遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜   作:SOD

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新章開幕。
何のためかって? 偽遊が記憶を取り戻したついで。

まあ、やっぱり何があったのかとかあんまり語らないんですけどね。自分語りとかするタイプじゃないし。


セブンスターズ決着編。リライティング・キマイラ
テコ入れですか? ファンタジー精霊バトル!! って原作準拠だったわ


 

 目が覚めて、まぶたを開く。若いもんにはわからんだろうが、これは中年にとっては重労働の一つであり、更にここから寝床から起きて爽やかに朝日の一つも堪能できるのであれば。それは我々にとっては怪物も同義だ。

 

 「ふんっ! はぁっ!!」

 

 そんな怪物の所業を俺は、布団の上でウルトラマンのように頭の横に手を構えて敢えて飛び起きた。意味はない。

 

 「ふぅん」

 

 最初に目に入ったのは閉め切ったカーテンだ。朝はやっぱりカーテン全開で朝日を浴びねーと始まらねえ。

 

 ザァーっと引きちぎる勢いで!! あ、プチッって嫌な音がした。静かに、静かに……カーテンを開けて、窓を開けて、軟やかにタイタニックのポーズ!

 

 

 

 

 ザアアアアアアアアアアーーーー!!!!!(雨音)

 

 

 

 「……………………何も豪雨じゃなくたっていいじゃんか……」

 

 

 

 濡れちまったよカラダ。

 あと腹も減った。今何時だろ。午前5時。こんなん老人かカラダ動かす人しか起きねえ時間じゃねえかよ。

 あ、社畜のこの時間起きはだいたい肉体労働か出張か通勤クソ長距離の人なのでカラダ動かすカウントね。

 

 

 「参ったなあ……寮の食事まだなんだよぁ…………」

 

 冷蔵庫を漁ってみる。

 プリン。チョコ。ジュース。いずれも買った覚えはない。

 

 「遊乃のやつめ…………プリンがプッチンのやつとは分かってるじゃねえか。

 でも飯にはちょっとなんだよね……。

 

 ……あ!」

 

 

 

 

 三十分後。

 

 

 

 

 

 「ーーこんな朝早く豪雨に呼び出してくるとか馬鹿かよ!?」

 

 遊乃ちゃん召喚。

 

 「とか言いつつちゃんと食材とか持って来てんのウケるんだけど」

 

 「誰のせいだ!!」

 

 ピンクのレインコートに身を包んでやって来た遊乃は、外の豪雨の具合にしてはあんまり濡れていない。思った通りバロネスで移動してきたな。

 

 これがあるから遊乃は気軽に呼び出せる。

 

 

 「ったくよ〜偽遊さんが、罰ゲームでマジのミンチになってるわ、カイザーくんは石像? 的なものにされてるわ。

 

 そのしわ寄せがぜぇーんぶ来てる遊乃ちゃんを早朝5時に叩き起こして部屋に呼んでおいて、腹減ったからご飯ってなんなんだよ!」

 

 トントントンとリズムよく包丁で何かを刻む音がする。

 

 「うむうむ。ミニスカでエプロンな女子の後ろ姿って最高だよね」

 

 「あははは! そのセリフ、デッキイジってて一秒たりともこっち見てない状態で無ければ斜めなご機嫌ぜぇ〜んぶ直して上げられるんですけどね〜!!」

 

 「俺は起き抜けでお腹空いてるので」

 

 「自由だなオイ!

 

 それで? いつ起きたの?」

 

 「電話する5分前」

 

 「あれから何日経ったか分かる?」

 

 「社畜に締め切り以外の日にち感覚なんてあるわけ無いだろ」 

 

 「もう社畜じゃないでしょうが!」

 

 「後数年もすればどうせ同じことだぞ。

 

 んで、どんくらい経ったん?」

 

 

 

 「一ヶ月だよ! 一ヶ月!!

 

 

 

 バカ倉の野郎。今度あったらマジでシメてやる……!!」

 

 「シメるのは好きにすればいいが、アイツとは俺が先約だから。

 

 つか、浅倉と知り合いなん?」

 

 「へえ〜偽遊さんってば、私にはそういう昔のこととか一切聞いてこないのに、浅倉仁のことは気になるんだ〜?

 へぇーそうなんだぁー!」

 

 コンロに酒を焚べて火を火炎に変えて、ガチ中華鍋をプロみたいに振り回し始める遊乃。

 すげえなコイツ。火の扱いプロかよ。

 

 「まあそう言うなよ。

 

 朝食の礼も含めて、この一件が片付いたらデートにでも行こうぜ」

 

 「…………え??」

 

 何か異常な事を聞いたかのような表情で俺を見る遊乃。

 なによ?

