グリッドマン ユニバース:Selected of two Souls Sigma Story.   作:キャメル16世

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前回区切りがだいぶ悪かったので、今回とセットでお楽しみください。
主に戦闘パートとなるので量的にも少ないです。
それではお楽しみください。



第12回「覚・悟:シグマの告白」

「BARRRR!!」

夕暮れの静かな街に、怪獣の叫ぶ轟音が響く。

ダーガが凶暴化させた怪獣は辺りのビルを尻尾でなぎ倒し、その下を走る車やバスが次々とまるで津波に流されるように横に向かっていく。

 

「か、怪獣が…!」

「…急ごう!内海君!」

怪獣の凶暴化を確認した内海と六花はリサイクルショップへと急ぐ。

 

「…遅せぇぞお前ら!」

「ご、ごめんなさい…!」

店に戻ると、既に怪獣優生思想のメンバーが揃っており、オニジャが今か今かとジャンクの前に立っていた。

 

「シグマ!揃ったぜ。準備は出来てるんだろうなぁ!?」

『…あぁ、もちろんだ!』

ジャンクに映るシグマ。ジャンクの前に立った内海と六花はアクセプターを構える。

 

「「アクセス…!フラーッシュ!」」

ふたりのアクセスフラッシュに応じ、ふたりの身体は光となってジャンクに吸い込まれる。

 

街に降臨したグリッドマンシグマは、有形無形怪獣『ビビガ』の元へと降り立った。

 

「BARRRR!!」

「はっ!はぁっ!」

ビビガの両肩には歪な装飾があり、ラメのように光っている。

 

「連続!電撃キーック!」

「BARR!!」

両足に電撃を纏わせたシグマは連続蹴りで怪獣を翻弄する。攻撃は聞いており、前回のようなタフさはあまり見受けられない。

 

『このまま行けば勝てるよ!』

『あぁ、これ以上あいつの思い通りにさせてたまるか!』

「…その通りだ。お前達とダーガの会話を、オレはずっと聞いていた。お前達の覚悟を、改めて思い知らされた」

『……シグマ…』

六花のアクセプターから3人の会話の全てを聞いていたシグマ。ふたりの覚悟に改めて火がつき、躊躇いもない。

 

「だから、オレもオレの成すべきこと為す!そして使命を果たす!それがオレの覚悟だっ!」

「BARRR!!」

佇む怪獣に向かってシグマは両手をクロスし、右腕にエネルギーを溜め込む。

 

「グリッド〜…!シグマビームッ!」

放たれた青白い光線は怪獣に向かって一直線。攻撃が命中し辺りには爆煙が充満する。

 

『よっしゃぁ!』

「……んっ!?」

内海が喜んだのも束の間、煙が晴れた先にいたのは無傷の怪獣だった。

 

「なんだと!?」

「……BARRRRR!!!!」

怪獣が叫ぶと両肩の装飾からキラキラと光が盛れ出した。

すると、シグマを囲うように透明な()()がシグマの身体を押し込んでいく。

 

「グッ…!一体…何だこれは…!?」

『あいつ…まさか透明な壁を張って攻撃を防いだのか!』

『それだけじゃない…このままじゃ押しつぶされるよ!』

「……クッ…はぁっ!」

六花の言葉を聞いたシグマは咄嗟に両腕に力を込め、前方の壁に足をかけてくるりと後転。壁の包囲網から抜け出す事に成功した…が。

 

「…BARRR!!」

「なにっ!?」

再び四方から透明な壁が迫って来て押しつぶされそうになる。更に怪獣が口を開いたかと思うと、そこからオレンジ色のビームを放って来た。

 

「BAAA!!」

「ぐあぁぁぁっ!」

防御する隙もなく、シグマは怪獣の攻撃をモロに受けてしまった。

 

「……ヘッ」ニヤッ

そしてその光景をジャンクから見ていた怪獣優生思想の一人、オニジャは不敵な笑みを浮かべるのであった。

 

 

『こ、この怪獣…強いっ!』

「能力自体は単調だが…これでは近付けない!ぐはっ!」

見た目に反して思いのほか苦戦を強いられることとなったビビガとの戦闘。

 

「……クッ…」

ビビガの攻撃を受けて片膝を立てるシグマ。

すると、空中に赤い紋章が現れる。

 

「GOOO!!」

巨大な亀のようなメカが飛び出してくる。どうやらアシストアニマルへと変身した怪獣優生思想の1人のようだ。

 

