グリッドマン ユニバース:Selected of two Souls Sigma Story.   作:キャメル16世

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なんとか頑張ってみます



第3回「暁・闇:本物のグリッドマン」

暗闇に佇む漆黒の巨人、グリッドマンに似たその風貌は、ナイトや裕太を仰天させた

 

「響裕太、お前は少し離れていろ」

「…お、俺も戦う!」

「やめておけ、奴の目的はお前とグリッドマンだ。どちらもやられては何が起こるか分からん!」

「……くっ…」

「…せめて役に立ちたいのならば、他の仲間達に伝えろ!今のお前に出来ることをするんだ」

「…俺に出来る事…俺にしか出来ない事……」

今みんなに助けを求められるのは、俺しか居ない

だからきっと、俺がやるべきなんだ…!

 

「……くっ…」

「……ふんっ!」

裕太が立ち去るのを確認したナイトは、グリッドナイトへと変身する

色は違えどその姿はグリッドマンそのもの。黒いグリッドマンと異なり神々しい光を放っている

 

「貴様が何者かは知らんが、グリッドマンを倒すのはこの俺だ!貴様に手出しはさせん!」

黒いグリッドマンに向かって走っていくグリッドナイト

 

「グリッドナイトサーキュラー!!」

グリッドナイトは手から出現させたエネルギーを光輪のような円形状に収束させ放つ。攻撃は黒いグリッドマンに直撃し、爆発を起こす

 

「……」

「……ふふ…」

「なにっ…!?」

だが、黒いグリッドマンは無傷で立っていた。攻撃に怯む様子も反撃する様子もなく、ただそこに佇んでいた

 

「貴様…ふざけているのか…!?」

「……」

「…どうやらふざけているようだな…!」

怒りを買ったグリッドナイトは空高く飛び上がり胸に手を置く

 

「ナイト爆裂光波弾!!」

胸から放たれる光弾が連続で黒いグリッドマンに直撃する

 

「グリッドナイト乱れサーキュラー!!」

続いて手の中に大量に出現させた光輪エネルギーを一斉に放ち、そのいくつかは直撃する

 

「グリッドナイトストーム!!」

地面に着地したグリッドナイトはトドメに右腕から紫色のエネルギー波を放ち、黒いグリッドマンに直撃すると大爆発を起こした

辺りに衝撃波が生じ、地面の車やバスが建物が飛び上がる

 

「……ハァ…ハァ……どうだ…?」

エネルギーが消耗されていき、脳天にあるポインターが点滅し始めた

 

「……ふふ…」

「…なっ…!」

ここまでの連続攻撃でなお、黒いグリッドマンは無傷。余裕の笑みすら浮かべていた

 

「やはり君一人でどうこう出来るものでは無いよ、ナイトくん。グリッドマンを呼びたまえ!ボクと戦う資格があるのは、彼だけだ!」

 

 

「……ハァ…ハァ…」

夜道を颯爽と駆けていく裕太

元より体力がある方ではない為、途中何度か立ち止まり膝を着いたが、すぐにグリッドナイトの言葉と今までの戦いの事を思い出し再び足に力を入れる。

 

ナイトさんが戦っている……

俺がみんなに助けを呼ぶんだ…!

でもどうやって…?別次元にいるみんなを呼び戻す方法って…?分からない…俺、分かんねぇよ…!

 

《別れよう、裕太》

 

「……」

俺、六花の事全然分かってなかったんだな…

わかってるつもりで、いつも自分を正当化して……

 

《却下》

 

《…もぉ〜…それ言うの何回目だよぉ〜…》

 

本当は、分かってた筈なのに…それと向き合おとしてなかったのは俺だ。俺が俺と向き合わなかったから、きっと六花は俺を振ったんだ……いや、これももしかしたら間違いかもしれない。もう何が正しくて何が間違っているのかも分からない

本当にここでみんなに助けを求めるのが正解なのか…?

戦う事は間違いなのか…?

 

俺は…!

 

俺は…っ!

 

《自分の信じられるものの為に戦え…お前の使命は、お前が決めろ》

 

「……っ」

今のは…?俺の記憶じゃない

こんな声は聞いた事がない、父さんだってこんな声じゃないし、新世紀中学生の人達にだってこんな声の人……

 

「……」

違う…これは、グリッドマンの記憶…?

