グリッドマン ユニバース:Selected of two Souls Sigma Story.   作:キャメル16世

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これまで書いてきたオリジナル形態やオリジナル技などの詳細は最終回投稿後にまとめてやる予定です。怪獣優生思想の各ニューオーダー姿の解説もそこでまとめて……

あと、良ければ感想・評価よろしくお願いいたします。



第17回「共・鳴:決死のアクセスフラッシュ!」

「…PHYYYY!!」

紋章から深紅の鳳凰の様な怪獣メカが飛び出して来て、怪獣を見つけるなり口から火の弾を飛ばして牽制する。

 

「…やはり、来ると思っていたぞ!シズム!」

「全く…世話が焼けるね、君達は……フフッ…」

夜空を優雅に舞うシズムは続けてネイガストを牽制する。

 

「例え約束が守れなくても、彼らは彼らの信じるものの為に来てくれた…それは罪にはならない。信頼こそが、オレ達を次なるステージに連れていってくれる!」

「……」

約束……

必ず守ってみせるよ。ひめ…

 

月夜に照らされた翼が大きく開く。

 

「シグマ!合体だっ!」

「あぁ!」

飛び上がったシグマは腕を大きく広げる。

シズムの胸のパーツが展開し、シグマと重なり胸部を覆う。鳥の頭部がメットパーツと合体しシグマの頭部を覆う。

翼が大きく広がり、その輝きは月夜をも照らす。

 

「「鳳凰合体戦士!フェニックスグリッドマンシグマ!」」

深紅の翼を広げるシグマは夜空を縦横無尽に飛び回る。

 

「BYAAAA!!」

それに翻弄されるネイガスト。

叫ぶなり口から光線を発射させシグマの軌道を追う。

 

「ふっ!はぁっ!」

その攻撃を華麗に避けたシグマは空を滑空しながら右腕を前に突き出した。

 

「フレイムシグマスパークッ!!」

アクセプターから火炎弾を何発も発射し、ネイガストに命中させる。

 

「BYAAAA!!」

だが怪獣の勢いは止まる事を知らない。

翼を羽ばたかせてシグマに衝撃波を送り、地面に立っているナイトや3体のアシストアニマルをも巻き込む勢いでいた。

 

このままでは街が危ない。

 

「…グリッドナイト…!ここはひとつ、俺の言う通りにして貰えないか?」

すると何を思ったのか、シズムがナイトに問いかけた。

不思議そうな面立ちで、ナイトはシグマを見上げる。

 

「怪獣も不死身じゃ無い。何処かに“核”となる存在が居る筈だ。あの怪獣を倒すには、怪獣の身体と核を同時に破壊しなきゃならない…!」

「…だが、その肝心の核はどこにあるのだ?」

「……多分だけど、あのサナギの中だ」

「…なにっ…?」

シグマとナイトはさっきまで怪獣が入っていたサナギを見つめる。確かに、怪獣も何も無い筈のサナギの殻が今もこうして残り続けている。

 

「……わかった」

シズムの言葉に信憑性を感じられたナイトは、静かにそう頷いた。

 

「行こうシグマ!俺達は怪獣の相手を…!」

「…あぁ!」

 

 

「……」

人間の姿に戻ったナイトは、怪獣が出てきたサナギの中に入り込んだ。

 

何故巨人では無く、人間の姿なのか。

これあくまでナイトの考察だが、本来怪獣の核とされているのは、「バロックパール」と呼ばれる歪んだ形の真珠の様な物だ。それが人間の情動に干渉し、形を変えてあのような異形の姿へと化す。それが怪獣の正体だ。

そのバロックパール自体、ただの小石のようなサイズなので、その姿での方が探しやすいと踏んだナイトは人間の姿で侵入したのだ。

 

ただ、核となる存在がバロックパール出ない可能性も捨てきれない。何が居てもおかしくない為、ナイトは腰に装着した赤い剣、「レプリナイトキャリバー」の柄を握りながらサナギの中を進んだ。

 

「……これか」

だが、その心配には及ばなかったようだ。

ナイトの目の前には、無数に根っこのように枝分かれしたバロックパールがあった。無数に枝分かれしたバロックパールの芽は、まるでサナギの内側全体を覆うように成長していた。

 

「……まさか…」

ナイトは思った。

もしやこのサナギ自体が、バロックパールそのものなのではないかと。

そうなれば、これまでの怪獣とはわけが違う。

本来怪獣はバロックパールを模型に埋め込まれたものが実体化、もしくはバロックパール自体が怪獣の形に成長する事で成り立っている。だがこの怪獣のバロックパールは体外でしかも今は分離している。

 

