グリッドマン ユニバース:Selected of two Souls Sigma Story.   作:キャメル16世

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遅くなりましたが、「SSSS.GRIDMAN」5周年おめでとうございます!
劇場総集編のブルーレイが2本届き、SMPのダイナゼノンとグリッドナイト&ゴルドバーンが届き、今月にはグリッドマン ユニバースのブルーレイが届く…!
まだまだグリッドマン熱が下がる事は無さそうですね!

という事で続きをどうぞ!



第20回「未・来:バトルゴー!託されたもの」

「グリッドハイパー…!フィクサービームッ!!」

暗闇の空間を光が包んで行く。だが……

 

「……っ!」

シグマの光が闇に押し戻されている。それに対して一同は驚きを隠せなかった。

 

「クッ…やはり、オレじゃダメなのか…!?」

「……シグマ…」

自分の無力さに、シグマは嘆く。それでも負けじと光を放ち続けるが、闇も光を押し続ける。

 

「…やはり……オレだけの…力では…!」

「……っ」

嘆くシグマを見て、六花はマックスの背負われている目を閉じたまま起きない裕太を見つめる。

そして、ある者の口が大きく開く。

 

「…グリッドマァァン!!」

「…っ!?」

「……り…六花…?」

六花はシグマ…いや、この闇の中に居るであろうグリッドマンに向かってその名を叫んだ。

 

シグマやその他の仲間達もそれには驚いたが、続けて内海が闇に向けて顔を向ける。

 

「グリッドマンッ!!」

「グリッドマンッ!」

「グリッドマンさん!」

「グリッドマン…!」

「グリッドマンさぁん!」

「グ、グリッドマン」

「グリッドマン」

「グリッドマン!」

「グリッドマンっ」

「グリッドマンっ…!」

「GAOO!!」

次々にグリッドマンの名を叫び続ける仲間達。その思いは再びシグマに届き、更なる力を彼に与えた。

 

「…兄さん…目を覚ませ!この世界には、貴方を待っている仲間が沢山居る!……立ち上がれ!世界を救う為、貴方の力が必要だっ!!」

シグマは自身のトライジェスターに更なるエネルギーを加える。六花や内海の思いを一身に受け取り、その力は限界を超える。

 

「…はぁぁぁあ!!!!」

すると、光が完全に暗闇を跳ね除け、辺りは真っ白な空間に包まれた。

 

「…………グリッドマン……」

そしてその時、響裕太は目を覚ましていたのだった。

 

 

「…クッ…まさか本当に彼等の心を治しちゃうなんてね……君達を侮っていたよ。正しく君達が、本物のグリッドマン…かもね」

「グリッドマンに本物も偽物も無い…!人間の思いが作り上げた夢のヒーロー、それがグリッドマンだ!お前のような醜くも人の思いを踏みにじる様な奴は、グリッドマンでも何でもないっ!」

「…なにっ?」

シグマの言葉に、不快感を露わにするダーガ。だが、シグマは続けて言葉を並べた。

 

「…ダーガ…オレはお前を倒す!例えオレ達が同じだったとしても、オレはオレの…思いを晴らす!」

「……やっぱりそうなんだね…君は…!!」

激昂したダーガはシグマに殴り掛かる。

だが、シグマはそれを両手で受け止め、隙を見たグリッドマンがダーガに蹴りを入れた。

 

「グッ…!」

「はあぁっ!」

それに続けてナイトが攻撃を仕掛ける。ダーガはそれを上手く否し、3人に向けてビームを放つ。

 

「グリッドダークビームッ!!」

「グッ…!」

「…クッ…!」

「ぬっ…!」

3人の連携が崩れた。その隙を突いてその3人に打撃を与えた。

 

「グリッドナイト…!サンダーストームッ!!」

「ぬおっ…!」

だがグリッドナイトの決死の反撃によりダーガを怯ませる。

 

