遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜   作:SOD

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好き放題書くために生まれたキマイラなわけですが、まあたまには読者の皆さんに感謝を込めてファンサービスの一つも捧げようかと思いました。
今回のテーマは、『痛み』だぁ!! ではなく、『ちょっと軽く感動でもさせてやる差し上げてもよろしくってよ?』 的な。


はじまります





………E・HERO達。そしてハネクリボーよ。今だけ俺に力を貸してくれ。

 

 

 

 『ーE・HERO フェザーマンを召喚だー!!ー』

 

 

 

 

 (ーー憧れの気持ちが、無いわけ()無い)

 

 

 

 

 

 だってそうだろう? 主人公に何の好感も持たないままに、どうしてアニメを最終回まで視聴出来るよ?

 

 

 実際アークファイブとか切ったし。俺。

 

 

 憧れた。E・HEROを組みたくて、ショップのカードを購入した。金なんて全然無かったから、どうにかこうにか1枚ずつ。手に入れたり、手に入んなかったり。全くデッキとも呼べない紙束だったけど、元々一軍だったデッキのなけなしの強欲な壺も移した。

 十代パックを買ったりもした。ネオスだって手に入れた。

 

 フレイムウィングマンに至っては、ガキの金では手が届かなかったから。何か良くわかんないけど安く売られていたパラレルレア仕様のカードを手に入れるまではずっとサンダージャイアントや、ランパートガンナーの字レアでデュエルしてた。

 

 それでも凄く楽しかった。新しいHEROのカードが手に入る度に嬉しかった。ハネクリボーのカードを手に入れた時は感動した。友人がウィンクしているアニメ仕様のハネクリボーを手に入れた時は凄く羨ましかった。

 

 俺の住んでいた所では、実は遊戯王GXは放送されてなかったから、毎月毎月レンタル屋に通った。最後の最後。最終回まで。

 

 

 GXだけだ。そんなことしたのは。レンタルなんて他のアニメもした。一話から最終回まで観た物もあった。

 だけど、ソレはせいぜい1クール2クールの話だ。

 俺と同年代なら分かってくれると思う。遊戯王GXの第一話から最終回までレンタルで観ました。当時は未成年です。それが意味する、熱量を。

 

 好きだったんだよ。遊戯王GXが。遊城十代が。だから…………。

 

 

 

 

 「準備は良いか? 主人公(じゅうだい)

 

 「ああ。思い知らせてやるぜ。偽遊。そして万丈目。カードの強さに負けるオレの葛藤(きもち)を。

 

 さあ、決闘(デュエル)だ!」

 

 

 

 「…………E・HERO達。そしてハネクリボーよ。今だけ俺に力を貸してくれ。

 

 

 十代、お前にこそ思い知らせてやるよ。精霊と心を通わせることが出来るデュエリストの力は、決して力だけのカードパワーに屈したりしない。それが…………

 

 

 

 俺達が憧れて、憧れて…………憧れても成れなかった主人公(デュエリスト)の姿だ!!!!」

 

 

 「ーーっ!??」

 

 

 

 どうか、遊城十代。ワクワクを取り戻して欲しいと願う。

 

 これがどれだけ一方的で、キミの気持ちを無視した欲望(エゴ)であったとしても。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「お前にだけは……雑に強くなるようなことをしてほしく無いんだよ……!」

 

 「な、なんだよソレ……意味わかんねえよ!!」

 

 

 「意味なんてねえよ。ただのファンが解釈違いを嫌がってるだけだ。

 

 さあ、始めよう」

 

 「っっ! ああ、来いよ!!」

 

 

 

 

 

 「「ーー決闘(デュエル)!!!!」」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 遊城十代 LP4000

 虚路居偽遊 LP4000

 

 「先攻はオレだ! ドロー!」

 

 

 十代がカードを引く。偽遊が渡したデッキのカードを。

 だがソレは【キマイラ】とは違うものだった。

 

 

 「オレは、『E・HERO エアーマン』を召喚!」

 

 

 E・HERO エアーマン ATK1800

 

 

 待ちに待って。満を持して。転生者が絡んだ遊城十代ならおおよそ一度くらいは召喚してくるお決まりの強化パターン。OCG化した漫画HERO。

 

