遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜 作:SOD
テコ入れですか? いいえ、突貫工事です。
敵視点FPSのような状態になった戦いの最中。悲鳴が響いた。
「きゃああああーー!!」
「今の悲鳴は……!!」
自身の抜群の体幹で下半身だけで馬に乗っていた遊乃にしがみついていた役立たずの偽遊は、誰よりもその悲鳴に反応した。
上、下、右、左。縦横無尽に駆け回るバロネスの馬に揺られながらも声の主を探す偽遊。
「ーーいた……! レイ!!」
探し出した目的の少女は、朱、翠、紫のデクレアラーに捕縛されていた。
「偽遊……? 偽遊!!」
「レイ! 今行くぞ!」
バロネスと共に謎の敵と交戦していた遊乃は、自分にしがみついていた手が離れるのを感じ、片手でその腕を止める。
《ーーアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーー!!!!!!》
「離すと落ちるよ!」
「なら降ろしてくれ」
「無理だよ! あの謎の光線、どれだけバンバン撃って来てるか分かってる!? 偽遊さんの少女趣味信仰は知ってるけど、もう少し冷静に……」
「…………遊乃。俺、閻魔ちゃんに会ったって言ったろ?」
「え? 何、突然……?」
「ああ、突然で悪いけど聞いてくれ。俺、記憶喪失だったんだよ」
「はい!??」
「でも、閻魔帳を見てる内に思い出したんだ。色々と」
「色々って何よ!?」
「俺…………あっちの世界で生きてた時は、LOとか好きなロリコンだったけど、別にリアルな女児とか命懸けで守るような人間じゃなかったんだよ」
「話の意図が見えないんだけど……」
「…………まあ、今度ゆっくり話すよ」
ポンと遊乃の頭に手を置くと撫で撫でし始める偽遊。
「…………?」
「バロネス、どうにか地上スレスレまで行ってくれ。
後は飛び降りる」
『分かりました!』
「いや駄目だよ!? バスジャックされた高速バスから飛び降りても結構な怪我するんだよ!? 飛行機と追いかけっこが成立するバロネスのスピードでそんなん出来るわけ……!!」
「成さねばならぬ。洗えば食える、何物も!!」
「意味分かんないいいいいーー!!!!」
『行きますよ、地面への特攻! ベルレフォーン!!!!』
バロネスが槍を構え、馬が超速で特攻する。
その間に照射される光線を弾き返し、捕まっているレイの近くまで接近した。
(虚路居偽遊をレイの側に連れて行っても、彼女を捕まえているデクレアラーが邪魔ですね……!)
そう判断したバロネスは、前に構えていた槍を僅かに下げて腕の可動域を確保する。
《あの程度の精霊なら、一息です!!》
後少しで手が届くほどに肉薄した位置で、バロネスが槍を振るう。一振りで三撃。デクレアラーに襲いかかる。
グサリ。紫のデクレアラーを穿つ。
グサリ。翡翠のデクレアラーを刺し殺す。
パシッーー……!
『しまった! 外した!?』
「うりゃっ!!」
バロネスの槍が、敵の光線に逸らされたことにより、朱のデクレアラーを仕損じてしまう。
だが、そんな様子など偽遊の反射神経や動体視力で分かるわけもなく。降りれるから降りましたと言わんばかりに、当たり前に降り立った。
いや、そんなカッコいいものではない。ゴロゴロと転がり、擦り傷だらけだ。せっかく完治してたというのに、コイツは怪我をせずに生きるということを知らないのか。
「レイ!」
勢いにやられて上も下も判断つかない所から重力を取り戻した偽遊は、頭を上げてレイの状態を確認する。
「偽遊! 助けて!!」
「…………良し任せろ。すぐにレスキューしたらあ」
偽遊は飛び降りる時に一緒に放り投げたデュエルディスクを拾い上げると、レイの元へ歩みを寄せる。
「その前に……私が貴方を倒すのよ」
「ーー!!」
レイの前に突然、黒いローブで顔を隠した人間が現れた。魔法だろうか?
