遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜 作:SOD
今回、本作史上最大に長いです。
「次はカイザーのターンか。神のカードを出した偽遊に負けないくらいすっげーターンを見せてくれるかな?」
「それは厳しいんじゃないか十代? ライフポイントは10099で初期値の三倍弱。普通なら一ターンの猶予はあるように見える。しかし現在手札は0。
しかも相手は、偽遊だ。普通ならデュエリストの唯一のエースの立ち位置にも立てるような強力なモンスターを湯水のように召喚しているにも関わらず、未だに息切れもせずデッキの底が見えない。
いかにカイザーと言えど、これほど力を振るう偽遊に防戦がやっとと言う様子だ」
「けどさ三沢、カイザーの場には『機械龍-リボルバー・ドラゴン』がいるんだぜ?
毎ターンごとにバトルフェイズに特殊召喚出来て、しかもコイントスさえ当てれば最大3体モンスターを破壊できる。
しかも、偽遊が得意な『コーンフィールドコアトル』や『ミラーソードナイト』の護りもすり抜ける。
まだまだ行けるぜ! 頑張れカイザー!」
「オレのターン、ドロー!!」
カイザーが力強い目でカードを引く。
そこに諦めた様子は見られない。
相手は
「あまりにも……次元が違い過ぎる」
形だけの真似事ならば、オレ達にだって出来るだろうさ。神のカードはともかく、ライフを1900回復して、手札を5枚に増やす。決して不可能とまでは言わない。
次のターン、
神を
『なんとなくその時の気分』で、あの男は人知を越えるのだ。『散歩中にたまたま目に入ったから店に入ってみる』ような雰囲気で。
王の気まぐれに、魅せられる。
「勝てるものか……
「行くぞ偽遊!! リボルバー・ドラゴンの効果発動! デッキから闇属性・機械族モンスターを手札に加える。
オレは『マシンナーズ・アンクラスペア』を手札に加える」
「そうか。ついにサイバー流の殻を破って来たか。ぼうぎょととくぼうが下がるから、気を付けてな」
「攻撃こそが最大の防御だ!!
マシンナーズ・アンクラスペアの効果発動。このカードがドロー以外で手札に加わった場合、特殊召喚出来る」
マシンナーズ・アンクラスペア DEF800
「アンクラスペアの効果発動。召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから『マシンナーズ』モンスターを墓地へ送ることが出来る。
オレは『マシンナーズ・ルインフォース』を墓地へ送る」
「マシンナーズ・ルインフォースか。
確かにソイツなら、デカブツで、バトルフェイズの効果無効もある。お前好みの馬鹿
「ラーの翼神竜や呪雷神ジュラを並べて来る【
フフフ……」
「いいや? 『パワボン・リミ
フフフ……」
「「フフフフフフフ」」
「わ、笑ってるぜ? あの二人」
「恐らく、どっちの方がよりパワー馬鹿かを押し付けあっているんだろう。同じ穴のムジナ同士で、ご苦労なことだ」
「どちらかと言うと、攻撃力が高いと言うのは長所になりそうなものなんだがな……あの二人は、誇らしくないのか?」
「大方、自分はパワーだけじゃなくテクニックもあると言いたいんだろうぜ。
そのご自慢のテクニックを披露する前に、オレ達下々の者は像に潰されるアリ同然ってわけだ」
「どうしたんだ万丈目? そんな卑屈になって。眠いのか?」
「コレが夢なら、と思わなくは無い。
……いや、何でもない」
「ライフを200払って、魔法カード『ドローパン』を発動。カードを一枚ドロー」
丸藤亮 LP9899
「どうせそれも、墓地の属性が被らないモンスターなんだろうな。ケッ!!!!」
「オレが引いたのは『サイバー・フェニックス』。炎属性モンスター。よって一枚ドロー。
そして魔法カード『ドールハンマー』発動。『マシンナーズ・アンクラスペア』を対象に、これを破壊してカードを二枚ドロー!!」
「ドローパンから強欲なバブルマンまで行くのは聞いてねえよ!?」
「すげえ!! やっぱ負けてないぜカイザー! なあ、三沢!!」
「お、驚いたぜ……! あの偽遊を相手に、あそこまで張り合えるのか、カイザー亮!!」
「まさか、勝つのか……カイザー」
「墓地の『マシンナーズ・ルインフォース』の効果発動!
