祝福を君に   作:是非もないよね

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もう少し後にしたかったんですけど、やりすぎるとヘタレますのでね。

また短くてスイヤセン


第2話

昔、住んでいる家の向かいに友達がいた。

それもあってか、よく遊んでいたのを思い出す。

その友達には親はいなかったのか、全然見かけたことがない。ずっと一人でいたから気になって声を掛けたのが始まりだった。

 

そして、入学の日の一週間前、その友達は急にいなくなった。友達の家の前にはパトカーやら救急車やらが止まり、周囲には近所の人たちの人集り。母親が透の手を固く握りながら言った。

 

『・・・・・・・透。あの子の事はもう忘れなさい。お母さんも忘れるから』

『・・・・・お母さん?』

『・・・・・・・・』

 

それっきり、その日は母は何も喋らなかった。

見上げた先に目の前の家を睨みつけている様に顔を強ばらせた母がいる。あの友達に何があったかは分からない。ただ、いつも優しい母があんな顔を浮かべているのは初めてだった。

 

あの日を境に、その友達が写っている写真は母が捨てた。

その友達と遊んでいたボールも母が捨てた。

そして、自分の中からもあの友達は消えた。

 

名前は思い出せない。

ただ覚えているのは、あの瞳には黒い凶兆の星が輝いていたことだけだった。

 

 

。.゚ :✿。.゚ :✿。.゚ :✿。.゚ :✿。.゚ :✿。.゚ :✿。.゚ :✿。.゚ :✿。.゚ :✿

 

 

「行ってきます」

 

靴を履き終えると同時に母がリビングから姿を見せる。

 

「忘れ物はない?」

「ん、大丈夫」

「今日お母さん、夜遅くなるから。夜更かししないこと。夜ご飯は冷蔵庫に入れてるから、温めて食べなさいね」

「分かった」

 

そう言うと母は透を抱き寄せる。いつもの事だ。いい加減恥ずかしいからやめて欲しい。

 

「母さん、長い。遅刻しちゃうよ」

「あら、ごめんなさい。透が可愛くて・・・・・・今からでも遅くない、女の子にならない?」

「何言ってんのアンタ」

 

このやり取りも、かれこれ数年は続いている。

仕事で疲れているのか、『透は可愛いのに男の子だなんてお得すぎる。一度で二度おいしいわね』

なんてほざき出した時は、あまりのキモさに鳥肌が立った程だ。

母親の姿か?これが・・・・・(戦慄)

 

「い、行ってきます・・・・・」

「行ってらっしゃい」

 

生暖かい目で見送られ、今日も家を出る。

玄関が閉じたと同時に、軽く息を吐いた。

どの家庭でもあれが普通なんだろうか。少し過保護すぎる様な気がする。

良い母親なのは間違いないんだか、普通息子に

『お前も女にならないか?』なんて言うか?いや、言わない。

きっと、精神に異常をきたしているに決まってる。精神科に行った方がいい。あ、あの人精神科医だったわ。

家の敷地を出ると見慣れた人物が壁に寄りかかって無表情で空を見上げていた。その瞳はまるで生気が無く虚空を見つめている様だったが、此方に気づいたのか視線を此方に渡すと、

 

「あ!おはよー、麻倉くん」

 

その瞳は輝きを取り戻し、笑顔で挨拶して来た。

 

「ッ・・・・・・・おはよう、星野さん」

 

こちらも努めて普通に挨拶を返した。

 

????????

 

百面相かくやの早変わり。怖すぎて草。

そんな事今はどうでもいい。

まずなんで家の前にいる?そもそも、どうして俺の家をーーーー

 

「ほら、早く行かないと遅刻しちゃうよ?」

「う、うん、わかってるよ。それと、星野さんに聞きたいことあるんだけど」

 

肩を並べて歩きながらずっと聞きたかった事を聞くことにした。

今更気づいたが、彼女は随分と大股で歩くらしい。

 

「どうしてーーー」

「あっ!今日、私日直だった!ごめん、先行くね!」

「あ、うん」

 

まるで話を遮るかのように彼女は行ってしまった。毎回こうだ。何かと理由を付けてすぐにはぐらかす。

 

(教えてもないのに、何で俺の家知ってるんだろう)

 

知っているのはよく遊ぶ友達数人ぐらいのはずだ。なのに来て半年しか経っていない彼女がなぜ彼女が知っている?

 

はは〜ん、さては『星野アイを守る会』の奴らだな?

 

そう結論づけた。

星野アイという少女は不思議な子だ。おそらく話好きではあるが詮索されるのは嫌いなタイプの子なのかも知れない。

得体の知れない恐怖感に襲われるが、彼女に限って何かするということは無いはずだ。

嫌われていなければだが。

 

「ねぇ、麻倉くん」

「うわっ!」

 

考えながら歩いていたのか、前の人間に気づかなかった。

 

「あれ?星野さん?」

「麻倉くんはさ〜、ずっと一緒にいてくれる?」

 

おや?

 

「私が嘘をついても、嫌いにならない?」

 

おやおや??

 

まずいな(危険察知)

湿ってきた。なんか雲行きが怪しくなってきたぞぉ。

 

「言ってる意味がよく分かんないんだけど・・・・・急にどうしたの?」

「・・・・・・・・・・」

「星野さん・・・・・?」

 

一向に前を向いたまま動かない彼女に恐る恐る近づくと、

 

「あー。やっぱり君、私のマネージャーになるべきだよ」

 

恐ろしい速さで手を掴んできた。

 

「ちょ・・・・、星野さん・・・・・!」

「ね?」

「ヒェッ・・・・・・・」

 

こらあきまへん。

 

こんなおぞましい目をする小学生がいてたまるか。あ、ヤバい。チビりそう。

 

「・・・・・・なーんて、冗談だよ!先行くね!」

 

また笑顔で今度こそ学校に駆けて行った。

 

スゥーーーー・・・・・・・・

 

 

距離、置こうかなぁ・・・・・・・

 

 

 




麻倉透

透くんちゃん。今も昔もヤベェ奴に目をつけられる可哀想な男の娘。

星野アイ

そろそろ狩るか・・・・・♠
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