遊戯王GX〜社畜童貞のオッサン、糞上司の悪意でキマイラと共に転生する〜 作:SOD
十代「なぁ、偽遊……万丈目のことなんだけどさ…………」
偽遊「んあ? 何、そろそろ元のウザいのに戻った?」
十代「いや、どっちかって言うと静かに座ってる分、なんかカッコいい芸能人みたいになってるぜ」
偽遊「なるほど。なら一生そのままでいいな。剥製にしとくか?」
十代「良くねえって……なぁ、頼むよ偽遊。万丈目を………………」
偽遊「………………ハァ……」
ほんの僅か前に、デュエリストの闘気と観客達の興奮を啜っていた壁、床。そしてリング。デュエルアカデミア本校、デュエルスペース。そこが今…………。
「はいは〜い♪ みんな並んで並んで〜♪ 急ごうがkoolに行こうがお一人様5パックジャスト!! 五千円ポッキリ! シンクロ召喚対応モーメントデュエルディスク付き! 今なら美少女のスマイルも付いてきまーす!」
「………………買って、欲しい」
カード売り場と化していた。
「…………オイ」
俺が火武羅遊乃に声を掛けると、後ろから雑音が鳴り響いた。
「オイ誰だよ横入りしてる奴!!」
「ちゃんと並べよ!!」
「ざけんなー!」
「殺すぞー!!」
「死ねやボケー!!」
「内臓エグリ出すぞゴルァ!!」
「…………民度悪っ」
ヤンキー漫画か何か? 驚いて後ろを振り向く。ああ、良かった。モヒカンの世紀末な奴とか、リーゼントでチェーンソー持ってるようなのはいない。
「ーーひっ!?
「トチ狂った教団の親玉だあああああーー!!!」
「じょ、冗談じゃねえ!! オレは帰るぞおおーー!!」
「レイたんのパンツを寄越せー!」
「助けてお母ちゃーん!!!」
「お、オレ何にも言ってませんからあああー!!!」
突然言動が180度くらい変わって蜘蛛の子を散らすように去っていくモブ多数。何だ? クトゥルフ神話の神でも見た?
「…………レイたんのパンツを狙っている奴は、後でケツの中に焼いた鉄を入れるとどうなるのかの実験に付き合って貰うか」
「うわあああああーーーー!!!!? ちょ、みんな待ってえ!! まだ商品残ってるのにいいいぃぃぃーー!!??」
「…………閉店ガラガラ」
「ガラガラなのはお客さんっ!!
ちょっと偽遊さん!! なんてことしてくれたのよ!!(泣)
まだまだ売れるはずだったのにぃ!! 酷いよぉー!!」
「んで、人の服とベッドゲロまみれにして、オメーは何やってんの?」
それまで喚き散らして顔汁を撒き散らしていた火武羅遊乃の動きがピタリと止まって目線が踊り始めた。そりゃあもう激しく。
「あっ! そ、それより見て見て偽遊さん! こんなに稼いだ!!」
全力で話を逸らしにかかったのか、売上を両手で持って見せて来た。
万券が一枚もねえ。が、それなりの額だろう。多分。コミケの壁サークルってこんくれえの売上なんかね?
取り敢えず全部没収しておく。
「あっ、あっ、あっ……!!」
「クリーニング代とは見上げた心掛けじゃねえか」
「ま、待ってぇ……偽遊さん……せ、せめて。せめて、半分……半分っ!」
涙目で全身密着させて金を取り返しに来る。だが身長差の関係で全く届いていない。ただ跳ぶ度にまな板が擦れるだけ。あ、よく見るとコイツノーブラじゃん。痴女かよ。
「ぎ、偽遊さん……! それ、私達の今後の人生その物なの! お金がいるのぉ! 偽遊さぁぁぁーん……!!」
もう俺はコイツと会話するのは諦めた。身体だけデカいガキその物だ。
「………………レイン恵」
「何……?」
この机に座っているだけのアンドロイドーーレイン恵は、必要最低限の言葉しか話さないキャラだった。それでも多分この女より会話になる。はず。多分……。
「お前らがここに来た目的は?」
「お金」
真っ先に言われた言葉がそれだった。嘘を付く機能があるかは知らないが、それにしても言葉に説得力を感じる。
「ネコ、飼うの」
「猫代なのかコレ!???」
「…………約束。結婚したら、ネコを一匹飼ってもいい。ノラでも、飼うにはお金がいる」
オイ嘘だろ…………この金髪はイリアステルと戦争する腹積もりでいると思えば、こっちの銀髪の目的は猫……!?
