遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜   作:SOD

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前回のあとがきで、女子勢がいないことに関する愚痴に、タッグフォース勢を出せばいいじゃないとコメントくれた方が何名かいましたが…………明日香をババアと呼んで会話をしたがらない偽遊君にタッグフォース女子が生えたところで…………何も変わらないんですよね。

 幼女になった神炎皇とか出そうものなら、GXというシナリオの都合上ずっとは居られないので、最終的には人の心が無いのは偽遊じゃなくて作者の方だったってのがバレる危険性があるシナリオを書くことになるので出せない、と。




デュエリストがデュエル中に行う勝利の為に究極まで縮小化した行動四選 2

 

 「はーい休憩終わりー。講義を再開しまーす」

 

 現在は午前十時、結構時間を無駄にしたが、そろそろ取り返していかないとタッグデュエルに間に合わねえ。

 

 「偽遊くん、お腹の調子は大丈夫っすか?」 

 「ああ。なんとか」

 

 こんなゲロ底辺環境を提供するレッド寮でも胃薬が常備してあってくれて助かったわ。胃薬くんは社畜のズッ友。縁を切るときは滅びの時だ。俺はまだ滅んでないから胃薬くんと友達。実は消滅してた方が幸せだったのかもしれない…………。

 

 「………………」

 

 チラリと天上院明日香のノートを見ると、俺が言った4つの動作について自分なりに考えた内容を書き込んでいる最中だった。真面目だなぁ……言おうとしてたことは何一つ分かってはいないけども。それは言うまい。

 

 「ではまず、モンスターの攻撃表示と守備表示の意味について説明しようかね」

  

 「あの、偽遊くん。さすがにそのくらいは僕にも分かるんすけど」

 

 俺が含蓄のある説明をしようとした所、口を挟んだのは当然のように丸藤翔(バカ)だった。お前は本当に一度も俺の悪い予想を裏切らないなぁ……。

 

 「愚かだなぁバカ太郎くん。俺が今更攻撃表示は縦向きで置いておく表示だよとか、守備表示は横向きで置くよとか言うとでも思ったのか? いや、ワンチャンお前には必要な授業なのかもしれねえけどさ」

 

 「バカ太郎……」

 

 正直、これを説明するなら現代環境のカードを湯水のように使って説明する方が確実なんだけども、それは伝わらない話になるだけだから、なるべくそれっぽく説明しよう。

 

 

 「ここに、異星の最終戦士という融合モンスターがいる」

 

 

 異星の最終戦士 星7 地属性 戦士族

 ダーク・ヒーローゾンパイア+魔力吸収球体

 ATK2350 DEF2300

 

 特殊召喚成功時、自身以外の自分の場のモンスターを全滅させる。

 表側でこのモンスターが場に存在する限り、お互いのプレイヤーは召喚・反転召喚・特殊召喚が出来ない。

 

 

 「怖い見た目のモンスターっすね」

 

 「否定はしねえが仮にもデュエリストなら、まずはステータスと特殊効果に目を向けて欲しい」

 

 「特殊召喚すると、このカード以外の自分のモンスターを、全て破壊するって書いてあるんだな……」

 

 「ええっ……そんなモンスターじゃ使い物にならないっすよ!?」

 

 「隼人、その先も読んでみろ」

 

 「えっと……このモンスターが表側でいる限り、お互いのプレイヤーは、モンスターの召喚、反転召喚、特殊召喚が出来ない……って、えええええーー!?」

 

 「そんなの、掟破りモンスターじゃないか!」

 

 「そのとおりだ。仮にソイツを能動的に特殊召喚出来るカードが作られたら、そのカードは問答無用で牢屋(禁止カード)にブチ込まれることになるだろう。そのくらい、そのモンスターの効果はゲームの根幹を揺るがしている」

 

 「でも、それと今の攻撃表示と守備表示について、どんな関係があるんだ?」

 

 「うむ。そうだな。そこに疑問を持つよな。だが、それに答える前に、簡単なクイズを出そう」

 

 「「クイズ?」」  

 

 「そうだ。簡単なクイズだ。

 

 異星の最終戦士が場に表側で存在している状態でモンスターを場に出す方法は何だ?」

 

 流石にこれを答えられないってことはないはず。普段お前らデュエリストレベル小学生未満かってこき下ろしてるけど、ガチで小学生未満なんてことは無いはずだ。

 

