遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜   作:SOD

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注意。前話から話は飛んでいません。安心してお読み下さい。




丸藤亮の二者択一。

 

 

 

 

 

 某日、デュエルアカデミア校長室にて。

 

 

 

 「失礼します、()()()()。丸藤亮、入室します」

 

 「おお、待っていましたよ。()()()()

 

 

 デュエルアカデミアの【帝王(カイザー)】丸藤亮と、デュエルアカデミアの校長鮫島の二人がちょっとした用事で顔を突き合わせていた。

 

 

 「それで校長、オレに話と言うのは?」

 

 「ええ。他でもない『卒業生と在校生の代表デュエル』の件についてです」

 

 「ああ……」

 

 鮫島は我が事のように笑みをほころばせながら話を始めた。

 

 

 「知っての通り、我が校は卒業生の中でも最優秀者の代表が在校生の中の一人を指名して全校生徒の前で模範デュエルを行う伝統があります。

 

 そして、今更確認するまでもありませんが、その卒業生代表がつい先ほど丸藤亮くん。キミに決まりました。首席の卒業、先ずはおめでとう」

 

 「ありがとうございます。オレも、これで胸を張ってプロリーグへ行くことが出来ます」

 

 「ええ。自信を持って、それでいて自惚れることなく。我が校の代表としてプロリーグの門を叩いて下さい。

 ワタシも心から応援していますよ」

 

 「はい。精進します」

 

 「……………………本当に、良かったと思うよ。()

 

 「ーー!! ……鮫島師範」

 

 「キミのライバルである天上院吹雪。彼が行方不明となり、キミの心にも大きな不安と心配があったことだろう。

 

 だが、ワタシはそれとは別にもう一つ。小さな不安があった。

 

 対等なライバルという存在を失い、孤高の帝王と称賛されるようになったキミが成長という歩みを止めてしまうこと。

 キミの将来の可能性そのものを、止めてしまうのではないかと……」

 

 「……………………」

 

 丸藤亮はただ黙して師の言葉に耳を傾けている。

 そして、心当たりが脳裏を過ぎる。

 

 師の心配した通り。自身は在学中の大半の時間、歩みを止めていたのだと言う自覚があった。

 

 限界無き進化(エターナル・エヴォリューション)。丸藤亮の愛する切り札、サイバー・エンド・ドラゴンの必殺技とも同じ。彼自身が歩むことを決めた道。

 

 

 だが、ライバルであり親友の失踪という事件が、彼を道半ばで立ち止まらせてしまった。

 

 

 「亮……あの時、天上院吹雪という競い合う相手を失ったお前は既に、他の生徒とは一線を画すデュエリストだった。

 

 そんなお前が、残った他の同級生をライバルするには、余りにも役不足だった……」

 

 「……………………」

 

 彼の信念はリスペクトデュエル。相手を尊敬しデュエルすること。

 しかし、ソレは対戦相手の実力から目を逸らすことではない。

 

 認めなくてはならないのだ。実力には明確に優劣があると。

 

 それは、慢心でもなければ驕りでもない。事実、丸藤亮と言うデュエルアカデミアの帝王は完全無敗だった。

 

 そう…………。

 

 

 「「あの男が現れるまでは……」」

 

 

 亮と鮫島。示し合わせるでもなく、同時に口にした。ある日無敗の帝王だった彼の王座を喰い散らかして無惨に崩壊させた【獣】。

 

 

 「「ーー虚路居(うつろい)偽遊(ぎゆう)」」 

 

 

 帝王の在位中、新たな王として君臨した【獣王(じゅうおう)】の名を。 

 

 

 「………………ワタシは、彼には大いに嫌われているようだが。

 

 感謝しているんだ。

 

 

 お前の歩みを再び始める切っ掛けになってくれた、あの男に……」

 

 

 「オレもです。鮫島師範。

 

 偽遊には感謝しています。

 

 

 アイツは、何処へ行ったら良いのか分からず立ち尽くしていたオレの道標になってくれた。

 

 倒すべき目標としての、道標(モチベーション)に」

 

 

 「ああ。だからこそ、ワタシはキミにすぐにでも問うておきたかったんだ。

 

 

