遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜 作:SOD
「…………ポチと巳が負けたか。
つーか、百済木さんの手下が方界ってどうなんだよ。
ズズズ……」
「オレとしては、クリムゾンヘッドの方に掛けたつもりだったんだよなぁ……そう言えば方界って可愛い奴のデッキだったな。
ズズズ……」
狂徒の二人の敗北を(なんか格好良く映像写す何かで)眺めながら、俺と百済木さん(工藤)は羊羹とお茶を頂いていた。
負けたらゾンビになるらしいが、全部終わったら記憶とかは受け継がれないらしいので問題は無いだろう。
何かあったら逃げなさいって言ってるのに逃げなかったことに問題がある。反省してもろて。
「そう言えばあの烙印ドラグマ使ってんのって誰?」
「ああ、アイツ。神楽坂。遊戯デッキパクってたやつ」
「は? マジで言ってる?
髪型とか全然違うじゃん。千年パズルがプリントされたクソダサTシャツとかどこ行ったんだよ」
「分からない。アイツはほら、影響受けやすいから。今は俺に影響されてるらしいから、ノースリーブのインナー着てる。あと、髪型も俺に寄せてるらしい。あまりにもツンツンヘアーで気付かなかったけど」
「ああーそう言えばオチで十代のコスプレしてたな。
けど一発キャラとは言え、原作キャラをあそこまで変貌させてるの凄えな」
「うん。正直なんであんなに変貌したのか分かんない。
ヨハンが宝玉獣からパピヨン使い出すくらい意味不明。せめてカブトムシならよぉ」
「ああ〜分かるわ。あの虫取り網もって走ってる姿と原作の雰囲気考えたらカブトムシとかだと思うよな。何で蝶なんだっての」
「ソレな。便秘のケツからクソ捻り出すくらい強引に繋がり考えるなら、『袖がちょっとヒラヒラで蝶の羽みたい』って言うのが限界なくらい絆が細い」
「ひねり出した糞はそこそこ太いだろうにな」
「ソレな」
う〜む。久しぶりに会話らしい会話してるわ。
基本的に低スペクソバカ陰キャ同士でないと話が盛り上がらないんだよね俺。
ずずず……お茶も美味しいです。玉露は良いぞ。
「ところで百済木さんよぉ、カイザーが倒したゾンビが結局復活してねえんだけど。
アレオーバーキルでクリムゾンヘッドにならない仕様ついてね?」
「あーやっぱしそう思うか? バイオの方でもヘッショ決まったら復活しない感じだったからなぁ……雇い主がそういうのに無駄に拘るんだよ」
「雇い主の趣味かよー。戦極凌馬みたいなヤツだったりする?」
「いやー話したこととかはないんだわ。
ただ、支給されてるオリジナル千年アイテムみたいなのがあるんだけどよぉ。それで闇のデュエル再現するわけだ。
完全に隙がないとゲームとして面白くねえからって、わざわざ欠点とか限界とか付けてるらしいんだよ。
ダークネス吹雪いたろ? アレだって、やろうと思えば物量で押してエナジー貯めた後に倒すとか出来る筈なのに敢えてやらねえんだよなぁ……」
「お〜エンタメじゃん。闇堕ちした榊遊矢の転生者とかクルー?」
「闇堕ちした方がエンターテイナーとして完成度高いの酷くね?」
「アレは榊遊矢がエンターテイナーとしてゴミカス過ぎるのが悪いだろ。煽りしかしてねえ炎上系You Tubeじゃんアイツ。
ってか、楽しませる主目的の主人公ならぜってえーアイツ負け数多くしといた方が良かったよな。どうせ中断しまくるんだから特にそう思う。テイムが雑なんだよテイムが。結果だけ見れば結局勝って仲間増やしてるだけで過去主人公と同じ……ってか、遊馬先生の方がよっぽど適任だったわ。戦争終結、カウンセリングの説得力込みで。
沢渡さんはストーリー的にも視聴者的にも楽しませてくれてたのに、どうしてああなったのやら……」
「メインキャラで榊遊矢が一番魅力無いところはあるな。結局一番輝いてるのって、一方的に蹂躙してる時だったし。
どうせヘイトが生まれるなら、沢渡さんを主人公にして最初はクズだったけど徐々にエンターテイナーになっていくとか。
権現坂さん漢のデュエリスト道!! みたいな振り切った方向に行った方が面白そうだわ。ってか今からでも出せそうだよな」
「分かる。陰キャには主人公は荷が重いんだよ。メンタル的にも性格的にも人格的にも、微塵も主人公に向いてねえ。
素材が良くても調理次第でいくらでもゴミに出来る。これが料理と言うものだ。
「「ーーま、それでも一番のゴミはQ&A太だけどな!
