遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜   作:SOD

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襲来(姿を見せるとは言ってない)。

セブンスターズの正体でも予想しながら、ゆっくりしていってね。


爆発オチなんてサイテー! 遅刻の罰、第三のセブンスターズ襲来!!

 

 遅刻。それはプライベート、社会人、新作の発売日など、ありとあらゆるレギュレーションにおいてギルティとされる悪しき行い。

 場合によっては絆が断ち切られ、場合によっては首が飛ぶなどの厳しい罰が下る人間社会のタブー。人によっては生まれたままの姿によるJAPANESE GOMENNNASAI STYLEの土下座を求められる。あるいは生爪を剥ぐお仕置きを受けたと言う報告もある。(何故か恍惚な表情で)

 

 そんな罪を、学生という身分(レギュレーション)で犯してしまった少年少女達は今…………。

 

 「何故だ……何故この万丈目サンダーが、島の外周を一周してくるなどと言う罰を受けなければならないんだー!」

 

 全員がアカデミア・アイランド外周一周ツアーを強いられていた。罰が重すぎる。

 

 「まあまあ、仕方ねえって万丈目。

 アレから結局、全員でデュエルしててすっかり遅くなっちまったからなー」

 

 「十代!! 元はと言えばキサマが、総当たり戦など始めたからこうなったんだろうが!!」

 

 万丈目と三沢のデュエルが終わった後、桃園の誓いならぬ海岸の誓いでテンションが上がった十代が総当たり戦を提案。それに三沢が何故か熱血なノリで承諾。一人常識的な反応として遅刻するから学校へ行こうとした万丈目を翔が煽って……結局全員デュエルを始めてしまい、仲良く罰を受けていた。

 

 「いや〜楽しかったよなぁ! またやろうぜ万丈目!!(デュエルの戦績、三戦二勝一敗。万丈目に敗北)」

 

 「サンダー!!(三戦二勝一敗。2回目の三沢に敗北)」

 

 「だが実際に、七精門の鍵の守護者として最高のトレーニングが出来た。オレは悔いはない!(三戦二勝一敗。十代に敗北)」

 

 「ああ……まさかこんなことになるなんて。最悪の一日っす……(三戦零勝惨敗)」

 

 

 男子たちは、なんやかんやこれを楽しそうに行っている。青春というやつだろうか? 解像度が低いので分からない。

 

 

 一方女子は…………。

 

 

 「バーンをあれだけ凌いで上げたのに、諦め悪く『仁王Ω』とかいうのを延々と使いまわしてくるなんて。なんて品のないデュエルなのかしらね……」

 

 「あんだけ攻撃が空振りしといて、懲りずにシュトラール、シュトラール、シュトラール。

 何度も出てきて恥ずかしくないんですかー?」

 

 「…………」 

 「…………」

 

 ゲシゲシゲシゲシゲシ!!!!(走りながらお互いの太ももを蹴り合う音)

 

 遊乃と辰は、朝にあれだけ走っておいて体力が有り余っているらしく、たのしいおあそびを続けている。

 

 「ううう……!! 納得行きませんよぉ……どうしてウサギは走っているのに、同じように寝ていたレイン恵さんは教室で授業なんですかぁー!」

 

 「それはズバリあれでしょう! 可愛いは正義ってやつです!!」

 

 辰に蹴り飛ばされて意識を失っていたせいで遅刻したウサギは、同じく地上の物理法則に唾を吐く速度でズッコケて慣性のままに顔面をズリズリ擦り続けて一周回ってコケた位置で伸びていたメタウマと並んで走っている。おでこがヒリヒリしているらしい。

 

 以上の8人。殆ど交流も関わりもないメンツが混じった状態で走っている。

 

 「おい、火武羅遊乃。キサマもう少し静かに走れんのか……」

 

 万丈目があんまりの喧しさに、知り合いの遊乃に声をかける。

 

 「はぁ? 私が悪いみたいに言わないでよ万丈目くん!

 この性悪ドラゴンメイドもどきが喧嘩売ってくるんだから!!

 

 私は悪くねえ!!」

 

 「…………最近、(キマイラ)に賞味期限がギリギリのプリンやゼリーなどの処分を頼まれて部屋に行ったんだが。何故かそこには空っぽの冷蔵庫があるだけだったんだが……」

 

 「あっ、あっ、あっ……(涙目)

 

 で、でも結果的には処分する物を早めに処分しただけであって、むしろ偉いのでは……」

 

 「オレは罪は問わん。だが虚路居偽遊がどう言うかな?」

 

 「黙ります。静かにします。沈黙します。

 

 だから偽遊さんには言わないで下さい万丈目さん……!!」

 

 「主様の食べ物に手を出すなんて、どこまで卑しいのかしらね……!」

 

 「そこのドラゴンの女も、そろそろ黙っていてくれ」

 

 「へぇ? 随分と思い違いをしたものね、中等部から落ちこぼれたえりーとさんだーが。

 

 この女をどうにか出来たから、私まで出来ると思ったのかしら? 身の程を知りなさい。私に命令出来るのは虚路居偽遊様だけよ」

 