 卒業生代表、丸藤亮くん。キミが、卒業デュエルで対戦することを望む在校生は……誰だい?」

 

 

 

 

 このデュエルには、二つの意味がある。

 

 一つは、学園としての。旅立つ側と、見送る側。バトンを渡す側と受け取る側の、覚悟の儀式。

 

 

 かつて、デュエルキング武藤遊戯が人知れずそうだったように。

 

 

 旅立つ側から、見送る側へ遺すモノと激励を。

 

 見送る側から、旅立つ側へ餞別と激励を。

 

 

 その一戦に万感の想いを込めて激突する二人のデュエリスト達の交感。

 

 そして、そのデュエルを見守る者たちへ。言葉では伝わらないモノを伝えるべく。

 

 

 

 そしてもう一つの意味は…………。

 

 

 

 

 

 

 「卒業生(オレ)の。答えは…………」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 偽遊 VS 十代&ユベル 

 

 遊乃&レイ&マナ&(マナ) VS 夜遊

 

 

 の大一番が行われた日から数日が経過した…………。

 

 

 

 

 

 

 

 「うおおおー!! 『オルターガイスト・ペリネトリータ』でダイレクトアタック!!」

 

 「クソッ!! そんな方法でオレの『光と闇の龍(ライトアンドダークネス)』を乗り越えるだと!?

 

 ぐああああーー!!」 

 

 

 

 万丈目準 LP0 

 

 

 

 

 「ハァ……ハァ……っ」

 

 

 

 

 「凄〜い!! 遊乃さん、もう20連勝目よ!」

 

 「元々、効果ダメージを与えるカードを中心に組んだデッキを使いこなす高い実力の方でしたが。新しいデッキに変更されてから、ますます勢いが増していかれましたわ〜!」

 

 

 

 「…………ふーっ。

 

 さぁ〜て、まだまだ行くよ〜!

 

 可愛い遊乃ちゃんに燃やされたい次のチャレンジャーは誰ー?」

 

 

 

 汗を拭って、爽やかな笑みで殺意マシマシなことを言ってのけているのは、ユルユルなタンクトップ一枚の薄着で連戦連勝の火武羅遊乃。

 

 あのバトルロイヤルデュエル以降、彼女はデュエル漬けの日々を送っていた。

 

 

 (あの日、アイアイは【無敵の白(インビンシブル・ホワイト)】に一人で勝ちを決めた……!!

 

 アイツがお遊び気分で、他の四人を同時に見ながらデュエルをしていたとは言っても。

 

 あの日のジャイアント・キリング自体は、間違いなく内倉(マナ)本人の力だったんだ……!!)

 

 

 「ーーめっちゃくちゃ悔しいってんだよなァ……!! あの人に代わってアイツをブチのめすのは、私の仕事だった筈なのにさぁ!!

 

 

 『烈日の騎士ガイアブレイズ』で攻撃!!

 

 バトルフェイズ終了時、ブレイズの効果で墓地から『ファイヤークラッカー』を二枚手札に戻して、私のターンと次のターンのドローフェイズで連続使用して2000ポイントのダメージだァ!!」

 

 

 「直火焼きイイイーー!!!!」

 

 

 モブA LP0

 

 

 

 

 「このままじゃいられないよ……!!」

 

 

 

 

 "ああ。キミではやはり、プリンセスの(意志)を継ぐにはほど遠いよ"

 

 

 "005番。キミに『(プリンセス)』は荷が重い"

 

 

 

 

 

 「見てろよ変態ヤロウ!! 私の(ほむら)は、世界を燃やす!!!!

 

 

 『ヴォルカニック・エンペラー』の効果発動!!

 

 

 焼炎世海(しょうえんせかい)!!!!」

 

 

 「青春のバカ野郎おおおおーーー!!!!」

 

 

 綾小路ミツル LP0

 

 

 

 

 

 

 

 

 「偽遊くん。あのデッキ、偽遊くんが作ったんスか?

