遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜   作:SOD

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悪いことしたら即対応と詫び石。これぞ俺らが求める運営様。


詫び石

 

 「えーこの度はお忙しいところをお集まり頂きましてありがとうございます」

 

 十代以外の奴が無事予選落ちした翌日。都合の良いことに土曜日のお休みだったので、レッド寮の食堂に惜しかった人たちに声を掛けて集会を開いた。

 

 三沢に声を掛け、神楽坂に声を掛け、天上院明日香に声を掛けて貰って、翔を呼びつけた。

 あと、昨日は話に出していなかったが、レイたんはあの後全く起きずにスヤスヤだったので不参加。その件で割とガチで怒られたので今回特別枠で参加している。

 あんまり表舞台に出したくなかったんです……。

 

 

 

 「今回集まって頂いたのは他でもありません。前日の学園代表選手選抜予選についてです」

 

 「はい偽遊くん。一言いいっすか?」

 

 俺が議題を発表すると、翔がビシッと手を上げて発言許可を求めてきた。

 

 「はい。何でしょうか」

 

 今回の件についてはちょっと文句の一つも聞く義務があるので、黙って聞いていようと思います。

 

 「あの生々しい被り物したエッチな格好の人達は誰っすか!?

 特に虎の被り物と羊と牛の被り物の子がおっぱいが大きくてーー」

 

 「はいストップ」

 

 「なんすか? まだ話の途中なんすけど」

 

 「お前ここに女子がいること忘れてねえか?」

 

 「あ…………」

 

 男子のエロトークを咎める気はねえが、仮にもデュエリストなら『時と場合』の重要性を軽視してんじゃねえよ。

 レイたんも天上院明日香も白い目で見てんぞ。 

 

 「えーまあ、視点は多少ズレているが。今回の件はソレだ。

 

 こっちで用意したデュエリストが予想外に勝利を叩き出していたことに関する話だ。

 

 ぶっちゃけアレは運営としてクソゲーと言わざるを得なかったので、ここに謝罪します」

 

 ごめんなさいする時は頭を下げる。これは常識です。

 

 

 “ぐっ…………我々ガ不甲斐ないばっかりに……偽遊様ぁ……ッッ!!!!“

 

 

 何か幽霊の声が聞こえる気がするが気の所為です。

 

 「…………ん? 上から水が……雨漏りか?」

 

 三沢の座っている机のところに水滴がポタリ。何故か赤い気がする。SIRENを思い出すなぁ……。

 

 「ところで偽遊。用意したデュエリストって誰だったの?」

 

 「ん? 狂徒だよ?」

 

 「ふーん…………おっかしいなぁ……? 昨日まではボクも勝てるくらいだった筈なのに」

 

 それは俺がデッキを補強する前の話だろうね。俺があの当時の環境デッキに対して未来のパワカで全盛期超えるような強化をしてしまったんや。

 例えば苦痛ワンフーには猛虎モンフーを入れている。だから弱点であるはずの守備力の高いモンスターに対しても簡単な対処が出来る仕様になっていた。それを倒しやがった主人公がいるんですけどね。

 

 「まあそんなわけで、クリア出来ないレベルのボスを用意した運営としての謝罪をするのと共に。

 

 今回は補填として詫び石ならぬ『詫びカード』を配布することとした」

 

 

 「「「詫びカード……?」」」

 

 俺の発言に、翔、三沢、天上院明日香がよく分からないという顔をする。まあそうなるよね。詫び石なんてこの時代に文化ねえもの。

 

 「神楽坂は、後々にやるとして。

 

 残りの三人にはそれぞれ何かデッキの強化に必要なカードをプレゼントしたい。

 

 そして週明けに再度、狂徒とデュエルして残りの二勝をもぎ取れた人で本戦の二枠を賭けて戦ってもらいます」

 

 「え? 二枠? 校長先生が言ってたのって三枠じゃないの?」

 

 昨日いなかったレイたんからの質問だ。

 