 

「……グリッドマン…」

 

月明かりの差さない暗闇の街の中で、巨人が無意味に攻撃し続ける音が轟く

雷のような轟音に稲妻のような強い光

 

そうだ…俺が俺として初めてグリッドマンになった日、俺は決めたんだ…守りたいものを守る!俺にしか出来ない事があるなら、俺がやる!

 

「……っ」

俺は再び足を進め、六花のリサイクルショップ…ジャンクの前までやって来た

 

「……俺にしか出来ない事は、俺がやるべき……俺は、俺が信じられるものの為に、戦う!」

『……裕太』

ジャンクにグリッドマンが映し出される

どうやら俺の独り言を聞いていたようだ

 

「行こう!グリッドマン!」

『……あぁ!』

プライマルアクセプターを再び装着した俺は、その言葉を腹の底から叫んだ

 

「…アクセス!フラーッシュ!!」

 

 

「……クッ…!」

「……ふふふ…もう限界なのかい?ナイトくん。ボクはまだ君に指一本触れてないよ?」

膝を付き、もう残っているエネルギーも少ない

ここまで攻撃を与えて、まだそのような余裕を見せるのかと、ナイトは落胆した

奴に勝つ事の無謀さと、己の無力さに

 

「……っ」

「…なっ…に!?」

「……」

暗闇の空から、一筋の光が降り注ぐ

それはグリッドマンと響裕太の絆の間に生まれた、皆が描いたグリッドマンの絵と仲間達の思いから形作られた姿。グリッドマン(Universe Fighter)

 

「…おぉ……」

「…バカな…なぜ来た!?グリッドマン!」

「……裕太が私を求めた。私はそれに応えただけだ…」

何故だと嘆くグリッドナイトに、グリッドマンは答える

 

「……っ」

「…グリッドナイト…君を救いたいという裕太の想いが、再び私をこの姿に変えた」

「……響裕太……フッ…余計な真似を…!」

少し嬉しそうに立ち上がるグリッドナイト

 

「…ほほぅ…流石はグリッドマン。仲間の救済のためなら己の身柄すら投じる正義の塊のような存在だね。分かっているのかい?ボクは君と響裕太(もう一人のボク)を狙っているんだよ?本当に来て大丈夫かなぁ?」

『俺は俺の信じるものの為に戦う!お前なんて関係ない!それに、俺達は負けるつもりはない!』

グリッドマンの中から裕太が声を上げる

 

「そういう事だ!」

グリッドマンは黒いグリッドマンに突っ込み、拳を握ってパンチを繰り出す

 

「…ふふ…そうでなくちゃ、面白くないからねぇ!」

さっきとは打って変わって好戦的な態度になる黒いグリッドマン。グリッドマンやグリッドナイトととはまた別の戦法で二人の巨人を追い詰める

 

「グリッド〜…ビーームッ!!」

「グリッドナイトストーム!!」

「…クッ…はははは!」

二人の強力なエネルギー波をものともしない黒いグリッドマン

 

「…ふふ…お返しだ!」

「ぐわっ!」

「がはっ!」

黒いグリッドマンの左腕から放たれる黒いエネルギー波が二人を襲う

 

「グリッドマン!ボクはずっと君と戦いたかった!君の人間と相違ない情動は、ボクを常に刺激してくれた!ボクはずっと君を見守り続けてきたんだよ…魔王カーンデジファーを倒したあの日からね!」

「魔王カーンデジファー…!?何故その名を知っている!?」

「……ふふ…!」

「…答えろ!」

黒いグリッドマンの言葉に激昂したグリッドマンはなりふり構わず突っ込む

 

「よせ!グリッドマン!」

グリッドナイトが必死に止めたが、それも虚しくグリッドマンは拳に力を込めた

 

その瞬間だった

 

「ぐわぁぁ!」

「な、なんだ!?」

グリッドマンを何者かが狙撃した

黒いグリッドマンに近付けば近付くほど強力な砲弾が彼を襲う。その攻撃には見覚えがあった

 

「あ、あれは…!?」

「…マックス…どういう事だ!?」

グリッドマンを狙撃したのはバトルトラクトマックス。マックスの本来の姿でありながら、グリッドマンを支援するアシストウェポンの一機である。そんな彼が何故グリッドマンに敵意を…?

