 

 だったらさ…………。

 

 

 

 強くなってやってくれ、万丈目サンダー』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「その言葉を最期に、何処かに落ちる音と、機械的な異音が耳を刺して……通信は途切れた」

 

 

 「…………ふーん。

 

 やだねえ。悪役のお涙頂戴展開なんて。

 

 フリーザ様を見習って悪党貫いて欲しいもんだわ」

 

 

 フリーザ様良いよね。悪役として最高の手本。

 

 いくらぶっ殺しても絶対に心痛まないと言う確信を得られるもの。

 ミノムシワロス。

 

 

 「だから、偽遊ーー」

 

 「冗談じゃねえぞ。万丈目」

 

 「え……?」

 

 

 「デュエルはな、楽しいものだ。

 

 お前はいつもいつも、兄のためだエリートの埃のためだと戦う理由を大義名分に求める」

 

 

 「大義名分……」

 

 「万丈目。

 強くならなきゃいけないわけじゃない。強くなりたいから、一歩前に踏み出すんだ」

 

 「強くならなきゃいけないわけじゃない……?」

 

 「遊びだぜ? 義務感でやり始めた時は休む時だ。いやいややり始めた時は休む時だ。

 

 そして、身体がデュエルを求めた時。押入れに入れといたデッキを、もう一度手に取るんだ。

 

 俺はそうやって生きてきた」

  

 

 「……………………」

 

 

 「遊べよ、万丈目。

 

 常勝、連勝、快勝、辛勝。

 

 

 どんな勝利でも、嬉しく無ければただの作業だ。

 

 デュエルが終わった後の空気の美味さを味わえないんじゃ、勿体ない」

 

 

 「ーー!!」

 

 

 こくり。万丈目の喉が鳴った。

 どうやら経験があるらしいな。

 

 

 

 

 「…………鍛え直す、か……。

 

 

 そんな面倒なのは御免だ。

 けどもまぁ……デュエルがしたいってんなら、相手をしてやるよ。

 

 なにせデュエルは、一枚じゃ仕事しないカードなんでな」

 

 「……? なんだその『一枚じゃ仕事しないカード』って」

 

 

 

 「フフ……。

 良し、どうせ暇だ。少しだけデュエルの話をしようか。

 

 

 

 その後で、今度は自分のデッキを作れば良い。

 デッキ作りは良いぞ…………準」 

 

 

 





 そろそろ年末企画の準備しないと間に合わねえな……格付けパロの回がやりてえ。

 でもコスプレ回の方もそろそろ誰に何着せるか考えないと。



 ああ……仕事さえなければ……ッッッッ!!!!!!!
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