精霊がなんか光線バンバン撃ち出した後で言ってもわざとらしいか。
声の主はすぐにそのローブを脱ぎ捨てる。
すると、戦闘の余波で吹いているだろう風に金髪のロングヘアが靡いた。
「天上院明日香!?」
デュエルアカデミアの誰も知らない内にカイザー亮を倒し、赤錆びた像に変えた張本人。
服装も普段ものとはまるで異なる、普段の彼女が絶対に着ないような性的な服装だ。
「何でキミが!?」
「フフフ。私がね、判明していない最後のセブンスターズなのよ」
「大徳寺はどうしたんだ!?」
「ああ、転生者ってそういうことも知っているんだったわね。
彼なら……遊城十代が敗北したのを知った瞬間、土塊に還ったわ」
「な……!?」
「最期の錬金術師の可能性も途切れた今、私には生きる理由も無い……だそうよ」
「…………そりゃあまた、絶望的なドロップアウトもあったもんだな。
んで、キミは遊乃を倒しに来たわけ?」
「貴方は本当に何も分かっていないのね。
でも良いわ。どうせ、私は貴方をーー!!」
「手に入れる為に、セブンスターズになったのか?」
「え……?」
「…………正直言って、理由は全く分からない。何で俺なんか。
なんだよ、『おあずけが長すぎた』って。
けど…………鈍感系みたいなやり方でやってりゃ、キミは絶対に諦めると思っていた。
最後の最後に、遊城十代にヒョッた、キミだから」
「なんの事……!?」
「でも、そうじゃないんだな。
『天上院明日香は、虚路居偽遊に出会うと、狂ってしまう』
そういうことなんだな……」
「…………ええ、そうよ!
私は貴方が欲しくて欲しくてたまらないの!! だからセブンスターズになった! 探していた兄さんが見つからなくても良いってね!!」
「家族を見捨てるのか」
「いけない!? 女は恋すると変わるのよ!!
私は変わった。貴方を手に入れる為に! だからーー!!」
「だからお前は、あのバッドエンドの末路。俺の死んだ世界で、ふたたび
「え……?」
言っている本人にしか分からない言葉。だがそんなこと、偽遊は気にしない。いつものことだ。
デュエルディスクを展開する。
「フフ……その気になったのね」
「やる前に、その
「……? なんの事?」
偽遊が睨む視線の先を追う明日香。そこにあるのは……。
「偽遊……? もしかしてボクのこと……??」
「何をどうしたのか知らねえが、不愉快なんだよ。」
「あら、レイちゃんのこと嫌いになっーー」
「レイは一月ぶりに目覚ました俺に、様子も聞かずに助けてなんて口にするような弱い女じゃねえよ!」
「え……?」
「お前と一緒にすんな。
「……………………ふん」
明日香が鼻で笑って指を鳴らすと、それまでそこにいたレイの姿が消えて『ものマネ幻想師』に変わった。
ものマネ幻想師は消えるでも無くローブ姿(最初の明日香の格好)になると、遊乃との交戦を継続した。
横槍を入れないようにするためだろう。
「たったひと月で、なんか随分と
来いよ明日香。散々焦らした男の責任ってやつを取ってやる」
「貴方も何か獣の荒々しさが消える気がするけど……まあ良いわ。
私は貴方を負かして、一生自分のものにする。
そのために一ヶ月ずっと目覚めるのを待ち続けて来たんだからね!!
行くわよ、
「今の俺を【
ルートが外れた筈の天上院明日香BADENDルート。実はここに来て正史に普通に影響出てました。
因みに
バッドエンドの末路ですが、ご存知の通り偽遊は放っておいても何故かドンドン弱っていくし、生存本能も壊れているので治療とかの発想もありません。
なのであのまま行くと子供産まれても未亡人です。
しかも最悪なことに、偽遊は死の直前には失踪してしまうのです。
これは即死や他殺でもない限り必ず起こります。
なのでそれを捨てられた逃げられたなどと解釈した明日香は狂って自暴自棄になって毒親通り越して育児放棄&虐待に走って〜〜〜〜となるわけです。
偽遊くんの秘密のリバースカードの一つ。ようやく開示出来るタイミングだったのでオープンしときますね。
偽遊の謎、興味は湧きますか?
-
YES
-
NO
-
日々考察はしていた
-
ばななあ