遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜 作:SOD
遊乃「私が無限泡影の縦列に死者蘇生を置いたミスを喜んでいる奴らは心が汚い。
お前ら可愛い女の子を応援するってことを知らねえのかよおおおーー!!」
活動報告に火武羅遊乃の印象について書き込む場所作ったので、忌憚のない意見をぶつけてみてください。
「…………お前が、偽遊様か」
火武羅遊乃が、デュエルスペースから偽遊を見下ろしている。初めて会うはずの相手に、眉間にシワを寄せて。
(コイツがアカデミアの転生者。
いい感じに丸め込めば……とか思ってたけど、思いの外ツラに威厳があって怖えなぁ………………ワンチャン、愛人とかに潜り込めねえかな? なんか視線が胸に行ってる気もするし。貧乳教の可能性……!!)
火武羅遊乃はバイである。あとバカである。
「…………
虚路居偽遊は、自然体で遊乃を見上げた。初めて会うがゆえに脱力した表情のまま。だがしかし、その眼光だけは鋭く一点を射抜く。考えていることは一つ。
(この女、貧乳が巨乳に見えるほど無乳だな……その上ゆるゆるのタンクトップ着てる。
まさに『板に服着せてる』みたいだ。嫌いじゃないぜ……)
虚路居偽遊はロリコンである。胸は無に近いほど良い。
「こっちの神楽坂さんを倒したら、次はアンタに相手してもらおうかな。
ちょっと目的があるんだよね」
「それは俺の出る幕は無いってことか」
暗に神楽坂が負けないのだから、次は無いと言う偽遊に、神楽坂が黙って感涙して朝食で取った水分を全て吐き出している。
「偽遊様……っっ!!!!」
「ププッ、まだ私のターンは続いてるんですけど? しかも壁はセットモンスター一枚。リバースは無し。ライフは1000。
「それは自分の勝率の無さを語った言葉か?」
「はあ? 何それ?
煽るにしても強引が過ぎるでしょ」
「そうか? 自然な論理だろ。
そう言うと、偽遊は神楽坂の後ろにあるセコンド席のような場所に腰を下ろして広々と座り始めた。
「ぎ、偽遊様…………!」
「神楽坂、偽遊様botじゃねえんだから。目の前に集中しろよ。はい、集中!」
パンパンと手を叩く。なんかウザい。
「はいっ!!」
キラキラと目を輝かせて遊乃に向き直った神楽坂、もはやそこには希望以外何も映っていない。
「………………完全に立ち直ってんじゃん。まあいいよ。
敵は倒して、死体を焼くまでが戦いだ」
そう言った遊乃も、気合を入れ直したのか目の色が変わった。
「来い、ヴォルカニック・ロケット」
ヴォルカニック・ロケット ATK1900
「攻撃力1900か……全体的に攻撃力が高いな」
「ロケットの効果。デッキか墓地から『ブレイズ・キャノン』カードを手札に加えるよ。私が加えるのは罠カード『ブレイズ・キャノン・マガジン』。
更に魔法カード『調律』を発動。デッキから『シンクロン』チューナーモンスターを手札に加えるよ。その後、デッキから一枚墓地へ。サーチ対象は『アサルト・シンクロン』。墓地へ落ちたのは……灰流うららか。まあいいや」
(…………淡々とカードを使用し始めたな。デッキのシャッフルはオートシャッフル機能……この時代には無い。
レイン恵に『未来の力』。目的はシンクロ召喚の布教……か)
「これ以上、原作と乖離するのは望むところじゃないんだけどな…………カミサマ的な何かは、よほど改変が好きらしい」
「アサルト・シンクロンの効果発動。手札から特殊召喚。その後ライフダメージを700受ける」
火武羅遊乃 LP2900
「場の合計レベルは6……つまり、出てくるのはレベル6のシンクロモンスターか」
「おお〜よく計算出来たね〜おりこうさんだ!」
「ふん……今更そんな挑発には乗らないぜ!」
(挑発じゃないんだよ……ノースの奴らは出来ないんだもん……ッッ!!!!(泣))
ヴォルカニック・ロケット☆4 アサルト・シンクロン☆2
「それじゃあ行くよ! ヴォルカニック・ロケットに、アサルト・シンクロンをチューニング。
三つ首の牙持つ青き天狼よ、死しても敵に喰らいつく王の誇りを胸にいでよ!!