 

 「どったの?」

 

 「い、いや……たしかに嬉しいんだけど。

 自己肯定感海底の底の底みたいな偽遊さんが、デートを報酬に出してくるって、すっげぇ意外なんだけど……」

 

 「…………まあ、ちょっと色々余分に知っちゃったもんでな……あの世で」

 

 「え……あの夜には逝ってたの?」

 

 「逝ってたな。

 閻魔ちゃん居たぞ。閻魔ちゃん」

 

 「え、マジで!? 元気だった?」

 

 

 

 「それがよぉ、俺が仕事手伝うって言ったらアヤツ。閻魔帳半分に裂いて渡そうとしてきてよぉ……w」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 「あーごっそさん! くったー!」

 

 「お、お粗末様……。

 まさか雨の中呼ばれた腹いせで作ったエセ満漢全席を完食してくるとは思わなかったよ。

 

 体調カンペキって感じ?」

 

 

 「ああ。もう問題ねえ。

 

 何であんな地に足付いてなかったのかもよく分かったし。肉体はそもそも若いんだ。本来コレぐらい出来たんだよな。この身体。

 

 

 さてと……遊乃。残りのセブンスターズ5人、俺が撃破させてもらうぜ。新しいデッキも組んだしな」

 

 「え? セブンスターズなら、あとバカ倉とアムナエルの2人で終わりだけど」

 

 「……え? どして?」

 

 「私が倒したから」

 

 

 「なん……だと!? え? 亮は?」

 

 「偽遊さんと同じ日に負けて、今は校長室に銅像として保管されてる」

 

 ええ!? 亮負けたの!

 

 

 「主人公は!?」

 

 「十代くんは【イシズティアラメンツ】を使ってきた転生者に負けたよ。しかも『御前試合』入りのやつ」

 

 デッキパワーが像と羽アリな所にそこから更に外道に走るだと!? 嫌いじゃねえ!! 

 

 「あれちょっと待って……もしかして残ってるメンツって?」

 

 遊乃が自分と俺を交互に指差した。

 

 「万丈目は?」

 

 「センサー万別入りの【相剣天威】」

 

 「三沢っちは?」

 

 「【クシャトリラ】のデッキデス」

 

 「………………マジかよ」

 

 「偽遊さんが倒れてから、向こうが急に本気出すようになったんだよね。

 

 多分、本丸には偽遊さんが最高戦力だってことが筒抜けなんだよ。

 

 最初に校長。次にカイザーくん。万丈目くん。三沢くん。十代くん。

 

 5人が黒星で、七星門の鍵の争いとしてはノーゲームだった偽遊さんは寝込んでる。

 

 よって、可愛い遊乃ちゃんが実質的に星の命運を賭けての三タテをすることになりましたとさ。

 

 

 

 はい褒めて偽遊さん。はい、はい! 褒めて褒めて!」

 

 「お、おう。これは良くやったな。ヨシヨシ」

 

 「にへへ……」

 

 

 何が凄えって【イシズティアラメンツ】と【クシャトリラ】。

 これらをライフ8000ルールで相手して、バーンで焼き切ったってことだろ? しかも負けたら死のデスゲーム状態で。

 デッキデスが視野に入ってるアイツラ相手にそれやり切るのは、もしかしなくても偉業だぞ。

 

 

 「よーしよし……よーしよし……」

 

 「ん〜なんか段々犬や猫みたいになってきた気がするけど……良いかぁ〜」

 

 

 《因みに、本当に墓地に落ちたら不味いカードだけは精霊パワーでギリギリ死守した影のMVPは私バロネスなので、認知お願いします》

 

 

 なんか出てきた。

 

 「あ、バロネス。何で出てくるのよ! 今いいとこなのに〜」

 

 『だって私、百合の間に入る男を滅ぼす騎士ですし。

 男女の関係なんて考慮の外ですよ』

 

 「それにしたってさぁ!」

 

 『あと……虚路居偽遊。貴方の望む展開が近づいて来ています。

 

 デッキの準備が出来ているなら、一先ず着替えておいたほうが良いですよ』

 

 

 「望む展開……何だ、目覚めて早々浅倉がやってくるのか?」

 

 『いいえ。あの男は狂気に塗れて世界を滅ぼすことも厭わない破綻者ですが、以前遭遇した時も「デュエルの邪魔になる物」がその場から離れるまで待つくらいのことは配慮出来る決闘者でした。

 

 ただ……そんな配慮が入る余地のないような者が居たということでしょうね。

 

 

 百合騎士の私が嫌いな、男の種を求めるメスの臭いがします』

 

 

 「怖い」

 

 

 バロネスの言葉に俺が返せる言葉はただそれだけだ。

 

 だってそうだろ? 浅倉じゃないんだぜ。向かってきてる敵。

 

 つまり、その種を求めるメスって…………。

 

