遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜 作:SOD
偽遊のデッキなんて比にならんくらい構築難度が高くて難航しています。
たちの悪いことに『これはイケる……!!』という骨組みまで発見してしまったので逃げることも出来ず……マスターデュエルでは未実装だからテストプレイも出来ない。ひたすら定石を一人回ししてデッキの粗と完成度の研磨を行うことしか出来ず。休日は死んだ。
なので作者の回復のために偽遊くんの知らないところで偽遊くんを虐待して羽休めしたいと思います。
デッキが出来上がった暁には、偽遊くんからのたのしいじゅぎょうが開催されることでしょう……。
「………………あの〜偽遊さん。デッキ調整をお願いした身でこんなことを言うのはとっても心苦しいんですけど。
コレは何?」
「どうした遊乃? このデュエルアカデミア・ラーイエローの孔明が組み上げたデッキに何か不備があるか?」
「不備って言うか〜その……色んなカテゴリーのカードがごっちゃになってて、炎属性デッキのバーンデッキを作ろうと試行錯誤を重ね続けた結果迷走して紙束になっちゃった〜みたいに見えるんですけどー」
「フフフ。何だ、キサマの目にはそう見えるのか?」
「見える(断言)」
「フフフフフフ…………この無知蒙昧め。そのデッキが紙束に見えるだと?
…………俺にもそう見える」
「孔明どの?」
「………………………………」
「………………………………」
「遊乃、飯」
「え、あ。はい……?」
「あともう寝る。俺はベット使うからお前はそこのいい感じの部屋の隅な」
「ご飯食べるんじゃなかったの?」
「最近レイたんに会ってないな〜匂い嗅ぎてえ、抱き枕にしてえ………………アアア」
「あ、駄目だコレ。三大欲求がケンカし始めてる。人間が一番危ない思考クラッシュに陥ってるヤツだ」
遊乃とて嘗ては社会に出ていた身。
激務に追われた結果、大量のカップ麺を抱き締めながらエロサイトを開いたスマホをアイマスクにして給湯室で死んだように眠る社畜見た経験くらい何度でもある。
なおその社畜はお湯を沸かしていたヤカンで切れ目を入れたコンニャクを茹でていた。アレは痛ましかった……。
「は〜いおいでー偽遊さん〜。買い置きのドローパンと柔らかいお布団と可愛い遊乃ちゃんですよ〜」
「ウウウ……!!」
「ついに言葉すら無くしたか……。
はい、偽遊さん〜『パン』を掴もうとして空を掴んだ先には遊乃のちゃんのお淑やかなおっぱいしかないし、『布団』のつもりで背中に乗っけたソレはドローパンだよー。
あと、『可愛い遊乃ちゃん』にも何らかのリアクションをしてね〜しまいには襲っちゃうぞー?」
「zzz……ガブッ」
「んっ……!?!? ちょ、ちょっと……太もも噛まないでよぉ!
きゃっ!? 偽遊さんっ! 遊乃ちゃんを抱き枕にするならちゃんと頭を上にしようよ!? 上下逆さまはマズイ……ちょお!? い、いくらなんでもソコに顔挟むのはヤバいって!! わ、私の理性がもたな……ひぅ!? 寝息が……ぁっ……ッッ!!」
「グゥ………………………………いしのなかにいる……zzz」
「ーーっっ、どういう意味だソレはアアアアアアアーーー!!!?」
「zzzzzz......」
「あーもうキレた! 絶対に許さない!! 寝てる間に●●●おっ勃ててナマで●●して既成事実作ってやる!!!!