「……」

これまでにないパターンの怪獣が現れた事を実感し、ナイトは唾を飲んでからレプリナイトキャリバーを抜刀し構えた。

 

「……ふんっ!……っ!」

レプリナイトキャリバーを振りかざしたナイトだったが、バロックパールに触れた瞬間ナイトの脳内に映像…いや、人間の記憶が流れ込んで来た。

 

恐怖、憤怒、憎悪、絶望……

人間の悪意が詰まった忌々しい記憶だ。

 

怪獣の核に触れる。それはつまり、この怪獣を形作った人間の情動に触れるという事だ。

この怪獣には、人間の悪意が詰められている。人間による人間への悪意が、この強力な怪獣を作り上げたんだ。

 

「……それがどうした……俺は、俺の道を行く」

だが彼は決して折れない。

己の生きる意味を探し続ける為、そして世界の素晴らしさを、その目でもっと見る為。

人間と共に、人間達が作り出した、その美しい世界を……

 

 

「BYAAAA!!」

『なんだ…!?急に暴れだしたぞ!?』

「もしかして…グリッドナイトが核に触れたから、それに反応してるのかも…」

「のんびりしてる暇は無ぇようだな……一気に畳み掛けるぞ!お前ら!」

「はい!」

「うんっ!」

シグマは大空を真上に飛び上がると、翼に炎を宿し右腕を構える。

 

「グリッド〜…!」

「「アルティメット…!ファイヤァァァァ!!」」

アクセプターから放たれる強力な破壊光線が怪獣を包み込む。

 

「はぁっ!」

「おりゃァ!」

「はっ!」

そしてアシストアニマルの3体が次々と攻撃を仕掛ける。押されるネイガストは地面に墜落した。

 

「……BYA……BYAAA…!」

だが怪獣もしぶとく、ボロボロの身体で口から光線を放とうとして来る。

 

「グリッド〜…!」

「「プロミネンス…!キーック!!」」

シグマはそれを逃さず、大空から翼に炎を纏わせ勢いをつけながら直下にキックを放った。

衝撃に耐えきれなかった怪獣は爆散。今度は完全に身体が消滅し、サナギも消滅したところを見るに、ナイトの核の破壊にも成功したようだ。

怪獣の消滅を確認したシグマはシズムと分離する。

 

だが、安心したのも束の間。

 

「…ふんっ…!」

「っ!?」

シグマの背後に立ったのはグリッドマンダーク。ダーガはシグマの背に手を置き、不敵な笑みを浮かべていた。

 

「油断したね…シグマ。これで君の力は、ボクのものだ!」

「……クッ…ダーガ…!」

「…ふはは…これでボクは……本物のグリッドマンに……っ!?」

だが、ダーガはここである事に気付き、危機を察知して後方に飛んでシグマと距離を取った。

 

「…な…なんだ…?何故君の力を……」

ダーガは自身の左手を見つめながらそうボヤいた。

 

「……」

「……っ…まさか……君達の熱い思いが、ボクに取り込まれる事を拒否したのか…!?」

ダーガは謎の覇気を放つシグマの背中を見て、そう嘆いた。

 

「そんな馬鹿な……そんな芸当が出来るのは、ボクと同じ力を持つ者だけの筈……まさか…!?」

「……」

少しだけ振り向いたシグマ。その目に敵意が無い事に気が付いたダーガは、更に驚愕する。

 

「……君は……ボクと…!」

「ナイト爆裂…光波弾ッ!!」

「……クッ…今は君の相手をしてる場合じゃないんだけどね!グリッドナイトっ!」

ナイトの攻撃により離されたダーガ。

横並びに立ったシグマとナイトは、ダーガと対峙する。

 

「…ダーガ…ようやくこの時が来た。グリッドナイト、兄を救う唯一の方法を思い付いた。オレに協力してくれないか?」

「…何をするつもりだ…?」

「なに、お前はダーガを引き付けてくれ。オレが奴に近付き、仕掛ける」

「……よく分からないが、グリッドマンを救う可能性があるのならば、俺はそれに賭ける」

顔を見合ったふたりはお互いに納得し、アシストアニマルの4体もそれを見守るように見ていた。

 

「……内海、六花。お前達も覚悟は良いか?」

『……あぁ…早くグリッドマンやみんなを救ってやろうぜ!』

『…やろう…!私達のやるべき事を!』

「……流石はふたりだ。やはりお前達を選んで……正解だった!!」

掛け声と共に、シグマとナイトはダーガに一直線に走って行く。

 

「はっ!はぁっ!」

「てやぁっ!」

「クッ…!グヌッ…!」

攻撃を受けたダーガは足を地面に滑らせながら後退する。

 

