遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜   作:SOD

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自分の過去を語らない系転生者、虚路居偽遊の過去をチラチラさせていきます。


ネタは完成してるので、後はモチベだけですね。オラにやる気を分けてくれー!


虚路居偽遊、死す。 転生者の過去が明かされる序曲。

 

 例えばソレは、糸の牢。自由になりたい布と綿。

 束縛は嫌いだ。布は語る。束縛は窮屈だ。綿も嘆く。

 されどもそう在らねば、人の方は汝らを不要なゴミとして掃き捨てよう。汝らが忌み嫌うその姿を人は……ヌイグルミと愛すのだ。

 

 愛される者たちの想いなど、露とも悟らず。

 

 

 今日もまた……人に飽きられたヌイグルミが、元の姿をゴミとして捨て行く…………。

 

 

 

 ぐしゅぐしゅに……濡れながら。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 「ターンエンド」

 

 

 「俺のターン、ドロー」

 

 

 浅倉のターンが終わり、偽遊がターンを受けてカードを引く。

 

 現在、偽遊の手札は5枚。場には幻想魔獣キマイラとガーディアン・キマイラ。攻勢に出るには充分で、手札を温存するにも余裕がある。

 相手の場に天霆號(ネガロギア)アーゼウス と言う、最高のエクシーズモンスターがいなければ。

 

 

 天霆號(ネガロギア)アーゼウス DEF3000

 

 

 このモンスターは、エクシーズ素材を二つ取り除くことで自分以外の全ての場のカードを墓地へ送る効果を持つ。

 しかも、その効果は相手のターンにも発動出来ると言うおまけ付き。

 

 挙げ句の果てにそんなエクシーズモンスターの召喚条件が、自分のバトルフェイズにエクシーズモンスターが戦闘を行っていれば、とにかく場のエクシーズモンスター1体を素材にするだけで呼び出せると言う。

 

 

 (生半可も、中途半端も、妥協も許されない状況。楽しい……楽し過ぎだって……!

 

 しかもこれ、闇のデュエルだぜ。

 

 ああ……もうこれで終われば良いのに。俺の命。吐き気がする心臓。穢れた人生……!!)

 

 

 「魔法『魔玩具補綴(デストーイ・パッチワーク)』発動。デッキから『融合』と『エッジインプ・チェーン』を手札に。

 

 融合発動!」

 

 

 それにしても不思議だ。俺はどうしてこんなに、俺自身を嫌悪しているんだろうな。こんなに命懸けのデュエルが愉しいのに。生きていなければ、命懸けなんて出来ないのに。

 

 まあ、命を掛けるために生きているってのもイビツだし? やっぱ死んどいた方が良いとは思うけどさ。

 

 

 「『ファーニマル・ウィング』と『エッジインプ・チェーン』で融合!

 

 『空飛べぬ羽』よ、『命を地に縛る鎖』と心中し、新たなる犠牲者ーー負の連鎖を生み出し給え!

 

 融合召喚! レベル9『デストーイ・クルーエル・ホエール』!!」

 

 デストーイ・クルーエル・ホエール ATK2200

 

 

 「特殊召喚成功時、エッジインプ・チェーンの効果発動。

 

 チェーン2でデストーイ・クルーエル・ホエールの効果。アーゼウスと自身を対象に取る」

 

 「デストーイ・クルーエル・ホエール……ねえ」

 

 

 【キマイラ】には存在しないはずのモンスターの登場に、浅倉がこのデュエルで初めて宝石で作られたデュエルディスクを操作する。効果を読んでいるらしい。

 現在はまだ特殊召喚成功時。この段階でテキストを把握しておくのは正しい。

 

 アイツが、俺の……俺や遊乃の同郷なのかは知らん。もしかしたら遊乃だって俺と違う世界から転生してきたのかも知れない。

 

 だが、アイツは強い。これだけは……リアル。

 

 

 「選んでのカードの破壊効果か。

 

 なら、特殊召喚成功時、アーゼウスの効果。素材を二つ取り除き、自分以外の存在全てを墓地へ送る」

 

 「俺は、更にクルーエルの効果を発動。EXデッキからデストーイ・ハーケン・クラーケンを墓地へ送る」

 

 

 アーゼウスの最高の力に飲み込まれ、敵も味方も全て消え去る。残ったものは台風の目。アーゼウス自身のみ。

 だがそれも、アーゼウスの力の奔流の後、新たなる破壊の渦に呑まれて消えた。完全な更地。

 

 

 「俺は、エッジインプ・チェーンの効果で『デストーイ・フュージョン』を手札に加える!」

 

 

 「デストーイ・フュージョン……へえ、『ミラクル・フュージョン』のデストーイバージョンか……」

 

 「お前のとこにも、HEROはあるんだな」

 

 「フン……昔使ってたんでな」

 

 「クフハハハ!! 似合わねえな」

 

 「そうか? 自己満足と、身勝手な主張をチカラで押し付ける。俺にぴったりだったぜ?」

 

 「へえ。じゃあ何で今はそのデッキを?」

 

 「燃え尽きちまってな、この俺は。正義の味方の残り滓が」

 

 「ククク……正義の味方に憧れる時代があったのか」

 

 「ああ。自分の手でグシャグシャにしてやりたい黒歴史(オレ)だ。

 いつか縁があったら実行しようと思ってる……!!」

 

 「出来ると良いな」

 

 「ああ。その時は俺の狂気もようやく収まりが付く。

 

 が、今はそんなことより……」

 

 「俺とのデュエル……だろ」

 

 「そういうことだ……」

 

 「そんじゃあ次の手を…………ん」

 

 

 バタバタと喧しい騒音(おと)がした。

 

 前世でも時々あった、大会中に騒いでるバカのような不快感のある音が。

 

 

 

 

 「ああっ! お師匠様!!

