遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜   作:SOD

169 / 210

 久しぶりに更新することにした。
 特に行き詰まっていたとかは無い。モチベの問題である。

 一年生編・完! までのプロットはおおよそ出来たので、他の作品書きながらのんびりやっていこうと思う。





 


文化祭開園。VS主人公!

 

 

 「zzz......」

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 「偽遊ーー!! 起きて! 

 

 文化祭行くよー!」

 

 

 「ーーフワッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 「………………………………」

 

 

 文化祭。それは学校の生徒が、なんやかんやしてーそのー……どーのこーのしてー……えーー…………何かする日。

 

 

 「……駄目だ、解像度が終わってて何も言えねえ」

 

 

 「どうしたの? 偽遊」

 

 「何でも無いぞ〜レイたん」

 

 

 カミューラを倒した後に七星門の鍵が返却されるとか言う、遊戯王GXのシナリオ上で前代未聞の現象が発生した半月後。俺とレイはレッド寮に向かっていた。右手にはレイたんのお手々。手首に手錠は無し。

 

 自由って素晴らしい。

 

 

 そして今日はデュエルアカデミアの文化祭の日。

 つまり、ブラマジガールが実体化してコスプレ(本人)デュエルするあの回だ。

 …………なんか、三千年ぶりくらいに原作通りの展開を目撃している気がする。

 最近はもう、寄り道回り道と迷走の連続だったからな。平成アニメの迂回ルートか。ここらでそろそろ、誰に見せても恥ずかしくない遊戯王GXのシナリオを見せて欲しいものだ。

 

 もしかしたらワンチャン忘れてる人がいるかもしれないけど、俺は原作保全派だからね。

 

 このまま妖怪棺桶ジジイが十代にシバかれるとこまで行って、一年生編・完。と行って欲しい。

 

 そして俺は晴れてお役御免となって、死が迎えに来るその日までダラダラするの。

 

 今日は寝てるところをレイたんに連れ出されたので、明日からはダラダラしていたい。

 

 

 

 

 

 「………………ところでレイたん」

 

 「うん? どうしたの偽遊」

 

 

 「あの男臭さと腐りかけの学祭寮の臭いしかしないレッド寮に来なくても、イエロー寮のとこでたこ焼きとか綿あめとか食えば良くない?」

 

 

 俺としては別にブラマジガールに会いたいとかも無い。もちろん天上院達のハーピィ・レディ三姉妹にも興味が無い。

 

 再重要案件であるレイたんがコスプレをしているわけでもない。いつもどおりに色々ちっちゃい違法ボディに纏っているのは、ラーイエローの改造制服。

 

 いったい俺は何故連れて来られたのだろうか?

 

 

 

 「偽遊はずっと部屋の中でゴロゴロしてたから知らないと思うけど、今イエロー寮とブルー寮の出し物は最初の予定を全部無かったことにして『ブルーVSイエロー』のサバイバルデュエル対決をドローンで中継配信してるんだよ」

 

 「なに文化祭で戦争してんだよあいつら」

 

 もっと青春楽しめよ。

 いや、十年後とか振り返ったら楽しかったなーってなるんだろうか? せやったら青春か〜。

 

 「因みにオッズは8対2でイエロー有利みたい」

 

 「エリートとは……ってか、オッズって言った?

 それ管理人誰?」

 

 「遊乃さん」

 

 

 あのギャンブル狂いのバカ娘とは、後で『学校でしてはいけない行動のなんたるか』について、ねっちょり語り合う必要がありそうだな。

 

 

 「つーかよぉ、それってつまり。遊乃に唆されてイエロー寮だけでなくブルー寮まで出し物変えてるってことか?

 

 何でそんなことがまかり通ったんだよ?」

 

 

 「最近ブルーの人たちをシンクロモンスターを餌にして従えてるんだよ。

 

 そろそろ本格的にシンクロモンスターのユーザーを拡めて、イリアステル? を煽って行きたいんだって」

 

 

 

 「………………………………そうか」

 

 

 何がしたいのかは分からんが……まあ、アレだ。がんばれ。

 

 

 「ああ! 思い出した!!

