遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜   作:SOD

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インフルで潰れていました

喉以外は無事です


ぎゆーせんせーのたのしーでゅえるじょぎょー(シンクロ編) 前編

 

 

 「今日はシンクロ召喚についてお話しまーす」

 

 

 眼鏡を掛けてヨレヨレの白衣(わざわざ新品のモノをヨレヨレにダメージを入れた拘りの一品)を着た偽遊が黒蜜を浸したペロキャンを咥えながら講義を開始する。

 

 

 

 1.シンクロ召喚とは

 

 

 「先ずは基本から。

 

 シンクロ召喚とは()()フィールドに『チューナー』と言うモンスター一体以上と、チューナーではないモンスターを一体以上表側表示で場に揃えて、揃えたモンスターのレベルの合計と同じレベルのシンクロモンスターをEXデッキから場に出して、場に揃えたモンスターを墓地或いはケースバイケースで他の捨て場に移動することで完了する召喚法です。

 

 

 『チューナー』とは『ユニオン』や『スピリット』等と同じキーワード能力であり、効果無効効果……例えばスキルドレインが表側で場にあっても『チューナー』というキーワードは無効になることは無い。よって効果無効カードでシンクロ召喚を封じると言ったことは出来ないので脳の片隅にでも留意しておくように」

 

 

 

 2.シンクロ召喚の利点とは?

  

 

 

 「ここにいるキマイラ教の連中は、講義受講後はオベリスクブルーを相手にも安定して勝利するようになり寮昇格となった者も多いことだろう。

 

 俺の講義の内容を理解してデュエルに反映していれば、基礎の基の字も知らないモブリスクブルー共に敗けることはあんまり無い筈だ。

 もちろん、運が悪くて敗けることもあるだろうし、知識があってもカード資産が無ければ理想的なデッキを組むことも出来ないわけだが」

 

 

 一部の……主にオシリスレッドの制服の生徒たちが苦虫を噛みつぶしたような表情になる。

 

 

 「シンクロモンスターとはまさにその『カード資産かなければ理想的なデッキが組めない』を解決する強力なモンスターカードなんだ。

 

 モブリスク共はそのシンクロモンスターを手に入れデッキを組み上げたことで、それまで負け続けだったキマイラ教の人間からの勝ち星を取り戻して来ている」

 

 

 偽遊がそこまで言ったところで、十代が声を上げた。

 

 

 「なあ偽遊。シンクロモンスターって何がそんなに強いんだ?

 

 一度場にモンスターを揃えなきゃいけないんなら、手札からでもモンスターを使える『融合』の方が強いんじゃないのか?」

 

 

 「良い質問だ十代。

 

 

 何故『シンクロモンスター』を使えるようになっただけでモブリスクブルー共は勝ち星を取り返し始めたのか?

 

 何故場にモンスターを揃えなければならないのに速効性と言う面で有利な『融合モンスター』では対抗出来ないのか?

 

 或いはアドバンス召喚で対抗出来ないのか?

 

 

 

 それは極めて単純な話だ。

 

 

 『「シンクロモンスター」は、これまでの「融合召喚」「アドバンス召喚」とは明確に異なる強みを内包している』からだ」

 

 

 

 「明確に異なる強み……!」

 

 

 三沢がより目の色を変えて全神経を偽遊の声に集中し始めた。

 

 

 「明確に異なる強みって、何だよ? 勿体ぶらずに教えてくれよ偽遊」

 

 

 「分かってるって。

 

 明確に異なる強み。それは引きの強さに左右され辛いこと。

 

 

 はっきり言ってしまえば

 

 シンクロ召喚とは『非才』『凡才』『凡人』がそれでも強くなれるようにデザインされた論理パズル

 

 なんだ」

 

 

 「ーー『非才』『凡才』『凡人』がそれでも強く……っっ!!」

 

 

 偽遊の言葉に、今度は丸藤翔が希望の糸を見つけたような表情で目を見張る。

 

 

 「論理パズル……!!!!」

 

 

 論理派、三沢大地。更に脳汁が湧く。

 

 

 

 「シンクロ召喚と融合・アドバンス召喚との最大の違いは、デッキに組み込む必須パーツが少なくて済むことだ。

 

 

 融合召喚には『融合』『融合素材』『融合素材』の三枚が必要になる。

 

 アドバンス召喚には『上級モンスター』『リリース要員』の二枚。

 或いは『最上級モンスター』『リリース要員』『リリース要員』の三枚が必要になる。

 

 

 一方、シンクロ召喚は『チューナーモンスター』『非チューナーモンスター』の二枚が必要になる。

 

 

 

 では十代、いま俺は

 

 『デッキに組み込む必須パーツが少なくて済むことがシンクロ召喚とF・A召喚との違い』だと言った。

 

 しかしアドバンス召喚は「上級モンスター」と「リリース要員」の二枚。とシンクロ召喚に必要最低限な枚数二枚と同じ枚数を口にしている。

 

 アドバンス召喚と同じ枚数が必要なのにシンクロ召喚の方がデッキに組み込む必須パーツが少ないと言った意味の説明に挑戦してみろ」

 

 

 「えええええーー!? 