 さあ、デュエリストに相応しい完璧で究極なアンサーを聞こうじゃねえか。

 

 「…………?」 

 「…………?」

 

 うん、俺はもうお前らに何も期待しねえ。

 

 「……………………」←答えが分かっていて当てて欲しい、お目々キラキラ天上院明日香さん。

 

 あー答えて欲しいやつは答えられねえし、話しかけられねえ方は答えたがってるしよぉ!! だいたいオメー何でそんな解答権を欲してるんだよ推しの配信じゃあるまいし! 答えたって何にも褒美なんざ出ねえぞ!!

 

 「あー…………召喚というのは、大まかに『通常召喚』とそれ以外の『召喚』に分けることが出来る。この2つの最大の違いは『召喚権』を消費することと、『裏守備表示でセットする権利の有無』だ。

 

 隼人、お前の大好きなデス・コアラはリバースモンスターだ。そして、異星の最終戦士が封じているのは、あくまでも『召喚』なのであって、『通常召喚権を剥奪』しているわけじゃないんだ。分かるな。分かれ」

 

 お前が分からないと、 そろそろ視界の隅で無言のまま顔面偏差値の暴力で殴ってくる天上院明日香に当てなきゃならなくなる。

 

 「………………………………………………………………つまり、裏側守備表示で召喚することが出来る……のかなぁ?」

 

 「その通りだ。よく答えてくれたな。ほんと……ほんとにありがとう」

 

 嬉しいなぁ。嬉しすぎて視界が歪む。ぐすん。

  

 「でも、どうしてモンスターを手札から裏側で出せるんすか? 異星の最終戦士の効果で召喚は封じられてるはずなのに」

 

 「それは簡単な話だ。デュエルモンスターズにおいて、『召喚』とは、通常召喚権を消費して、手札からモンスターを攻撃表示で出すことだからだ。

 

 そして、通常召喚権を消費して手札からモンスターを裏守備表示で出す行為のことを、ルール上『セット』と呼ぶ。

 

 この2つはごっちゃにしがちだが、厳密には別の行為なんだ」

 

 「「そうなの!??」」

 

 「ーー!?(お目々ぱちくり明日香)」

 

 「そう。デュエルアカデミアのデュエルの授業では、魔法カードの種類だとか、フィールド魔法はどんなカードだとか、見れば分かるような幼稚なことばっかり教えている割に、本当に必要なことはマジで何にも教えてない。

 

 正直アカデミアで百年授業受けるくらいなら、俺が百分教えてやった方がよっぽどマシに成長するまである。実技の授業が聞いて呆れるぜ」

 

 十代と明日香の卒業タッグデュエルの回なんていい例だ。明日香は『どうせ十代は使わないし』と言って、自分で使うつもりだった『プリマの光』とか言うカードを、レイたんがエンド宣言をしたからもう使えないとかいう訳のわからない理由で使用を断念しやがった。このことから、この学園は卒業までエンドフェイズの概念を教えていないんじゃないかと言う疑念が、俺の中でビッグバンを起こしている。

 

 「……………………」 

 (昔兄さんが偶然見つけたことを教えてくれていたから知ってたけど、どうして出来るのかまでは知らなかった。

 クロノス教諭に聞いたときですら、ディスクの故障だって言われたくらいなのに……デュエルアカデミアの先生ですら知らないことを、虚路居くんはどうしてそこまで詳しく知っているのかしら?)

 

 「さて、随分話がつっかえていたが、ようやく本筋に入れる。

 

 俺がこの表示形式の話で言いたいのは、モンスターを場に出す時の表示形式には、常に何故その表示形式で出すのか、必然的な理由を持って行えと言うことだ」

 

 「必然的な……理由っすか?」

 

 「そう。例えば十代の使うフェザーマン。攻守共に1000と言う、殴ってくださいと言わんばかりの貧弱なステータスだが、十代はこれを先攻1ターン目に攻撃表示で出すという、許されざる愚行を行うことがままある」

 

 「ゆ、許されざる愚行って……それは言い過ぎなんじゃないっすか?」

 

 「何故だ?」

 

 「え? なぜって……それは十代のアニキにはアニキの考えが」

 

 「考えって何だ?」

 

 「それは分からないっすけど……」

 

 「お前は一度でもフェザーマンが先攻1ターン目で攻撃表示で召喚されたおかげで活躍した所を見たことがあるのか?」

 

 「………………ど、どうだったかな……?」

 

 「低い攻撃力を活かして罠を張って、敵モンスターを攻撃力で上回って殴り返したことが一度でもあるのか?

