遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜 作:SOD
例えばそれは夏の雪。現実なら物珍しさは約束されているファンタジー。妄想としては凡庸。学校の教室で生徒が集まれば最低一人くらいは考える……在り来りで、使い古されている森の中の一本の木。
学校で爆破事件が起きて、犯罪者が強襲してくるだなんて…………誰でも考えうる、オリジナリティーと対極にあるステージだ。
ただし、創作物に限る。
二年生の授業をしている教室。
「きゃあああああーー!!? 何今の音!? 何が起きてるのよぉ!?」
「お、おい!! 天井の瓦礫落ちてきたぞ!!」
「あああああーー!! 痛いよぉぉぉー!! ガラスの破片がぁ…………目が、目がああああああー!」
「こんな所に居られるかよ! 命がいくつあっても足りねえ!!」
「……だ、誰か……退けてくれ、この瓦礫……足が……足がああ……!!」
「お、おおおちつけオレ!! こんなことが起きた時のためにいつも頭の中でシミュレーションしてきたはすだ……!!」
学園の中は阿鼻叫喚。パニックに陥る者、怪我をするもの、自分の世界に籠もる者。様々だ。
ポキっ。
チョコレートが掛かった棒状の菓子を食べる音がする。もちろん、音響と言う意味では限りなく無音。他の雑音に掻き消されていて聴き取る者など居るはずもない。
「…………なあポチ。この状況ってやっぱアレかよ? ゴッドが最近絡み出した、セブンスターズとかってのの案件か?」
この惨状の中で、呑気にチョコ菓子を食べている机の上に長い美脚を惜しげも無くさらけ出す長髪ギザ歯の女生徒が、隣に座っている少女に話しかけた。
「あーそうなんじゃねー? ご主人も言ってたワン。セブンスターズとの戦いが終わらない内は、学校の校舎くらい何時でも爆破される危険性があることは覚えておけーって」
こっそり偽遊の部屋から持ってきている偽遊の枕(ニオイが変わるから三日おきに洗濯して勝手に交換してくる)に突っ伏してぐでーっとしているサマはまさしく大好きなご主人もいない、散歩もオヤツも無い暇な犬。その名はポチ。
そして
「っつーことは、いよいよ学校爆破か? 脱出用の水上ボート乗る時はオレがゴッドと同じボートな」
「何言ってるんだか。
セブンスターズとの小競り合い中に、正真正銘の戦争を引き起こすんじゃないワン。学園で流れる血が11人分増えかねないだろ」
「いや、あのボートそこそこ人数乗れるからもう少し少なくて済むぞ」
「脳みそナイナイしたワン?
皆ご主人の隣に座りたがるし、ご主人はレイを離さないから、結局血は11人分しっかり流れるワン」
「あーそっかー。
つーかその理屈で行くと、ネズ太郎とかサスケとかもハーレムよろしく側に置かれるんじゃねえのか」
「くぅん……」
音さえ聞こえなければ、よくある女学生のダベリのようにも見えるこの光景。視界は極端に狭めて行きましょう。
「それより今の問題は、この後来るかも知れないゴッドからのお叱りをどう回避するか。それが問題だ」
「うう……下手したらお散歩抜きにされるワン……」
二人とも、ハァ……とため息を付いた。
それと同時に、教室のドアがガラリと開かれた。
「全員動くなぁ!! このデュエルアカデミアは、セブンスターズが占拠したァ!! お前らは今から全員ネットのスターだ! 百済木さんに礼を言いなァ!!」
何かぼんやり武装した感じの、なんかそれっぽい童実野町のヤンキーがいた気がする。何故気がするだけなのかと言うと……。
「ていやー」
一番奥の机で座っていた筈のポチが、教卓側のドアに居たはずのヤンキーを蹴り飛ばしてしまったからだ。秒数にして約5秒の登場。これでは記憶に残りません。
「な、何してんだテメエ!!」