 

 アドバンス召喚に必要なのは上級モンスターとリリース要員の二枚。

 シンクロ召喚に必要なのはチューナーモンスターと非チューナーモンスターの二枚。

 

 

 どっちも二枚なら、必要な枚数は同じじゃないのか!?」

 

 

 まあそうなるだろうな。偽遊は予想通りの十代の反応に着席を促して次は遊乃を指名した。

 

 

 「おら、シンクロ召喚のパイオニア。

 ここに居る皆さんに教えてやれ。」

 

 「え? わかんない」

 

 「………………は??」

 

 「アドバンス召喚もシンクロ召喚も枚数同じじゃんってなった時、遊乃ちゃんはパパの若年性アルツハイマーを心配しましたよ?」

 

 「お前それでも5dsの出身か!! 最優のシンクロモンスターが泣いてるぞ!!?」

 

 「いつもの事じゃん」

 

 『シクシク……シクシク…………』

 

 「………………………………お前、感謝って言葉知ってる?」

 

 「ありがたく思って礼をいうこと。心にありがたく感ずること」

 

 「ああ駄目だこれ。辞書に書いてあることそのまま覚えただけのヤツだ……ハハッ」

  

 

 渇いた笑いが出たあと、内倉(マナ)にも同じことを聞いてみたが答えが出なかったので挙手制にしてみた……。

 

 

 

 万丈目準は、頭を抱えながら言葉の真意を解読している。

 

 

 天上院明日香は、二枚は二枚でしょ……何? なぞなぞなの……?? と呆然としながら真っ白になっている。

 

 

 神楽坂は、これまでの講義の内容と偽遊の発した全ての言葉を一片に全部並列処理で脳内上映を行いヒントを探している。

 

  

 レイは、あと少しで何かに気付きそうな、喉元から出かかっているような気がしているが。実年齢小学生ゆえの明文化の能力の未熟さが邪魔をして手が届かずにいる。

 

 

 翔は……。

 

 「融合召喚には『融合』と『融合素材』と『融合素材』。

 

 アドバンス召喚には『上級モンスター』と『リリース要員』。

 

 シンクロ召喚には『チューナー』と『非チューナー』。

 

 アドバンス召喚とシンクロ召喚の必要最低限枚数は同じで、それでもシンクロ召喚の方が必須パーツが少ないとすると………………アドバンス召喚とシンクロ召喚の『必須パーツ』の違いは………………………………………………………………………………あ!」

 

 

 ノートに偽遊の言っていたことを書き記しながら、一つ一つ頭の中で言葉の意味を噛み砕いて行った。

 

 そして、ようやく偽遊の提示した矛盾の指摘に気付いた瞬間。

 

 

 「はい、三沢くんどうぞー」

 

 

 「ーー!!」

 

 

 既に挙手していた三沢大地が偽遊に指名されていた。

 

 

 「先ず、融合召喚は必須パーツが三枚なので除外する。

 

 

 問題なのは『アドバンス召喚』と『シンクロ召喚』の必須パーツの枚数が同じでありながら『シンクロ召喚』の方が必須パーツか少ないとする矛盾の証明。

 

 

 それはアドバンス召喚は『必須パーツ』の中に『召喚したいモンスター』が入っていると言うことだ。

 

 

 枚数にばかり囚われていたが、偽遊はずっと

 

 『デッキに組み込む必須パーツが少なくて済むことがシンクロ召喚とF・A召喚との違い』

 

 と言っている。

 

 この言葉の真意は、必須パーツの枚数に対する言及でない。

 偽遊が言いたかったのは

 

 

 40枚のデッキの中で極論『上級モンスター』と『リリース要員』の二枚のみを採用した場合、その上級モンスター以外は一切召喚出来ない。

 だが『シンクロ召喚』は『チューナー』と『非チューナー』の二枚のみを採用しているだけでもEXデッキに存在する15枚のシンクロモンスターを使う事が出来る。

 

 

 

 『デッキに組み込む必須パーツが少ない』のだから、その分だけ『デッキ構成に自由度が生まれる』と言うことだろう」

 

