遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜 作:SOD
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俺えらい!
偽遊、遊乃、翔。校長室へ移動中……。
「覚悟は良いか落ちこぼれども!! これがエリートの本当の実力だ!
ゴヨウ・ガーディアンでガーネシア・エレファンティスに攻撃だ!」
「うわあああー!!」
「デュエルの時代は変わった!!
教義だか何だか知らないが、シンクロ召喚こそが新たなデュエルの時代の名だ!!
キマイラ教なんてぽっと出の三日天下は終わったんだよぉ!!
A・O・Jカタストルでグリーンバブーンに攻撃!
そしてガラ空きの懐に行け! Xセイバーウルベルム!!」
「くそおおおおー!!」
「ーー何だアイツら!? デュエルアカデミアのモブがシンクロ召喚使ってやがる」
「え? 今更どした偽遊さん」
此処はデュエルアカデミア。遊戯王GXの世界。シンクロ召喚などという無粋な異物は極一部の人間しか持ち合わせていない筈。
などと思っていた偽遊に、翔から説明が入った。
「何言ってるんすか偽遊くん。
シンクロ召喚は今やオベリスクブルーの生徒達が我が物で使ってる召喚方っすよ?
遊乃さんが小遣い稼ぎにシンクロモンスター売りまくってたせいで」
「あーそう言えばお前そんなことしてたんだったな。最近全然モブに視点が当たらねえから忘れてたわ……ってかゴヨウ・ガーディアンにカタストルってお前……」
「クソほどボッタクってやったよ。チョロかったッスわ〜w」
「そんなに儲かってんならそろそろ俺に借りた借金返そうか?」
「それがもう手元に無いんだなコレが♪ アハハハ〜」
「そうか。じゃあカラダで払ってもらおう。
首を出せ」
「首って……んな非効率な。ははは。
遊乃ちゃんの足から頭まで全身を貰ってくれても良いんだぜ? 可愛いお顔に丈夫でスレンダーな偽遊さん好みのカラダ。そして料理も出来て老け専だから熟年離婚の心配もなし。完璧美少女なお嫁さんを人生ごとお一人いかが?」
「将来の心配はいらねえだろうな。資産まるごとギャンブルに注ぎ込んで路頭に迷ってる姿が目に浮かぶ。
ほら、とっとと前進め……」
「きゃ〜ん♡ 偽遊さんってば、せっかち〜」
金が返ってくるなんて期待は微塵もしていなかった偽遊は、ため息ひとつでこの不毛な会話を終わらせると遊乃の背中をグーで押しながら移動を急がせるのだった。
「偽遊くんって、遊乃さんにとことん甘いっすよね。弱みでも握られたんすか?」
「別に…………もう手遅れかなと思っただけだ」
「ちょ、手遅れってなに!? 見捨てられる話してない!? 逃さねえよ!? 2回もパパに逃げられてたまるかぁ!!」
「……………………パパって呼ぶな」
校長室
「失礼します。丸藤翔と火武羅遊乃、あとついでに虚路居偽遊。入室するっス」
「ちゃ〜す」
「……………………」
翔が校長室の扉を叩き、挨拶して入室。その後、遊乃とついでの偽遊が入室する。
「どうぞ。お待ちしていましたよ。翔くん。遊乃くん。
それに、虚路居くんまで来てもらえるなんて、嬉しい誤算です。歓迎しますよ」
「急に呼び出してすまない。翔、火武羅くん。それに、偽遊」
「亮……? お前の呼び出しで翔と遊乃だと?
…………ああ、なるほど」
偽遊は亮の顔を見て僅かに思考する。(鮫島はガン無視)
そしてすぐに時期と呼び出した組み合わせ。特に翔を校長経由で呼び出した事実を鑑みて用件を理解すると、入り口近くの壁にもたれ掛かって適当に成り行きを見守ることにした。
机も椅子も5人以上が座れるだけあるのに、敢えて離れた場所で見ていようという選択に、陰キャの悲しい習性を感じ涙を禁じ得ない。
が。
「偽遊さ〜ん、そんなとこいないで。はい座って座って。親御参観だよ〜」
「親御参観なら親御の定位置は廊下か後ろの壁際で合ってるだろうがよ……」
遊乃が偽遊を椅子まで引きずり込んでソレを許さなかった。
今更だが、身長も体重も偽遊の方が高い筈なのだが何故こんなに軽々と力で負けているのか。
「ほうほう。虚路居くんはレイくんだけでなく遊乃くんとも仲が良いのですね。
微笑ましくて何よりです」
遊乃は引っ張って来た偽遊をソファの真ん中に座らせると、自分は左側に陣取った。余った翔は別になんの不満もなく右側へ。
「あの……それで校長先生。それにお兄さん。
僕と遊乃さんはどうして呼ばれたんですか?」
「ええ。それについては丸藤亮くんから説明して貰いましょう」
「はい。
翔、そして火武羅くん。オレはこの度、卒業生の首席となることが決まったんだ」
「それはおめでとうございます。お兄さん。
当たり前の結果とは言え、それが順当かつ真っ当に現実になっていることに、愚弟からもお祝い申し上げます!」
「そう自分を卑下するな、翔。お前がこの一年でデュエリストとしても、人としても素晴らしい成長を遂げていることはオレも知っている。
兄として、オレもお前の成長が誇らしい」
「お兄さん……っ!!(うるうる) ありがとうございます!