「行くぞ!シグマ!」

「あぁ!」

その隙を逃さず、グリッドマンとシグマはダーガに電撃キックを叩き込む。

 

「グッ…!」

「必勝大火炎…!レックス…!」

「パワードアックス!ジャンボセイバァァ…!」

「…っ!何っ!?」

ダーガが怯んでいると、続けて新世紀中学生達の声が辺りに轟く。

 

「…ロアァァァァ!!!!」

「スラーッシュッ!!」

「グッ…!ぐはぁっ!」

不意打ちな攻撃に、ダーガは押され続ける。

 

「クッ…!こんな筈じゃあっ…!」

ダーガは頭を抱えながら悶え出した。

 

並び立つグリッドマン、グリッドマンシグマ、グリッドナイト、ダイナレックス、キマイラゼノン、パワードゼノンの6体

 

「…どうやら数では圧倒的に不利だ。ならば、ボクもボクのやり方で勝たせてもらうぞっ!インスタンス・ドミネーションッ!!」

ダーガは激昂しながらも手を掲げて目を赤に染める。

すると、空から2体の怪獣が降り立った。

 

『あ、あれは…!?』

「嘘…だろ…!?」

1体はグリッドマンの世界にて、アレクシス・ケリヴが新条アカネ自身を怪獣化させ、かつてのツツジ台を窮地に晒した強力な怪獣「ゼッガー」に酷似した見た目。

もう1体はダイナゼノンの世界でレックスや蓬達と激闘を繰り広げた、かつてのシズムが体内に飼っていた怪獣「ガギュラ」に酷似した怪獣だった。

 

「GYYAAAA!!!!」

「GAHAHAHA!!!!」

咆哮を上げる2体の怪獣。それぞれオリジナルとは色が異なり、別の宇宙にも同じような怪獣が居ることに一同は驚く。

 

『……アカネ…!』

「……クッ…!」

その姿を見て、六花とシズムはどうしても心を痛めてしまう。

六花は親友の成れの果てを、シズムは自分の成れの果ての姿と直面している気分だからだ。

どれだけ過去を振り切っても、過去は変えられない。同じ苦しみは帰ってくる事を、この時ふたりは改めて思い知らされた。

 

「怯むなっ!オレ達の使命を思い出せっ!」

「…っ!」

だがそんな時でも、シグマは仲間に声を掛ける。

 

「……フッ…そうだったね、シグマ!」

『…ごめん……もう大丈夫だから!』

そうだった。シグマはどんな時でも、私達を気に掛けてくれた。

心をひとつに……その言葉の意味を、彼は教えてくれる。

 

「…行くぞみんな!全員の力を合わせるんだっ!」

シグマの言葉に、全員が返事する。

 

彼らと共に居れば、私はなんだって出来る気がする。

 

 

「喰らえぇぇ!!」

「GAHAHAHA!!!!」

ガギュラに酷似した怪獣「ガギュラΩ(オメガ)」に突っ込んで行くダイナレックス。

 

突進攻撃をしてもビクともしないガギュラΩ。咆哮を上げながら口からビームを放つ。

 

「隊長っ!この怪獣バカみたいに強いですっ!」

「んな事分かってるよ…!ぐわぁっ!」

至近距離からの攻撃を避けきれなかったダイナレックスは爆発を受けながら飛ばされてしまう。

 

「……っ」

「…大丈夫ですか?ガウマさん」

「……お前ら…」

だが、そんなダイナレックスをキマイラゼノンが受け止めた。ジュウガの優しい声がレックスに問い掛ける。

 

「…ムジナさん……」

「……」

「「……シズム君…」」

「……」

ダイナレックスの中から呼び掛ける暦や蓬、そして夢芽。だが肝心の本人達はそれに応えない、というよりかは応えられない。

 

さっきは声をかけたが、それでも気まずくなってしまい黙り込んでしまうジュウガ。あの最後の戦いでの記憶が蘇る。

 

