遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜   作:SOD

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 昨日は誰でも作れる強いデッキを構築してました。


幼女に縛られる人生は楽しいお

 

 一日の授業が終わって放課後。今日も俺が講師になる時間がやってくる。とにかくクソほど面倒くさい。夜中にレイたんに肩モミモミしてくれて膝枕でよしよししてくれて無かったらとっくに投げ出している。

 逆にそこまでして貰っているからこそ、今日使う『誰が使っても強いデッキ』を一晩でレシピ組み上げられたとも言える。ぶっちゃけ昨日の段階では大まかな発想しか無かったし、実際組み上げたら微妙にこの世界で使うわけにはいかないカードを抜かなきゃいけなくなったりして大変だった。おかげで昨夜は徹夜だ。褒めて。

 

 

 

 《えーラーイエロー一年生、虚路居偽遊くん。校長室まで来てください》

 

 校内放送が流れた。

 

 「………………ふっ。断る」

 

 どうせ碌なことじゃないに決まってる。こっちとら疲れとるんじゃ糞ボケ戦犯野郎が。俺を呼び出すなんざ三千年早いわバーカ。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 「しつっ……れい、しますっ!!」

 

 

 「ーー!? キミは、早乙女レイ君………………何故、偽遊くんは縛られて荷台で連れてこられているのですか??」

 

 「校内放送を聞いて、待ち合わせに遅れてくるだろうなーと思ってたんですが、当たり前のように現れて、当たり前のように授業を始めようとしたので連れて来ました!」

 

 「…………あのキマイラを…………()()()、連れてきた……????

 一体どうなっているノーネ、シニョーラ早乙女は…………」

 

 「偽遊を呼びに来た先生たちを

 

 『俺を行かせたければ全員纏めてデュエルで掛かってこいやーアハハハー!』

 

 とか言って倒した先生で人間テトリス始めようとしたから仕方なかったんですよ!」

 

 

 「……………………早乙女レイ君を編入させたのは、我が校にとって最良の判断だったのかもしれませんね……」

 「そうナノーネ…………」

 

 何やら年寄り共が哀愁漂うツラをし始めた。きもちわるーい。

 

 

 「…………んで、何の用よ校長。

 

 レイたんの編入に関しては完了したし、呼ばれる理由なんかないと思うが?

 

 俺こう見えて真面目に忙しいんだけど?

 

 主にてめーらの雑なデュエルの授業の尻ぬぐいのせいで」

 

 「…………その件です。虚路居くん」

 

 禿狸が頭が痛そうな感じで返事した。

 

 「何が?」

 

 「放課後に虚路居君が実施しているデュエル授業の集会。

 

 アレに佐藤先生が抗議をして来たんです」

 

 「はぁ???? 抗議?

 何、わたくし程度の人間の授業で給料をもらっているのに偽遊様が無償など耐えられませんとでも言ったん?」

 

 「…………いえ、生徒の何人かが……『キマイラの授業を受ければ佐藤先生の講義など要らない』と言って居眠りしてて授業にならない。と」

 

 「………………それ、マジで言ってたやつ?」

 

 「そのようでーー」

 

 「その通りナノーネ!!!!

 

 ワタクシもキマイラに十個のデッキにボロ雑巾のように敗けて以来、生徒が授業を聞いてくれないノーネェェェーー!!!!」

 

 

 

 ………………それは、ぶっちゃけゴメン。

 連勝を条件に上げた以上は手加減するわけにも行かなかったし、俺がワガママを通したことで他の生徒がギャーギャー言った時に

 

 『虚路居偽遊と同じことをやれたら良いよ』

 

 って言いやすくなるかと思ったんだよ。許しておくれよ。

 

 

 

 「まあ、クロノス先生には酷いことしたよね俺……うん。自覚はあるよ。後で話聞くから」

 

 「本当ナノーネ……? なんとかしてくれマスーノ?」

 

 「うん、する。そこは責任持つよ。うん……」

 

 俺が元凶なのは間違いなからね。仕方ないね。だからハンカチ噛むのやめい。

 

 

 「んが。佐藤先生は知らん。

 

 あっちは俺がボコしたわけじゃなくて元々の授業の魅力の無さが原因じゃん。教える相手の生徒に授業内容で敗けるとか恥ずかしくないのあのロン毛? 丸坊主にして反省しろよ」

 

 「随分手厳しいことを言ってくれますね。偽遊くん……」

 

 「ーー!?」

 

 ビビったー!? 居たのかよ佐藤先生!

 存在感無さ過ぎて全然気付かんかった!!

 

 「いたんだ……佐藤先生」

 

 どうやらレイたんも気付いて居なかったらしい。良かった。ぼくわるくない。

 

 「こんにちは、早乙女レイくん。こうしてちゃんと話すのは初めてですね。佐藤です」

 

 「こ、こんにちは。早乙女レイです」

 

 ぺこりと礼をするレイたん。うんうん。礼儀正しい挨拶だ。素晴らしいね。是非ともそのまま成長してほしい。

 間違ってもこの場にいるような大人になっては駄目だよ。俺を筆頭に全員が最低でも『ろくでなし』に膝くらいまでは漬かってるヤツだからね。(クロノスは改心前だし)

  

 「虚路居偽遊くんが強引に編入を進めた小学生と言うことで不安はありましたが、キミは良い生徒のようですね」

 

 「あ、ありがとうございます……」

 

 「ったりめえよ。レイたんは超良い子だ。

 惜しむらくは教師側がソレに見合った良い教師では無いことだな」

 

 「…………ソレは、私のことでしょうか?」

 

 「違うな。俺を含めたこの場の全員のことを言っている。

 

 学園の存続の為に生徒を人生ごと葬ったヤツがいる」

 

 鮫島校長(ビクッ)

 

 「エリート思想に取り憑かれて初心の志を捨てて選民思想に走り挙げ句、気に入らない生徒を追い詰めようとしている教師がいる」

 

 クロノス(…………!)

