遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜 作:SOD
火武羅遊乃、初手から悩んでいたまさかの理由が判明。
コイツ、ヤバいやつである。
俺たちが校舎に戻り始めて、或いは遊乃が長考を始めて5分が経過した。大会ならジャッジキル待ったなし。例え将棋であっても、先手第一手目でするような思考時間ではあるまい。知らんけど。神楽坂は普通にキレて良い。
「………………ネズ太郎」
「まだ」
さっきから頭の上に置いているネズ太郎にデュエルの進捗を確認しているのだが、ほんっっっとうに進展が無い。
ネズ太郎 まだ
これだけで完結するレベルだ。
「俺、もし校舎に着くまでにその女が一切プレイしなかったら、ちょっと真面目な話をノースの赤鼻ハゲにしてこようと思うんだ」
「止めといてやれよ。大将は知らないかも知れないが、遊びが消えて真面目な口調になった大将、圧が酷すぎて死ぬほどおっかないんだぞ」
「圧って。何で常識的な言動を取って圧が酷いなんてことになるんだよ」
「普段怒ると半笑いで拷問地味たことをしようとする元々口調の荒いヤンキー崩れみたいな男が、光を反射しない目で真顔になって丁寧語に変化する。顔汁びっちゃびちゃレベルの恐怖体験だが?」
「ちょっと存じ上げない人のお話ですね」
取り留めのない世間話でコミュニュケーションを取りつつ、もう少しで校舎だと言うところで、ようやく変化が訪れた。
『手札から、魔法カード発動!』
「やっとかよ……んで、何使ってる?」
「んー? 『篝火』だな」
篝火……? 確か炎族専用の増援だったな。保険医の鮎川が使っていたカードだ。OCG化したのか? 後でジュラルミンケースの謎機能使って検索してみよ。
「サーチ先は?」
「ん…………
何か分かんねえけど、特殊召喚されたぞ。ハネワタみたいな効果があるらしい」
あぐにまるきゃんどる……?? ぜんぜん知らないカードだな。
もしかして:オリカ
「とか言ってたら着いたな。後はリアルで見るとしよう。
ネズ太郎、ありがとうな。バッテリーがギリギリ保ってくれて良かったよ」
「んあ。本当だ。もう切れかかってた。よくわかったな大将」
「まあ、そう言う外付けのサムシングって昔はバッテリー消費がとにかくエグかったから、なんとなくな」
さあ、中に入ろうか。やっぱりデュエルは生に限るよ。
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火武羅遊乃に散々待たされた神楽坂は、特に怒ることもなく冷静に遊乃のプレイングを見定めていた。
(篝火。炎族と言う、とにかく種類の少ない種族の増援カードか。
そして、アグニマルーキャンドル。サーチした場合に特殊召喚出来るモンスター。狙いは生贄召喚か?
或いは、先程のレイン恵がしたような…………)
「そして、ヴォルカニック・トルーパーを召喚」
ヴォルカニック・トルーパー ATK 1000
(ヴォルカニック・トルーパーのレベルは……3か。そしてキャンドルは4。
となると、3+4=7で、レベル7のシンクロモンスターが召喚出来るのだろうか?)
「ヴォルカニック・トルーパーの効果発動。ヴォルカニックカードを手札に加えられるから、『ヴォルカニック・エミッション』を加えるよ」
(キマイラ教では、シンクロ召喚は所持や使用はおろか、その知識を得ることすら偽遊様は難色をお示しになられている…………あの聖女レイ様のおねだり攻撃にすら、偽遊様は方針を変更されることは無かった。
一体、シンクロ召喚の何が偽遊様をそこまで硬いお考えを示すに至ったのか…………)
「そして、いよいよお待ちかね。
会場の皆さーん! あと、テレビで応援してくれてる人たちもしっかり見ていって欲しいな〜!
全く新しい召喚法、この世界のデュエルを遥か未来へ導く白の力。シンクロ召喚を!!」
「未来……白の力……?」
「そう。ウェディングドレスだって、白無垢だって、パンツだって白が基本っ! ちらり☆」
思いっ切り可愛い子振りながら声色を高くして話す遊乃。ついでにスカートを持ち上げて見えるか見えないか位までに弄ぶ。
「なっ!? 何をして!!??」
「ふっ☆ふっ☆ふ〜!