「そのお金が無いと……恵の夢が…………!
離婚の危機なのぉ……!! 偽遊さん……っ、偽遊さぁぁぁん……!! 代わりにカラダで払うからぁぁぁ……!」
「……………………どうしよう。俺、頭痛くなって来た」
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校長室。
「いやぁ、偽遊くん。この度は我が校の勝利となり、実にめでたいですなぁ〜!」
アレから頭痛を抑えて話をすること約一時間。その内話を進められた時間は3分。脳が働く時間がウルトラマン。IQはミジンコ。
ぶん殴りてぇ…………!!
それはともかく、この後にちょっと話があった俺は、この禿狸と鉢巻ハゲもセットで呼び出した。
禿狸はこの後トメさんのキッスが控えているので、気持ち悪いニヤニヤが止まらねえ。一方鉢巻ハゲは落ち込んでいる。
トメさん。正直内面は素晴らしい方だが、見た目が見た目なので何が嬉しいのかは分からない。若い頃の写真とかねえだろうしな。
「…………それで、虚路居くんと言ったね。キミは何故、鮫島校長だけで無く、私も一緒に呼び出したのだね?」
「要件はいくつか有ります。何より最初に聞きたいのは、代表に選ばれた火武羅遊乃と、レイン恵についてです。
そもそもあの二人はいつからノースの生徒になったんですか?」
転生者である火武羅遊乃。そしてレイン恵。あの二人の事情は全く分からないが……レイン恵の使用デッキはアンデットシンクロ。つまり、どうあがいてもこの時代で出会うのは不自然なのだ。タッグフォースにしたって未来から来てコナミくんと会っている。
つまり、火武羅遊乃は5Dsからやってきて、このGX世界に来ているはず。
だとすれば、何故わざわざノース校へ行き、代表選手戦の定員を増やして出場して、アカデミア本校でシンクロを売っているのか?
疑問が尽きないあの二人の情報を少しでも掴んで起きたいのだ。
「ふむ…………まあ、教えても問題は無いだろう。
彼女たち二人は、万丈目サンダーが漂流していたボートに乗り込んで、最後の水を奪い合っている時に出会ったんだ」
何そのファーストコンタクト。すっげえ解釈一致。
「遊乃君とレイン恵君は、何故か持っていたカードが全て防水加工だったが、万丈目くんはたった一枚。防水を完璧にしていた物を除いて全てダメになっていたよ。たしか生き残ったカードは……ミニマム・ガッツだったか」
……? 何でそんなカードを……??
「編入時点のランキングデュエルで、三人は見事にチャンピオンだった江戸川君を倒し、そして遊乃くん、レイン恵くんが万丈目くんに勝ち、ノースのクィーンズと成り……その後はまあ色々あって生徒人気は万丈目君の一人勝ちだったりしてなぁ」
「ああ、なるほど。よく分かりました」
もう聞いてても無駄だな。
「それでは、もう一つ。ノース校の校長先生にお願いがあります。」
「……何かな?」
「万丈目準、火武羅遊乃、レイン恵。
以上3名をアカデミア本校へ編入させて頂きたい」
「「!?」」
俺の言葉に、二人が同時に驚いた様子を見せた。そりゃあそうだよな。脈絡が無いとか以前に、一介の学生がこんなこと言ってればそうなる。
「いったい……何を言っているのかね? 虚路居偽遊君?」
「万丈目くんは元々我が校の生徒だからとしても、何故彼女達まで?」
「率直に申し上げて、納得頂ける理由は用意していません」
当たり前だよな。生徒3人編入させてくださいなんてのが通る言い訳、学生の立場に用意出来るわけがない。まして準備期間もねえし。
「強いて言うのであれば、あの三人はまだ強くなります。だから、欲しい」
「なっーー!?」
「私は立場上は生徒ですが、実技担当最高責任者に対して指導と助言を言える人間です。事実、クロノス教諭は今や私が教えている状況です」
「そ……それは本当なんですか!? 鮫島校長!!」
「え、ええ。まぁ……お恥ずかしい話なのですが、現状我が校に【
私の弟子であった【
「………………ふむ。なるほど。あの丸藤亮君が…………」
鉢巻ハゲは考える様子を見せている。
「…………失礼ですが、ノースの秘宝。アームド・ドラゴンすら出してしまっているノース校に、あの三人が成長する環境があるとは思えません。
将来を思えばこそ、ご決断頂きたい」
「話は分かりました。私はノース校校長として、生徒たちが新たな進化をする環境に身を置くことに反対しません。
しかし、当の本人達は何と言っているのですか?」
「火武羅遊乃、レイン恵に関しては既に了解を取っています。
万丈目準に関してですが…………今、彼にはデュエリストどころか、人として生きる気力すら怪しい状態です」
俺は懐のカードの束を差し出した。
「ーー!! これは、アームド・ドラゴン!?」
「万丈目に、返しておくから渡すようにと告げたところ……本当に渡してきました。その……デッキごと」
「…………っ、デッキごと……!!」
「今、彼に必要なのは療養です。
そういう意味でも、環境が過酷なノース校よりアカデミアに残したいのが……本音です」
「………………虚路居くん……キミは……!」
「………………どうか、お願いします」
神妙に頭を下げる。兄弟に見捨てられて、心が折れた今の万丈目が今後どうなるかは分からない。或いは一生腑抜けなのか、あるいはサンダーとして復活するのか。
「………………分かりました。
ノース校校長として、3人の編入を認めます」
「ありがとうございます」
ヨシ。ノースの校長さえ丸め込めば全て解決だ。
「あ、あの〜……偽遊君? その……私、アカデミアの校長なんですが……」
「え? なんすか?
