遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜   作:SOD

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【挿絵表示】



最近ようやく残業が減って来て帰れるようになってきました


エクシーズ召喚始動! 輝く希望の光。

 

 

 

 

 翔の新たな自身の戦術と目指す方向性を問いかけるデュエルが中盤に差し掛かろうとしていた頃。影でそのデュエルを高性能カメラで動画に収めるウサギの狂徒の姿があった。

 

 「ふっふっふ~♪ スターダスト・ドラゴンにパワー・ツール・ドラゴン。シンクロモンスターの新カードが目白押しですねぇ。

 これはまた、キマイラ教のチャンネル登録者とメンバーシップ登録者が増えますねえ♪」

 

 ≪ウサギ、下卑た発言は慎みなさい。動画の収益は全て主様とキマイラ教の活動。その先にある世界中のデュエリストの実力の底上げと言う大義のためにあるのですよ≫

 

 ウサギのイヤホンからお咎めの声がした。

 

 「分かってるですぅメイドちゃん。何でしたっけ? 人類保管計画ですかぁ?」

 

 ≪『最低値上昇計画』。

 主様に迫るデュエリストを一人でも多く世界に生み出し、主様の退屈を癒すためのプロジェクトです。

 

 そのためにも、今や世界で最も高度なデュエリスト育成所となったデュエルアカデミア内部のデュエルを撮影し、愚民でも分かるように解説を入れて世界に公開するのです。

 そして最低値を上昇しつつ付いて来れない最低未満の弱者を我々の目指す最低値によって間引きます≫

 

 「相変わらず、言ってることが世界征服を目論む悪の組織ですぅ。弱いデュエリストにも人権はありますよぉ?」

 

 ≪人聞きの悪いことを言うものではありません。

 我々はあくまでデュエリストの最低値を底上げするために行動するのです。

 

 我々は教育する。

 その結果、教えに着いて来られなかった弱者が勝てなくなり、勝手に引退する。

 これは自然淘汰です≫

 

 「意図的に災害を引き起こしておいて生き残れなかったら自然淘汰って言い張るのは、面の皮がゴジラですぅ」

 

 ≪何 か 言 い ま し た か ?≫

 

 「ああ、可哀想なウサギ。こうして悪の片棒を担がされて行くですね…………しくしく」

 

 

 しくしくと言葉だけでウソ泣きしたウサギは、瓶コーラをくいっと煽りながらカメラは手振れなくデュエルを映し続けるのだった。

 

 

 「ま、全然やるんですけどね。だって世界中にマウントとりたいし。

 

 さぁて、エースモンスターを根こそぎ解放されてしまった芋ジャージさんはぁ、ここから良いところ見せてくれるんですかねぇ?」

 

  

 

 

 

 

 丸藤翔 LP2000

 手札3(ドラゴンロイド アイン・ロイド)

 場

 スーパービークロイド-モビルベース DEF5000

 

 パワー・ツール・ドラゴン ATK2300+(月鏡の盾)

 

 フィールド魔法 メガロイド都市

 

 伏せ1

 

 

 内倉(マナ) LP3900

 

 手札2

 

 伏せ1

 

 

 

 

 翔のパワー・ツール・ドラゴンでスターダスト・ドラゴンを撃破され、更に魂の解放でスタバ諸共墓地から飛ばされてしまった(マナ)にターンが渡る。

 

 「頑張れー(マナ)ちゃーん! 私最後まで応援してるからねー!」

 

 「…………はい。

 私のターン、ドロー」

 

 相棒の声援に重く一言返した(マナ)が、カードを引いた。

 さっきまでのオドオドとした表情は何処に捨てて来たのか? ピンと張った背筋で綺麗に立ち、紫の長い髪が美しく風にたなびく。

 

 「…………?? あ、あれ? あの人あんな美人さんだったスか??」

 

 その姿は、先ほどまで異性としての意識など欠片も持たなかった翔が赤面するほど。

 

 

 「私は、魔法カード『予想GUY』を発動。

 デッキからレベル4以下の通常モンスターを特殊召喚します」

 

 

 「予想GUYだと? あの主人公ごった煮デッキ、通常モンスターまで入ってのかよ!?」

 

 「あーうん。私たちの一番最初の旅で会った転生者のデュエリストが、通常モンスターを物凄く上手に使いこなす人でね。すっごくカッコ良かったんだよ。しかも(マナ)ちゃん、その人とのタッグデュエルで人生初勝利だったから。なおさら影響受けちゃってねえ」

