遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜   作:SOD

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遊戯王SS創作者同士で語り合う場所とか無いですか? 全然会話に参加する気とかはないんすけど、眺めていたいんすよね。自分、陰キャなもんで。


牙を剥く己のデッキ。共に戦うは縁無き精霊たち。

 

 

 

 スパークマンが摩天楼の頂点から降り立ち際に、自身を挟む左右敵二体を撃ち殺す神業を見せつけたことで十代の場は更地となった。

 

 遊城十代 LP2800

 

 

 「だが、破壊されたTheシャイニングの効果発動! 除外されているE・HEROを二枚まで手札に加える。

 

 『E-HERO エアーマン』と『E・HERO スパークマン』を手札に加える!」

 

 

 

 遊城十代

  手札7枚(フェイバリット・ヒーロー エアーマン スパークマン)

 

 

 虚路居偽遊

 手札1枚

 

 

 

 「偽遊が手札をほぼ使い切ってまで融合HEROを二体倒したのは良いが、戦況は圧倒的に不利だな……」

 

 

 まさかあの【獣王(キマイラ)】がこれほど戦況を悪くするとは……と冷や汗を掻く三沢の言葉に、万丈目が声を上げる。

 

 

 「当たり前の話だ。

 十代が使っているデッキは、(キマイラ)自身が構築したデッキ。今以上に未熟だったオレたちが使っても異次元の強さへ導いたあのチカラ…………いや、()()()と言うべきものが自分自身に牙を向いている」

 

 

 「完成度……か。確かにな。

 

 偽遊の持つ出処不明の強力なカード。一枚一枚が神のカードにも劣らない力だ。

 

 だが……ソレらを偶然手に入れることが出来ていたとしても、オレたちはヤツが組み上げる程のデッキを組むことは出来なかっただろうな」

 

 それは、嘗て偽遊の構築したデッキを使用し、麻薬のようだと表現した者たちの言葉だ。

 

 「ああ。だからこそ分かる。

 虚路居偽遊は、決してカードの性能に力を依存するデュエリストではない。

 

 力の無いものが使用しても、その強さを実感出来るほどの強固な再現性。そして、二言三言の説明でも使い方を伝える事ができる確固とした設計理論。そんな神話の神器のようなデッキをヤツは自らカードを選定し、戦術を編み上げて、構築出来る。

 

 (キマイラ)は一流の決闘者(デュエリスト)でありながら、一流の構築師(ビルダー)とも言える」

 

 

 「伝説の決闘者ー武藤遊戯は、『デュエルディスクは盾。カードは剣』と例えたと言う話があるが……オレたちのデッキを剣術や修練を必要とする『剣』とするなら、偽遊のデッキは『銃』だ。

 

 使用者が誰であっても、その殺傷性(せいのう)は敵を撃つ」

 

 

 「銃の製作者だからと言って、発砲された弾丸を避けることが出来ないように。あのデッキは(キマイラ)にも牙を剥く。

 まして、使用している装備(デッキ)が十代のものじゃあ、万が一にも勝ち目などないだろう……」

 

 

 「メインフェイズ2。スパークガンの最後の弾丸を使用して。スパークマンを守備表示へ変更。

 カードを伏せてターンエンド……」

 

 

 

 

 虚路居偽遊 LP4000

 手札0

 

 スパークマン DEF1400

 摩天楼ースカイスクレイパー

 伏せ1

 

 

 遊城十代 LP2800

 手札7(フェイバリット・ヒーロー エアーマン スパークマン)

 

 

 

 「オレのターン。ドロー。

 

 もう一度頼むぜ、エアーマン召喚!」

 

 E・HERO エアーマン ATK1800

 

 「エアーマンの効果発動。デッキから『E・HERO ブレイズマン』を手札に加える!」

 

 「アレは、遊乃さんが使っていた『融合』をデッキから手札に加える炎属性HERO!」

 

 「エアーマンと言いブレイズマンと言い、やはり性能が桁違いだな。

 ……十代ではないが、性能に愚痴を言いたくなる気持ちもわからないではない」

 

 「バカを言うな三沢……奴から何を教わってきたんだ」

 

 「……………………そうだな。すまない」

 

 

 

 「さあ行くぜ。バトルだ!