 

 何か随分僕たちに教えてきたデッキ構築理論からかけ離れたリストに見えるんすけど?」

 

 

 遊乃のデュエルを観客席から眺めていた丸藤翔が、同じく隣に座り、ひ●Qで遊んでいた偽遊に質問した。

 

 びよんびよ〜ん。

 

 「造ったっつーか、元々のアイツのデッキ構成を見直してテーマを再定義。その後にリストを最適化したっつーか」

 

 「もっと分かりやすく」

 

 「単体のバーンカードを減らして速効性を削った代わりに、毎ターン確実にダメージを与える構成にしてみた」

 

 

 「ソレ、偽遊くんの普段のデッキコンセプトと同じじゃん。ぶっちゃけ、ただ偽遊くんの好みに変えただけなのでは?」

 

 

 「言うやんけ。いつの間にかソコまで理解してたか不肖の弟子よ。

 

 だが、デッキのコンセプトを変えたのはアイツが強くなることを望んだからだがな」

 

 「強くなることを望んだら何故偽遊くんの好みにデッキが変わるんすか?」

 

 「説明しよう。強くなると一口に言っても色々ある。

 

 だから俺はアイツが強くなりたいからデッキ構成を見て欲しいって言ってきた時、真っ先に『炎属性縛りやめろ』って言ったんよ。

 

 

 

 

 遊戯王(デュエルモンスターズ)の歴史の中でも、炎属性って不遇の名をほしいままにしてたからな。いや、欲しくは無いだろうが」

 

 

 おおよそのカードゲームの中で炎と言う主人公っぽいイメージの属性だが、遊戯王においては本当に不遇である。

 

 炎なのにずっと氷河期だ。別に笑かしたいわけではない。

 

 要するに、不遇な期間が長すぎて炎属性と言うモンスターのカードが、目も当てられないような性能が多すぎるのだ。

 

 カードプールは神を除いた全属性最少。

 歴史をひっくり返して見ても環境となったカード自体が少ないので、結論。質も量も不足過ぎて炎属性で統一すること自体がやり込みプレイヤーのエンドコンテンツレベルだ。

 

 

 間違ってもこれから『強くなりたいです!』と言って修行編に突入するような人間がチョイスすべき属性ではない。

 

 

 

 

 が。

 

 

 

 「ソレを言ったら『何が何でも炎属性じゃなきゃダメなんです!!』って縋り付いて来やがってよ。見るに堪えないからデッキ改造するしかなかったんだよ……おかげでズボンが顔汁まみれでクリーニング出した。

 

 しかもだ。あのバカ娘。デュエルディスクを変えるのすら泣いて嫌がりやがるからリンクモンスターすら使えねえ。

 

 炎属性縛りのクセに『陽炎の咎姫』も『転生炎獣』も使えません。って……ナメてんのかァ!!

 

 

 だから俺流にデッキ改造して根本から戦術を覚え直させるのは仕方ないことだったんだ。

 ここまで悪条件揃ってて『強化』に成功した俺に咎められる筋合いがあってたまるか!! 俺は悪くねえーー!!」

 

 

 「………………半分くらい話が理解出来ないトコがあったッスけど。

 大変だったんすね。お疲れ様っす」

 

 

 「ほんと。僕もう疲れたよマルラッシュ。もうゴールしてもいいよね……」

 

 「ところで僕のデッキを強化するって言ってからもう体感数年くらい経ってる気がするんすけど、着手まだっすか?」

 

 「ジーザス!!!!」

 

 

 

 ピーンポーンパーンポーン。

 

 《え〜生徒の呼び出しを致します。

 

 オシリスレッド一年、丸藤翔くん。オベリスクブルー一年、火武羅遊乃さん。

 校長室までお越しください。重大なお話があります》

 

 

 ピーンポ〜ンパーンポォ〜ン。   

 

 

 

 「()()なおしらせ……?」

 

 「重大、っすよ。超大事ってコトっす」

 

 「へ〜。でも声の主が鮫島だから多分超大事ってコトはねえだろうな。校長室行ったら『無くした耳かき一緒に探して〜』とか言われるかもよ?」

 

 「どんだけ鮫島校長に対する好感度が地の底なんすか。それに舐め過ぎでしょ」

 

 

 「ってか、いきなり呼び出しって何?」

 

 

 「僕……と遊乃さん。全く関連性がなさそうな組み合わせっすね……」

 

 

