遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜   作:SOD

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 説明文書きまくって疲れたので、今回はシリアスをブレンドしたポエムにしました。

 あと書き忘れてたけど、例外の料理方法2つ目は、『ジャックポット7』が偶然3枚相手によって墓地に落とされるという、ガチ勢に後ろからドロップキックされても文句が言えないレベルの「そんなこと起こるわけねえだろ」案件です。でも確率が0%じゃないで、起こりうることです。



4があると思ったか? トリックだよ

 『も』を萌えないゴミとしてオベリスクブルー寮のゴミ置き場に出して、授業を再開して、今は十二時。飯の時間だ。

 ホワイトボードはその辺に寄せといて、休日土曜日に食える飯を食おう。地味に休みの日の食堂の飯アニメじゃ焼いてたモチか、お供えもののエビフライぐらいしか見覚えがない。

 それはそれとして。

 

 「…………決まった時間にしっかりと栄養バランスを考えられた食事を摂ることに未だに違和感があるんだよな……」

 

 箸でつまみ上げたたくあんを眺めながら、自分の中の違和感がポロリと溢れる。

 

 「どうしたんだ偽遊? カップ麺とかハンバーガーが食べたいってことか? レッド寮の食事も中々だぜ。うまーい」

 

 俺の正面には、勉強中には絶対に姿を見せなかった主人公、遊城十代の姿。メザシをオカズに白飯をかき込んでいる。見た目の豪快さに反して、意外と机の上とか汚さずに飯を食っている。やっぱ少年物の主人公は、最低限の清潔感が大事だよな。どこぞのサンダーみたいに醤油の溢れたのを袖で拭いたりしない。

 

 (元気な若者が美味そうに飯を食ってると妙に心地良い気分になる辺り、身体が若返っても中身がオッサンなのを再認識させられるなぁ。

 

 翔? 醤油(世の中)を舐めてるタイプの若者は普通に苛つくよね。醤油を1リットル飲ませて反省を促したい)

 

 「納豆食うか? 十代」

 

 「いいのか? サンキュー!!」

 

 屈託のない笑顔で礼を言う十代の顔を見ると、コイツが二年後に闇落ちして二十代に変わってしまうことが、少しだけ心苦しく思う。分かっている。最終的にはこの笑顔を取り戻せることを。分かっているとも。人は挫折と失敗を経験せずに大人になれはしないと。それでも……結果が分かっているがゆえに、経過を見ることになるかもしれない未来を憂うことが止められない。

 

 

 

 

 

 

 だからなのか、俺は逃げるように食堂から退出して海を眺められる場所に腰を下ろしていた。特にどこって言えるわけじゃないが……サスペンスドラマで犯人が自供とかしそうな感じの崖だ。 

 

 「……………………」

 

 何をしたいわけでもなく、崖の下に足を投げ出しながら、押し寄せては引いていく海の流れを見つめる。昔から、どうしようもない感情に理性が付いていかない状況の時には、よくこうやって海を眺めていた。

 

 「…………デュエル・アカデミアが……島で良かったな」

 

 わざわざ車に乗って浜辺まで行くまでもなく、散歩感覚で海に行って……宝くじが当たったような気持ちで、今この海に身を投げたらどうなるかなと、非生産性のお手本のような空想に浸って。魚に喰われる肉の塊に戻った俺の死骸を妄想した。

 

 「…………落ち着く、な」

 

 今この崖から身を投げたら、もしかしたら空を飛べるかもしれない。そのくらい気持ちがフワフワと浮いている。病は気からと言うのだから、逆説的に言えば、飛べると信じれば人は飛べるべきなのではないか? そうだろう。そうだとも。そう有るべきだ。アイキャンフライ。無限の彼方へ、さあ逝こう。

 

 「危ない!!!!」

 

 「ぐえっ!?」

 

 つまらない妄想に浸っていると、突然制服の襟を掴まれて、散歩を拒否る犬のような情けない感じに引っ張られた。

 

 「何やってるんだ偽遊!!」

 

 「ゲホッ、ゲホッ……み、三沢?」

  