 エアーマンでスパークマンに攻撃!」

 

 E・HERO エアーマン ATK1800 VS E・HERO スパークマン DEF1400

 

 エアーマンの攻撃に、スパークマンは何も出来ずに破壊されていく。

 

 「ダメージ計算後、リバースカードオープン。『ヒーロー・シグナル』。

 

 デッキから『E・HERO ワイルドマン』を守備表示でリクルート!」

 

 E・HERO ワイルドマン DEF1600

 

 「場に喚んだのはワイルドマンッスか。なら、次のターンにワイルドジャギーマンを狙っているのかな?」

 

 「いや、(キマイラ)の手札は0。次のターンでの融合は難しいだろう。

 恐らく、『デッキに残しておく必要のないカード』を選んだと言ったところだろう」

 

 

 「速攻魔法発動! 『マスク・チェンジ』!!」

 

 

 「ワオ……」

 

 

 「マスク・チェンジ……?」

 

 「一体どんなカードなんすかね?」

 

 「わざわざバトルフェイズに発動するんだ。おそらく何らかの方法で攻撃手段を増やしてくるカードだろう」

 

 

 「場のHEROを墓地へ送り、融合デッキから送った属性と同じ『M・HERO(マスクドヒーロー)』を特殊召喚する!」

 

 

 「マスクドヒーロー?」

 

 「エレメンタルヒーローですら無いだと……!?」

 

 

 「来い、『M・HERO カミカゼ』!!」

 

 

 M・HERO カミカゼ ATK2700

 

 

 「行け、カミカゼ! ワイルドマンに攻撃!!」

 

 カミカゼの名に相応しき目にも留まらぬ神風特攻により、ワイルドマンはあっさり風穴を空けられて破壊。

 

 

 「カミカゼの効果発動。モンスターを破壊したことで1枚ドローする! ドロー!」 

 

 

 「ドロー効果持ちか……それ自体は驚くほどではないが…………」

 

 「ドローするのがアニキである以上、この先まだ何かって起こるかもしれないっす」

 

 

 「来たぜ! 速攻魔法『フォーム・チェンジ』!

 

 融合HEROを融合デッキに戻して、戻したHEROと同じレベルでカード名が違う『M・HERO』を特殊召喚する!!」

 

 「あるだろうとは思ってはいたが……改めて言われると、まだマスクドヒーローがあるのかと思ってしまうな」

 

 

 

 「来い、『M・HERO アシッド』!!

 

 アシッドの効果。相手の場の魔法・罠カードをすべて破壊する!!」

 

 

 「「「「「ーー!!??」」」」」

 

 

 

 十代の宣言に、その場に居た全ての観客が驚愕した。

 

 

 「あ、相手の魔法・罠を全て破壊って……それじゃあハーピィの羽根箒と同じじゃない!?」

 

 「……………………なるほど、偽遊様が十代にHEROを与えなかった理由はこれか。

 『()()()()』」

 

 「スカイスクレイパーを破壊! そしてアシッドで偽遊へダイレクトアタック!!」

 

 M・HERO アシッド ATK2600

 

 「くっ……」

 

 虚路居偽遊 LP1400

 

 

 「オレはカードを1枚伏せてターンエンドだ!」

 

 

 「ま、マズイっすよこの状況。

 

 場どころか、手札は0で墓地にも使えるカードがない……」

 

 

 「いくら偽遊と言えども、性能差が大き過ぎるんだ」

 

 

 

 「見たかよ。オレと偽遊じゃ、カードの力が違いすぎるんだ。

 

 偽遊がこうして手も足も出てないのが、何よりの証拠だ……」

 

 

 観客が諦めムードに包まれ、十代は吐き捨てるようにしてそっぽを向いた。

 

 (そうさ……オレが弱いわけじゃない。オレが、悪いわけじゃない………………………………)

 

 

 もう決着は着いた。誰もがそう思う中。

 

 

 「俺のターン。ドロー!!」

 

 偽遊が力いっぱいカードを引いた…………楽しそうな笑顔で。

 

 「何で……笑ってんだよ……?」

 

 

 「フフフ……そりゃあ笑いたくもなるさ。ドローがまるで恐ろしくねえ」

 

