山田太郎は居候   作:芋太郎

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・アデレート・フォン・ライナー
本日の主人公。
王都のライナー邸へ帰る途中で外国人を拾った。
知らない言語を喋る不審者を助ける超いい子。お父様も鼻が高い。
デビュタントが近くてお母様がちょっとピリピリしてるらしい。
今日のラッキーアイテムは青い髪飾り。

・山田太郎
拾ってもらった不審者。
出川イングリッシュ顔負けのボディーランゲージで命拾いした。
アデレート嬢には足を向けて寝れない。
今日のラッキーアイテムは一万円札。

・メイド少女
不審者のお世話をすることになってしまった今日一の被害者。
言葉は伝わらないけど、身振り手振りで会話するのはちょっと楽しい。
今日のラッキーアイテムは蒸かし芋。


アデレートは何かを持ち帰った

 私がその人を見つけたのは本当に偶然でした。

 

 「なっ!?止めてください!助けます!」

 「大丈夫ですか!しっかりしてください!」

 

 私たちライナー子爵家の王都邸へ帰宅している道中に見たことのない服装をした男の人が馬車の目に倒れてきたから。

服装や顔立ち、髪色から外国の貴族だと一目でわかりました。

直ぐに彼を助けるように指示を出して、連れて帰ったのです。

それから1日が経って、彼...タロウ・ヤマダさんが目を覚ましてからはてんやわんやでした。

 

 「起きましたか。私はマテウス・フォン・ライナー子爵です。お怪我はありませんか?急に馬車の前に倒れたのでしたよね」

 「ひとまず安心しました。私はアマーリア・フォン・ライナーです。言葉はわかりますか?」

 「アデレート・フォン・ライナーです。何があったのですか?ここは大丈夫ですよ」

 

 

 お父様とお母様も知らない言葉を使う海外の貴族。

その人がお礼に?と差し出してきた謎の紙はキラキラしたり、絵が浮かんできたり、魔法のような代物でしたから余計に。

彼の言葉は分からないんですけれど、身振り手振りでこことは違う国から来た事や寝る場所にも困っていることはわかりました。

私が助けた事もあって、最後までどうにかしてあげたいと思っていました。

お父様は少し悩んでいた様子だったのですが、私の方をちらっと見ると小さく頷いて彼を客として暫くここに住まわせる事。着替えを貸し与える事を提案しだしました。

...お父様には全てオミトオシのようです。

後をメイドに任せて、部屋を後にすると出た所でお母様が咎めるように口を開きました。

 

 「デビュタントも近いのに、そんな余裕があったかしら?」

 

 その一言で、何故か胸がキュッと締め付けられるような感じがしました。

お母様の言っていることももっとも。

だけど、でも、困っている彼を見捨てたくはない。

デビュタントも絶対に失敗できない、したくない。

我が儘で、矛盾したココロが私の中に存在していました。

だけど__

 

 「そういうな。そのアデレートが助けたいと言ったんだ。

  それに、ここで恩を売っておけば外国への伝手ができるかもしれない。

  彼の持っていた不思議な紙を見ただろう?貿易から益を生み出せるかもしれない」

 「貴方がそういうなら、もうこれ以上は言いません。でも、デビュタントの失敗だけは許されないですからね」

 

 お父様は、私を擁護してくれました。

そして、お父様の説得にお母様も納得してもらえたようでした。

良かった。私の胸も空くようでした。

これからが少しだけ、今までより楽しみになったのでした。

それにしても、なんで助けたんだろう。こんな気持ちになっているんだろう。この感情は、何なんだろう。

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