 やはりここにいらっしゃったんですね!!」

 

 「偽遊! さっきまでデュエリストゾンビが凄いウジャウジャしてて!!」

 

 「飼い主ー! すっげえキモい目玉のモンスターが居たワンっ!! 危うくやられるとこだったワンっ!!」

 

 「マジでやばかったぜ……アレ!」

 

 

 

 自称遊城十代の秘密の場所に、無粋な奴らが4人。

 

 メタウマ、レイ、ポチ、巳。

 

 

 

 ナニカイロイロイッテイル。

 

 

 「……………………そうか」

 

 百済木もどきの言っていたこと。命の保証については真実だった。良いことだ。

 だからもう充分だ。

 

 

 「墓地の『合成獣融合』の効果。手札に戻す。

 

 そして『デストーイ・フュージョン』を発動!

 

 墓地の『ファーニマル・ウィング』と『エッジインプ・チェーン』で除外融合。

 

 二体目のデストーイ・ハーケン・クラーケン!」

 

 

 デストーイ・ハーケン・クラーケン ATK2200

 

 

 「そう来たか。」

 

 

 「バトルフェイズ!

 デストーイ・ハーケン・クラーケンは、2回攻撃が出来る!」

 

 

 デストーイ・ハーケン・クラーケン ATK2200✕2

 

 

 「ぐおおおおおおーッッ……!!?」

 

 

 浅倉 LP650

 

 

 「バトルフェイズ終了時、効果を発動してクラーケンを守備表示に変更。

 ターンエンド」

 

 デストーイ・ハーケン・クラーケン DEF3000

 

 

 「ふっ……フフフ……俺のターン。ドロー……!」

 

 

 

 「お相手の手札は2枚……ライフも風前の灯火ですね……」

 

 「ああ、ゴッドが超優勢だぜ…………なのに」

 

 

 

 ((((あのヘビ柄の男、まるで動じてない……!!)))))

 

 

 

 「……………………お前……そんなに手札が悪かったのか?」

 

 浅倉が俺に問う。それまでの狂気の溢れる瞳から、僅かばかりの人らしさが見えた。

 

 俺はもう惜しくもない手札を公開する。

 どうせ……()()()()()()()()()だから。

 

 

 

 『ライトニング・ストーム』『ハーピィの羽根帚』『拮抗勝負』

 

 

 「……………………そうか」

 

 「浅倉、お前は凄えよ……毎ターン毎ターン。その時必要なカードを引き込んで見せた。

 俺には()()運命力だ。

 

 その上、俺と互角の論理戦。明確な戦略。

 

 上回れる物が無いのに、お前は俺を明確に上回る物があった。

 

 

 正直、少し申し訳無い気持ちになったわ……」

 

 

 「………………そうか」

 

 浅倉が手札を晒す。俺が、そうしたように。

 

 

 公開されたカードは『死者蘇生』。

 

 

 ほんとに、とんでもねえ……一度も無駄ヅモしなかったぞ……アイツ。

 

 「仮にモンスターを引いてても、『溟界の大蛟』で冥界神を蘇生。

 溟界の蛇睡蓮でも良し。

 

 理論的に考えても、奇跡でも何でもねえ実力と来た」

 

 「………………」

 

 無言で発動される死者蘇生。そして何度も蘇ってきた『冥界神ーネフェルアビス』が蘇生。連鎖的に、表裏一体のように、蘇生される冥界神ーオグドアビス

 

 冥界神ーネフェルアビス ATK2200

 

 冥界神ーオグドアビス ATK3000

 

 「オグドの効果」

 

 溟界の海に飲み込まれ、イカの形の悪魔が消えていく。イカが溺れてら……。

 

 

 

 偽遊 LP5050

 

 

 

 

 「フフフ…………まいったね……これで死ねれば幸福……のはずなのに。未練が出来ちまった。

 

 あと少し……もう少しだけで良いから、戦っていたかった」

 

 

 「安心しろ、死にはしない」

 

 「うん? どういう意味だ?

 闇のデュエルだろ? これ」

 

 「デュエリスト同士、初戦でお互いの格に納得がいったなら……寧ろ本当の戦いは再戦の時だ。違うのか?」

 

 「………………フッ……ああ、そりゃあ良いな。

 いくら殺し合いだからって……死ななかったなら、殺す理由も無い」

 

 「ああ。

 次はもっと俺を楽しませろよ……」

 

 「そうだな。

 久し振りに……新しいカードとか欲しくなったよ」

 

 

 「なら……またな」

 

 「ああ……またな」

 

 

 

 冥界神ーネフェルアビス ATK2200 冥界神ーオグドアビス ATK3000

 

 

 

 闇が……洪水のように俺を飲み込む。まるで……ダムの…………。

 

 

 

 

 

 

 「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………あ、思い出した。

 

 

 

 俺…………」

 

 

 

 虚路居偽遊 LP0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ド田舎の村を、ダムの欠陥工事で沈めて死んだんだった…………。

 

 

 




 
 続きは一ヶ月以内に出るかもしれない。
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