墓地からレベル12以上になるように機械族モンスターを除外して、自身を墓地から特殊召喚する!
墓地のレベル5の『サイバー・ドラゴン』二体と、レベル4の『マシンナーズ・アンクラスペア』を除外だ」
マシンナーズ・ルインフォース ATK4600
「ここで攻撃力4600かー!!」
「アレが、バトルフェイズに発動した相手の効果を無効にする大型モンスターか!」
「それにしても……デカい!!」
「偽遊、お前の場の『闇へ誘う太陽神』は、戦闘破壊されたモンスターの攻撃力分のダメージをプレイヤーに与えるんだったな。
なら、お前の場の攻撃力2100の幻獣王キマイラを戦闘で破壊すれば、俺の勝ち。そうでなくてもルインフォースの攻撃力4600の攻撃の超過分2500で、お前のライフは尽きる。
どちらにしても、オレの勝ちだ」
「ああ、いい作戦だぜ。不可能っつー点に目を瞑ればよ? 何よりそれが不可能だってことは、お前が一番分かってる筈だ、亮。
召喚成功時、リバースカードオープン。速攻魔法『
場の『幻獣王キマイラ』と手札の『幻惑の見習い魔術師』を融合!!」
ついに来る、あの
「引き裂き、八つ裂き、狂い咲き。
摂理から外れた命を造りしヒトの罪。絶望を示し嘲笑おうぞ!!!!
融合召喚ーーレベル8 幻想魔獣キマイラ!!!!」
幻想魔獣キマイラ DEF2800
「さあ、勝負しようぜ。どっちが先に、喰い散らかすか!!」
「ああ、勝負しよう。もちろん、オレが勝たせてもらうがな!!」
「二人とも、本当に楽しそうだな。見ててこっちがワクワクするぜ!」
「ああ。本当に、二人は良いライバルなんだな……永遠の別れではないとは言え、あの二人がそれぞれ別の世界に分かれるのは、なんだか勿体ないな」
「…………王と、帝王。二人の王の分かれ、か」
≪なあ、万丈目。オレは別にオレの行いに言い訳したくて言ってるんじゃねえ。
ねえけどよ……あのバーン使いや、お前にそのデッキを与えたヤツが、お前にとって少しでも『仲間』だと思えるヤツならばだ。
ソイツをガチでやって倒せるほど強くなってやってくれ≫
いつだったか、エセ万丈目--
ああ、そうか……これから先の二年間、
「バトルフェイズだ! 速攻魔法『表裏一体』を発動!
レベル10闇属性『マシンナーズ・ルインフォース』を生贄に捧げる。
出でよ!! 我が魂『サイバー・エンド・ドラゴン』!!!!」
サイバー・エンド・ドラゴン ATK4000 VS 幻想魔獣キマイラ DEF2800
「果て無き
サイバー・エンド・ドラゴンの攻撃!!
エターナル・エヴォリューション・バースト!!!!」
「ぐっ……!! うおおおおおおおおおおおおおー!!!!」
サイバー・エンド・ドラゴンの必殺技が、幻想魔獣のハラを貫き背後の海面へ直撃する。高エネルギーの衝突により海は割れて燃え上がった。
「これが……王のデュエルっっ、オレ達の目指す場所かアアアアアアアアアアアアアアアアーーー!!!!」
「うおおおおおおおおおおおおおーー!!!! 燃えて燃えてしょうがねえぜえええええーーー!!!!」
「いや、そもそも何故実体の無いソリットビジョンでこんな物理学を無視した衝撃が発生しているんだ!?!?」
「「--それが王のデュエルか!!!!」」
「おいいいいいいいいいいいいいーー!?!??」
虚路居偽遊 LP701
「尽きること無い
幻想魔獣キマイラの効果発動!! 戦闘を行った相手モンスターの効果を無効にして攻撃力を0にする!!」
虚路居偽遊 LP701
サイバー・エンド・ドラゴン ATK0
幻想魔獣キマイラ DEF2800
「ライフは充分。まだまだ腹ペコだぜ!!」
「喰らわせてやるさ!! 胃が消し飛ぶまで!!
これでトドメだ!!!! 速攻魔法『マグネット・リバース』!!
