遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜   作:SOD

131 / 210
三沢「ふふ……ふふふふ……!!!

 出来た……ついに……遂にオレは、やったんだあああああああーーー!!!!

 アハハハハハハハハ!!!!」


アン・ドゥー・ドロー!

 

 レッド寮の朝は早い。主に校舎までの道のりが長いせいで。

 ブルーとイエローはそこまででも無いのにレッド寮のアレはもはやイジメの域だろう。なにせ直線で結べば多少はマシな道のりを島の外周まで道を引っ張って大回りをさせるのだから。 

 オシリスレッドに落ちた生徒がドロップアウトした理由の3割程度はあの通学路にあったとしても不思議ではない。

 

 そんなクソ同然の通学路にも関わらず、物好きと言うのは居るもので…………。

 

 

 「3……2……1……」

 

 この早朝の訪問sーーファイヤー!!!!

 

 

 

 「ぬおわああああああーー!!??? な、何だ何だ!? 何事だぁ!?」

 

 

 オシリスレッドに落ちて、制服も赤に変わった万丈目準の初めての寮の朝の目覚ましは、リボルバードラゴンによるささやかな目覚ましにより始まった。

 

 

 「転寮早々オレを殺す気だったのか三沢ァ……!!!!」

 

 万丈目は低血圧なのか、酷く機嫌が悪い様子だ。三沢の襟を掴んで今にも絞め殺そうとばかりに持ち上げている。

 だが、所詮はもやしの力。文武両道で体格も良い三沢にはまるで効いていない。爽やかな笑顔で万丈目の怒りを受け流している。

 

 「いやあ、悪い悪い。さっき十代も起こしたところだったのに、全然起きてなかったからさ。まさか死んでるじゃないかと心配になってな」

 

 「い・ま・だ! 今、まさに、貴様に殺されかけたんだっ!!

 

 ショック死するかと思っただろうがッッ!!」

 

 「悪かったよ。お詫びに今日の昼飯奢るから、許してくれよ万丈目」

 

 「何でオレ様がキサマと飯を食わにゃならんのだ!!」

 

 「そう言うなって。

 クロノス教諭から聞いたんだ。お前も『七精門の鍵』を受け取ったんだってな」

 

 偽遊のたのしいでゅえるじゅぎょーを受けた3日後、寮の引っ越しも落ち着いた頃。万丈目はクロノスに直談判しに行っていた。

 

 闇のデュエルについて疑う余地の無いクロノスは、実力云々よりも最近まで引きこもっていた病み上がりであることを理由になんとか諦めるように説得していたのだが……。

 

 

 

 『まあ、いいじゃありませんかクロノス先生。

 せっかく立候補してくれたことですし。

 

 まだ健在の鍵は6つ。満身創痍な偽遊君には鍵を返却して貰って、彼にはいざという時の切り札になってもらいましょう。

 

 そうすれば我が校の層は厚いものになりますし、何より絶対に負けませんから』

 

 『何言ってるノーネ狸親父イイイイイィィィィーー!!!??』

 

 『良し、話は決まりだな!』

 

 『まだ話は終わって無いノーヨ! 勝手に閉幕しちゃ嫌ナノーネ!!』

 

 『黙ってろオカッパ野郎。オレは()()()()()()んだ!』

 

 『オウ、ディーオオオォォォーー!!!!』

 

 

 

 以上。

 紆余曲折、子供のラクガキ以上のライブ感をもって……万丈目準は七精門の鍵の守護者として選ばれたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「アン・ドゥ・ドロー! アン・ドゥ・ドロー!」

 

 「「「アン・ドゥ・ドロー……アン・ドゥ・ドロー……」」」

 

 少し時間が進んで、海の見える崖。サスペンスなら犯人が自殺するか自供するかの場所にて、若人達はドローの練習をしていた。

 

 作中でもトップクラスで意味のわからない修業である。

 

 

 

 

 

 「なぁんでオレ……入院生活から解放されて早々、こんなことやらされてるんだ…………??」

 