 

 

 「そして……教師の『資格』も無しに、半端に人の人生に手を出しているヤツ()がいる」 

 

 「………………教師の資格ですか? 私はしっかり教員免許をーー」

 

 「戯れ言はいらん。

 言うと思ったわソレ…………」

 

 何が教員免許だくそったれ。

 

 

 「ーー所詮、免許なんざ社会の都合。徹頭徹尾、後付けだ。

 

 車が産まれたから運転免許が産まれ、フグがいるからその調理免許が産まれた。

 

 

 その紙切れに、適性や才能を保証するチカラは何も無い」

 

 

 「子どもの戯言ですね。無くてはならないと判断したからこそ、免許は産まれたのですよ。

 

 交通事故が起きて規制が必要になった。

 無知でフグを捌いて食べて死人が出て規制が必要になった。

 

 免許は定められた基準を満たしたことを証明する立派な資格です」

 

 

 「その言葉が正に思考停止の阿呆のそれだ。

 

 教えられたから、決まりだから。ソレを守っていれば自分の価値は保証される。されてしかるべき。

 その甘えが、免許を紙切れに変えるのさ。

 

 お前、その免許を獲ったその日から、自分が劣化していないとでも思っているのか?

 

 更新は簡単だ。だが、再度取り直すとなるともう一度勉強が必要になるのが大半だ。

 

 進化を止めた者の価値など、何が保証しきれるものかよ!」

 

 

 「…………私はこれでも元プロデュエリストです。その経験を生徒たちにーー」

 

 「掘り起こした土器や化石が、現在を生きる人間のどれほどの助けになるつもりだ?

 

 環境が変わり、カードプールが変わり、戦略が変わる。

 一年前の知識や経験が現代でも通用するのはごく一部。

 

 まして何年も前の、下積みプロ程度の経験がどれほどの貯金になるつもりだ?

 

 ーーそんな物に後生縋るだけの怠け振りだから、お前は若造の授業が湧いて出た程度で、生徒に完全に見限られるんだ!!」

 

 

 「ーー私が……怠けている……!?」

 

 「貴様がどの程度の勉強を普段からしているかは知らん。

 

 だが、生徒からのお前の授業の評価は『古い』だ」

 

 「くっ……それは、まだ生徒達が未熟だからそう思うだけで……」

 

 「未熟? 笑わせんな。

 デュエリストは、誰一人として完成品にはならん!! 新たなカード、新たな戦略が生まれ続ける限り、俺達は例外なく未熟者だ!!!!」

 

 

 「……っ!? …………っっ!!」

 

 

 そんなことにすら気が付かねえから…………お前は奈落の底で独り死骸を晒して終わることになったんじゃねえのか。

 

 

 「プロだからなんだってんだ!?

 プロじゃなきゃデュエリストじゃねえのか?

 

 そんなわけがねえ! デュエルが出来るやつは全員デュエリストだ!! ガキだろうが、老人だろうが、宇宙人だろうが、サルだろうが精霊だろうがデュエリストだ。

 

 だがお前は、ただ勝手に自分を見限ってデュエルを諦めたデュエリストの骸だ。死臭漂うゾンビだ。そんなもんに集まるものなど蛆虫ぐらいのものだろうよ。

 

 そんな今のお前の授業に、未来ある若者が集まってくるわけねえだろうがァ!!!!」

 

 「……………………あ…………ああ…………! あああああ…………!!!!」

 

 

 「………………偽遊……」

 

 「…………虚路居くん……」

 

 「…………シニョール偽遊…………」

 

 

 「ああ……アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーー!!!!!」

 

 

 耐えきれなくなった叫びを上げて、佐藤先生は逃げ出して行った。

 

 

 「………………話す理由も居なくなった。

 

 俺はもう行きますよ。構いませんね? 鮫島校長」

 

 「………………ええ」

 

 「クロノス教諭。相談に関しては後日改めて」

 

 「………………シニョール偽遊」

 

 「はい」

 

 「今度、私のデッキの何が悪かったのかも……教えて欲しいノーネ」

 

 「何なら今から来ますか? 丁度先生のデッキの欠点について、昨日話していたところです。

 勿論、するからには手加減はしませんが」

 

 「…………宜しくお願いしますノーネ」

 

 ビシッと頭を下げた礼。レイたんの可愛いものとは違う。社会人としてどこに見せても恥ずかしくない大人の礼だ。

 

 「では、行きましょうか」

 

 

 ああ。やはりクロノス先生は、元はしっかりした人なんだなぁと思いました。まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「………………ところでレイたん。この縄外して(´・ω・`)」

 

 「……あ、ごめんごめん。えへへ」

 

 

 





佐藤先生「…………………………私は……私はぁっっ!!!!」

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