トメさんに、『兄弟に裏切られて心が病んだ万丈目くんなんか面倒見たくないってボヤいてたから、説得して下さい!!』
って泣いて訴えられて嫌われるように全力で仕向けられたいんすか? 事前に準備しまくってトメさんとは仲良くしてもらってるんだ。俺はやる。本気だぞ?」
「ーー万丈目くんは元々うちの生徒です。責任を持って、回復に全力を注ぎます。当たり前じゃないですか。ハッハッハッハッハ!!」
「それでいいんだ。しっかり働け」
「……………………今の光景を、私は見なかったことにしよう。うん……」
「…………………………何あれ、やっべぇ。マジで編入認めさせちゃったよ。
アカデミア残留の理由は、アカデミアにイリアステルが来たら真っ先に最前線に送り込むためだけど。
ってか偽遊さん、マジでかっこいいな。特にあの頭下げてるとこ。出来るサラリーマンっぽい……………………パパに欲しい。お爺ちゃんでもいい!」
「…………お義父さん?」
「恵……私、実は初恋が離婚して出ていったパパだったんだよ。
あの疲れた目元であんな鋭い眼光してるのマジ反則だってぇ……!
アレぜってーあと30年後には最高に渋いオジサマになるぞ…………!」
「…………遊乃が久しぶりに危険な目をしている」
「うっひゃぁ〜! 私、偽遊さんの介護してえー!!」
「…………私に求婚してた時も……こういうテンションだったよね…………」
覗き見してた外野には、全然気付けなかった。後でトラちゃんが教えてくれた。
話していた内容は、脳が理解を拒んだので駄目だった。
それから少し後。
「偽遊さ〜ん! 部屋の合鍵くれよ〜!!(扉ドンドンドン)」
「巫山戯るなよ下郎がァ……!! キサマ、偽遊様のお部屋の合鍵など、狂徒一同誰も持っていないと言うのに!!」
「あらあら〜これは狂徒12人、総出撃ね〜」
「群れのボスに手を出すとぉ……蹴り殺されますよ?」
「戦争だワーン♪」
「あぁ〜ん? なんだオメェらぁ? 偽遊さんをパパにする活動略してパパ活を邪魔すんじゃねえよ! 焼くぞコラァ!!」
「……………………くるってるのが……じゅうさんにんになった…………(泣)」
火武羅遊乃(ふだんのすかた)
【挿絵表示】
火武羅遊乃(きせきのすがた)
後日、結成されることになる非合法委員会の
【火武羅遊乃剥製化促進委員会】
撮影した奇跡の一枚(盗撮)。
スローガンは
〜火武羅遊乃があの身体で生きている美への冒涜を許すな〜
【挿絵表示】
この後、遊乃が盛大にクシャミしたことで、委員会の団結は一層高まった。
『ぶえぇぇぇっくしょおおおーい!! げぇっ!? 鼻水出た! 偽遊さーん、ティッシュー!』
親善試合編について
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面白かった
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面白くなかった
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オリジナル展開に期待
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オリジナル展開に不安
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レイン恵が可愛い
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遊乃が今後も泣きますように……。
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万丈目の今後が気になる。
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果たして神楽坂の出番は……!?