 我らが主人公、遊城十代。

 原作の百倍(比喩にあらず)以上の闇のデュエルダメージを受けて療養していたが、最近復活した。

 今朝三沢に起こされてもう少し療養してれば良かったと後悔した。

 

 

 

 「三沢くん、なんか気合入ってるっすね……」

 

 『こいついる?』こと、丸藤翔。

 十代より遥かにダメージを受けていたし、なんなら敗北ダメージまで受けていたので、医者の見立てでは今年中の復帰とか不可能なんじゃね? と思われていたが、十代より早めに回復していた。     

 

 真面目な医者の『そんな早く回復するわけねーだろ』という真っ当な理由により後遺症などを調べながら入院とかしていたが、当の本人は暇すぎてBMGで4545しながら『日に30時間という矛盾』に挑んでいた。

 闇のデュエルのダメージ? そりゃあ痛いっすよ。ジープに引かれた時の3割もの痛みを受けるなんて……闇のデュエルは舐めてかかっては駄目っす。

 敵がヘラヘラ笑ってジープで轢きに来る偽遊くんに見えそうだったんすよ!? 死ぬわ!!

 

 

 

 

 「きっと、来たるセブンスターズとの決戦や、最近の万丈目のデュエルを観て燃えてるんだなぁ」

 

 本当に熊蔵さんの血引いとる? 前田隼人。

 お父様は遊戯王界の父親唯一神こと、前田熊蔵さん。

 【遊戯王の父親はゴミ】の呪縛を作中初めて破った。血の繋がった父親部門ではこの人以外存在しないまである。GX以降主人公の父親がギリマシなレベルになったのはこの人の影響という説もある。

 留年してベッドでシコってただけのバカ息子をそれでも愛そうしてくれたお父様の有り難さとカッコ良さを、バカ息子はもっと血肉や魂に染みて。

 

 あと最近、昇格の話が出た。

 けど筆記試験で落ちた。

 

 実技の方で落ちてたら偽遊から『僕がコイツを消します』されてるところだったのでセーフ。

 

 

 

 

 「な……何故だ……? 何故このオレが早朝崖際でドローの練習なんて意味のわからないことに巻き込まれているんだ……!???」

 

 生き残った男の子(女装、男の娘化の案から)万丈目準。

 作者の『不幸な子がいないと筆と食指が進まない』の呪いを一身に受ける可愛そうな子。 

 翔の出番が少ないのでマジで一身である。

 

 当初のプロットだと兄弟との和解は無く、それどころか光の結社の変態転生者の穴奴隷になって懐刀(むしろ鞘)としても狂化される筈だった。

 こう……チャイナ衣装みたいなスリットの入った服装と黒髪を下ろして、青色の口紅差して。妖艶な感じで。

 いつでもデュエルと夜のデュエルが出来る。

 

 挙句の果てには良いように利用された後に精神崩壊して、コッショリな本の子供のようになるはずだった。

 これで一本余裕で書けるな。

 これ絶対にカタギの人にはナイショよ。語ると引かれるから。 

 

 

 何が酷えって、これで別に作者が万丈目を好きでも嫌いでもないところである。

 使えるものは使う。作者の性だ。

 

 

 

 「アン・ドゥー・ドロー! アン・ドゥー・ドロー!」

 

 

 三沢大地。空気。

 の筈だったが、強化フラグが立っている。主に偽遊が積極的にそうしている。

 何故かって? そりゃあ頭良いし、リアルの方にも染まりそうだし。色々あるが……強いていうなら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 A.ピケルたん。

 

 

 

 「どうだ、十代、翔、万丈目! 朝日と潮風を浴びながらのドローの特訓は楽しいだろ!!」

 

 

 「「「…………」」」←(無言の否定) 

 

 

 「十代! オレたちの中で唯一、偽遊の親衛隊達を倒した実力を持つお前だ。

 

 きっと今後も活躍するんだろう!」

 

 「え? おう。

 デュエルなら負けないぜ!!」

 

 

 「翔! オレたちの中で最も成長したお前だ。

 

 一度前線を離れたところで、また誰かが戦闘不能になればお前の力は必要とされる。

 