「おいおいシグマぁ!だらしねぇなぁ!仕方ねぇから助けに来てやったぜぇ!?」

『その声は…オニジャさん!?』

カメ型怪獣メカに変身したオニジャは、地面に着地するなりシグマに顔を向ける。

 

「シグマよく見ろ!あいつがビームを打つ時、透明の壁が一瞬消える!俺は気付いてたぜ…!」

「…なるほど…そうか!奴がビームを放つ際、オレの周りの壁が無くなった感覚があった」

オニジャの言葉を聞き納得したシグマ。

怪獣は即座にシグマに向かってビームを放った。

 

「BARRR…!」

「攻略法はわかったみてぇだなぁ…んじゃさっさと合体して決めるぞ!」

「…あぁ!」

シグマの声掛けと共に、オニジャの各部が分裂。

 

オニジャの甲羅部分の右端と左端がシグマの前腕に合体。腹部のパーツが肩と合体し、甲羅の真ん中部分が胸部と合体する。深緑色のメットパーツを被ると、そこに装甲を纏った戦士が誕生した。

 

「「玄武合体戦士!タートルグリッドマンシグマ!!」」

「BARRRRRR!!」

合体が完了したシグマにビビガがビームを繰り出す。

 

「タートルディフェンダー!」

両腕の甲羅をくっつけるように構えてビームをガードするシグマ。

 

「BARR!!」

ビーム攻撃が効かないと判断したのか、ビビガは肩の装飾を光らせる。

 

「…っ…来るぞぉ!」

「…ふんっ!」

シグマは肩のシールドを展開し、攻撃に備える。左右からの圧力を感じ、身体に力を入れる。

 

「……クッ…グッ…!」

「…BARRRR!!」

無防備なシグマを見てビビガは渾身のビームを放つ。

攻撃は命中し、シグマから爆発が起こる。

 

「……」

「……うおぉぉっ!」

「…BARR!」

すると、煙の中からムチのようなものが飛び出しビビガの左肩の装飾を破壊する。

煙が晴れた先には、ヘビ型のムチの武器を持ったシグマが居た。

 

「「スネークウィップ!はぁぁっ!」」

「BARRRR!!」

スネークウィップによる更なる攻撃で右肩の装飾も破壊される。

 

「あいつはもう為す術がねぇ!さっさと楽にしてやろうぜ!」

「あぁ!」

シグマは両腕のシールドをくっ付け、両肩のシールドも変形する。

パワーを溜め込んだシグマは片足を後ろに提げて走り出す体制になる。

 

「グリッド〜…!」

「「タートルブレイクッ!」」

一気に走り出したシグマは砲丸のようなスピードでビビガに突進する。衝撃を受けたビビガは爆散し、戦いはシグマ達が勝利した。

 

 

「おかえりなさい、おふたりとも」

ジャンクから飛び出して来た内海と六花をジュウガは出迎えた。ムジナとシズムも居たが、声を掛けることなく安堵の表情をとる。

 

「いや〜今回もやばかったなぁ〜…」

「やっぱりダーガが操ってる怪獣って強いのかな…?」

「俺が来なきゃ死ぬかと思っただろぉ?」

戦闘の感想を語る各々。オニジャは何故かドヤ顔で答える。

 

『内海、六花…オレはどうやらお前達を見くびっていたようだ』

「……えっ?」

すると、シグマがふたりに話しかけて来た。

 

『オレはお前達の熱い思いがあれば、兄を救えると思いお前達に近付いた。だが、お前達の思いはその程度では語れることの無い程、大切なものだったのだな…』

「……」

『…響裕太…彼の事は詳しくは知らないが、お前達にとってかけがえのない存在だという事がよく分かった!』

「…あぁそうとも!裕太は俺達の大事な友達だからな!」

「……うん。大事な…トモダチ…」

「…っ」

ここで六花が言葉を濁した事を、内海は見逃さなかった。

 

『……いいものだな。友情というのは…』

「……」

『……オレにもかつて、友と呼べる存在が居た』

「…えっ」

シグマはふたりに告白した。彼が戦う本当の理由を。

グリッドマンや裕太を救うだけではない。彼には彼の使命があった。

 

『…彼の名は藤堂武史。ダーガに囚われた哀れな少年だ』

 

 

「……」

怪獣が倒され、シグマは姿を晦ました。

怪獣にずっと手を添えていたダーガだったが、何かを悟ったのか、清々しい顔で手を下ろし顔を上げた。

 

「……さて…次はどうしてやろうか」




次回

「シグマのやるべき事なら、俺は全力で応援する」

第13回「約・束:帰って来た響裕太」
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