遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜 作:SOD
「冗談は脳みそだけにしとけよ!! そこ直進したら川に突っ込むじゃねえかよお!」
「問題はない!! 15メートルまでなら!!!」
「んなぁー!! やっぱりコイツにおんぶされるのは間違いだったんだぁー!!」
俺とトラちゃんがテレビの到着を待って灯台部しながらぼーっとしていること五分。
「爆走! 爆走! 爆走!! 爆走こそが人生ですーーーー!!!!」
「………………何か幻聴聞こえる」
「あ、偽遊様もですか……? わ、わたしもです……」
「マジか〜もしかしたら俺らちょっと疲れてるのかもしれんねえ。
やっぱりエサも付けずに釣りなんかしてるから海の神の怒りに触れて呪われてしまったのだろうか?」
「わ、わたし、ルギアが好きです……」
「イイね〜俺もルギア好きだよ〜。
じゃあこれから俺の部屋でも行こうか〜お菓子とジュースを嗜みながらルギア爆誕観ようぜ〜」
「あ、はい! お供させて下さい」
「ストレートに
キュッと言う一瞬車が急ブレーキを掛けたような音が鳴り、物理法則を無視した何かが俺たちの目の前で停止した。
「はいっ! 灯台まで到着ですよネズ太郎さん!!」
「……………………た、大将……下ろし、て…………」
「お、おう……」
ソレは馬の被り物をした女とおんぶされているネズ太郎。ネズ太郎は目を回して顔は青くなりヨダレが垂れている。
大変そうだから取り敢えず子どもを抱っこする感じで脇の下に手を入れる。断じて二の腕やちっぱいの感触を求めての事ではない。これがベストな移動方法だったのだ。
「お師匠さま! お久しぶりでございます!! とっても寂しかったのでよしよしして下さい!!」
「今朝普通に会ってるんだけども……」
「もうお昼ごはんを食べたあとの時間です!! 時間を置き去りに爆走する私にはもう5年くらい経っている気持ちです!」
「人生永くて凄いね」
「お褒めに預かり光栄です!!」
この目の前の午の娘。間違っても午と娘をくっつけて呼んではいけないこの娘は、いつもこんくらいのハイテンションで生きている。
体格は健全なスポーツ少女と言った具合で、とにかく足が速い。コーナーを直角で曲がり、一秒で静止して、一歩目で最高速を出せる自称『時が着いて来いの女』だ。
多分ネズ太郎がスピード重視で考えて、苦渋の選択で運んでもらったのだろう。でなければ背中に背負っている某テーマパークのネズミの顔のバッグと自分の手を手錠で繋げている意味が分からない。
「ネズ太郎ー大丈夫かー? 横になるならレジャーシート代わりにしてる制服貸そかー?」
「……………………それより大将、膝に座らして。
今横になったら吐く」
「おう。そうか。ほれ、おいで」
「うぅ…………」
目を回しながら小さなカラダを預けてくるネズ太郎。小さい。格好もあって実にえっちである。何故か犬みたいに舌を出して呼吸しているので体格にそぐわぬスプリットタンから涎がポタポタ垂れてくる。最高かよ。
「そ、そんなっ!? お師匠さまーわたしは!? わたしにはご褒美は無いのですか?
他の人なら二十分は掛かるであろう距離を十分の一に短縮することに成功した功労者はここですよ〜!」
「せめて5分の1と間違えて欲しかった…………ッッ!
…………ほれ、よしよ〜し」
「キャッキャッ」
「………………」
「さてと。ほんじゃ時間もアレだし。ネズ太郎、テレビ借りるでな」
「……お、おう…………」
ぐったりした表情で頭を預けてくるネズ太郎。実にTimTimに宜しくない扇情的な表情である。ちょっとイタズラしたい。だがPSピーを持たねばならないので諦めよう。
「あ、偽遊さま……お持ちします」
「え? マジで? 助かる」
「生徒手帳よりは大きい画面ですね……」
「午は何で顔面を俺の頬に引っ付けてくるの?」
「わたしは動かない物を見る時に視力が落ちるもので…………でもご安心ください。スキンケアはばっちりです。もちもちですよ」
つくづくどういう
視力が落ちるのは興味が無さすぎて集中出来ないだけなんじゃねえか?