シンクロ召喚ーーレベル6 天狼王ブルー・セイリオス!!」
天狼王ブルー・セイリオス ATK2400
「ぬっ!?」
「あ、あのモンスターは!?」
「んなぁっ!?」
「何ですかあのモンスター!!」
「………………(ギリッ……!!)」
遊乃の召喚したブルー・セイリオスに、デュエルをしていた神楽坂はもろちん。司会をしていた辰、上で待機を命じられていたネズ太郎、メタウマ、トラちゃんの四人も同時に反応した。
((((あのビジュアル……獣の頭が3つの王の名を冠するキマイラに似ているモンスター……!!!! ほ、欲しい……))))
「(ゾワゾワ……!!) 何だろ……今背筋に何か走ったような……?
誰かがまたシンクロモンスターに興味を持ったかのような……?」
虚路居偽遊の願いは、刻一刻と破壊されていく。
(ブルー・セイリオス。あんま強いカードじゃないけど、分かりやすく男の子が好きそうだし、量産も楽ちんだから是非ともお目当てになって欲しい。
私は普段使いしねえけどな!!)
「さて、後は魔法カード『ファイヤーバック』を発動! 墓地から『ラヴァルバル・サラマンダー』を蘇生するよ」
「……!! シンクロモンスターが、二体……!」
「ただし、手札は捨てることになる。『ブレイズ・キャノン・マガジン』を墓地へ。
さあ、これで準備は整った! バトルフェイズだ!
行け、サラマンダー!」
ラヴァルバル・サラマンダー ATK2600
(下級ドラグマはEXから出て来たモンスターとの戦闘では破壊出来ない。【召喚ドラグマ】だったらありえないけど、事実テオと言う普通なら採用圏外なドラグマが採用されてるからね。やって損はないし念の為念の為〜)
サラマンダーが裏側のモンスターに爪を振るう。現れたモンスターは。
教導の天啓 アディン DEF1800
足りない防御力を上回る爪の一振りで八つ裂きにされうち消える。
「へっ、やっぱし下級ドラグマか。でもこれで終わりだ!」
調子こいてビシッと指を指す遊乃。
「「それはどうかな?」」
神楽坂と偽遊が異口同音に発した。
「ハモった…………!? 私と恵だってしたことないのに…………」
意味の分からないショックである。
「教導の天啓 アディンの効果発動。フィールドで破壊された場合、デッキから『ドラグマ』モンスターを特殊召喚出来る。
来い、教導の大神祗官!」
教導の大神祗官 DEF3000
「マジかよ! 何そのデッキ純ドラグマか!?」
(ちょっと違うが、神楽坂の適性と“もしもの時“を想定して組んだ結果、下級ドラグマの採用が仕方なかった……)
偽遊の語るところの神楽坂の適性。それは攻守のバランスを取りつつ腰を据えて打つ立ち回りに対するものだ。
(神楽坂が原作で勉強したと語るATM、社長、カイザー、クロノス。更に翔とのデュエルで使ったデッキ。その全てが、デッキか本人の性格のどちらかは攻撃に偏ってステ振りされた、攻めのデュエリストだ。
おそらく有名どころの殆どがそんなもんだったのだろう。
だが、神楽坂が遊戯デッキを回した時、そして俺が渡した遊戯デッキを使った時。どちらも攻撃はしつつ、防御の意識を残した戦術を取っていた。
極めつけは、俺の構築したクソ紙束を回転させる運命力を持ちながら、クロノスのコピーデッキを使って成果を出せていない)
「ーー以上のことから、神楽坂には純粋なビートダウンの適性が無い。
真に実力を発揮するのは、広い対応力を持つミドルレンジのデュエルだ」
「くっそ……手札ももうねえし……ターンエンド」
「オレのターンだ!! ドロー!」
(相手の場にはシンクロモンスターが二体。だが、手札も伏せも無い。決めるならここしか無い!)