除外されている『終撃竜ーサイバー・エンド・ドラゴン』を特殊召喚ンンンーーーー!!!!」
「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーー!!!!」」
「アレは、サイバー・エンド・ドラゴンと同じ貫通能力を持つ強化版サイバー・エンド・ドラゴンか!!」
「ネバーエンディング--エヴォリューション・ブレイカぁアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァーーーーー!!!!!!」
終撃竜ーサイバー・エンド・ドラゴン ATK4000 VS 幻想魔獣キマイラ DEF2800
虚路居偽遊 LP--
もはやハラどころか全身を包み込んで余りある最後の一撃が、一人と一匹のキマイラを包み込んで影の居場所すら奪い去る。
今夜で何度目かも分からぬ海面への着弾で、ついに海水が天に舞い上がり、雨のように降り注ぐ。
そして、雨によって歪んだホログラムが修正されて、終撃竜-サイバー・エンド・ドラゴンのステータスが表示された。
終撃竜-サイバー・エンド・ドラゴン ATK0
「何!? 終撃竜-サイバー・エンド・ドラゴンの攻撃力が0だと!?」
『ぐりぐりぃ~』
カイザーの驚愕の声のすぐ後、間の抜けた低い獣の声が聴こえた。
「俺は、手札から『グリフォー』を捨てて、効果を発動した。
このターンに受けるダメージを一度だけ0にする」
「戦闘ダメージをゼロに……!!」
「馬鹿力とデュエルするんだ。ダメージ対策くらいするに決まってんだろ?
もちろん、幻想魔獣の牙に触れたモンスターは、力も効果も全て喰い散らかす……フフフフ」
「…………メインフェイズ2だ。
墓地の『表裏一体』の効果発動。墓地の光属性モンスター『サイバー・ドラゴン・ヘルツ』と闇属性モンスター『マシンナーズ・ルインフォース』をデッキに戻して一枚ドロー」
「このターンだけで一体何枚ドローしやがったんだテメー。いい加減お前の罪(積み込み)を数えろ」
「…………カードを二枚伏せて、ターンエンドだ」
「けっ。エンドフェイズで『幻獣王キマイラ』の効果。墓地から『
「もうガゼルは召喚しないんだな?」
「ああ。もうデッキから持ってきたいカードも無いし。ラーとか言うポンコツ要介護老人も見せびらかしたし、もう満足だ。あの雑魚は多分抜く。
あと『幻獣魔王バフォメット』で除外されている『幻獣王キマイラ』を特殊召喚な。ターン貰うわ」
「オレの引きに罪とか言っていたが、お前の行動も大概だと思うぞ」
「俺のは理に適った凡人のムーブだ。サイバー流積み込みドローと一緒にすんな。
俺のターン、ドロー」
「墓地の『合成獣融合』の効果。手札に加える。
墓地の『不死なる太陽神』の効果。コストでヘルポエマーを切って手札に加える。
『クリムゾン・ヘルガイア』の効果を発動。墓地から『ヴィジョン・リゾネーター』を手札に加える」
--いや多い多い多い!!!! 何をサラッと墓地から三枚も手札に加えているんだ!!
「あれだけ墓地のカードを手札に戻せていれば、ドローに意識を裂く割合が減るのは当然か。
--はっ!? そうか、オレは今まで何故気付かなかったんだ! 最初からドローを期待せず墓地のカードを使うと言うことは、100%の確率で次の自分のターンの戦術を決められると言うことじゃないか!」
「けどさあ、どうせならドローで逆転する方がかっこ良いんじゃないか?」
「お前には分からん世界の話だ。黙っていろ
「お前も大概だからな、万丈目」
「墓地の『混沌の魔王-スカル・デーモン』の効果発動。
墓地の『黒き混沌の魔術師ブラック・カオス』と『呪雷神ジュラ』『暗黒の太陽神-ラーの翼神竜 』をデッキに戻して特殊召喚。
レベル5以上の闇属性モンスターがいるので、手札から『ヴィジョン・リゾネーター』を特殊召喚。
レベル6の混沌の魔王-スカル・デーモンにレベル2のヴィジョン・リゾネーターをチューニング。
シンクロ召喚。レベル8『
全く手札を減らすことなく、更なるシンクロ召喚を行った。
今度のシンクロモンスターは青い鬼のような角が生えた美女。王が従える『迷宮城の白銀姫』よりも更に力強く美しい、女性型モンスターだ。
……ロリコンのくせに。
「ミコトの効果。このカードの特殊召喚成功時に効果発動。
デッキから『アシュトラ』カード墓地へ送って、フィールドのカードを一枚墓地へ送る。
あと、チェーン2で『混沌の魔王-スカル・デーモン』の効果。
ついでにヴィジョン・リゾネーターの効果で二枚目の『クリムゾン・ヘルガイア』も加えておこう。
これはあんまり意味ないが」
「本当に、お前の『底』はいつ顔を見せるんだ?」
「カードの歴史が幕を閉じた日」
「最高の答えだ。
チェーン4。『機械龍-リボルバー・ドラゴン』を墓地へ送り、速攻魔法『禁じられた一滴』を発動!