 

 「ーー恐ろしい!?? お前が!? 偽遊がドローを恐ろしいだって!?」

 

 

 「そうさ十代。『俺たち』にとって、追い込まれた末のドローフェイズは生か死か。命の話じゃない。人生にこれくらいしか無い負け犬にとって、デュエルでの敗北はイコール存在意義(レーゾン・デートル)の崩壊を意味する!」

 

 「レーゾン・デートル……?」

 

 「意味など無い。価値など無い。ただ楽しい。それだけの筈だったカードが、いつの間にか自分の価値そのものになるくらい何も持たない負け犬。それが俺たち。ゆえに最後のドローは死刑台だ。

 

 『このドローに賭ける』だの『ただ引けば良い』だの平然とデステニードローを起こして来やがる奴らには分からないさ。

 

 ()()()()()()とか、()()()()()()とか。()()()()()だとか。そんな誰でも共感してくれるような理由じゃなく。

 

 負けたくない。ただ負けたくない!! ただソレだけで勝ちを求める俺たちは……敗北する自分自身を誰より許せない!!」

 

 

 「ーーっっ!!!」

 

 

 

 「好きなものですら勝てないのなら、負け犬の存在価値って何だ? 負け犬でいてまで現世にしがみつく理由って何だ?

 

 そんな気持ちで潰されそうになって、それでも俺たちはカードゲームを止められない。生きる意味だから。『勝ちたい』から」

 

 

 「それで? だから何が言いたいんだよ偽遊!」

 

 

 「カードに愛されているお前が羨ましい!!!!」

 

 

 「………………!?」

 

 

 「精霊と共に戦うこと!! デッキと絆で結ばれていること!!

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!

 

 

 羨ましくて憎たらしくて仕方が無かった!!

 

 

 『俺たち』に…………カードが応えてくれる世界なんて無いのに!!」

 

 

 「何だよソレ……意味分かんねえよ!!」

 

 

 「分かんねえだろうさ!!!! 気持ちでデッキが回るなんて奴が!! 分かってたまるかよ!!!!」

 

 

 偽遊は叫びながら、引いたカードを十代に突き出した。

 

 

 「ソレは……」

 

 「魔法カード発動。『Eーエマージェンシーコール』!!

 

 デッキから『E・HERO バブルマン』を手札に加えて、手札がコレ1枚なので守備表示で特殊召喚!!」

 

 

 E-HERO バブルマン DEF1200

 

 

 「バブルマンが場に出た時、場と手札に他のカードが無い場合にカードを二枚ドロー!!」

 

 

 「バブルマン……!!」

 

 

 「ーー『強欲な壺』を発動! カードを二枚ドロー!!

 

 ーー『天使の施し』を発動! カードを三枚ドロー! そして『E・HERO ネクロダークマン』と『ネクロ・ガードナー』を墓地へ送る!!」

 

 

 

 「そんな……バカな!?」

 

 「こっちのセリフだバアアアアアァァァァーーーカ!!!!

 

 墓地のネクロダークマンの効果で、エッジマンを生贄なしで召喚!」

 

 

 E・HERO エッジマン ATK2600

 

 

 「バトルだ!! エッジマンでアシッドへ攻撃!!」

 

 

 E・HERO エッジマン ATK2600 VS M・HERO アシッドATK2600

 

 

 「こんな簡単に巻き返してくるのかよ……っ!!」

 

 

 「ああ、ホントに腹立ってしょうがねえよ!!

 

 カードを1枚伏せて『悪夢の蜃気楼』を発動!」

 

 

 

 「凄い……立て直したっす!」

 

 「なんてことだ……虚路居偽遊……自分の組んだあのデッキと互角に渡り合っているだなんて」

 

 

 「………………………………王よ」

 

 

 

 

 「こんだけデッキが力貸してくれるような環境にいるくせによぉ。カードが弱いだの、自分のせいじゃないだのと…………碌に勉強も何もしてねえくせによ……ほんとにさァ…………」

 

 

 「くそっ……偽遊!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……………………羨ましすぎて、気が狂いそうだぞ。主人公(ゆうきじゅうだい)……」

 

 

 

 

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