「オレは、教導の大神祗官の効果発動! お互いのプレイヤーは、EXデッキからモンスターを2体墓地へ送る!」
「だろうなぁ!! けどそれは悪手だぜ!!
私が墓地へ送るのは『旧神ヌトス』と『中世代化石騎士スカルナイト』だ!」
「オレは、『中世代化石マシン スカルワゴン』と『中世代化石騎士 スカルナイト』だ」
「へえ……流石に融合モンスターなら使えるカードも入れてたか。旧神ヌトスが墓地に送られたことで、『教導の大神祗官』を破壊する!」
「くっ……!! そんなカードがあるのか!
だがオレも、墓地のスカルナイトの効果発動! このカードを除外して『ブルー・セイリオス』を破壊する!」」
「アハハハハ! なんだよ、
融合素材にシンクロが使われるからかな〜? よっぽどシンクロ召喚をお前らに教えたく無いんだな〜ウケるw」
「そのようだな」
「なぁ、お前わたしの舎弟にならない? シンクロ召喚教えてやるよ?」
「ーー断る!!」
「何でよ? 与える力出し惜しみしてるヤツよりも良くない?
案外自分より強くなるのにビビってるかもよ〜?」
遊乃の煽りに、神楽坂が少しだけ動きを止める。
「ねえ知ってる? 私も偽遊様も、アンタたちが知らない激強なチートカードをわんさか持ってるの。
シンクロモンスターだけじゃない。エクシーズ。ペンデュラム。リンク。
その出来損ないの【ドラグマ】なんか鼻で笑っちゃうようなデッキを、多分あの人はホイホイ作れるほどカードを持ってる筈だよ。でなきゃ、わざわざ安くもないエクレシアを使うような【ドラグマ】を渡す意味が分かんないし」
「………………」
「まあ私はガチ勢じゃ無いから、手持ちのカードはいまいちだけど…………それでも新弾出る度に箱買いしてシングルで買い足す程度には持ってる。出し惜しみで渡されないなら、持ってないも一緒じゃない?
私の下に付くなら、ドラグマより強力なデッキと、ついでに世界の半分をやろうじゃないか!」
腰に手を当てドヤ顔で言い切った。
それに対して神楽坂は……。
「………………終わったか?」
「へ? 何が?」
「負ける前の命乞いは済んだかと聞いているんだ」
「命乞い? 何言ってんの? ってか……私の話、聞いてた? 聞いてくれてた? あんま無視されっと泣くよ? 涙腺弱いんだぞコッチは」
「聞いていた。偽遊様から、人の話は最後まで聞くようにと念入りに教えられているからな」
「あー…………うん、多分それ伝えたいニュアンスが違うと思う。いや、良いけども」
「なら続けるぞ。
お前の墓地の『ラヴァルバル・サラマンダー』と『旧神ヌトス』『中世代化石騎士 スカルナイト』オレの墓地の『クィンテット・マジシャン』を除外して、手札から『教導枢機テトラドラグマ』を特殊召喚!!」
教導枢機テトラドラグマ ATK3200
「おお〜! ソリッドビジョンで見ると荘厳だな!! まあ、そのカード弱いんですけどね!」
「魔法カード発動。『天底の使徒』。EXデッキから『灰燼竜バスタード』を墓地へ送り、墓地の『教導の騎士フルルドリス』を手札に戻す! 効果発動、特殊召喚! ついでにラヴァルバル・サラマンダーの効果を無効化」
教導の騎士フルルドリス ATK2500
「天底の使徒で落とすのがソレかよ。本当にろくなカード与えられてねえなぁ……」
「そう思うか?」
「はぁ? 何がよ」
「ラヴァルバル・サラマンダーの攻撃力は2600そして、フルルドリスは効果込みで3000となり、テトラドラグマは3700。合計6700で減少分は2600で=4100のダメージ。お前のライフは尽きる!!」
「きゃ〜ん、怖ぁ〜い♡」
「バトルフェイズ!!」
「うし! そんじゃ、バトルフェイズに入る前に私は効果を発動するぞ!!」
「何!? 手札も場にもラヴァルバル・サラマンダー以外のカードは無いぞ!?」
「フッフッフッ……墓地のカードは意識の外かぁ!? 教えはどうなってんだ教えはぁ!!