「……シグマ…君はボクにとって脅威そのものだ。よって君はボクの手で排除するっ!」

ダーガも負けじとふたりに攻撃を仕掛ける。シグマと同じ威力の攻撃が、シグマを後退させる。

 

「ライジングボーダーッ!!」

「クッ…!」

「ネバーエンドストロングッ!!」

「…グヌッ…!」

「ミッシンググロードール!!」

「ぐはっ!」

「グリッドナイト…!乱れサーキュラーッ!!」

「ぬわぁっ!」

アシストアニマルやナイトの決死の猛攻がダーガに猛威を振るった。押され続けるダーガは、体制を崩してしまう。

 

「はぁぁぁっ!」

それをシグマは見逃さず、持ち前の俊敏さでダーガとの距離を一気に縮めていく。

 

「……っ」

その時、ナイトの横側を通り越すシグマは、ナイトに静かに声を掛けた。それに反応したナイトであったが、もはや彼を止められる者は居ない。

 

「はぁぁぁぁっ!」

『『いっけぇぇぇぇ!!』』

右腕を伸ばすシグマ。その腕の先は、ダーガのアクセプターであった。

 

「……クッ…!」

まさか…こいつら…!

ボクと…アクセスフラッシュを…!?

 

「『『アクセスッ!!フラーッシュッ!!』』」

ダーガのアクセプターに触れたシグマとその中にいる内海と六花が叫ぶ。

眩い光が溢れると共に、彼らの意識は何処かの世界に飛んで行った。

 

「……っ」

シグマの身体が…消えた…?だと…!?

 

事の顛末を見届けたグリッドナイト。

シグマの身体がダーガのアクセプターに吸い込まれるように消えた。ダーガは構えた体勢を解き、自身の身体を眺めた。

 

「……ハハ…はははっ!まさか自分達からボクの中に入ってくるとはねぇ!ホントに馬鹿な事をするよ!」

「……クッ…」

ダーガは高らかに笑う。

そもそもアクセスフラッシュとは、グリッドマンのような存在と一体化するもの。つまり、シグマとダーガがアクセスフラッシュによって一体化している状態。

 

「これで彼をボクの中に取り込む手間が省けたよ!あとはナイトくん、君達を倒してこの宇宙をボクのものとする!」

「……」

これが功を奏するのか。だが確かにシグマはアクセスフラッシュする前にナイトに囁いた。

 

《あとは頼んだ》

 

と……

 

「…グリッドナイト!まだ戦えるか!?」

シズムがナイトに問い掛ける。

 

「……あぁ…当然だ!奴を……ここで食止める!」

並び立った5人は、ダーガに威圧感を与えた。

 

「何体来ても結果は同じだ!本物のグリッドマンとなったボクに、敵う奴なんて存在しないっ!」

向かって来るダーガに、全員が突撃する。

 

「ぐはっ!」

「ぐわぁぁっ!」

だがその実力は確かであり、数の多さに惑わされない程の強さを発揮する。

 

「…なるほど…大口を叩くだけはあるなぁ…!」

「シグマが居ない以上、我々だけでやれる事をしましょう!」

「うんっ!じゃあみんな集まって!」

「あぁ…!」

集まった4体のアシストアニマス。

それぞれの形が変わり、ムジナタイガーをベースとしドラゴンの頭とカメの頭が両肩にドッキング。更にオニジャの髭がムジナの頭部に合体したてがみのようになる。シズムがムジナの背中と合体し翼が生える。

ジュウガの胴体はふたつに分裂しムジナの胴の両サイドと合体。オニジャの身体はムジナの四肢と合体し、スネークウィップはムジナの尻尾と並ぶように合体した。

 

「「「「合体戦獣!!キマイラゼノン!!」」」」

それは伝説の聖獣、キマイラのような見た目と酷似しており、さながらキマイラ型怪獣メカとでも呼ぼうか。

 

「お前達も合体出来るのか…俺も負けていられないな…」

すると、空から深紅の剣がナイトの足元の地面に舞い刺さってきた。

 

『ナイト君!これを使ってくださいっ!』

「2代目…!」

頭上を見ると、サウンドラスが浮遊しており、どうやら2代目がナイトに支援物を持ってきてくれたようだ。

 

「グリッドナイト…!レプリキャリバーッ!!」

これはグリッドマンキャリバーのバックアップデータから作り上げたキャリバーの模造品。その為意思は存在せず、ナイトがピンチになると2代目から受け取っていた代物だ。

 

レプリキャリバーを逆手で構えるナイトとキマイラゼノンはダーガを再び威嚇する。

 

「……来い…!でも最後に勝つのは…このボクだッ!!」




次回

「なんだか、前も二人でドーナツ食べた気がする」

第18回「孤・独:アクセプターは鳴らない」
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