「ほなヴィジョン・リゾネーターの効果で『クリムゾン・ヘルガイア』を加える。
そんでスカル・デーモンの効果で『光と闇の儀式』を墓地へ送って『黒き混沌の魔術師ブラック・カオス』を手札に加える。
そんで墓地の『光と闇の儀式』の効果を発動して、墓地から『光と闇の儀式』と『混沌の魔王-スカル・デーモン』を手札に加える」
そこから更に手札を増やして、現在8枚。恐ろしいことに、カイザーのようなドロー用のカードは一枚たりとも使っていない。
全て、展開の
「儀式魔法『光と闇の儀式』を発動!
手札から『太陽神の処刑人-マキュラ』と『白の聖女エクレシア』をリリースし、手札から『混沌の魔術師ブラック・カオス』を儀式召喚!」
混沌の魔術師ブラック・カオス ATK2800
「アレは儀式モンスター! 偽遊は儀式召喚まで使えたのか。
くぅぅぅ~さっきからこのオレのハートがウズウズしっぱなしだぜ!!」
「ああ、オレはこれほどまでに戦闘欲求を刺激されるデュエルを見たことが無い。
流石はアカデミアの二大巨頭による頂上決戦だな……」
丸藤亮 LP9899
手札1(サイバー・フェニックス)
場
サイバー・エンド・ドラゴン ATK0
終撃竜ーサイバー・エンド・ドラゴン ATK0
伏せ1
虚路居偽遊 LP701
手札4(『合成獣融合』『不死なる太陽神』『クリムゾン・ヘルガイア』)
場
幻想魔獣キマイラ DEF2800
幻獣王キマイラ ATK2100
『
混沌の魔術師ブラック・カオス ATK2800
クリムゾン・ヘルガイア 闇へ誘う太陽神
それはオレも本当に思う。このデュエルは、まさしく『頂上決戦』と呼ぶに相応しいだろう。
そして、誰も口にしないが、確実に思っていることが一つある。
(((どうして、あの頂上決戦でデュエルしているのがオレじゃないんだ……)))
戦いたい。あの二人と。その時だけで終わっても良い。今後の総てをそこに注ぎ込むようなデュエルがしたい。
脳髄が蕩けるような、血が沸騰して戦場の空気と一つになるかのような大いなる充実感を貪りたい。
あの男たちのような、デュエリストである自分になりたい。
「ふぅーー…………」
ブラック・カオスを儀式召喚した所で、
まるで煙草の煙を燻らせているかのような気だるい雰囲気で、瞳だけは平素の眠たげでどこか憂いを直視しているかのような濡れた目だ。
「どうした? 偽遊」
まるで過去の思い出に浸るかのように呟く。このデュエルで荒れに荒れ狂った海を見つめながら、名残惜しさを咎め--
「…………ん、いや。
そろそろこのデュエルが終わるなって」
「ああ、オレが勝って終わらせる」
「言ってろ」
--何処か…………夢から醒めたかのような笑みを口の端で繕っていた。
「幻想魔獣キマイラを攻撃表示へ。
バトルフェイズだ」
「ならば、バトルフェイズのスタートステップ時。墓地の『機械龍-リボルバー・ドラゴン』の効果発動。
このターン墓地へ送られたこのカードをバトルフェイズ中に特殊召喚。
そして、コイントスを三回行い、表の数だけ相手のモンスターを破壊する!」
「さっき三回表出したから、今度は全部裏な。それで運命力トントンだ」
「さっき三回表が出たんだ。今度も三枚とも表になるさ。それが実力と言うものだ」
ピン--っと、カイザーがコインを弾く。
『表』
「ほんっと、すげえよな。運命力。幸運。運ばれる宿命? 俺には何も無かったものだ」
ピン--! 二回目のコイントス。
「お前の言葉はいつも不思議だったんだ。
運命論者と言うわけでも無ければ、それを誰かに押し付けているというわけでも無く。
だと言うのにお前は、ソレを『絶対に勝てないモノ』として心底諦観している」
『表』
「力は他者に伝染しない。少なくともオレのはな。
だがお前は違う。お前の力は人に伝わる。広まる。
それほどの研鑽を重ねながら、何故お前の姿勢は『諦め』から動かない?」
ピン--! 三回目。
「……………………」
コインが地に着いて、ゴロゴロと転がる。
『表』
「別に……抗っても移ろわない景色に飽きちまっただけさ。
だから、何か面白いことねえかなって、今日も俺は確率に唾吐いて安定を求めるのでしたとさ」
その言葉が終わると同時に、リボルバー・ドラゴンの三発の弾丸が『混沌の魔術師ブラック・カオス』『
機械龍-リボルバー・ドラゴン ATK2600
幻想魔獣キマイラ ATK3100
幻獣王キマイラ ATK2100
「………………………………。
速攻魔法『不死なる太陽神』を発動。
墓地より蘇れ、ラーの翼神竜!!
