山田太郎は居候 作:芋太郎
本日の主人公。
メイドちゃんが唯一の情報源。
もはやメイドちゃんなしでは生きていけなくなっていると実感し始めている。
今日のトピックスはライナー家で一番キャベツの千切りが早くなった事。
・アデレート・フォン・ライナー
デビュタントが近づいでいるが、準備は既に万端。
本来ならマナーや作法の授業をしているはずの時間も日本語勉強に費やしている。
これにはメイドちゃんもにっこり。
今日のトピックスは厨房に張り付いて太郎の料理を狙っている所を使用人ABCに見られた事。
・メイド少女
タローヨリニホンゴジョーズデス!
自身が太郎へ渡る情報のすべてを管理していると気づいていない。
私また何かやっちゃいました?
今日のトピックスは一日に四食も食べれたこと。
俺こと山田太郎は日本人である。
メイドちゃんと激しめな触れ合い(握手)をしてから、一晩があけた。
どうすれば今まで受けた恩を返せるのか暫く考えていたが、ヒントはすぐ近くにあった。
アデレート様である。
近日中に彼女が社交会にデビューする為のパーティー、デビュタントボールが行われるのだ。
メイドちゃん曰く、一晩で平民の全財産が吹っ飛ぶ位の盛大なパーティーを開くのが一般的で、そのでき次第ではアデレート様だけでなく、ライナー家が見下される。
つまり、今後を左右する程重要なものだと言うのだ。
そして、ライナー家は新興貴族であり成功を収めるのは困難を極める。とも。
俺はコレをお手伝いして、大成功を収めれば良いのだ。
簡単に言うが、実際の所は難易度ベリーハードどころでは無い。
だけど、それがやらない理由にはならない。
まずは、こっちの世界には無い料理をマルセルさんに教えよう。
今日は朝から1日、マルセルさんに料理を教えていた。
もちろん、俺だけだと言葉が通じないのでメイドちゃんにも手伝ってもらった。報酬は出来上がった料理だ。
1皿目はハンバーグにトマトソース、バジルっぽい葉野菜、彩にパプリカそっくりな野菜。
2皿目はオムライス。
3皿目にオニオンスープ。
そして、4皿目は葉野菜をメインに盛り付けたサラダにポテトサラダを盛り付ける。
パーティーには品数が足りないが、今日はこれだけでも精一杯だった。
ハンバーグの起源は筋肉質で固く食べられない肉を食べれるようにした物。だから費用を抑えるにはうってつけなのだ。
オムライスは1口サイズのを大量に作る。見た目が可愛く、女性でも手を伸ばしやすいだろう。
そして、お米を食べてもらうことでお腹を膨らませてもらう目的もある。
次にオニオンスープ。この国の人は味の濃い物を好む傾向にあるようだが、何故か薄味の食べ物が多い。その為、透明度がありながら味が濃いスープは進むだろう。
最後にポテサラだが、この国で1番安く一般的な野菜は芋だ。その芋を食べた事の無い料理にしたとあれば、箔が付くというものだろう。
これらにマルセルさんは大興奮だったが、まだ今1歩足りないらしい。
この辺りでは新鮮な魚は手に入らないらしく、魚が手に入れば...と嘆いているのを耳にした。
それならば、料理以外でも攻めていくしかない。
1番に思いつくのは特産品のお土産だ。
ライナー領での特産品が既にあるならそれでも良いが、未だ出回っていない物の方がインパクトはあるだろう。
例えば、日本でいう琉球ガラスとかどうだろう。
この国ではガラス製のビンもかなり使われているが、もしそれが使い捨てなのであれば安価で集めることが出来る。
それを再利用することで琉球ガラスの様な物も作れるだろう。
勿論、簡単に作れるとは思わないし、それが貴族にウケるかはわからないが。
何はともあれ、この辺りは街に出てみたりしなければ。
新規に産業を興すのであれば、ライナー領で始めるのが都合がよい。
明日、マテウス様に相談しよう。
もし許可をもらえたらライナー領へ赴き、ライナー家本邸を拠点にしながら下町で協力してくれそうな人を探す。
メイドちゃんの話ではデビュタントボールが行われるまで後30余日。領地の場所次第では不可能ではないはずだから。
...そういえば、最近使用人の数が減った気がする。気のせいだろうか?
本邸に居ると噂のアデレート様の弟君の方へ行かれたのかもしれない。
再会した時には、また料理でもふるまってあげよう。
今日はもう少しで言語勉強会の時間だし、この話はここまでにしておこう。
アデレート様にはデビュタントの事はサプライズとしよう。デビュタントが成功した時のアデレート様はきっと嬉しそうに笑ってくれるだろう。
それが今一番の楽しみなんだ。
不定期更新タグが仕事しちゃった。
せめて家に帰れれば...グヌヌ。