山田太郎は居候 作:芋太郎
本日の主人公。
使用人の間で話題のタロヴの秘密料理に興味津々。
メイドに監視してもらっていた料理の人が自由にしてるので気になっている。
主張したいことは食意地ははってないということ。
・山田太郎
メイドちゃんと秘密を強要する仲。
最近は使用人に賄を作ることが息抜きになっている。
賄を貴族に食べさせるわけにはいかない。とライナー子爵達には黙っている。
主張したいことは彼女募集中。
・メイド少女
ニホンゴダイブワカッテキタヨ!
料理の人に賄を人質に秘密を強要されている仲。
最近は日本語での会話を楽しむ余裕さえある。
主張したいことはオムレツのお肉はもうちょっとだけ良いやつにし欲しい。
彼...タロヴ・ヤマダ?さんが目を覚ましてから早7日。
メイドと言葉を教え合っていた彼はここ最近、部屋を開けていることが多いのです。
様子を見に行っても部屋におらず、彼の傍付きとしているメイドに訊いても曖昧に濁すばかり。
そんな事をするはずもないのだけれど、悪さをしないよう監視の役割も与えていたはずなのに何故こんな事になったのでしょうか...?
幸い、他の使用人からも何か変なことをしているという話は聞いてません。
いえ、タロヴさんが作った、アヒージョなる料理がおいしかったという話だけは非常に気になります。
これはタロヴさんの事を調べなければいけません。
決して、食意地をはってるなんて下品な理由ではありません。えぇ、本当ですよ?
そうと決まればまずはタロヴさんの居場所を探しに行きましょう。
まずはアヒージョの話もあったので厨房へ向かいます。
「アンケ、タロヴさんを見ませんでしたか?」
「い、いぃぇえ!?み、見ていませんよ!」
「本当に?」
「うっ...。ごめんなさい。さっきまでは厨房にいました...」
「そうなのね、ありがとう。でもなんで隠そうとしたしたんですか?」
「タロヴ様の作る料理は、旦那様にも奥様にも、ましてやアデレート様にもお出しするつもりはないから隠しておいて欲しい。とメイドちゃんが通訳してくれたので、それじゃあ使用人の間だけの秘密にしようとなってまして...」
たまたま近くにいたアンケに訊いてみると、どうやら厨房にいるみたいでした。
それだけじゃなく、タロヴさんの秘密の料理を食べていた様子。うらやm...いえ、何でもありません。
私たちにその料理を出せないのは、毒を盛ったりしやすいからこそなのでしょうね。
わかってはいるのですが...ぐぬぬ...
と、とにかく彼の居場所はわかったのでとりあえず目的地に変更はなしで、厨房に向かいましょう。
無理やり聞き出してごめんなさい、アンケ。ありがとう。
厨房についたのですが、そこには黄色い卵料理を食べているマルセルとブリッタ、カルラの三人だけでした。
よくよく思い出せば、アンケも「さっきまでは厨房にいました」と言っていたような気がします。
間に合いませんでした。私の秘密の料理、もといタロヴさん...なぜ逃げるのですか...
「おや、アデレート様。おはようございます。どうされましたか?」
「おはようございます、マルセル。ちょっとタロヴさんを探していまして。それにしても、美味しそうなものを食べていますね。それは何という料理なんですか?」
「これはオムレツという料理ですよ。卵を甘く味付けして、ちょっとした野菜とひき肉を包んだものですよ」
「ア、アデレート様...その、今は私たちの食べかけしかなくて。ちょっと今は作れないと言いますか...!」
「タロヴさんの作った料理なんでしょう?。わかってますよ。ええ、うらやましいなんて思ってませんとも。本当ですよ?一口だけでも食べてみたいだなんて考えてないですからお気になさらず。ええ、ええ。...本当ですからね?」
「アデレート様、必死すぎますよ...!あげたい、あげたいけど食べさし何て恐れ多すぎる...!」
ここでもブリッタ、カルラはタロヴさんの事を隠そうとしています。
それだけ使用人の人達とも仲良くなっているんですね。
このライナー邸に馴染んでくれていると考える、少し嬉しいものです。
それはそれとして、いったいどこに行ったのでしょう。
こうなっては、どうしても見つけ出したいと思うのが淑女の心理です。
「ところで、タロヴさんがどこにいらっしゃるかわかりませんか?」
「タロヴ様ですか?ちょっと体を動かしたいと言われていたので、中庭ではないでしょうか?」
「そうでしたっけ?元々着てた服を探してるって言ってませんでした?」
「そういえば、元々着てた服は洗濯してからまだ返してなかったですもんね」
「なるほど、3人ともありがとうございます。それでは、まずは中庭へ向かってみます」
3人にお礼を言い、次は中庭へ向かいます。
マルセルの証言を信じて中庭へ行きましたが、誰もおらずちょっと肩が落ちてしまいます。
疲れたわけでもなく、はぁ。とちょっとした息をついてしまうのも仕方ないともいます。
その次は衣裳棚を置いてある衣装部屋。...と行きたいのですが、そろそろ朝食の時間です。
広間へ向かうことにします。
そこで会うのですから、何も焦ることはありません。
と、思っていたのですが...
会話をしようと思うと、彼の隠している料理の事が頭をちらついてうまく話すことができませんでした。
やはり、追いかけてゆっくりお話しをしたいです。
タロヴさんを探しに、衣裳部屋へ向かいます。
暫く歩いて、衣裳部屋へ着きました。
扉を開けようとすると、中からメイドとタロヴさんの楽し気に会話している声と笑い声が聞こえてきます。
ここが当りでした。ちょっとわくわくしてきます。
しかし、楽し気な様子が気になります...
うーん、乙女としてはちょっと勘ぐってしまいます。ちょっとだけ、ちょっとだけ覗いてみましょうか。
そっと扉を少しだけ開けて、中を覗いてみるとメイドの手を握り、口づけでもできてしまいそうな距離で...
開いていた扉をそっと閉じました。わ、私は何も見ていません!本当ですよ!?
き、気づかれる前に広間へ朝食をいただきに行きます。今すぐここを離れます!
これは戦略的撤退です!...ふぅ。
なんでこんなに焦っているのでしょう?キスだなんて、今更恥じるような年齢でもないのに。