 

『グリッドマン!あのマックスさん、様子が変だ!』

「…っ!?」

よく見ると、マックス自体の色も変化していた。グリッドマン同様赤かった部分は金色に、その他の装甲は漆黒に染まっていた

 

「なるほど…奴もマックスの偽物か!」

「ならば、倒すまでだ…!」

マックスに攻撃を与えようとしたその瞬間、今度はそれを黒いグリッドマンが静止させた

 

「おっと…それは早計だよ、グリッドマン」

「…なにっ?」

「元々彼は君の一部であった筈だ。感じ取れば、ボクの言いたい事も言わずもわかる筈さ」

「……?……っ!?」

グリッドマンは奴の言う通りマックスを凝視し、マックスの内なる魂を覗いた。そして、それがリンクした

 

「……っ」

「どうした、グリッドマン!?」

「…あのマックスは、本物だ」

『…え!?』

そう、色こそ違えど…確かに感じとった。マックスの心を

 

「まさか貴様!マックスを洗脳したのか!?」

「ま、それに近いけど…言うなれば、()()()()に来てもらった」

「…こちら側?」

疑問が飛び交う中、黒いグリッドマンはマックスに近付いた

 

「な、何をする気だ!?」

「決まっているだろう?いつも君達がやっている事だ……さぁ、合体だ!マックス!」

「なにっ!?」

すると、マックスは左右に分割され、それが黒いグリッドマンの腕へとドッキングする。ヘッドパーツを被ると、その藍色のバイザーがグリッドマンとグリッドナイトを睨む

 

「剛力暗黒超人…マックスグリッドマンダーク!」

黒いグリッドマン基、グリッドマンダークはマックスと合体した。

 

 

「内海君!あれ!」

「グリッドマンとグリッドナイトが戦ってる!?」

帰り道の最中、二人の存在に気が付いた六花と内海

そして、二人が相手をしていた黒い巨人にも気が付く

 

「それにあれ、黒いグリッドマン…?」

「おぉ…ついに悪のグリッドマンまで出てきたか!」

「…悪の…グリッドマン…?」

「近年のシリーズじゃ常識よ!でも大丈夫。本物が偽物に負けるわけがないからな!」

などと言っているが、状況は良くない。グリッドマンは攻撃を押され、グリッドナイトに至っては既に満身創痍。状況を打開する策もなく、二人はもどかしい気持ちで二人を見守っていた

 

「…ね、ねぇ!蓬君達に連絡取れない!?」

「えっ!?で、でも…蓬君達の世界って無事なのかなぁ…」

「いいから早く!」

「わ、分かった分かりましたァ!」

急いでスマホを出して蓬に連絡する

電波は通じてる。後は出てくれるかどうか……

 

『……はい、もしもし』

「出た!」

「ホント!?」

「あぁ…蓬君!今すぐこっちの世界に来てくれないか!?こっちで悪のグリッドマンが来てて大変なんだ!グリッドナイトも押されてる…ダイナゼノンの出番だ!」

『……え、えと…グリッドマン…?ダイナゼノン…?何言ってるんですか?』

「……えっ?」

蓬の反応にこっちまで困惑する。ふざけているのだろうか

 

『あと…すみませんけど、どちら様でしょうか?俺、いつ貴方と連絡先交換しましたっけ?』

「……嘘…だろ…?」

話が噛み合わない筈だ

蓬は内海達の存在すらも覚えていない。グリッドマンも、ダイナゼノンも、グリッドナイトも、全て忘れてしまっているようだ

 

「……」

衝動的に電話を切った内海は、スマホを持った腕をぶらんとぶら下げて心底落胆する。

 

『……』

 

すると、またしてもその様子を見守る存在がいた

敵でも味方でもない。助けもせず見捨てる訳でもない。彼は一体何者で、何が目的なのか

その答えが分かるものは、この場所には存在しなかった




次回

「君と出会えた、その奇跡に」

第4回「悠・遠:竜の伝説ヒストリー」
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