「……言った筈だ。もう二度と俺の目の前に現れるなって…」

「…ガウマさん。俺達はあの戦いで死にました。だが俺達は生き返った…いや、生まれ変わったんですよ」

「…あ?」

「今の俺達には使命があります。世界中の怪獣を保護する…それがシグマとの“約束”なんです!」

「……約束…」

その言葉に、レックスは言葉を詰まらせた。

 

「……暦君。私、君に謝らなきゃいけない…」

すると、発破を掛けられたかのようにムジナが暦に話しかけた。

 

「謝らないでください。もし貴女に謝られたら俺…」

「……」

「…貴女の事、ホントに忘れられなくなっちゃう気がするんで」

「……そっか…じゃあ謝らない」

暦の言葉に、ムジナは微笑みながら答えた。

 

「…シズム君……」

「……俺には、人間が分からない。分かるのはいつも怪獣の事ばかり…そう思ってたんだ」

「……」

すると今度はシズムが蓬と夢芽に言葉を掛けた。ふたりは彼の言葉を静かに聴く。

 

「…でも本当は……俺は怖かっただけなのかもしれない。人間の心に触れるのが…善悪に触れるのが……怪獣はそれらの全てから解放してくれる。でも、本当にそれでいいのか……」

「……俺は良いとも思わないし、悪いとも思わない。ただひとつ、俺が思うのは」

「……」

蓬は声を上げてシズムに語り掛ける。自分の今までの思いを全て吐き捨てるように。

 

「……自分が何をするのか、何をするべきなのか。それを考えるのはいつだって自分自身なんだ。だから俺は、いつだって後悔の無い方を選ぶ」

「私も…今出来る事は、今やっておきたいって思うよ。手遅れになる前に、届く手があるなら…私はそれを掴みたい」

蓬と夢芽はそれぞれの考えをシズムにぶつけた。

 

「……やっぱり、俺には分からないな」

「……シズム君…」

「……っ」

「……でも、不思議と嫌いじゃない。今なら、その考えを受け入れる覚悟が出来たよ」

その言葉を聞いて、一気に表情が晴れるふたり。

 

「…お前らにも、守るべき大切なものがあるんだな」

「……はい。俺達はあまりにも不完全で、独りでは何も出来ないかもしれません。ですが、一人一人が力を合わせ、心をひとつにすれば…どんな窮地も乗り越えられる。それを、貴方達は証明してくれました」

ひとしきりのいざこざが解消され、それを見届けたレックスは再びジュウガに語り掛けた。

ジュウガはかつての戦いをまるで思い出話のように語った。

 

「おぃガウマぁ!今回は共闘という事にしておくが…次は必ず決着つけるからなぁ!それまで死ぬんじゃねぇぞ!?」

「……うっるせ……お前は相変わらず頭悪ぃなぁ…」

「あぁ!?」

「……フッ…いいぜぇ?やってやるよ…!」

そしてオニジャの怒号が、レックスの心に火を灯した。

 

「GAHAHAHA!!!!」

「行くぞお前らァ!覚悟は出来てるかぁ!?」

「「「「はいっ!」」」」

「「「「あぁっ!」」」」

レックスの言葉に、全員が大きく返事する。それと同時にダイナレックスは二足歩行の大型メカ「ダイナゼノン」へと変形する。

 

「「「「「ダイナゼノンッ!!」」」」」

「「「「キマイラゼノンッ!!」」」」

「「「「「「「「「バトル…!ゴーーーーッ!!」」」」」」」」」

並び立つ2体のメカはガギュラΩに立ちはだかる。

 

「ダイナセイバーッ!!」

「キマイラクローッ!!」

ダイナゼノンは両手から緑色の光を展開し両手を重ねる。キマイラゼノンは両手の爪から青白い光を展開する。

 