 「カミューラにしてもアムナエルにしても十割悪夢なんですけど!?」

 

 

 「どっちも、んなイメージ無いけど……」

 

 

 「くそぉ……俺もっと普通に戦闘狂とデュエルしたいだけなのに!!」

 

 「戦闘狂と戦いたいのは普通じゃねえよ偽遊さん。戦闘狂の意見だよ。

 

 それより着替えたら? 私洗い物済ませて帰るよ」

 

 「いやお前逃さねえよ? 洗い物はしてもらいたいけど、逃げたらマジで追いかけるからな?」

 

 「偽遊さんの体力で私に勝てるわけないじゃんwww」

 

 「いや、俺を狙ってるらしいそのメスが追いかけるように仕向ける。

 体力ない者の知恵を舐めんなよ?」

 

 「………………も、も〜。そこまでして遊乃ちゃんと一緒に居たいのかよ〜☆ だったらもう少し素直になれよな!」

 

 「こんなに素直じゃねえか。俺はロリコンだ。行き遅れて焦るBBAに興味はねえ!!」

 

 

 トントン……。

 

 

 不意に、ドアをノックする音がした。

 

 「ひい!? は、入ってますう!!」

 

 「トイレじゃないんだよ偽遊さん?」

 

 「知らないのか遊乃。ノック2回はトイレって常識なんだぜ……」

 

 「知らねえよ!! 常識は二十歳までに集めた偏見のコレクションだって言葉を知らねえのか偽遊さん!」

 

 

 《…………アケテ………アソビマシ……ョウ…………》

 

 

 「「いやああああああー!! お化けー!!」」

 

 《………………くっ付くナアアアアアアアアアアアアアアアーーーーー!!!!!》

 

 

 ヒステリックな声が響いた瞬間。丸っこいファンネル的なサムシングが、数体。俺たちを囲むように部屋に出現した。

 

 「は? 精霊!? ってかデクレアラー!?」

 

 静止した状態から瞬間的に発射され、俺たちに突撃してくる。

 

 「バロネス!」

 

 「はい! マスター!!」

 

 シュッと槍を一穿ち。たったそれだけで、どういう神業なのか。デクレアラーを3体纏めて刺してだんご3兄弟にしてみせた。

 

 「さ、流石は最優のシンクロモンスター」

 

 「言ってる場合じゃないって!」

 

 役立たず(俺)が無闇に感動していると、今度は遊乃が身を屈めつつ跳んで俺のデュエルディスクドーマ製と自分の荷物を無駄無く拾い上げて、ディスクを俺に投げ渡してきた。

 

 

 「逃げるよ! 

 バロネス、お願い!」

 

 「ええ! 窓を突き破って脱出です!!」

 

 言うや否や、俺たちは既に外にいた。窓を突き破ると決めたとき、既に窓を突き破っているのだった。

 

 

 

 「敷金が! ってか部屋の中があああああー!!」

 

 PCは死んだなこりゃ。何せ今、ガチの豪雨だもん。グスン。

 

 「今ソレどころじゃないから! 欲しかったら私が後で買ってあげるよ!」

 

 「お前ギャンブルで俺に借金があること忘れてない!?」

 

 《ニガサナイイイイイイイイイイイイイーーーー!!!!!》

 

 「忘れたよそんなもの!! バロネス!」

 

 「はい!!」

 

 

 空中を馬で駆け上がる。なんともファンタジーな体験に感動する。

 しかし、そんな俺達に追っ手が。

 

 「アレはまさか……アーク・デクレアラーじゃねえか?」

 

 

 万能無効効果持ちでありながらターン1の制限が存在しないアーク・デクレアラーがヒョイヒョイと飛んでくること10体。

 ふむ………………。

 

 「………………うぇっ……何か急に具合悪くなってきた」

 

 「まさかこんな時に、実際の盤面だったらどうやって妨害掻い潜るかとか考えてない!?」

 

 「ソンナコトナイヨー」

 

 けど、どの道これはやることないよね俺。

 

 「カード装填。『ヴォルカニック・バックショット』!

 フルファイヤー!!」

 

 「我が槍のお団子になりたい者は掛かってきなさい!!

 フルール・スピアー!!」

 

 《撃ち抜けエエエエエエエエーー!!》

 

 ピシューン!! ピシューン!!

 

 「罠カード装填! 聖なるバリアーミラーフォース!!」

 

 「助かりますマスター!」

 

 「援護は遠距離の基本ってね!」

 

 

 

 

 

 「………………俺、こんなファンタジーバトルで役に立つこと、何もないもん」

 

 

 

 




果たして犯人の正体! デクレアラーを使役する謎の女の正体とは!?

次回、羊水は新鮮でも行き遅れはあり得る!

偽遊の謎、興味は湧きますか?

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