 

 偽遊、ボクたちには使うなって言っておいて。カミューラとのデュエルでシンクロ召喚してたよねぇ!?」

 

 「………………………………………………………………浅倉とのデュエルで使えるなーって思って。まあ……」

 

 後、くたばってる間に新規出てたから使ってみたくて。

 

 「……………………使いたい? シンクロ召喚」

 

 「え……? い、いやいいよ別に。

 偽遊はボク達のためを思って言ってくれてるんでしょ? だから、もういいの」

 

 すっきりしたような、諦めきれていないような表情で答えるレイ。 

 俺は何か、言うべきことがあるような気もするが……。

 

 「……………………そっか」

 

 いつものように、都合の悪いことをなあなあで済ませるのだった。

 ハハハ。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 「……………………そっか」

 

 ボクの返答に、偽遊が苦しそうな顔で返してきた。

 いつもと同じ顔。

 

 『伝えたいことがあるのに、伝えられない』

 

 偽遊の気持ちを言葉にするなら、そういうことだと思う。

 

 

 伝えられないのは、どうして? ボクが子どもだから?

 

 

 ううん。たぶん、違うんだと思う。

 

 

 

 

 『ーーごめんな。遊乃。レイ。

 

 

 

 『家族』ってよく知らないんだ。それはどう言う『定義』だ? いつ『確定』する?』

 

 

 

 

 だふん……きっと……偽遊は………………。

 

 

 

 「ねえ、偽遊」

 

 「うん? どったの?」

 

 偽遊はきっと…………。

 

 「ひとつお願いごとしてもいい?」

 

 「俺に出来ることなら。

 お小遣いでもほしい?」

 

 「ううん。そうじゃなくて…………」

 

 「……?」

 

 

 

 「偽遊の子供の頃のこと、教えて欲しいの」

 

 

 「ーー!!?」

 

 

 

 

 

 ーー自分のことを話すことが、嫌で嫌でたまらないんだと思う。

 

 

 

 

 「………………………………こどもの……ころ……か」

 

 

 見た目的には変わらない表情。でも、最近ずっと無理矢理側に居たボクには分かる。偽遊が物凄く動揺しているって。

 

 カリカリと首の後ろを掻いて、そのまま顎の横を掻く。

 

 偽遊が困っている時の仕草だ。

 

 

 

 「偽遊、ちょっとそこに座ろうよ。ボク、疲れちゃった」

 

 「え、あ……はい」

 

 

 校舎からレッド寮までの道に置かれているベンチに偽遊を座らせると、ボクが膝の上に座る。

 逃さないように、準備万端だ。

 

  

 座ってから偽遊は口を開かず、潮風がひとつ吹く。

 それから、レッド寮から歓声が聞こえてきた。

 

 「お、レイたん。何ーー」

 

 「『何か出し物が始まったみたいだし、見に行こうぜ』」

 

 偽遊のセリフを先読みして先に言う。

 

 「おう、そうだな。じゃあレッド寮行くか」

 

 ……………………牽制のつもりだったけど、偽遊はこれを『ボクからの提案』へと解釈を捻じ曲げたらしい。

 

 時間は1秒も経ってないのにこの考えになる辺り、流石は偽遊。歴戦のデュエリストだ。

 けど、ボクだって負けてない。

 この半年で、偽遊の扱いは分かっているんだから。

 

 

 「ボクは偽遊の子供の頃の話が聞きたいな。

 

 どんな子だったの?」

 

 

 「……………………」

 

 

 偽遊に何かさせたかったら、遠回しは一切無し。変化球はほぼ全部打ち返してくるから直球勝負だ。

  

 

 

 「………………………………あー……まあ、アレだ。子供の頃は、『子ども』だったぞ」

 

 

 やっぱり思った通り。偽遊は自分のことを話したがらない。

 

 

 「………………………………偽遊の子供の頃は、どんなカードを使ってたの?」

 