 偽遊が渡したのは、偽遊が持っていたHEROデッキの調()()()だ。

 

 何故【キマイラ】ではないのか? 答えは簡単。()()()()()()()()()()()()()()から。

 

 

 (素人ほど勘違いする。ガチデッキを握れば強くなると。

 

 だが、そんなものは幻だ。扱いきれないガチデッキは、手足のように扱われるファンデッキに手も足も出ないこともある。

 

 【キマイラ】も同じ。脳死で特攻すれば勝てるなんてチープな妄想は、強者のプレイングと使い手の未熟さに喰い散らかされる)

 

 

 なお、HEROだからと言ってすぐに扱えるわけではないので、偽遊からみっちり説明は受けている。十代のMPは空っぽだ。

 

 

 「エアーマンの効果発動。HEROと名のつくモンスターを手札に加える。オレは『E・HERO スパークマン』を手札に加える。

 

 そして魔法カード『融合』を発動。

 

 エアーマンと、スパークマンで融合!」

 

 

 「最初から融合を発動してきたッス。

 遊乃さんの時は炎属性のHEROばっかりだったけど、偽遊くんの持つ融合HERO……一体どんなモンスターが?」

 

 

 

 「来い! 『E・HERO フレイム・ウィングマンーフレイム・シュート』!!」

 

 

 

 「な、なんだって!?」

 

 「フレイム・ウィングマンーフレイム・シュートだと!?」

 

 「フレイム・ウィングマンの必殺技の名前が付いたフレイム・ウィングマンとは……!!」

 

 

 翔、万丈目、三沢が驚きの声を上げた。

 

 自分たちの知らないHEROが出てくるだろうことは予想していた。だが、まさかそれがいきなりフレイム・ウィングマンで出てくるとは、誰も予想出来なかった。

 

 

 「フレイム・ウィングマンーフレイム・シュートの効果発動!

 デッキか墓地から『フェイバリット』カード1枚を手札に加える。

 

 オレが加えるのは、『フェイバリット・ヒーロー』!

 

 

 フレイム・シュートの更なる効果発動! 通常モンスターを融合素材にした自身を生贄に捧げ、デッキか融合デッキからレベル7以下の通常召喚出来ないE・HERO一体を特殊召喚出来る!

 

 

 来い! 『E・HERO サンライザー』!!」

 

 

 E・HERO サンライザー ATK2500→2700

 

 

 「フレイム・ウィングマンが、別のHEROに変わっただと!?」

 

 「何ということだ……もうこの時点で、十代の持つHERO達とは丸っきり次元が違う……!!」

 

 「……………………アニキ……」

 

 

 

 「サンライザーの効果発動! 特殊召喚に成功した場合にデッキから『ミラクル・フュージョン』を手札に加える!!」

 

 

 

 「ば……馬鹿げてやがる…………ッ! エアーマンがHEROを手札に持ってきて、融合したHEROが別のカードをサーチして、更に特殊召喚したモンスターがまた別のカードをサーチするってのか!?」

 

 

 「まだまだ行くぜ!! 『ミラクル・フュージョン』を発動!

 

 墓地の『エアーマン』と『スパークマン』を融合。

 

 

 『E・HERO Theシャイニング』を融合召喚!!」

 

 

 E・HERO Theシャイニング ATK2600→3400

 

 

 「どうだ偽遊! オレにだってこのくらいのことは出来るんだぜ!」

 

 「……………………だからどうした」

 

 「へっ、声が震えてるぜ? 予想外でビビったのか!?」

 

 

 「………………………………いい。語るのは元々得意じゃない。

 

 お前には、デュエルで語る」

 

 

 

 「ああ、掛かってこいよ! お前のHEROの力、思いっきり振るわせてもらうぜ!!

 

 ターンエンドだ」

 

 

 

 遊城十代 LP4000

 手札5(フェイバリット・ヒーロー)

 

 E・HERO サンライザー ATK2700

 E・HERO Theシャイニング ATK3400

 

 

 (改めてとんでもないぜ……このHERO達…………強え。身震いするくらい強い。

 

 勝てる。絶対に勝てる……!!)