それに偽遊くんっ!! 今のお兄さんのお言葉は偽遊くんの教えと修行あってのことっす!! ありがとうっす!!」
「おう、苦しゅうねえぞ。ジープで鬼ごっこしてもらえたことに感謝して遠慮なく五体投地せえや」
「あの、今真面目に感謝とお礼述べてるトコなんで控えて貰って良いっすか? 一旦忘れさせろや、ジープは」
「おう、サーセン」
「ったく、この師匠はマジ………………でも、本当ありがとうございます。偽遊師匠」
「ふん」
「おーおーパパったら照れてる〜♪」
「うるせえぞ。控えろ」
「むぎゅっ!」
偽遊に鼻を摘まれて控える遊乃を尻目に、鮫島からも翔へ賛辞の言葉が贈られた。
この1年は、丸藤兄弟にとって飛躍の年だったことは間違いない。そして、その苦難を乗り越えたことで得た経験と進化はこれからも彼らの人生を助けることだろう。
「さて……それで本題だが。
オレは卒業生代表として、在校生と全生徒の前で模範デュエルをすることになったんだ。
学園の伝統として、卒業生代表はデュエルをする相手を指名出来ることになっている」
「戦う相手を指名……って、それって偽遊くんなんじゃないんですか?
【
学生生活最後に雌雄を決する頂上決戦!! これ以上のカードなんて無いと思うっすけど」
「何バカ言ってんだ翔。俺と亮がこの一年で何回デュエルしてると思ってんだ?
今更そんな舞台なんざセッティングしたって、『はいはい
「ああ、偽遊の言う通りだ。今更そんな舞台が無くとも、オレたちはすぐにでも戦える」
「貴方達二人は、もうちょっとこう……自分たちのネームバリューのデカさ加減に気付いて欲しいんすけど」
「「…………???」」
ポカンとしている王が二人。
「……分かるか? 亮」
「……さっぱりだ」
「ソーデスカー」
「むぅ〜むぅ〜!!」
「あ」
ここまでずっと鼻をつかまれていた遊乃が偽遊の手をタップして解放される。
「ぷはぁ〜!
ったく……わざわざ呼ばれたから何かと思えばー。
つまりアレでしょ? カイザーくんは私か翔くんのどっちかを指名してデュエルしたくて、どっちにするか迷ってるんでしょう?」
「ええっ!? ぼ、僕がお兄さんと模範デュエル!?!?」
「その通りです。遊乃くん。
亮くんは今、学園の卒業生として在校生の実力を見定める道と、キミと言う……学園にシンクロ召喚をもたらしたパイオニアと戦うのかを悩んでいるんです」
「火武羅遊乃。キミはノース校から転入して来て以来、デュエルアカデミアでシンクロモンスターと言う正体不明のカードを生徒に販売している。
そのカードは今やオベリスクブルーを中心に定着し、デュエルアカデミアの戦力向上に大きく貢献してくれている」
「その通り。虚路居偽遊と言う神を信仰対象に生まれた『キマイラ教』と言う生徒団体と対立構造になっているものの、ソレまでキマイラ教で修行した生徒はオシリスレッド、ラーイエローを問わず別次元の実力を手に入れてそれまでのオベリスクブルー絶対上位の環境を大きく覆していた状況が少しずつ復権して来ています。
なにせ、一部はオベリスクブルーに昇格した者もいたものの。
大半のキマイラ教はオシリスレッドからラーイエローに昇格することはあっても、ラーイエローからオベリスクブルーへ昇格することは拒みあくまでも偽遊くんの居るラーイエローにいることを望みましたからね。
…………おかげで、ラーイエロー寮はカツカツでオシリスレッドはほとんど空っぽな状況になって、経営がイビツになってしまいました…………それは喜ばしいことです。ええ……」
なんか鮫島がゲッソリしている。ザマァ。
「そう言うわけで、オレ個人としては火武羅遊乃。キミの実力を知らずに学園を卒業するのはもったいないと思っている。
シンクロ召喚のパイオニアというところだけではない。吹雪がセブンスターズとして立ちはだかった時の戦いで、キミは無限とも思える敵影に孤軍奮闘し、オレとほぼ同等の撃退スコアを叩き出していた。