 

 「通常モンスターで人の脳を焼くデュエルをする転生者(バケモノ)がいるのかよ。怖っ。

 

 んで、そんなバケモノの影響を受けた彼女の召喚する通常モンスターは何なのかねえ?」

 

 (マナ)がデッキから一枚のカードをディスクに装填する。 

 

 「エルフの剣士を特殊召喚!」

 

 エルフの剣士 ATK1400

 

 「エルフの剣士……伝説のデュエルキング武藤遊戯も使った伝説の一枚っス!」

 

 「…………そうなんだ。あのカードも『武藤遊戯』のカードなんだね」

 

 それを聞いたマナは、少しだけ疎外感を感じた表情で笑みを浮かべた。

 

 「……あー、まあアレだ。言うてもあのモンスターは良いトコ無しだぞ。ペガサス戦の初戦でブラマジに後ろから殺されたり、二戦目でトゥーンマーメイドに一方的に殺されたり、海馬の究極竜を倒してフィニッシャーになると見せかけて、新しく生えて来た首に焼かれたりしてな」

 

 「そっか。

 でも、きっとエルフの剣士にとってはそれも、大切な思い出になってるじゃないかなぁ……わたしには、何も無いから分かんないけど」

 

 「…………すぅーーーっ……あ~さて! 彼女はここからどうやって戦うのかな!? レベル4出してエクシーズ召喚かな? それともリリースしてアドバンス召喚かな! 大穴で儀式召喚ってことも考えられる! 夢が広がるなあオイ!」

 

 「私は手札から『エルフの聖剣士』を召喚!」

 

 「…………おい」

 

 エルフの聖剣士 ATK2100

 

 「そしてエルフの聖剣士の効果発動。手札から『翻弄するエルフの剣士』を特殊召喚」

 

 翻弄するエルフの剣士 ATK1400

 

 「エルフの剣士シリーズが三体揃ったっス!!」

 

 「エルフの聖剣士には、自分の攻撃で相手にダメージを与えた時。自軍の『エルフの剣士』モンスターの数だけドロー出来る。エルフの聖剣士も『エルフの剣士』カードとしても扱うので、攻撃でダメージが通れば一気に3枚ドロー。お得だね。

 

 しかぁし!! もう手札は空! 翔の場のモンスターの最低数値はパワー・ツール・ドラゴン。装備カードは相手のモンスターの攻撃力を100だけ上回り続けられる月鏡の盾!

 

 ブハハハハ!! 運命力による理論ガン無視ブン回りもここまでだなぁ!!」

 

 「リバースカードオープン。永続魔法『ウィルスメール』」

 

 「--しくしく。しくしくしくしく…………」

 

 ウサギとは違うガチ悲壮の偽遊くん。またしても崩れ落ちる。

 

 「ウィルスメールは、確か……五番目くらいに行った世界で仲良くなった転生者に貰ったカードだったかな。

 

 どんなカードだったっけ?」

 

 「何で主人公デッキって銘打った紙束に海馬要素(ウィルス)が混ざってんだよ……!

 

 しかも、よりによって『ウィルスメール』!

 

 レベル4以下を直接攻撃可能にして、バトル終了時に墓地へ送る永続魔法!

 

 エルフの聖剣士の攻撃力が翔のライフを上回っているので、デメリットは無いも同然。相手は死ぬ!!」

 

 「ウィルスメールの効果により、私はエルフの聖剣士をダイレクトアタック出来るようにします。

 

 バトル。エルフの聖剣士でダイレクトアタック!」

 

 

 エルフの聖剣士 ATK2100

 

 丸藤翔 LP2000

 

 

 「アアアアアアアーー防げ馬鹿弟子! 抗え未来!! ノーエントリー(防御札)だ! 魔法の筒でも良いぞ! 

 陰気な防御カードなら得意だろテメェ!」

 

 「ーーんな都合よく最適解が伏せてあるわけあるかぁ!!

 

 ダメージ計算前にリバースカードオープン。罠カード『共闘(きょうとう)』!