一生を誓うカタチで後悔させてやるー!!」
遊乃は涙目で赤い革ジャンを脱ぎ捨てて偽遊のズボンに手を掛ける。
「………………………………あ、あの。遊乃さん……」
「何!? アイアイ!!」
今更ながらここはオベリスクブルー女子寮。遊乃の部屋。
そして偽遊の言うところの『そこのいい感じの部屋の隅』で気配を消して体育座りをしている内倉
遊乃の奇行に対して、頭に血が昇って自分の存在を忘れているいるのだろうと判断した
「えっと……窓の外から殺気を感じるので、止めた方がいいと思います」
「は? 殺気……?」
「はい」
「ハァ……ハァ……!! ユルサナイ……偽遊様をイジメるのは、ユルサナイ…………ハァ……っ!! ボロボロの偽遊様を苦しめるのはユルサナイ、あんなに優しい偽遊様のお気持ちを踏み躙るのはユルサナイ……!!!!」
ガリガリガリ……!! ガラスの窓が寅の爪で抉られていく音がする。
「…………何だあれ、寅の被り物したクマがいるじゃん……」
「そ、そっとしておきましょう? 外の寅さんも、そこの疲れている人も。
寝かせておいて、あげて……」
「ぐ、ぐぬぬぬ……!!」
(正直ガンディスク込みならともかく、素手でガラス窓削るような爪と筋力のあるような相手と意味もなくステゴロはしたくない。
もし倒しても遊乃ちゃんの水を弾くお肌がボロボロになりかねないし、かと言って燃焼を抑えられない火球じゃ最悪焼き殺しかねない……。
しゃーないか)
「ハァ……しゃーない。偽遊さんが起きた時の為に雑炊てきなモンでも作っておくか」
「…………じゃあ私はこの人に布団掛け直して置きますね。遊乃さんが近付くと刺激してしまうかもしれませんし」
「扱いがガチの野性動物じゃん。ウケる」
「あははは……!(無理やり笑い)
(すんっ)じゃあ、失礼しますね」
遊乃がキッチンへ向かい、
「え"? あ……!」
すると、拍子抜けするほど軽かった偽遊のカラダが思いっ切り動き力の行き場を無くした
「ーーフガッ!?」
「え……? あ、え? 軽……い??」
内倉
一方偽遊の身長は180を越えている。
これは非現実的な現象だ。
体積で劣り重量で劣る
余談だが、勢い余って受け身が取れなかった
「……………………?
あ、あの……大丈夫、ですか……??」
声を掛ける。反応がない。
「…………………………………………気絶した?」
偽遊が気を失っていると気付いた
(…………何であんなにカラダが軽いんだろ、あの人? 食事を取っていない? それとも、転生特典……?
よく見ると顔色悪いし、目元に隈が出来てる。それだけあのデッキを作るのに消耗していた? 食事を取るのも忘れてた?
何のため? 遊乃さんのため? どうして? 寅の人が言う優しさ?
それは遊乃さんだけが特別じゃない? みんなにここまでしてくれる……?)
偽遊の寝顔(気絶)を眺めながら、二生分の人生で初めて他人のことについて深い思考を始めた。
「……………………遊乃さんはあんな調子なのに、この人は私の両親みたいに遊乃さんを見捨てない。
妹のほうが優れているからって、そっちだけに構ったりせず。
外の人にも優しいんだよね……。
こんなに疲れていても、遊乃さんのために頑張ってくれるんだ。
こんな風に愛されたかったなぁ……」
突如、
偽遊の顔に自分の顔を近付けて、鼻を鳴らし始めた。首元、髪の毛。耳の裏など。様々な部位に遠慮なしにゆく。
「すんすん……香水の臭いも貴金属の臭いも整髪料の臭いとかもしない。落ち着く自然な匂い。
良いな。私はこの人が『欲しい』な」
彼女視点で名前も知らない男の左手を自身の心臓に当てながら、薬指をクリクリと弄ぶのだった。
「どうしたら、貴方は私を『愛して』くれる?」
マナ「いらっしゃいませ〜♪ みんな、良い子に並んでじゃんじゃん買っていってねー♡
アカデミア購買部、営業中で〜す!」
野郎ども「「「「「「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーー!!!!!」」」」」」」」」
翔「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーー!!!!!!」
トメさん「困ったねえ……そろそろ在庫がなくなっちゃうよ」
マナ「うえぇっ!?」
(そ、それはマズイっ! 売るものが無いとバイトが終わっちゃう! そしたらお賃金も減っちゃうし、生活費や雑費が足りなくなっちゃう!?
な、なんとかしないと……優乃ちゃんにずっと迷惑かけててなんていられないんだから!!)
マナ「え、え〜い。も、もう破れかぶれだー!!
私、ブラック・マジシャン・ガールのマナとデュエルしたい人はいませんかー!
デュエルチケット一枚1000円『から』で販売しまーす! 一番最初に勝てた人には、簡単なお願いを叶えまーす!!」
(お願いっ!! 誰か乗っかってきてっっ!!!!)
「……………………………………………………………………………………」
その日から暫く。デュエルアカデミア購買部の売り上げは、二度と更新されないであろう記録と犠牲者を叩き出し続けたと言う。
なお、野郎どものあまりの剣幕に身の危険を感じたマナのリミットブレイクな本気により勝利者は出なかった。