そして『暗黒の太陽神-ラーの翼神竜』を特殊召喚!!」
暗黒の太陽神-ラーの翼神竜 ATK0
「来たか、神!!」
「暗黒の太陽神-ラーの翼神竜の攻撃宣言時、
700+1600+2000=4300
暗黒の太陽神-ラーの翼神竜 ATK4300
「暗黒の太陽神-ラーの翼神竜で、終撃竜-サイバー・エンド・ドラゴンに攻撃!
サンライズ・ノヴァ!!」
暗黒の太陽神-ラーの翼神竜 ATK4300 VS 終撃竜-サイバー・エンド・ドラゴン ATK0
「ぐうおおおおおおおおおおおおーーーー!!!!」
ついに神の洗礼を受けたカイザーとサイバー・エンド・ドラゴン。闇黒の太陽に身を焼かれる。その熱さは背後の海水の蒸発の凄まじさが物語る。
丸藤亮 LP5599
「この瞬間『闇へ誘う太陽神』の効果発動。戦闘破壊されたモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える!!」
丸藤亮 LP1599
「ぐ………あ……っ!!」
「そして俺はライフ回復」
(ま、九分九厘意味ねえだろうけどな……)
虚路居偽遊 LP1001
「い、一万近くあったカイザーのライフが一撃で……!!」
「すげえ、流石神だぜ……!」
確かに凄まじい力だ。そして、ソレを手足のように使役する虚路居偽遊と言う天上のデュエリストの実力は未だに全貌が見えない。
しかし………そんな力を振るう男の瞳は、二人のデュエルによって嵐のように荒れた海とは正反対に静かだ。
「………………」
「どうしたんだ偽遊は? カイザーのライフはもう1600以下。ここからどちらのキマイラで攻撃しても、攻撃力0のサイバー・エンド・ドラゴンを倒してライフをゼロに出来る。
この局面でアイツが警戒しなければならない何かが有ると言うのか?」
「カイザーに残っている不明の一枚は、あの伏せカードのみだ。
ラーが神の名に恥じぬ完璧な耐性を持っていて使用出来なかったカードと言うことか?」
「と言うか、それを言うなら何で偽遊は『ガーディアン・キマイラ』を召喚しなかったんだ?