蹴り飛ばされたヤンキーの背後には、更に別の顔パーツをしたヤンキーが二体。やっぱりなんか世紀末な感じの武装をしている。特に肩のトゲトゲのヤツが極めてダサい。
「ご主人からは、こういう事態に遭遇したら真っ先に逃げろと命令されてるワン」
ポチが誰に聞かせるでもなく口にしたセリフに、のんびり歩いてきた巳の狂徒が続く。
「けどもそれじゃあ、逃げて無いやつが美味しい所を持っていくことになるよなァ?」
「見せ場がないなるのはイヤイヤするワン」
言いながら、敵の持っている長い銃を握るポチ。
「だからよぉ……」
同じく、もう一人のヤンキーの銃を巳が握る。
「「…………??」」
全く同時に、銃身を圧し折って一言。
「「ポチ(オレ)は侵入者の人権を生贄に捧げ、見せ場を召喚する!!」」
「「ええええええええええええーー!!!?」」
三年生が授業を受けている体育館。
「百済木さんに感謝しなァ!!」
「……………………なるほど。つまり、お前がオレのウォーミングアップに付き合ってくれるわけだな」
「…………?」
ヤンキーが一人体育館で決め台詞を言った直後。
病み上がりで体育を見学していた体育着(半袖半ズボン)の男が、デュエルディスクを着けて仁王立ちしている。
目の前のヤンキーは、百済木(転)の原作知識を持った影。性能的にはビジュアルだけ変更したアバター。あるいは影分身の術。原作キャラの情報は知っていた。
だが、不幸なことにこのヤンキーは……目の前の半袖半ズボンの体育着の男が、まさかカイザー丸藤亮であるとは気付けなかったようだった。
「百済木さんに逆らおうってかぁ? 汚物は消毒だあああああー!!!」
「
一年生の教室。
「百済木さんに感謝しなァ!!」
「へえ、感謝ねえ……その百済木さんは、脱糞しても色褪せないカリスマ性を持っているのか?」
「……は?」
レイを背中に庇う位置に立ち、神楽坂が躍り出る。
「下半身をうんこに濡らしていても、その人の為に命を賭けられるかって聞いてんだよ!! にわか宗教ッッ!!!!」
「え? 宗教……? え………????」
「我ら【キマイラ教】は!! 偽遊様と恩人以外には決して頭を垂れない。
イカれた宗教団体に他宗教を布教しようとするとは、信仰に対する最大の侮辱と受け取った。
命さえ信仰の証でしかないイカれた宗教団体……まして祭り上げる神を侮辱するとどうなるか……その身で味わえぇぇぇ…………!!!!」
「何だ!? 何を言っているんだコイツはぁ!??」
「…………あの、サスケ。神楽坂先輩は一体何を言って……」
「しっ。巫女姫様。見てはダメ。
アレは我々には救えぬ者」
「えええ……あなた達も狂徒なんじゃ……」
「お館様に心酔していると言う点ではそうだけど…………正直、彼と同じカテゴリーに入れられるのは……複雑」
「あ、そうなんだ…………」
今、それぞれの学年でそれぞれのデュエリスト達が対峙して激突する。
勝つのはデュエル・アカデミアか? それとも転生者のチート能力か?
「「「「ーーデュエル!!!!!」」」」
子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥。
ネズ太郎(ペドヲタ年上悪友系)
丑(巨乳お姉さん)
トラちゃん(依存系)
卯(腹黒脳みそよわよわ系)
辰(完璧メイドさん)
巳(オレっ娘ギザ歯舌ピロック系)
メタウマ(俊足恵体素直メタ系)
ふわり(サイエンス脳内酸欠お花畑)
サスケ(ロリくノ一ストーカー)
ポチ(ペット)
イノ子(狂徒の素体枠)
よ、ようやく空白が11まで埋まったぞ…………キャラクター被らないように頑張った。褒めて。
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