 

 

 

 「……………………俺のターン。ドロー」

 

 

 

 偽遊がカードをドローする。使用するのは、十代のデッキ。

 

 カードパワー。戦略性、デッキの完成度。ありとあらゆるステータスが、偽遊が構築した【HERO】を下回った15年以上前のカードデッキ。勝ち目など有りようがない。

 

 もし、偽遊のデッキと十代のデッキでデュエルをする時。十代側のプレイヤーが、財産のギャンブルでも持ち掛けようものならば、イカサマか破滅願望を疑われるは必至。

 

 

 そんなデッキで、一体偽遊はどうしようと言うのか? ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と言うのに…………。

 

 

 

 「……………………俺は、『E・HERO スパークマン』を召喚する」

 

 

 E・HERO スパークマン ATK1600

 

 

 「スパークマンか。攻撃力じゃ全く歯が立たない上に、スカイスクレイパーを使っても攻撃力は届かないぜ?」

 

 十代がニヤリと口角を上げる。それに対して偽遊は対象的な表情を浮かべるだけ。

 

 

 「……………………凄いな、精霊の力ってやつは」

 

 「何? お前にも精霊が視えるのか!?」

 

 「いいや。俺には視えない。

 

 視えないし、聴こえないし、感じない。ただ、痛みだけだ」

 

 「痛み……?」

 

 

 「……………………でも、こんだけハッキリと力を貸してくれるなら。俺だって絶対に、こういうデッキを組んでいた。そうでなくても。

 

 かつて子供だった時代(デュエル)に憧れた感情(デッキ)…………今も昔も」

 

 

 「偽遊……」

 

 

 独り言のような、語り聞かせのような言葉に。レイが目を奪われる。

 今、初めて偽遊の本心を垣間見た気がした。ほんの僅かな、頑強に何重にも閉ざされた扉の鍵穴から。

 

 

 「魔法カード『スパークガン』を発動。スパークマンに装備する」

 

 「!! それは、表示形式を変更する装備魔法!」

 

 

 「撃ち抜け、スパークガン」

 

 

 『ーー!』

 

 

 偽遊の指示を受け、スパークマンがサンライザーとシャイニングの二体にスパークガンを早撃ちして見せる。

 

 

 『ーー!!』

 『ーー!?』

 

 

 E・HERO サンライザー DEF1200

 E・HEROTheシャイニング DEF2100

 

 

 「更に魔法カード『ヒーローハート』を発動!

 

 スパークマンの攻撃力を半分にして、二回攻撃出来るようにする」

 

 E・HERO スパークマン ATK800

 

 

 「な!? わざわざ攻撃力を半分にしてどうするつもりだよ!」

 

 

 「分からないのか? お前の作ったデッキだろう。

 

 魔法カード『Hーヒートハート』を発動。スパークマンの攻撃力を500ポイントアップさせる!」

 

 

 E・HERO スパークマン ATK1300

 

 

 「ここから貫通能力を……まさか、(キマイラ)の狙いは……」

 

 

 「そして、ヒーローの戦う舞台。『摩天楼ースカイスクレイパー』を発動」

 

 

 偽遊がフィールドゾーンにカードを装填した瞬間。フィールドは夜とビルの街に包まれた。

 

 「スカイスクレイパー……!!」

 

 

 「バトルフェイズだ。行け、スパークマン!!

 

 スカイスクレイパー・レーザー・フラッシュ!!」

 

 

 

 『ハアアアアァァァーー!!!!』

 

 

 

                 

 E・HERO スパークマン ATK2300 VS E・HERO サンライザー DEF1200 E・HERO Theシャイニング DEF2100

 

 

 

 摩天楼の天辺に立つ電気のHEROが、地上へ飛び込む。迎え撃つは光と日の出のHERO。力の差は歴然。それでもスパークマンは愛銃スパークガンを構え、地上に降り立つと同時に左右の敵に必殺の銃撃を撃ち込んだ。

 

 

 

 

 遊城十代 LP2800

 

 

 

 

 「HERO達が……一瞬で……!??」

 

 

 

 「何言ってんだよ……」

 

 

 「え……??」

 

 

 E・HERO スパークマン ATK1300

 

 

 

 

 

 

 「こいつだって、お前と共に戦ってきた……歴戦のHEROだぞ」

 

 

 

 

 




虚路居偽遊
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