さっきの『
チェーンして『
アドバンテージを稼ぐことを一番重視する偽遊なら、意識が朦朧としてたって条件反射で発動しててもおかしくない状況じゃんか」
「いや、意識が朦朧としてたらデュエルどころじゃないだろ」
「分からん。
あの男の考えは、いつもオレ達の考える斜め上か下へ逸れるからな」
外野のオレ達があれこれ考えているのを他所に、
「今日はやけに溜息が多いな。偽遊」
「ん……っ、ああ、まあ。
なんつーのかなぁ、この感情。どう説明したら良いか。
…………正直、
「身の程? 神を従えて、学園中から羨望と信仰を集める【
「んー…………いや、自惚れっつーか。『そうだったら良いな』って言うか」
「……いつもながら、お前は自分のことを語るときは歯切れが悪いな。デュエルに関する話の時の饒舌が嘘のように別人。いや、別口か?」
「ん……俺はさ、なんて言うか。『凡人』なんだよ」
「……今や学園中がその自己評価を否定するだろうがな」
「運命とか、宿命とか、そう言うの? 何も在りはしない。ただの凡夫。ここぞという時には碌に役に立たないんだと思う。雑魚狩り専門、みたいな?」
「--よく分からんが、殴って良いか? オレが何度お前に負けたと思う?」
「ああ、スマン。
要するにだ。俺は主人公じゃないってコト」
「何も要していないように聞こえるが?」
「……………………………はああああああああああああぁぁぁぁ~もう良いや。リバースカードオープン。『
「勝手に黙ったり勝手に再開したり、勝手なヤツめ……」
「『暗黒の太陽神-ラーの翼神竜』に『
シンクロ召喚。レベル11『呪雷神ジュラ』」
呪雷神ジュラ ATK3100
「三度目の召喚か。このデュエル中、陰に日向にソイツには苦しめられたな。
最後の攻撃はソイツか?」
「いいや。コイツは
この光散らかし続けたデュエルを、『光の中へ完結する物語』にする」
「光の中へ……完結?」
「行くぜ、亮。
俺は手札から『
『何!? 超融合だって!!』
「うおっ!? びっくりしたなぁ、ユベル。急に叫ぶなよ……」
「……? ユベル??」
「『超融合』か。やはり
「超融合……自分と相手の場のモンスターカードを融合して、融合召喚を行う速攻魔法か……最後はオレの『サイバー・エンド・ドラゴン』と融合か? まったく、一生忘れられない卒業デュエルになるな……」
「俺は『幻獣王キマイラ』と『幻想魔獣キマイラ』で融合する!!」
「何!? その二体を融合して召喚するモンスターがいるのか!!」
「来い!! バイ・メモリーズ・フェイバリット・モンスター!!
憧れ、焦がれ、記憶の彼方にて光り輝く!
融合召喚!! レベル8『
」
「シャイニング・フレア・ウィングマンだってえええーー!?!?!?!」
「しかも、十代の持つシャイニング・フレア・ウィングマンとは違う!!」
「フェイバリット……ヒーロー」
「
墓地からモンスター五体をデッキに戻す。その後二枚ドローして、このカードの攻撃力を1000上昇する!!
俺は
『
『
『暗黒の太陽神-ラーの翼神竜』
『黒き竜のエクレシア』
『紅蓮の王者』
の五枚を戻す」
「一枚くらいデッキに戻したらどうなんだ……全部EXデッキのモンスターじゃないか。
それにしても……【合名転輪ーキマイラ・サイクル】か。いつまでも戦っていたいと言う、お前らしさのある最強のデッキだったな」
「ドロー!!」
『グリフォー』『
「こんな時ばっかりィ!! 最適解こん畜生!!! ええい、今夜だけは見逃せェ!!!!」
「何を泣きながら怒っているんだ、偽遊のヤツ」
「最適解……が来たなら良いんじゃないのか?」
「何も分からん……」
「行け!!
シャイニング・ホープスター!!!!」
「なあ、三沢。オレには、このシャイニング・フレア・ウィングマンの召喚が、キマイラで攻撃することの違いが分からんのだが」
「あ、ああ。オレもさっぱりだ……だが」
「偽遊のヤツ、何かすっげえ楽しそうだぜ!!」
まるで、子供の頃に作った宝の地図でも握りしめているかのようなワクワクとした表情をしている。
シャイニング・フレア・ウィングマンの全身の輝きが強くなり、攻撃力が0になっているサイバー・エンド・ドラゴンに突撃していく。
この攻撃が通れば、
「一体何が目的だったのか知らんが偽遊。お前は自分の勝利を捨てたぞ!!
バトルステップ時、リバースカードオープン!!