「別にこのミニ画面で観なくても、ネズ太郎おぶって5分なら、もっと速く走ってリアル画質で見られるんじゃねえのか?」
「いえ、わたしは別にデュエルが観たいわけじゃありませんので。
例えるなら、パパと一緒に居たいから興味の無い相撲や野球を一緒に観る娘のようなものです」
「おい仮にもデュエリスト。デュエルに興味ねえっておまえ。
あとパパ言うな。その格好で言われるとパパ活みたいに聞こえるだろうが」
「仕方が無いのです。お師匠さま。
お師匠さまの
おおう。言うやんけ。バカそうだと思ってたけど脳みそは付いているわけか。あときもち目が据わってるように見えるんだけど。実はこのデュエルの配役不満なんじゃねえのこの娘。
まあ、不満だったとしてもこの場に来ちゃった時点で万が一にも出場の可能性は消えちゃったんですけどね。
「さぁ〜て、次のデュエルはマジで何にも予想付かねえしエンタメ気分で観るかな。
むう……お菓子持ってくりゃ良かった」
「…………ほれ。大将」
ネズ太郎がお腹で抱えていたバッグから何かを取り出して渡して来た。
「ん? 何この卒業証書の筒的な長いやつ」
「ポテチとプリング●スとチップ●ター」
「…………芋好きなん?」
「大将が菓子ばっか食ってるから、持ち運びやすいのを常備してるんだよ。なるべく潰れない感じの。ガムとかのど飴も有る。
因みに狂徒は大体持ってるぞ。
流石に辰が酢こんぶまで持ってた時は笑ったけど」
ああ、じいやの脇より酸っぱいで有名なやつか。
「へえ……トラちゃんもなんか持ってるん?」
「あ、はい……私はうま●棒とか十円ガムとかです…………なんだか貧相でごめんなさい……」
「いや、気にすることは無い。お菓子は値段じゃない。気分だ」
高級なチョコレートよりチョコレートの付いたふ菓子とかが食いたい気分の時とかあるよね。ポテチよりポテトフライとか。
だがねるねるね~るね。俺はキミとは分かりあえなかったよ……。
「お師匠さま、お師匠さま! 私はバナナやお団子などを持ってます!」
「それ走ってる途中に腹減って食うやつじゃね?」
「はいっ! 要所毎にご所望のお菓子を常人の四倍でひとっ走り買ってこれる私は、常備の必要性は薄いので!」
地味に理に適ってやがる。バカそうな話し方してるのに……。
「よかったらバナナ召し上がりますか? あーんしますよ?」
「遠慮しとく。バナナはおやつに含まれないんだ。俺的に」
「そうですか、残念です……もぐもぐ」
『皆さま。大変長らくおまたせ致しました。ただいま準備が整いましたので、間もなく学園代表デュエルの二回戦を開始いたします』
お。ようやく始まるか。随分時間かかったな。
「……ああ、今10分経ったのかぁ……」
「10分? どーゆこと?」
「大将がデュエル観たがってるって知って、ウチらが調整しないと思うか?」
「………………お、お前らまさか……」
地上波の生放送スケジュールを個人の都合で変更したんか……!??
「オイオイオイオイ……!」
「大丈夫だぞ」
「ーー大丈夫ってことあるかい!?
良いかお前ら!? こういうのは常に莫大な金が掛かってて、万が一にもミスったりして損害賠償責任なんて話になりかねなーー」
「優勝校のご褒美授与のシーンを全カットすることにしたんだ」
「そうか。それなら問題ない……いや、むしろそこはカットするべき所だな。実に良くやった」
危うく全国放送に、ハゲ頭のジジイとトメさんのキッスと言うグロ映像を流すのを回避したわけか。現代なら小火ぐらいは起こる程度の事故を未然回避。これはしっかり賞賛すべきおこないだな。
「そんじゃあ、次のデュエルを観るとするかねえ。
ネズ太郎。プリング●ス頂戴」
「ああ。オイラも一枚食べさせてくれ。ちょっとまだダラけていたい」
「ああっ! わたしもあーんして欲しいですお師匠!!」
「あっ……あっ……わ、わた……!」
次回のデュエリストは、何と意外なあのデュエリストが……!!?
とか言っておけば引きとしては充分という説。
万丈目と十代のデュエルは面白かったですか?
-
YES
-
NO
-
概ね満足
-
十代のデッキ強化されなさ過ぎ