 

 

 「うん。まあ半分正解にしとくか。

 

 三沢の言う通りデッキに組み込む必須パーツが少ないとは、融合召喚なら融合召喚したい融合モンスターの数だけ融合素材を採用しなくてはならない。

 

 アドバンス召喚なら、上級または最上級モンスターが必須パーツになる。

 

 ここで重要なのは、俺が以前話したことがある『1枚では仕事しないカード』の有無だ」

 

 

 半分正解と言われて怪訝な顔をしていた三沢がハッとした表情を浮かべた。

 

 

 「一枚では仕事しないカードは、それだけが手札にあると手札事故になる。

 

 『融合』然り。召喚出来ない『上級モンスター』然りだ。

 

 

 シンクロ召喚は、『シンクロモンスター』がEXデッキに存在しているため引き込んで手札事故になることは無い。

 融合モンスターより遥かに広い素材指定のおかげで、同じ組み合わせでありながら様々なシンクロモンスターを喚ぶことが出来る柔軟性がある。

 

 つまり、『アドバンス召喚』より安全に且つ『融合召喚』より融通が利く召喚法。

 

 それが『シンクロ召喚』だ」

 

 

 「「「「おおお…………!!!!」」」」

 

 

 

 3.シンクロ召喚を強く使ってみよう

 

 

 

 「さて。

 当たり前の話だが、どんなに優れたカードでも使いこなせなければ話にもならない。

 

 

 モブリスクブルーの雑魚共はプライドに脳を汚染されたエリートMODゾンビだが、脳が腐っていても元はここに居る大半の奴らよりはマシにデュエルを理解していた連中でもある。(俺に言わせればないも同然の差だが)

 

 おい遊乃。お前、シンクロモンスター売る時に何を売ってたか詳しく言ってみろ」

 

 

 「ん〜詳しくって言われてもなぁ…………。

 

 最初に売ってたのは先ずシンクロ召喚の方法を書いたメモでしょ?

 

 

 『ブリュ』『ゴヨウ』『ガイアナイト』『セイリオス』のレベル6シンクロモンスターでしょ。

 

 それからチューナー枠のレベル2で『クレボンス』『ジュッテ・ナイト』『ゾンキャリ』『タロ』だね。

 

 でそれがどうしたの偽遊さんーー」

 

 ーードンガラガッシャーン!!!!

 

 

 「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーー!!!!?」

 

 

 「(ビクッ!?)」

 

 「ゑ?? 何で偽遊くん教卓を投げ捨てたんすか!?」

 

 「しかも崩れ落ちたぞ!?」

 

 「神よおおおおーー!!!!????」

 

 「「「「「「「「「「「「ーー!!!???」」」」」」」」」」」」

 

 偽遊が発作的に教卓を投げ捨てて崩れ落ちる。

 

 驚きの声を上げる一同と、信仰対象に駆け寄る神楽坂と狂徒達。一体何があったというのか。

 

 

 

 「おま……おま、お前……っ、お前ェェ!! よりによって、よりにもよって『タロ』を売るな大馬鹿者ッッッ!!!!

 

 申し訳ございません『先生』……ッッッ!! あの腐れバカがッッッ!! 本当に申し訳ございませんッッッ!!!! ううっ……!!」

 

   

 枯れ果てた涙腺から涙の代わりに血の涙を流し、今は亡き偉大なる『先生』に心の底から懺悔する偽遊。

 わけが分からず偽遊を支えるキマイラ教。

 

 

 「うううっ……!!」

 

 

 

 「ーー皆、偽遊様を別室へ!

 

 講義受講者のみんな、突然で済まないが()()につき1時間の休憩時間とさせて貰う!

 このまま休講となる可能性もあるので、その場合は1時間後にこの教室でオレ、神楽坂から説明させてもらう。申し訳ない!」

 

 

 

 

 こうして、遊乃の愚行に取り乱した偽遊のメンタル回復のため、休憩時間となったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ((((((((((『先生』って誰だろ……?))))))))))

 

 

 

 

 

 

 

 





 柴戦士タロ ☆2 地属性 獣戦士族 チューナー

 遊戯王の神カズキング先生の愛犬がモチーフのモンスターカード。サインド。
 本オフとかで普通にオリパ売りとかされているし本人も普通に購入しているが、流石に個人が利益のために売買するとかいうあまりの不敬さには耐え切れなかった。
 





 虚路居偽遊はこう見えて信心深い。

200話記念 キャラクター人気投票 味方サイド

  • 虚路居偽遊
  • 遊城十代
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