オレのカードは--」
「「『決戦融合-ファイナル・フュージョン』!!!!」」
丸藤亮の宣言に、虚路居偽遊の声が重なる。両雄は全く同じカード名を口にしていた。
「何だと!?? 偽遊、お前は--!!!!」
「よっしゃあああああああああああああああああああああああああああーーー!!!! メイク・ドラマァアアアアアーーー!!!!!」
カイザーの驚愕の声を侵食して塗りつぶす程の
声の表現としては余りにも似つかわしくないが、両手の拳を握りしめて世界でも獲ったかのようなあの歓喜の叫びは、もうそうとしか言いようが無い。
「と言うか、何であんなに悦んでいるんだあの王は!?!?」
シャイニング・フレア・ウィングマンの輝きが限界を超えて膨張し、全てを飲み込んでいく。
決戦融合-ファイナル・フュージョンは、互いの融合モンスターが戦闘を行うバトルステップに、その二体を対象にして発動。
戦闘を無効にしたのち、お互いのプレイヤーは対象のモンスターの攻撃力の総合値がライフを直撃すると言う、使用条件の割に扱いが困難な罠カードだ。
と言うか、読んでいたなら『呪雷神ジュラ』で攻撃するなり、そもそも『キマイラ』を残しておいて『コーンフィールドコアトル』の効果を使えば防げたカードじゃないか!! さっきのドローの反応と言い、さてはあの男、手札にも対抗策を弄んでいるんだろう!?
「偽遊、お前はいったい……」
「亮!! このデュエル、引き分けだが俺の勝ちだ!!
フフフ、フハハハハハハハハ!!!! ガッチャ!! 楽しいデュエルだったぜ!!!!」
「ああっ!! 偽遊、それオレの決め台詞--」
十代が何か言いだした辺りで、光の膨張が限界を迎えて大爆発を起こす。
両者のライフには、シャイニング・フレア・ウィングマンの攻撃力3500が直撃した。
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーー!!!!」
丸藤亮 LP0
「ははは!! アーっハッハッハッハッハーーーー!!!!!!」
虚路居偽遊 LP0
爆発の衝撃を踏ん張って耐えたカイザーは、どうにか地上で膝を折る。
だが、両手を拡げて衝撃を歓待した
「
「うわぁ、やべえ!! アレ頭から行ったぞ!!」
「なっ!? 偽遊!!」
気付いたオレと十代、三沢は上着とデッキを捨てて一斉に海に飛び込んだ。
生存本能が心体構造に組み込まれていないあの男をこんな状況で放っておけば、嬉々として死に向かいかねないからだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(ああ…………愉しい。愉しすぎるってこんなん。この学園に来てからの一年間。今ほど勝ったと思ったことは無い。
エセ主人公みたいな、パチモンの分際でさあ、十代対カイザーの卒業デュエルのラストを原作再現出来るなんて。
………………このまま海の藻屑になれたら、俺は間違いなく世界一幸せな土左衛門だ………………フフフフフフ)
カラダが布団に沈むように深海に沈んでいく。デュエルディスクは防水仕様。あらゆる外部の干渉からカードを護るオーパーツ仕様まで付いているらしいので、腐って散るのは俺だけだ。
いつかの未来で深海から引き揚げられたこの黄金と黒の仰々しくも荘厳なデュエルディスクが地上に回収されて、何かいい感じに新たな主人公が生まれる物語とかが紡がれてたら嬉しい。
ああ、それにしても今夜は、月が綺麗だ。
--グイッ!!
(うぶっ!?)
腕を引っ張られる感触がある。何だよ、深海に引きずり込む妖怪なら歓迎だが、そっちは地獄じゃねえか。
はいはい分かった分かった。今行くって。ったく……。
ザバッっと波の音がして、頭が海面から浮き上がる。
「--もうちょっと……情緒とか余韻とか、楽しませてくれても良くないか?」
「「「助けられた第一声がそれかこの野郎!!!!」」」
一斉に三人に殴られた。解せぬ。
「大丈夫か、偽遊」
海で十代、三沢、万丈目にカラダを支えられてプカプカ浮いていると、亮が上から手を伸ばして来た。
夜の海は冷たいので、ありがたく上がらせてもらおう。死ねないならこんなクソ寒い海に入ってられるか。自分で入る奴はきっと単細胞バカだ。
「「「……」」」
ボコッ!!!!
また三人に殴られた。アレだ。デュエルアカデミアにはいじめがあります。
まあ、そんなことよりさっさと海から上がってしまおう。どういうわけか、今夜の海はやけに波が荒れている。サーファーしか喜ばん状況だ。地震でも起きたのかね?
「よっと……サンキュー亮」
「ああ。
さて、殴らせてもらおうか」
「発言の脈絡さんが迷子だぜ? 何で俺がお前に殴られにゃならんのよ」
「誰が雑魚狩り専門だって?(怒)」
「痛くしないでね」
バキッ!!!!