墓地の『ブレイズ・キャノン・マガジン』の効果発動! デッキから『ヴォルカニックモンスター』を墓地へ送る。私が送るのは『ヴォルカニック・バックショット』!!」
「ヴォルカニック・バックショット?」
「このカードは、墓地へ送られた場合に相手に500ポイントのダメージを与える!」
「だがダメージが入ったところで、オレのライフは残る!! 1ポイントあれば後は飾りだ!」
神楽坂 LP1000
「普通ならそうさ! けど私にその思考は命取りだぜ坊主!! なんたってこっちはバーン! 命賭けのデュエルを続けてきた歴戦の相棒達を、そんじょそこらのお坊ちゃんと一緒にしてっと焼け死ぬぞこらぁ!!
『ヴォルカニック・バックショット』の効果をチェーン2で発動!!」
「更なる効果……!」
「このカードが『ブレイズ・キャノン』カードの効果で墓地へ送られた場合、デッキ・手札の同名カード2枚を墓地へ送り、相手フィールドのモンスターを全て焼き払う!!」
「相手のターンに発動して、相手のモンスターだけ一方的に全滅させるだと!?」
「そうだ!! そしてバックショットの効果ダメージは合計1500ポイント!!
下僕もろとも灰になれぇ!!!!」
相手ターンの実質サンダーボルト。オマケのバーン。これは火武羅遊乃のこれまでの勝利に貢献してきた、ヴォルカニックのデザイナーズコンボ。遊乃が命を預け信頼してきた戦術の一つだ。
(むーん…………。
シンクロモンスターで決着付けたかったんだけどなぁ。っぱしブルー・セイリオスとか調律とか、普段使わねえモンスター入れるのは、なんかこうテンポとか狂うなぁ…………さっさとデッキ元に戻してぇ)
墓地から発せられる爆炎の勢いに対して、なんとも気の抜けたマンガのような顔の遊乃。
だが、その炎と表情は神楽坂を焼く直前に消え去った。
「え? 消えた!? 何? 酸欠?」
「…………ヴォルカニック・バックショットか。恐ろしいコンボだったぜ。
オレひとりの力じゃ、例え生まれ変わってから挑んだって、勝てなかった」
神楽坂の場に、一枚のカードが発動している。
『墓穴の指名者』
「………………最後の手札が墓穴かよ……運命力ヤベえなお前」
「フフフ……運命力というものだけは、偽遊様にもよくお褒め頂くんだ。意味は知らないんだけどな」
「………………来いよ」
「ああ。行かせてもらう!
この勝利、我らが神に捧げる“神楽“となれ!!
バトルフェイズ! フルルドリスとテトラドラグマで、攻撃!!!!」
教導の騎士フルルドリス ATK3000 VS ラヴァルバル・サラマンダーATK2600
教導枢機テトラドラグマ ATK3700
「うわああああーい!!」
火武羅遊乃 LP0
「白の力は確かに素晴らしい。だが生憎、オレには与えて頂いた黄色の力がある。
カードをくれるだけで終わらず、個人個人を見てくださる。
世界の半分ぽっちで裏切るなんてディスアド、【キマイラ教】には有り得ない!」
「ぢぐじょおおおーー!!!! かっこうよく締めやがってー!!!! ドラグマなんてだいっきらいだあああーー!!!!」
偽遊(QED。証明終了だ。
が、デッキのバランスを考え過ぎて、神楽坂の運命力がちょっと生かせてないな。もう少し尖らせても行けるかもしれん。再調整だな。
デッキビルダーの腕が鳴るぜ……!!)