あーでもないこーでもないとやっている内にアニメ二期が終わり、原作も完結間近になってビビっています。
亀投稿かつ拙い文章で草ですけど許してくださいなんでもしますから
彼女と出会ったのは約一年前。よく晴れた日の事だった。
「初めまして、星野アイです。よろしくお願いします」
軽くお辞儀をした後、柔らかい笑顔を浮かべる彼女はたちまちクラスの人気者になった。
何の因果か、俺の隣となった彼女ーーーー星野アイ。
「初めまして。よろしくね」
「ん、初めまして。これからよろしくね」
そんな彼女に対する第一印象はというとーーー
目ん玉に星がついてて草。カラコンかな?
その日から俺の日常は変わってしまった。主に彼女の悪戯によって。
筆箱を隠す、他人の物を我が物顔で使うなど枚挙に遑がない。
「麻倉くんの揚げパンおいしいよ〜。私があげたサラダはどう?おいしい?」
「・・・・・おいしいよ。どうもありがとう」
「どういたしまして!」
皮肉が通じない。無敵か?こんな事をして許されると思っているのだろうか。楽しみにしていた給食の揚げパンを等価交換という名の強奪をし、そのお返しがサラダ。
どう見ても等価じゃない。顔が良ければ何をしても許されると思っているのか?ここは心を鬼にしてビシッと言うことにした。
「星野さん、これからは・・・・・・」
「んふふ・・・・・ん?なぁに?麻倉くん」
「・・・・・いや、何でもないよ。揚げパンおいしい?」
「うん!」
「そっか、よかったね」
とまぁ、毎回こんな感じで最後は俺が折れてしまう。でも不思議と嫌じゃなかった。嬉しそうに食べる星野さんを見てると視線が合わさり、少し頬を染めながらジト目で睨んでくる。
「あ、あんまり見ないでよ・・・・・」
「ご、ごめん」
何故か怒られてしまった。
給食の終了時間まであと少し。星野さんから貰ったサラダに手をつけた。
ごめん、やっぱ許せねぇよ。
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星野さんが転校してきて初めての授業参観。
クラスメイトの両親が続々と入ってくる中、俺の母親は何故かビデオカメラ片手に入ってきた。最早うちのクラスでは名物と化しており、その度に揶揄われるこっちの身にもなって欲しい。
ふと気になりなんの気なしに、星野さんに話しかけた。
俺はこの時の星野さんの顔を一生忘れないだろう。
何故なら、
「星野さんのお母さんは来てるの?」
「え?あー・・・・・・・今日は忙しいみたいで来ないんだー」
「そうなんだ」
普段とは全く違う星野さんの表情は酷く悲しそうで、寂しそうな顔をしていたから。
程なくして授業参観も終わり、クラスメイト達も母親と一緒に帰っていく。
その様子を私は遠目で眺めていた。私もお母さんから愛されていたらみんなと同じようになれていたのだろうか。
「透、帰りましょうか」
「うん」
麻倉くんもお母さんと一緒に帰るようだ。仲睦まじく会話する二人を横目で見送る。
私も帰る支度をする。一緒に帰る人は今日はいない。いつもはクラスの女の子と途中まで一緒に帰るが今日は違う。
一人でいるのに慣れているはずなのに。それが当たり前のはずだったのに、今はそれが凄く寂しかった。
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教室を出る間際、一人で帰る支度をする星野さんを見かけた。
きっと偽善なのかもしれない。でも、その時は星野さんを放っておけなかった。
「・・・・・・・」
「・・・・・?透?」
「ごめん、母さん。先に帰ってて」
「どうかしたの?」
「忘れ物」
「待ってるわよ?」
「大丈夫」
「そう?じゃあお母さん、先に行ってるからね」
母を先に帰らせ、俺は教室に戻る。
そこには微かに鼻をすする音と、ランドセルに教科書やノートを詰めている星野さんが居た。
「星野さん」
「ッ!?あ、麻倉くん!?」
此方に振り向いた星野さんの目元には僅かな涙の後があった。
「一緒に帰ろう」
「え、でも・・・・・・・」
「ダメかな」
「ダメ、じゃないけど・・・・・・・」
少し視線を逸らす。きっと母のことを気にしているんだろう。
「肉まん」
「え?」
「帰り道のコンビニで肉まん食べたいんだ。星野さんもどう?」
「・・・・・・・・」
真面目そうな顔で変な事を言い出す麻倉くんを見て、思わず吹き出してしまった。
「なにそれ・・・・デートのお誘いかな?」
「デッ・・・・・・!?いや!その、俺は、あの・・・・・・!」
視線を泳がせながら急にろくろ回しを始めた麻倉くんにまた吹き出したしまう。
「いいよ、そのお誘い受けてあげる。もちろん、麻倉くんの奢りでしょ?」
「それはそうだけど・・・・・って!ち、違うだ星野さん!デートとかじゃなくて、俺は!」
「あれぇ?私はそのつもりだったんだけどなぁ?」
「ミ゜・・・・!?」
「罪な男の子だね〜このこの〜」
「か、揶揄ってんでしょ!?」
「ほら、早く行こっ」
「あ、ちょ・・・・・!」
麻倉くんの手を引っ張り、駆け足で教室を出る。
後ろに視線を向けるとずり落ちそうなランドセルを必死に背負い直している麻倉くんがいて、それを見て私はまた笑ってしまう。
きっと一人だった私に同情して誘ってくれたのかもしれない。それでも嬉しかった。何よりも一人ぼっちじゃないと思わせてくれる麻倉くんの優しさが私にとってはすごく暖かった。
ついさっきまで沈んでいた気持ちが嘘のように消え去っていた。
いつか、麻倉くんに私の過去を話してもいいのかな。誰にも、それこそ施設の人達にも話してない私の過去を。
「う、うわぁぁぁ!ぶべッ!」
「あは!麻倉くんが転んだ〜!」
「こ、こんのッ・・・・・・!」
「逃げろ〜・・・・あ・・・・」
「あ」
そんな事を考えていると私も盛大に転んでしまった。
「転んでやんの。大丈夫?」
土埃を払いながら困った笑みを浮かべ、麻倉くんは手を差し伸べてきた。
ほんと、そーゆーところだよ。なんで文句のひとつも言わないの。君がそんなんだから私はーーーー鼻の奥がツーンとして来て、じんわりと目の奥が熱くなる。
「・・・・・・麻倉くんのせいだからね」
「なんでさ!?」
差し出された手を取って立ち上がらせてもらい、ついでにバレないように目元も袖で拭う。
「ありがとっ」
「どういたしまして」
それから肩を並べて校門へと向かう。
いつか絶対恩返ししようと私は心に誓った。
とびっきりの可愛い私で、嘘偽りのない私の真心を。
いつか絶対にーーーーーー
だから、
「○○さん」
「ん?どうかしたの?アイちゃん」
「ちょっと、いいかな」
邪魔はしないで欲しいかなぁ、なんて。
“自分の恋は、自分で守る”。女の子なら当然だよね、そんなコト。
真っ黒に濁る星を両目に星野アイは静かに笑った。
麻倉透
透くんちゃん。星野アイ特攻100%スキルを獲得
星野アイ
脳焼かれ、はじめました