 フェザー・ウィンドを使用して敵の動きを封じ込めたことがあるのか?」

 

 「………………ないっす」

 

 「そうだ。無い。十代は割とノリで初手にフェザーマンを攻撃表示で出している。攻撃力が低いから簡単に殴り倒されて無駄にライフを削られて、不必要にダメージを負うばかりだ。挙げ句の果てにはフェザーマン1体攻撃表示で出してターンエンドとか言う血管がブチ切れそうな愚行を平然とやらかす!!

 

 いいか雑魚共!! デュエルモンスターズにおいて、作戦もなく、相手から妨害されたでも無く、先攻1ターン目で攻撃力の低いモンスターを攻撃表示で出して、何の対策も無くターンエンドなんざ、俺のいたところじゃ小学生だってやらねえ!! なんなら罠カードを伏せていたって、わざわざダメージを喰らうだけの攻撃表示なんざ、愚行としか言いようがねえんだ!」

 

 「ぎ、偽遊が……何か怒ってるんだな」

 

 「いっそ何もカードを出さずにエンド宣言をするなら、まだ勝負の一手だ!! 手札に召喚可能なモンスターが1体のみ。これを倒されたら次にモンスターを引けるか分からない。だから敢えてモンスターを出さずに相手の出方を窺う。これで『相手が絶好調で1ターンで倒されました』と言うなら俺は何も文句は言わん!! 何故なら勝負は時の運だからだ!!

 

 だがお前らはそれ以前の問題だ!! 勝負に最善を尽くさず! 戦略に必然性を問わず!! デッキの構築に心血を注がない!!

 洗練せず、研鑽せず、練磨しない! その上負けたら運が悪かっただぁ!? ふざけんな!!!! 俺はそんなゴミ共には、一生負けねえ!!!!」

 

 「一体今どこに偽遊くんの地雷があったんすか!??」

 

 「分からないんだな!!」

 

 (そう言えば、最近ジュンコとモモエが、1対3でオベリスクブルーの生徒とデュエルしていた虚路居くんを見たって言ってたわね…………お昼ごろ見かけて、夕暮れ時にもう一度通り掛かった頃には、腕組みしながら憤怒の表情でオーラを放っていた虚路居くんを中心にして、オベリスクブルーの人達の青い土下座の花が咲いていたとか)

 

 

 「いいかお前ら。どうせお前らのデッキじゃ先攻制圧とか不可能だから、これだけは忘れるな。モンスターは無意味に攻撃表示で出すな!! はい、復唱!!」

 

 

 「「も、モンスターは無意味に攻撃表示で出すな!!」」

 

 「モンスターを攻撃表示で出すと言うことは、最初から相手に自分のデッキを知らせているようなものだ! 無論、デッキがしっかり力を発揮できるような手札で有るならばその限りではない。が!! お前らのデッキは現状先攻で攻撃表示で出すモンスターはいない!! それは俺が保証してやる!!」

 

 「い、嫌な保証っす……」

 

 「なんだな……」

 

 

 「以上でモンスターの攻撃表示、守備表示の意味についての説明を切り上げる。本当はまだまだ全然有るが、どうせ一気に言っても理解出来ねえし覚えきれねえ。だから先ずは猿でも分かる基本を頭に叩き込め。出来なきゃ俺がジープで叩き込む!」

 

 「「ひいいっ!?」」

 

 「さて、次は魔法罠の表側と裏側についてだが、その前に……ゲフン。

 

 何故か喉が乾いたのでちょっと休憩にしよう」

 

 ((あんだけ吠えてればそりゃあなぁ……))

 

 

 

 (攻撃表示と守備表示の意味、それに召喚とセットの違い……勉強になるわ)

 

 

 

 




GX環境だと、どうしてもモンスターの先行制圧とか無縁過ぎて、結構デュエル理論を説明するの大変だと気付いた。遅いんだよなぁ……気付くのが。

偽遊くんのデュエル講義に興味が

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