 「ああ。このバグ運営に対して自力で勝ち抜けた真のバグがいてな……唯一勝ち抜けた十代が、直行で本戦枠獲得に至るのは流石に誰に文句言われてもちょっと変えられないかな」

 

 「そっか。十代は勝てたんだ……凄いね十代って」

 

 「改めてアニキはとんでもないッスね……」

 

 「倒すべきライバルは偽遊以外にもいたということか……!」

 

 

 「ねえ、偽遊。一ついいかしら?」

 

 

 「……っ、お、おう……なんでしょうか?」

 

 

 急に話しかけられてギクリとする。脳裏には一昨日の夜のアレがよぎる。

 

 あの後天上院明日香は、増長するでも控えるでも無く、通常通りにサキュバスムーブをしてきた。

 

 一体どういうつもりだったのだろうか……?

 

 

 「貴方はあの十二人とデュエルすると、どのくらいの勝率になるの?」

 

 

 天上院明日香がそう言い切った瞬間。ガタンーーと音がした。

 音がしたのは天井。見上げると穴が空いている。

 

 「…………ダイナミックなネズミでもいるのか……?」

 

 「ーーきゃあっ!?」

 

 一拍空いて、天上院明日香の悲鳴が上がる。首を下ろすと、そこには床に押し倒されている天上院明日香と…………鼠の被り物をしたレオタード姿(と言うか彼女に関してはもはやスク水)の少女が馬乗りになっている。

 

 

 「オマエ……オマエ! 偽遊様の心労になるだけでは飽き足らズ、神が我らに負けるなどト巫山戯たことをよくもォ!!!!」

 

 

 「きゃあああーー!!? ね、ネズミっ!? ネズミぃぃぃぃーー!!?」

 

 「アレって、ネズミの狂徒の人じゃん!?」

 

 

 リアルな鼠の被り物をしている狂徒が、ガチ恋距離で明日香に迫る。つまり、眼前にリアリティ溢れるガチネズミの顔面(巨大)。

 こんなの悲鳴上げるよなそりゃ。

 

 

 

 「ほーれネズ太郎。戻っておいで」

 

 「ーーうぐっ……!! は、はイ。偽遊様……」

 

 

 気乗りしない感じの声を上げつつも、戻ってくるのは一瞬だ。ホントにこの狂徒達は身体能力どうなってるんですかね?

 

 

 「凄い身体能力……これがキマイラハーレムっすか」

 

 

 「そんな呼び方されてるのか……うんまあ、なんでもいいや」

 

 ハーレムって割には、俺この子達の顔も名前も知らないのよね。

 

 

 「ネズ太郎。暴力は駄目だぞ。めっ」

 

 「ご……ごべんなざいいいいーー!!!」

 

  

 今日の草のものはネズミのネズ太郎。例のサイフをビニール袋で代用してた代償ガジェの子だ。

 ネズミらしく色々小さい。俺的に素顔が一番気になる狂徒娘だ。

 

 

 「天上院さん、うちのコが申し訳ございませんでした」

 

 「…………うちのコ……」

 

 

 「え、ええ……大丈夫よ。びっくりしたけど……」

 

 「お詫びに補填のカードを増やしますのでご勘弁を」

 

 「あ……あああ……!! 偽遊様……わたしのせいデ……!??」

 

 暴走するタイプの子を躾ける簡単な方法は、事が冷める前に尊敬する相手に迷惑を掛けていると自覚させること。多分。きっと。

 

 「そんなのいいのよ。

 それに、補填してくれるって言うなら……もっと別の方法で補填して欲しいわ」

 

 「え……?」

 

 まさか……まさかここで人様の前で言うべきで無いようなことを言うつもりではあるまいよな……? 

 どうして俺の両肩のちょっと下らへんに手を当ててるんですかね?