 このカードは、手札のモンスターを捨てて場のモンスターを一体対象に取って発動。

 対象モンスターの攻守のパラメータを捨てたモンスターの攻守と同じにするっス。

 

 僕は手札から『キューキューロイド』を捨てて、『エルフの聖剣士』の攻撃力を300にする!」

 

 エルフの聖剣士 ATK300

 

 「ダメージの数値なんて関係ない。この剣が通ればそれで良い……!」

 

 「くっ……!」

 

 丸藤翔 LP1700

 

 「この瞬間、エルフの聖剣士の効果発動。

 場のエルフの剣士モンスターの数だけカードをドローする。

 

 バトルフェイズは終了して、エルフの聖剣士は墓地へ送られる」

 

 ピッと三枚引く(マナ)

 

 「チッ、あのバカ結局三枚のドローを許しちまいやがって! 腑抜けてんじゃねえよ」

 

 偽遊の声にピキリと血管を浮かべた翔が反論を返す。

 

 「『エルフの聖剣士』のドロー枚数を増やして『ウィルスメール』で殴ってくるなんて読めるかァ!!」 

 

 「それはそう! だが俺の未来が掛かっている以上このデュエル、俺はテメエに辛く当たる!! 何故ならテメーがホイホイとデュエルを始めやがったからだ」

 

 「やれっつったのテメーだろうがゴラァーー!!」

 

 「誰が俺の貞操まで賭けろと言ったゴルァーー!!」

 

 「「ワーワーギャーギャー!!!!」」

 

 (仲良しだなぁー男の子たち……)

 

 男子小学生のやり取りを眺める気持ちでほほ笑むマナ。

 

 そんな悪ガキを見守る近所のお姉ちゃんを横目に、突如荘厳な輝きが場に解き放たれた。

 

 「--っっ、眩しっ。何スかこの光は!?」

 

 「この眩しい光、もしかしてあの時のモンスター……!!」

 

 目がくらむ光の先に目を凝らすと、(マナ)の場に新たな光の戦士が君臨していた。

 

 

 「『エルフの剣士』と『翻弄するエルフの剣士』で、オーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚。

 

 …………オレの戦いはここから始まる、白き翼に望みを託せ。

  現れろNo.39! 光の使者、希望皇ホープ!」

 

 

 No.39 希望皇ホープ ATK2500

 

 

 「エクシーズ召喚……偽遊君が昔、一番最初にお兄さんとデュエルをした時に出した召喚法。

 

 あの時は偽遊君がさりげなく説明することすら放棄してたから、何が起こったのかすらさっぱり分からなかった召喚法っスね」

 

 「やっぱり、前に浮浪叉夜遊を倒したモンスターだ!」

 

 エクシーズ召喚の事前知識が殆ど無い翔と、ギャルギャル☆マジシャンギャルと言うモンスターエクシーズを持っているがデュエルは素人のマナ。両者の認識は『なんかすごいヤツ』程度で終了している。

 

 (ホープか。確かにパワー・ツール・ドラゴンの対処を考えれば、エルフの剣士達がぼっ立ちしている攻撃を無効に出来るホープの方が余程有効だ。

 しかし、翔の場には相手のモンスターの攻撃力が高い程強力なモンスターを召喚出来るモビルベースがある。

 

 総合的に考えれば、悪手とも捉えられる手だが…………)

 

 冷静に競技勢としての知見で分析していた偽遊が、ふいに一筋の冷や汗を流した。

 

 

 「考えたくもないが、この状況でホープの召喚が『最高の一手』になるカードが一枚ある。ホープと合わせて、主人公のカードとしか言いようの無い()()()()()が…………」

 

 

 ギリギリと奥歯を噛み締める。自身の妄想が、現実となることが嫌で仕方ない。

 

 だと言うのに、確信がある。

 

 ソレは起こるのだろうと。

 

 

 「手札から魔法カード『RUM(ランクアップマジック)-ヌメロン・フォース』を発動!

 

 

 

 このカードは、希望皇ホープをランクアップ。そしてこのカードで特殊召喚したモンスター以外のフィールドの全ての表側表示のカード効果は無効になる!!」

 

 

 

 「え…………」

 

 

 この瞬間。翔の戦術の中核を担っていた『スーパービークロイド-モビルベース』『 パワー・ツール・ドラゴン』『月鏡の盾』『メガロイド都市』。

 この全てのカードは、無力なハリボテに書き換えられる。

 

 

 

 「…………『魂の解放』より、こっちの方が爆アドです。

 

 だから、偽遊さん。もっと、私を見て」

 

 

 「………………逸らしたくても目が追うっつーの。眩し過ぎて、肝心の眼は潰れそうだけどな」

 

 

 

翔と愛のデュエル

  • 今のとこ面白い
  • もう既に飽きてる
  • 偽遊が脳破壊されてるだけで満足
  • やっぱりBMGは最高だぜ!
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