 「…………冷蔵庫が空になっていたので、ネズミでもいるのかと思い天井裏を覗くとそこにはおびただしい量の盗聴器があったんだ。

 念の為あらゆる場所を発見機で調べたところ、なんと風呂場やトイレにまで……」

 

 「…………………………急に静かに走りたくなったわね……」

 

 「因みに電子機器の類は全て破壊しておいた」

 

 「なっ!? 何で余計なことを……!!」

 

 「そうか。こんなものがあったぞと偽遊に知らせた方が良かったか?」

 

 「フフッ、まさか。そのような些事で主様のお手を煩わせるなんてありえないわ。

 

 …………万丈目と言ったかしら。貴方仕事出来るクチのようね。

 何か欲しいものはある? 主に非合法で手に入るような」

 

 「すっげえ怖ぇ買収し出したぞこの女!?」

 

 「あら、仕事に報酬を出すのは主様の方針よ。仕える身のわたしが倣うのは当然のことだわ」

 

 「へぇ〜ストーカーの世界では主人に後ろめたい内容の口封じのための賄賂のことを『報酬』って言うんだ。勉強になるわぁー」 

 

 「私も、人の冷蔵庫の食べ物を漁るネズミの最大サイズが大幅に更新されているのは初めて知ったわ。きっとギャンブルに負けて落ちぶれたネズミなのでしょうね」

 

 「…………」

 「…………」

 

 ゲシゲシゲシゲシ!!!!!!!

 

 ……結局、うるせえのは変わらなかった。

 

 

 

 

 「そう言えばオレ、ウサギとウマの被り物をしたやつらとデュエルしたことないんだよ。

 せっかくだからこの後デュエルしようぜ!」

 

 十代は朝にデュエルシておいてまだ足りていないのか、後ろの卯とメタウマに元気よく話しかけた。

 

 「あらぁ〜これは新しいナンパでしょうか。残念ですけど、ウサギはボスの女になってウハウハになるんです〜ごめんなさいー」

 

 「私は構いませんよ!! デュエルをすると、何故かお師匠様が喜ぶんです!

 良いプレイをしていると、頭をナデナデしてくれるんですよ!!」

 

 「なっ!? 何ですかその素敵情報はぁ!?

 ウサギもボスに認められて『おもしれえ女』って口説かれたいですぅ!! こうなったらオシリスレッドでも容赦なくバスターして、ボスにアピールです!」

  

 

 「ってことは、二人共デュエル出来るってことだな! よっしゃあ!! じゃあさっさと走り抜けちまおうぜ!!」

  

 「望むところですぅ!」

 

 「わたしはとっくに走り終わっていますので、二人の準備が出来たら始めましょう!」

 

 「「え……」」

  

 

 

 「…………すごいな、十代は。女子相手でも臆せずに話せて」

 「そうっすね。そして僕ら二人は男同士で悲しく【非モテ心の涙連合】やるんすね……」

 「何だ、その口にするだけで口の中が涙でいっぱいになりそうな連合名は……オレは遠慮したいな」

 

 「駄目っすよ。遠慮とかそういうのじゃなく。

 モテない男はみんな、非モテ心の涙連合なんすから……支え合って行こうね三沢くん」

 

 「嫌だあああああああーー!!!!」

 

 

 

 

 

 そんな楽しい青春の1ページを満喫している少年少女だが……遊戯王GXを視聴済みの聡明かつ気持ち悪い同士諸兄は気付いていることだろう。

 アン・ドゥー・ドローの回は、三沢の初恋の回。即ち、タニヤというアマゾネスが出てきてデュエルする回。

 

 セブンスターズが、襲ってくる回だ……。

 

 

 ドオオォォォォォォーーーンンン……………!!!!!!

 

 

 「うわっ!?」

 「な、何だ今の爆発音は!?」

 「校舎の方から聞こえて来たよ!?」

 

 

 図らずも、火武羅遊乃を始めとするアカデミアの『戦える現存戦力』の半数が分断されているこの状況で第三の刺客は……アカデミアを物理的に爆撃するという強襲方法を取ってきた。

 

 ドォーン……!!

 

 ドォーン……!!

 

 ドォーン……!!

 

 遠くから響く花火のような鈍い音が身体を僅かに振動させてくる。

 

 「まさか、セブンスターズか!?」

 

 「おいおい……デュエルしてエナジー云々が主目的なのに敵さん何やってんだよアレ!?」

 

 「不味いですぅ!! 今ボスが戦えないのに、ボスに次ぐ戦力の殆どが軒並み蚊帳の外じゃないですかぁ!!」

 

 「主様……!!

 

 メタウマ! 今すぐ主様の元へ!! 連絡係を務めて下さい!!」

 

 「ガッテンです!!」

 

 音を置き去りに消え去るメタウマ。今頃偽遊の元へ辿り着いたか、勢い余って壁に激突している頃だろう。

 

 

 「私達も学園に戻ります! 異論はありませんね?」

 

 辰の号令に反論は無く。その場の全員は、人類の脚力で校舎へ戻って行くのだった。

 





戦力が戦場から隔離されてる状態で敵がやってくる。熱い展開だよね。

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