 まだまだぼんやりしていられないぜ!」

 

 「一瞬とは言え、一年生で二番目に強いんじゃないかなんて言われた時期が懐かしいよ……あっという間に追い付かれて、追い抜かれたかも」

 

 翔は原作に近いような気弱で泣き虫で蛆虫な目をしながら三沢から目をそらした。

 

 

 「そして万丈目!」

 

 「何だ」

 

 三沢と良い思い出の無い万丈目は、嫌そうな顔をしつつドローする手は止めていない。

 

 

 「前にデュエルした時から比べ物にならない成長をしたお前と、今ここでデュエルしたい!」

 

 

 「…………は?」

 

 

 何やらむず痒いことでも言ってくるのかも思ったのも束の間。万丈目の予想を超えた発言を、三沢はしてきた。

 

 

 

 「実は、学園代表デュエルの時に偽遊からとあるカードの山……デッキの素を貰ってな。

 

 余分なカードを除いて、これでデッキを組んでみろと言われたものがある。

 

 それが今朝、遂に完成を見たんだ」

 

 

 「偽遊の、デッキ……か!」

 

 それを聞いた万丈目のドロドロの目に光が戻る。デュエリストとしての本能を呼び戻した目だ。

 

 「へえ〜! 偽遊のカードで三沢が作ったデッキか!!

 オレも見てみたい! なぁ、翔。隼人!」

 

 「……うん。そうだね。

 

 偽遊くんが三沢くんに渡したデッキがどんなレシピなのか、僕も気になるよ……!」

 

 翔のクソ雑魚ナメクジの目にも、闘志のような光が戻る。

 どれだけジメジメしたキノコのような心境であっても、一瞬でメンタルをイーブン以上に戻す。

 偽遊のジープ修業の成果はこういう時に顔を出す。

 

 「オレも、見てみたいんだなぁ」

 

 

 「実は皆を集めたのも、このデッキをお披露目するのも目的の一つだったんだ」

 

 

 「何だよ三沢。それならそうと言ってくれれば良かったのに。

 

 あのドローの下りなんだったんだ……」

 

 一同が深く頷き、十代に同意した。

 

 

 「アハハ。すまんすまん。

 

 ちょっと話を切り出すタイミングが欲しくてな」

 

 笑ってごまかす三沢。

 

 

 

 「………………」

 

 

 「どうだろう万丈目。

 あの時はお互いに悔いの残るデュエルだった。

 

 

 セブンスターズとの戦いを前に備える今。お互いの全力を試してみたくないか?」

 

 

 「…………良いだろう。

 

 掛かってこい三沢大地。この万丈目さんが腕を見てやる。

 

 

 (キマイラ)の一番弟子としてな!!」

 

 「おい万丈目! 偽遊くんの一番弟子はこの僕、丸藤翔だぞ!!」

 

 「セブンスターズの一回戦で敗退したやつが何言ってんだか」

 

 「何をぉ!?」

 

 

 「黙って見ているが良い。丸藤翔。

 

 

 貴様が1を知る間に、オレは万を覚える! いずれ(キマイラ)を越えるために!!」

 

 「偽遊くんを………………越える…………????」

 

 

 

 「良し、行くぜ万丈目! 新しい方程式(デッキ)証明(ちから)を見せてやる!!」

 

 「万丈目さんだ!! ロクに喋らない癖に一度火がつくと止まらないアイツの講義を不眠不休で噛み砕き続けて組んだこのデッキ。切れ味を試すのには丁度いい強敵(あいて)だぜ!!」

 

 

 

 

 「「ーーデュエル!!!!」」 

 

 

 

 

 

 

 

 




 ここまで煽っておいて、次回は二人のデュエルを過程飛ばして結果だけ見せたら怒る? ねえ怒るぅ?(身体クネクネ)




 万丈目と三沢がライバル関係になるSSって俺、知らないんだよね。


 精霊持ちの万丈目か。作中実は万丈目に無敗の三沢か。

 

 パワーバカVS理論バカ ファイッ!!


 …………するかなぁ……?
 
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。