 だから、少しでも返答しやすそうな話題から始めていこうと思う。

 

 「どんなカード…………キマイラだな」

 

 「そんな昔からあったの? 今のキマイラって」

 

 「……………………いや。リメイク前の……その…………キマイラ…………だ」

 

 「……………………うん。ごめんね。

 

 レッド寮行こっか。偽遊」

 

 「お? おう…………」

 

 

 (これは思っていた以上に、簡単なことじゃなさそう)

 

 

 

 思わず中断するしか無かった。

 

 

 そうでもしないと…………。

 

 

 「………………………………? どうしたレイたん?」

 

 

 「………………………………なんでもないよ。偽遊……」

 

 

 

 

 多分無意識に伸ばしていたんだろう手が、偽遊自身の首を引き裂いていたかもしれないから。

 

 

 

 

 「……………………ボク一人じゃ、今はどうにも出来そうにない」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 道中、レイたんのちっちゃなお尻を堪能しつつもレッド寮に着いた俺たち。

 目の前には『デス・コアラ』や『デス・カンガルー』が描かれた『コスプレデュエル』の看板。そして、ラインパウダー(通称、グラウンドに白線引くやつ)で仕切られたデュエルフィールド。

 

 そして……。

 

 

 

 

 「ーーオレはずっと、オレとデッキのみんなの力で戦ってきたんだ!

 

 偽遊のカードに頼ってデッキを強化しているお前達に、オレのデッキを馬鹿にされる筋合いなんてない!!」

 

 

 「ちょ、ちょっとアニキ……!?」

 

 

 「落ち着け十代! オレたちは何もーー」

 

 

 「上等じゃないか十代! だったら同じ条件でデュエルだ!!

 

 言い訳も何も出来ないくらいに吹き飛ばしてやるぜ!!」

 

 

 

 何か青春してる十代と翔と三沢と万丈目の姿があった。

 

 

 

 

 「…………おや、偽遊様。ソレに巫女姫様も。おはよう御座います」

 

 

 周囲がオドオドしている中、俺達に声をかけてきたのは神楽坂だ。

 

 「おはー神楽坂。

 

 コレは何?」

 

 「はい。偽遊様が好まれる簡潔な説明を致しますと。

 

 十代が最近の自分の戦績。主にセブンスターズとのデュエルですね。ソレを気にして元気が無かったところを、三沢がデッキの見直しを提案。

 万丈目が便乗する形で、十代のデッキを『何がしたいのか、お前自身も分かっていない未熟な構成を見直せ』と口にしたところから現在です」

 

 

 「非常に分かりやすい説明だ。ありがとう」

 

 「もったいないお言葉にございます!」

 

 

 要するに、万丈目の『デッキ構成に問題がある』と言う問題提起に対して、十代の『人のカードでデッキ組んどいて偉そうな事言うな』と言う感情論がぶつかっているわけだ。

 

 

 「もう、せっかくの文化祭に何を喧嘩してるのよあの二人。

 

 ボクちょっと止めてくるよ!」

 

 

 「…………いや、俺がいく」

 

 「ーーえ!? 偽遊が自分から!?

 珍しいね……」

 

 

 (多分、偽遊様は。巫女姫様が行ったら最悪拗れると判断されたのだろうな……でなければあのお方が、平和な他人事に介入されるはずも無いだろう)

  

 

 

 

 「首を洗って待ってろ十代! 今、(キマイラ)のカードをデッキから抜いて……」

 

 

 

 「そんなことするくらいなら、いっそデッキを交換してデュエルしたらどうだ?」

 

 

 

 「え?」

 「(キマイラ)!? 部屋から出てきたのか……珍しい

。今日は文化祭だぞ?」

 「うわ、偽遊くんっす!? 引きこもりはどうしたんすか?

 偽遊くんは文化祭なんて絶対に参加しないと思ってたっすよ」

 「偽遊! 部屋から出てこれたのか!