 

 

 「あ、明日香さん……!? 色っぽいっす……!」

 

 「て、天上院……!?」

 

 「明日香さん……!?」

 

 

 「ねえ、偽遊……今夜わたしと」

 

 

 「ーーっっ!!」

 

 おいおい……いつからここはラブコメになったんだ? あと何で俺はこんなに迫られてるんだ。

 えっと、まずネズ太郎にマテをしてそれから…………。

 

 

 「ーーデュエルしてくれない……?」

 

 

 「え?」

 

 

 その言葉があまりにも遊戯王アニメらし過ぎて、一瞬耳を疑った。

 レイたんやその他の野郎どもも同じ気持ちでいるらしく、ネズ太郎だけが威嚇の姿勢を解かない。

 

 「私達の内の半分にも勝てない癖ニ、我らが主とデュエルだと……ッッ!!」

 

 「ネズ太郎。ステイ……」

 

 「は……はイっ……!!」

 

 

 「言っちゃあなんだが……キミは、その……勝てるつもりで挑んでくるのか?」

 

  こんな俺ツエー系のセリフ、言いたか無かったけども。正直今のタイミングでわざわざ俺とデュエルするメリットがまるで見えない。

 何より、何故夜?

 

 「ええ……もちろん貴方に勝つつもりよ……。

 

 私、アナタを手に入れたかったの。でも、今までは会話すら出来なかったでしょう?」

 

 「…………まあ、そうね」

 

 だって怖かったんだもん。

 

 「でも最近、ようやくアナタは普通に話をしてくれるようになった。だから……ようやくこのセリフを言えるようになったのよ。

 

 偽遊。私がデュエルで勝ったら……私のものになって?」

 

 「………………私のものって何だ? 首に縄付けて飼うとでも?」

 

 「そんなことはしないわ。ただ、私だけを愛する人になって欲しいの。

 

 レイちゃんも、獣の被り物をした子達も関係無く。私を一番に考えるの。

 

 私と話して、私と触れ合って、私とデュエルして、私を愛して」

 

 「偽遊様を独占したいなド……なんと恐れ多いことヲ……!

 

 一人の人間が偽遊様を独占するなど、この世界の損失ダ!!」

 

 そこまでではないやろ。大谷や羽生じゃねえんだぞ俺は。 

 

 「その通りだ!! 偽遊様の教えだけでこの世界のデュエルは100年未来を見るんだ!!」

 

 精々二十年が限界だぞ。主語を巨大にする宗教の未来は暗いぞ神楽坂。

 

 

 「貴方達の意見はどうでもいいわ。問題は彼の意思よ」

 

 

 正論でバッサリ行った天上院明日香。ガルルルと唸る二人。

 翔と三沢はついて行けねーと言わんばかりに引いている。

 

 

 「ねえ、どうするの? 偽遊……」

 

 

 「うん? まあ普通に断る」

 

 「「断るのかよ!?」」

 

 翔と三沢がハモった。いやそりゃあ断るだろ。なんでそんな危ない賭けせにゃならんのや。カードゲームの勝率は絶対に100%にはならんのやぞ。

 

 「そう……なら仕方ないわね。今回は諦めることにするわ」

 

 「「諦めるんだ!?」」

 

 お前ら随分仲良くなったなぁ。

 

 「人生賭けてってのは冗談じゃないんでね。

 

 ただまあ……そうだな。後で普通にデュエルするくらいなら付き合うよ」

 

 「…………ええ。良いわ。それで手を打ちましょう」

 

 

 あーやっと纏まったよ。

 

 

 

 

 「ーーよし、話は解決だ。随分回り道したが、ようやく先に進める。

 

 それではこれより、原作キャラ強化イベントを開始する!!」

 

 

 

 「「「「「原作キャラ……?」」」」」

 




明日から仕事行くので、この作品はここで更新を途絶える。


いつかの明日に更新することを祈って。


ここまでのお付き合い、ありがとうございました。



無職最期の更新記念にネズ太郎のイメージ出しとく。

いつの日か液タブ買って使うだけのモチベーションが湧く来世に出会えますように。



【挿絵表示】


偽遊を『なんかよくわかってないけど取り合うレイ』VS『性的に取り合う明日香』

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