ハッハッハッハッハ!!」」
マイナスで不快で嫉妬に満ちた話に花を咲かせながら、お茶のおかわりを注いでもらう。俺たちの表情には笑いの花。
楽しいなぁ……同じ底辺同士の取り留めのない会話。
これで敵側じゃなかったらなぁ〜。
学園の皆はとってもいい奴らばかりなんだけども、やっぱりアレよ。
綺麗な水を好む魚がいるように、ドブの水を好む魚もいるってことなのよね。
かと言って別にセブンスターズになりたいわけじゃないけども。学園の奴らの正義寄りの魂は俺には毒。ゾンビにヒールだ。
遊乃も原子レベルまで分解して精密な顕微鏡で観察してみると、1原子分……いや、その半分。くらいは正義寄りだしな。
「ズズズズ……ふぅー」
ああ、癒やされていく。俺の心。精神が、穢れで満ちて癒やされていく。
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偽遊が呑気に茶をしばいている頃。半袖短パン姿のカイザー亮が安静室に到着した。
扉を開けて、入室する。するとそこに居たのは天上院明日香。窓の外を眺めていた。
「……………………明日香……?」
「あら、亮。どうしたの、こんなところで」
振り向いた彼女は普段のアカデミア制服とはまるで違う、黒を貴重として彼女の生来の金髪が強調される服装になっていた。
「明日香、いつ目覚めたんだ?」
「何を言っているの、亮。人は普通、朝に目覚めるのよ」
そう語る明日香の目は、普段の凛々しくも幼さが潜む物では無くなっている。
「闇のデュエルのダメージはもう大丈夫なのか?」
「ええ、とっくに平気よ。いくら影とは言え、兄さんだもの。加減くらいはしているわよ」
「…………そうか。兄妹の絆は、闇の力でも切れなかったか」
「フフフ。貴方らしくない、ロマンチックなセリフね」
口元に指を添えて笑う。
だが、目元は何も笑っていない。
「明日香……」
「私は、兄さんを探していたわ。大切な兄さんだったんだもの。心配していたのよ」
「………………」
「けど、もう見つかった。無事にね。
だから私、もう良いわよね?」
「…………何を、だ?」
ニヤリ。口角を上げて、笑っていない目元で笑う。
「もう、
左腕をかざす明日香。すると、それまで使用していた造形とはまるで一致しないデュエルディスクが現れた。
「明日香……それは一体……!?」
「私は私を満たす。
欲しいものを手に入れるために。そのために、強くなる必要があるのよ。
そうでないと……
振り向かせるの。強くなって。
そのためにね……亮。私は貴方を倒しておきたいの」
「倒して……おきたい?」
「そうよ。彼と何度も戦っていて、でもほとんど勝てていない帝王。
そうすれば、彼も私に興味を示す筈。
それから、満たすの。充ちるまで。そうすれば、彼も私に預けてくる……。
私を、充たす…………ああ……っ」
「明日香……正気に戻れ!!」
「満たすの……充たしたいの……欲しいの、彼が。あの目がたまらない。あの強さに私の雌がくすぐられるの。あの獣を肚に突き立てて欲しいの。二度と穴が塞がらないくらいに! 思いっきり突き立てて欲しいのよ!!
その為に私は……私の天使になるの。天命を全うする天使になるの。
貴方も大切よ。亮。兄さんと同じくらい大切よ。亮。だからせめて。
自らの唇に二本の指を当てて僅かに前に出す。
すると、何かが割れるような音がパリンと鳴いて、二人のいる場所が赤く錆びていく。
「これは……! レイが攫われた船の時の……っ!!」
「さあ、踊りましょう。亮。七精門の鍵を賭けて。私のハジメテを、貴方にあげる」
「明日香……お前まさか、セブンスターズに……!?」
「最初は、貴方。次には、誰か。最後は……あの人。
全員倒して世界に二人だけになれば……好き嫌いなんて、言っていられない」
「どうしてだ……一体いつから!?」
「さあ……いつからだったかしら? 憶えているのは、あの日に彼を攫おうとして……何故かバッドエンドになるっていう説明出来ない直感が襲ったことだけ。
だから、我慢したの。強くなって、愛されるために。
我慢して……我慢して……我慢して。
ようやく出番が回ってきたの。デュエル・アカデミアが崩壊して、もう帰る場所がないってなれば…………きっと」
「明日香……本当に、やる気なんだな?」
「ええ、もちろん。シましょう? 亮。
私は鍵を全部手に入れて、彼の心の扉を開けるの」
「良いだろう……目を覚まさせてやる。明日香」
「悪夢だって良いわ。彼と結ばれる為だったら……!!」
「「ーーデュエル!!!!」」
明日香ちゅわ〜んの叡智な格好……
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