 「お前、何で自殺なんてマネをしてるんだ!?」

 

 「何の話だ?」

 

 「…………え? 両手を広げて胸を張って崖の上に立ってたから……違うのか?」

 

 両手を広げて胸を張って……ああ、タイタニックのあのシーンのポーズか。ヒロインの方の。なるほどなるほど。あの感じで崖の上に居た人間。うん、自殺を連想するなって方がちょっと無理があるな。この無理が通るなら、翔だってデュエルアカデミアで美女を侍らせてハーレムを形成出来る。

 

 「ああ、ビビらせて悪かったな。目の前で海に身を投げそうなヤツがいたら、そりゃ焦りもする。ドザえもん見た後で食う昼飯や夕飯なんて、水に溶けていくうんこ見ながらカレー食うようなもんだ。ハハッ」

 

 「ハハッ、って……オレは()()が自殺しようとしてるんじゃないかと本気でだな……」

 

 「ああ。ありがとう。お前はそういう良識溢れるナイスガイだ。お前ほどいい男もそうはいないだろう」

 

 本作で二番目くらいにいい漢かもな。一番は勿論のこと前田熊蔵さん。あの人以上の漢GXにおる? 遊戯王世界全般なら権現坂さんがタメを張るが。

 

 「な、ナイスガイって……」

 

 「それで、わざわざこんなところに来てどうしたんだ? 昼飯時なのに」

 

 「あ、ああ……その、なんとか納得の行くデッキに仕上がったから、お前の意見を聞きたくてな。

 

 ……本当になんともないのか? 偽遊」

 

 「ああ。問題ねえよ。

 

 俺はほら、デュエルアカデミア1のセンチメンタルで、国宝級のガラス細工のように繊細な心の持ち主だからよ、たまにこうやって海を眺めて、メンタルケアしてるのさ」

 

 「そうだったのか……たしかにお前は、見た目よりずっと繊細な男だからな。そう言う時間が必要なのかもしれないな」

 

 うわぁ……ツッコミ不在の恐怖こわい。

 

 「じゃあ、俺はそろそろ戻るよ。午後からはいよいよ翔にデッキの作り方の基礎を学ばせなきゃならない。

 

 お前も帰って寝たほうが良い。徹夜明けでーすって目の下のクマが言ってるぞ?」

 

 「ああ、そうだな。そうするよ…………その、邪魔をしてしまって悪かったな。偽遊」

 

 「良いって。気にすんな。

 

 俺はお前のそういう、頭脳明晰な猪突猛進さを、気に入ってるんだ」 

 

 目立ちたくて光の結社に入ったり、洗脳もされてねえのに髪の毛白く染めたり、斎王ガン無視で光の結社脱退して全裸で島中走るとことか、な。才能ある暴走機関車としか言いようがない。

 

 

 「それ、褒められてるのか?」

 

 「ハハッ。じゃーなー」

 

 「おおい!!? も、もうあんなところまで……ふぅ、オレも一度部屋で眠るか。ふわぁ……」

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「………………褒めてるさ、三沢大地。

 この孤独な異世界転生の人生で、お前だけが、前世で磨いた俺の腕に理論で着いて来てくれている。

 

 

 お前が、お前だけが……この空の下で鳴り響く、歓待の鐘の音そのものだ」

 

 

 

 

 

 





真面目な話、ずっと磨いてきた技術が全く日の目を見ない世界に放り込まれると、使い所なくて『今までの人生なんだったんだろ』とか考えて、知らぬ間に鬱に近い状態になっていく人もいるんですよね。作者自身、それが原因で精神病になった経験があります。


でもこの話はあくまでも虚路居偽遊の視点で進んでいるので、真実か虚言かは関係なく『虚路居偽遊の主観と感想』のみで語っています。よって偽遊が鬱病になっていたとしても、本人が知らないことは一切描写されず、他キャラクターが気付いても口にしなけば偽遊に情報が行くこともありません。



追記
ちょっとジメジメした感じが強すぎたから急遽ギャグを用意しました。お目々キラキラ明日香ちゃん


【挿絵表示】

そろそろタッグデュエル見たいですか?

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