「「ダブルブレードストライクッ!!」」

2体の連携の合った攻撃がガギュラΩにダメージを与える。

 

「GAHAHAHA!!!!」

だがガギュラΩも負けじと背中の装飾を光らせてカオスブリンガーを引き起こす。装飾の先端から青と黒の光線をひとつにまとめて一瞬にして放ってくる。

 

「ぐわぁぁっ!」

「なんとかビームっ!!」

ダメージを受けるダイナゼノンとキマイラゼノンではあったが、夢芽のその声でダイナゼノンの両肩のキャノン砲からペネトレーターガンが発射される。

 

「なんとか…!かんとかぁぁ!!」

続けてオニジャの叫び声とともに、キマイラゼノンの甲羅の装甲が光のブーメラン、ホーミングブーメランが放たれる。

 

2体の攻撃が再びガギュラΩに攻撃を与えると、キマイラゼノンは翼をはばたつかせて空を駈ける。

 

「キマイラビーストドライブッ!!」

そして空から一直線にガギュラΩに突進する。

 

「ダイナゼノン…!フルバーストッ!!」

ダイナゼノンから放たれる幾多ものミサイルやビームがガギュラΩを圧倒する。

 

「GAHAHAHA!!!!」

「……」

「…っ?どうした、シズム?」

すると、キマイラゼノンの意識のひとつ、シズムの意思が攻撃を止めた。ガギュラΩを見つめ、その心を覗いていた。

 

「……やっぱり、そうだ」

「…えっ?」

「…あの怪獣は、苦しんでる。個人の理想を叶える為の操り人形になる事を拒んでる…!」

「……シズム君…」

そしてシズムは悟った。怪獣の心の叫びを。

本来の彼らの意志を。

 

「……怪獣は、何処までも自由であるべきだっ!」

シズムの意思は固まった。どれだけ怪獣を想おうと、ああなってしまった怪獣を自由にする方法は、ひとつしかない。

 

「……あの怪獣を…倒そうっ!」

「…あぁ……決めるぞっ!」

その声と共に、ダイナゼノンは再びダイナレックスへと変形する。

 

「「「「「合体強竜!ダイナレックスッ!!」」」」」

ダイナレックスとキマイラゼノンはそれぞれの口にエネルギーを溜め込む。ダイナレックスは全身が赤く発光するほどの熱に覆われ、キマイラゼノンには青白いオーラが纏う。

 

「…必勝!爆裂大火炎ッ!ダイナマイトォォ…!」

「「「「インパーフェクトォォ…!」」」」

「「「「「「「「「レックス…!ロアァァァァ!!」」」」」」」」」

それぞれの口から放たれる火炎放射と破壊光線。ガギュラΩに直撃し、押されながらもそれを持ち堪える強靭な肉体。

 

だが、ここで諦める訳にはいかない。

彼らにも、この世界でやるべき事がある。彼らにしか出来ない、彼らのやるべき事が。

 

「…俺達には、守らなければならないものが…3つあるっ!」

「「「「……約束と…!」」」」

「「「「「……愛と…!」」」」」

レックスの言葉に、怪獣優生思想の4人、そしてダイナレックスに搭乗する5人がそう叫ぶ。

 

「「「「「「「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」」」」」」」」」

そこで、彼らの攻撃が更に強力になる。

そして、彼等の心はひとつになる。かつては宿敵だった者同士が手を取り合い、ひとつの強敵に立ちはだかっている。これが彼等の成長か、それともその運命だったのだろうか。

 

つまずいたら、もっと強くなれる。

彼等の思いが、心が、またひとつの心を救うのだ。

 

かくして、そんな彼等はひとつの大きな壁を打ち破る事が出来たのだ。

ガギュラΩは爆散し、彼等は互いに勝利を静かに讃えた。




次回

「私は君を信じる。君は、私たちを信じてくれ」

第21回「超・人:行け!ダブルグリッドマン」
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