「ちょーいってえ!!!
ったくよお、言葉の綾でそんな強くぶたなくたってよお……」
「そうだな偽遊。すまなかった。
さて、殴らせてもらおうか」
「どゆことなん!?!?」
ボコッ!!!! バキッ!!!!
「すっげえいてえ!!??
何でだよ!! 何で追加で二発も殴られたんだよ!? ってか結構全力で来たな!? お前自分が仮にも道場で肉体派の修行してた人間だって忘れてんだろ!!」
「何故オレの『決戦融合-ファイナル・フュージョン』を読んでいて、勝ち筋を一つ残らず潰してまで、シャイニング・フレア・ウィングマンを融合召喚して攻撃して来た?(怒怒怒怒怒)」
「しょうがねえなあ、ちょっとだけだぞ」
ドカッ!! バキッ!! ボキ!! グキ!! グシャ!!!!!
「マッハいてェ……」
「どうせお前のことだ。説明されても分からんことを一人身勝手に納得しているのだろう。
全く、こんなデュエルを最後に学園を去ることになるとは!」
「別に最後じゃ無くね? まだ夜は深いぞ」
「何……ラストゲームは何処へ行った?」
「おいおい。青春時代のラストなんて、人生で言えばインターバルでしかねえぞ。やろうと思うたびにラストは追加されるもんさ。
ほんでもって、学生の夜更かしは良くないが、社会人は夜更かしでもしないと碌に遊べないからな。
たまに睡眠時間をリリースして遊ぶんだ」
「…………良いだろう。二度とあんな抜けたことをするなよ。
罰として今夜は寝かさんぞ」
「是非もねえ。どうせ寝れないんだ。
さあ、夜明けが来るまでやりあおう!」
「何だ? 二人ともまたデュエルするのか?
--よっしゃ! オレもデュエルしたいな! やろうぜ、万丈目、三沢!」
「フン。いいだろう。特別にこの万丈目サンダーだ夜更かしに付き合ってやろう!!」
「オレもデュエルディスクを持ってくるとするかな。二人はレッド寮だから近くて良いな……」
「おっ、三沢もレッド寮に来るか?」
「馬鹿者。オレ達が来年ラーイエローに上がるんだろうが。
いや、オレは元々オベリスクブルーなのだから、すぐに追い抜くことになるだろうがな!」
「そうか。万丈目はオベリスクブルーへ戻るのか。
そうすると、ラーイエローで不定期に振舞われるカレーの日で気をよくした偽遊が上機嫌で行う特別デュエル授業は受け損なうな」
「オベリスクブルーなどいつでも行けるからな! しばらく泊まっておこう」
「オレはカレーが食いたいけど、寮はレッド寮が好きだなー」
「あんなオンボロ小屋の何が良いんだ……」
「へへっ! 万丈目だって何だかんだ好きなくせに」
「誰があんなオンボロを好むか!!!!」
「まあまあ、早くディスクを取りに行かないと、デュエルする時間がなくなるぜ?」
「ちっ……十代、この決着はすぐに着けてやるからな!」
「おう! 望むところだぜ!!」
「「「「「デュエル!!!!!」」」」」
こうして、肉体の若さにかまけた若者たちは、日が登るまで延々と紙をシバき続けて朝日と共に爆睡したのだった。
「「「ぐおおおおおおおおお~zzz」」」
「おーおーよー寝とるわ」
「フフ。そうだな……」
徹夜慣れしている俺と亮は特に堪えることなくシャッキリだ。むしろ亮はデュエルの摂取量に応じて肌ツヤが良くなっている気さえする。流石に朝日に照らされている影響だろうか。
ああ、そうだ。すっかり忘れていた。
「なあ、亮」
「何だ、偽遊」
「卒業、おめでとう」
「…………ああ。ありがとう。
良い一年だった」
「俺もだ」
すると、亮が手を伸ばしてくる。俺もすぐに応じて手を握った。
「またな。
「いつかな。
デュエルアカデミアの
遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜一年生編、完。
ここまでのお付き合い、ありがとうございました。
偽遊VS亮のラストデュエル
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良かった
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つまんなかった
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最高だった
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途中で飽きた
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最高に二次創作の原作再現
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適当に割り振っただけの原作再現
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卒業おめでとうカイザー