 「気になるなら行けば? 遊乃はどうするん?」

 

 

 「ん〜一応鮫島校長にはセブンスターズの件で一儲けさせて貰ってるし……美味しい話かもだから行くー」

 

 「と言うか、普通学生が校長先生に呼び出されて行かないって選択肢は無いはずなんすよ」

 

 「へー」

 

 「関心ゼロ。まあいいや。じゃあ遊乃さん。一緒に行っとくすか」

 

 「うん。そうだね〜」

 

 遊乃は翔に返事をすると、偽遊の手を繋いで同じ方向へ歩いていく。

 

 「………………遊乃。何で俺を引きずって行く?」

 

 「ライナス症候群ってやつだね〜」

 

 「誰が汚え布だコラ」

 

 「大丈夫大丈夫。たとえボロ雑巾のようになっても、偽遊さんは遊乃ちゃんが死ぬまでお世話してあげるって。

 

 例え全身が管という管で繋がれて自分の意思で指一つ動かせなくなっても死なせないけど

 

 

 「今とんでもなくおっかねえこと言ったな? 

 やはり死は救済か……ってかそろそろ離せ。俺はハゲ狸に用なんかねえぞ」

 

 「まあまあ。可愛い遊乃ちゃんのためだと思って。

 愛娘の授業参観とでも思えば良いじゃんか。ねえパパ〜?」

 

 「………………………………勘弁しろよ。心臓に悪い」

 

 「へ? 何が……??」

 

 「………………なんでもねえ。もう行くから、手離せ」

 

 「かわいい美少女と手つなぎデート〜♪」

 

 「ハァ……」

 

 

 

 こうして、火武羅遊乃と丸藤翔。そして連行された虚路居偽遊乃3名は、禿狸ことクソ校長の待つ校長室へ向かったのだった。

 

 






あの人は今……?

前回のキーパーソン達の現状。





遊城十代

偽遊が持っていた十代のデッキが返還されて、現在使用デッキが【ユベルHERO】となっている。

苦手だった勉強をする決意を固め、現在キマイラ教で基礎を教わりつつデッキ内容を研磨して行っている。


次のデュエルの相手は果たして……?


ユベル

十代の精霊として常に一緒に行動している。

破滅の光に汚染されていた魂は贖罪神女により浄化されているので、チクチク言葉の面倒くさい女のような性格で落ち着いた。

 十代と超☆融合はしていないので、オッドアイズ十代にはならない。覇王化も十代がフラグ止まりで覚醒していないので、ならない。

この二人は着実に原作軸からズレていっている。此処から入れる修正はあるのか? そもそも要るのか?



内倉(マナ)

 
本来彼女はとある目的のためにあらゆる次元の遊戯王GXのデュエルアカデミアを訪れるディケイド的な旅をしている。のだが……。

次元移動に必要な魔力をマナが『何故か』使い果たして空っぽになってしまったため、当分の間はここにいるしかなくなってしまった。
なお、学籍は当然のように存在しているが、彼女の寮部屋は生まれなかったため遊乃の部屋に居候している。

鳴滝(ストーカー)はいなかったが、脳を焼かれたヤバい悪魔に好かれてしまった。
その件で心配している相方のマナが、本腰を入れてデュエルを勉強した方が良いとお姉ちゃん心を発動しているため、いずれぎゆーせんせいの楽しいでゅえるじゅぎょうの生徒となる定め



マナ(BMG)

魔力を回復させるために休んでいるが、あまりジッとしていられない性格のため、オシャレを楽しみながらアカデミアの島を散歩したりしている。

散歩中の彼女に出会った幸運なモテない男子たちは、気さくで優しく誰とでも打ち解ける謎のパーフェクト完璧美少女に叶わぬ恋をして、シコシコ散る定めにある。ああ無情なり。
 



平等院栄狩

とある組織に属しており、リーダーの命令により夜遊が勝手に賭けの対象にした頭蓋の回収に来ていた。

しかし、爆発だの爆風だの火事だの起こしまくった結果(犯人は一人)どっかに行ってしまって捜索不可能になってしまった。
 
しゃーないので首から下を回収して帰って行った。


再登場の予定はあります。
  
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