媚びるならやっぱ可愛い見た目を使えるに越したことは無いからね〜。
と言うわけで、私はここをシンクロ召喚の実演販売の拠点とする!」
「な、何だって!??」
遊乃の言葉に、会場がザワついた。
シンクロ召喚の存在を知らない生徒やテレビ局、そして万丈目兄弟達が。
「全く新しい召喚法だと……!? 正司、そんな話は聞いているのか?」
「いいや、全く聞いたことがないぞ兄貴」
「一体あの小娘、何者だ?
実演販売と言っていたな。場合によってはシンクロモンスターを我らで買い占めるぞ。
力は独占してこそ意味があるからな」
「ああ。全くもってそのとおりだ。兄貴」
「シンクロ召喚って、何だ?」
「いや、さっき銀髪のめっちゃ可愛い子が使ってただろ」
「なんの説明も無かったから意味が分かんなかったんだよ。」
「誰かさり気なく説明してくれよー」
「あー……何かラーイエローの奴が、奇跡を起こして作ったとか何とか言ってたのがそれじゃ無かったっけ?」
「そうだっけか? 何か話が錯綜しててどれが何の話なのか全然分かんねえ感じだったんじゃなかったか?」
「しょせんヤバい奴らの集まりだからな。デュエルは強いけど、どこまで正気なのか分かんねえよな〜」
「シンクロ召喚……全く新しい力…………!!
それがあれば、オレたちオベリスクブルーの……エリートの誇りを取り戻せるかもしれないぞ!!」
「ああ!! それで丸藤翔やキマイラ教の狂徒を討ち倒して、我らのエリートを証明するんだ!!」
「「「おおう!!」」」
「ふっふっふっ〜☆ 首尾は上々だね!
それじゃあ、まずは実演するね。シンクロ召喚は、チューナーモンスターと、チューナーじゃないモンスターを場に出しておいて、二体以上のモンスターのレベルを足し算したレベルのシンクロモンスターを、EXデッキから喚び出す召喚法だよ! こんな風にね」
火天獣ーキャンドル☆4 ヴォルカニック・トルーパー☆3
「ヴォルカニック・トルーパーに、火天獣ーキャンドルをチューニング!
灼熱の身体から成る岩竜よ、大地の脈動を血潮に置き換え、巡る炎に心焼かれよ!!
シンクロ召喚! レベル7 ラヴァルバル・サラマンダー!!」
ラヴァルバル・サラマンダー ATK2600
遊乃の呼び掛けに応え、赤と黄色の炎を思わせる岩石の竜が大地を割って這い上がってくる。
景気付けとばかりに咆哮を上げる姿が、一層観客の心を震わせた。
『グオオオオオオオオォォォーー!!』
「「「「うおおおおおおおーー!!!!」」」」
(よっっっしゃ!! 掴みは上々!!
やっぱり見た目的にサラマンダーは宣伝に映えると思ったんだよ!
まあ、初手の手札調整要因だったから召喚口上考えてなくて、ドローしてからバカほど頭悩ませたかいがあったってもんよ!!
わーっはっはっはっはっはっはっは!!!!
………………神楽坂さんには、後で菓子折りなどを持って謝りに行かねえとな…………ほんとマジすんません)
「ラヴァルバル・サラマンダーの効果発動。
カードを2枚ドローして、炎属性モンスターを含む手札2枚を捨てる。
カードを一枚伏せて、遅延に土下座しながらターンエンド!!」
ガバッと四つん這いになっておでこをスペースに叩き込む遊乃。
人は申し訳ないと思ったら、頭を地面に打ち付けて土下座出来る。
「ちょ!? お、おい何して!?」
「クソほど時間取ってマジすんませんでしたぁ!!!!」
こうして、最終戦の第1ターンがようやく終了したのだった
召喚口上をアドリブで考えるためにテレビ生放送にも関わらず5分、10分無言で棒立ちした転生者がいるらしい。
しかも、ペガサスをガン無視でシンクロモンスター売りに出すらしい。
この女…………怖いもの無しか。
火武羅遊乃について
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性格が気に入った
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いくらなんでも滅茶苦茶過ぎる
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百合だから全て良し
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ビジュアルによる
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パンツ買いたい
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どうかこのデュエル負けますように