 まさか文化祭に参加してくれるとは……」

 

 

 「うん。お前ら三人。俺のこと何だと思ってんの?」

 

 

 「文化祭に参加するとは思っていなかった」

 「人間のクズっす」

 「偽遊は、こういう行事ごとについては良い印象が無いものと……すまん」

 

 

 なるほどなるほど。良くわかった。翔は後で処す。

 

 

 「……………………それで? いったい何なんだよ偽遊。デッキを交換って」

 

 十代が見覚えのある、実に安心する目でオレを見る。或いは睨んでいるのかもしれない。ああぁ〜〜…………向けられる嫌悪感マジ居心地良いっす。ここがぼくのいばしょ。

 

 

 「言葉とおりの意味だ。

 

 事情は良く分からんけど、俺が与えたカードが討論の元凶になっているなら、俺も無関係じゃない。

 

 

 だから、デッキを交換してデュエルして勝利すれば。

 

 万丈目は俺のカードに頼らない自分の実力を示せる。

 

 十代は自分の実力が劣っているのでは無いと言う持論を証明出来る。

 

 

 完璧な理屈だろ?」

 

 

 「たしかに、一部の隙も無いロジックだが……しかし、偽遊。

 

 キミの持つカードの力は、はっきり言ってちょっとやそっとの実力差で覆せるものでは無いんじゃないか?」

 

 

 「そうっすよ。

 

 大体、アニキだって今のデッキで万丈目くんに勝てないわけじゃないんすよ? 実力差なんて言えるほどの差が二人にあるとは思えないんすけど」

 

 

 

 「………………なら、俺が十代とデッキ変えてデュエルするか」

 

 

 

 「ーー!!??」

 

 「な、何だって!?」

 

 「アニキと偽遊くんが……デュエル!???」

 

 「オレと偽遊が…………っ!?」

 

 「偽遊が十代とデュエルぅ!?」

 

 

 「……え? 何?? そんなに驚くこと??」

 

 

 「驚くことっすよ!!

 

 偽遊くん、この一年間で自分からデュエルを誘うことなんて無かったじゃないっすか!!」

 

 「【獣王(キマイラ)】虚路居偽遊とのデュエル。

 

 今や【帝王(カイザー)】と同格以上の存在であるお前が、学園の人間とデュエルをすることすら珍しいと言うのに……それを自分からなんて」

 

 

 「別にそんな大したことじゃねえだろ。ただのデュエルだぞ?」

 

 

 「「「「「そのただのデュエルを拒否ってた人間が何を言って……」」」」」

 

 

 「あ、はい……」

 

 

 

 「奇跡っす……これはもう、文化祭の奇跡っすよ!!

 

 レッド生のみんな、今すぐお客を集めよう! 【獣王(キマイラ)】のデュエル……金が取れるっすよこれは!!」

 

 「「「「「ーーおう!!」」」」」

 

 「おいコラ翔。人のデュエルで金儲けすんな」

 

 「そこをなんとか!! 最近なんかレッド寮が雨漏りは酷いわ、なんかマグロ臭いニオイまでするわで、地獄なんすよ! リフォームさせて欲しいっす!!」

 

 「男だらけの寮で生臭いニオイすんのは宿命だろうがよ」

 

 

  

 「…………最近、風が吹くたびに寮全体がミシミシメキメキ言ってて、眠れないんす…………」

 

 

 「……………………お、おう……そうか…………あんまりアコギなことすんなよ?」

 

 「はいっす!!」

 

 

 

 「と言うわけだ十代。俺が相手でいいか?」

 

 「……………………っ、ああ。誰とのデュエルだって受けるさ!」

 

 

 そんなわけで、なんやかんやで十代とデュエルすることになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「と言うわけで、狂徒の誰か。ちょっとメタ馬にウーマーイーツ頼んでほしーー」

 「ーーお待たせしました!! デッキケース(ジュラルミンケース)と普通のデュエルディスクですっ!!」

 

 

 

 「お、おう。ありがとう……」





 ネズ太郎「オイラが連絡しときました」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。