キミのバーンとオレのサイバー・エンド・ドラゴン。是非とも激突してみたい」
「遊乃さんとお兄さんとのデュエル……言われてみれば観たことのない組み合わせッスね」
(学園のみんなとしては、僕とお兄さんのデュエルよりも遊乃さんとのデュエルの方が見応えありそうッスね。
悔しいけど、僕はまだ偽遊くんにはもちろん、遊乃さんにも勝ったことが無いし……これは、決まりッスね)
「うん。じゃあやろっか。カイザーくん」
「「ーー!!?」」
さも当然のことのように提案した遊乃に、偽遊以外の全員が目を剥いた。
「軽くないっすか遊乃さん……? 仮にも在校生代表として戦うんすよ!? 自覚ある!?」
「ーーないっ!!」
「はあああー!!?」
遊乃の適当な回答に、翔が声を上げた。
「いや、ウソでしょオイ!! そんなテキトーな感じならお兄さん! その模範デュエル、僕を指名してください!! 僕がお兄さんと戦うッス!!
遊乃さんと戦う方がお兄さんのためにもみんなのためにもなると思ってたけど、そんな気持ちなら僕も引き下がれないっすよ遊乃さん!!」
「おう! がんば☆」
「…………はい?」
「私はねえ、在校生の代表とか学園の意向とかきょーみなし!
お金貰えないならもうどーでもヨシ!」
「んだよソレぇ!?」
「別に個人的なデュエルがしたいならすれば良いじゃん。草試合!
卒業生としての責任『やってる感』でデュエルしたって仕方ないよ」
「やってる感……か。フフッ」
「そう! だからはっきり言えばいいじゃん。
女の子を誘うのに義務感とか責任感とか大人の都合とか持ち出すのだっさい!!
一人のデュエリストとして、遊乃ちゃんと戦いたいんしょ? 女の子口説くなら、本気でやってくれないとね?」
「それもそうだな。
火武羅遊乃。オレとデュエルをしてくれ。オレはお前と戦いたい!」
「オッケー。やけどなおしの準備は出来てる? 私の炎は世界を燃やすよ!
…………と、言うわけでぇ〜偽遊さぁ〜ん。
もうちょっと私が使いやすくチューンして欲しいなっ♡ 今のデッキ『ちょっと』です〜〜☆」
「………………デッキビルダーの端くれとしては、基礎的なデッキビルドはまだしも、個人の使い勝手に関しては、自分で調整させたいトコなんだが……」
「あ〜だからちょっとデッキにノイズがあったんだ。何か偽遊さんのデッキにしては少し滑りが悪いと言うか、変な異物感が邪魔してきて、ノれなかったんだよね〜」
「炎属性オンリー、リンクモンスターもダメ。あれこれ拘りがあってアレはイヤこれはイヤして来やがった分際で、よぉソレほざいたのう? お?(ピキピキ)」
「え〜んごめんなさいー! だって言えば言えば言うだけ偽遊さん対応してくれるんだもん〜〜!!
お願い神デッキビルダー!!」
「……………………ハァ……」
諦めたようにため息ひとつ。言外に偽遊が注文を受け入れたことを誰もが理解した。
「模範デュエルの日は?」
「一週間後です」
「なら問題ねえ。今から本腰入れて調整して、遊乃のプレイにアジャストして…………三日ってトコだな」
「なら、彼女とのデュエルは4日後にしようか。火武羅遊乃」
「いいよカイザーくん。骨になっても良いように、棺桶持参でよろしく☆」
「フフッ……楽しみにしているよ」
こうして、デュエルアカデミア一年の集大成となるラストデュエルは、火武羅遊乃との前哨戦を迎え。
丸藤亮VS丸藤翔と言う、兄弟対決に託されることとなったのだった。
「………………これは、久々に『アレ』やった方が良いかもな」
そんなんなわけで、卒業デュエルの対戦相手はなんとまさかの丸藤翔です。ウケる。
本来の対戦相手である十代はフラグが足りなかったので候補に上がらず。
オリ主の偽遊は今更カイザーと戦っても仕方ないのでしゃーなし。
なんというか、初めてプロット通りのストーリー進行してます。
遊乃とカイザー戦は完全に蛇足だけどな!!