Machinery Gear Armies   作:ナイン(あかいろのすがた)

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集団戦と新武装。その3。

 

「では、ここで解散で」

 

「分かった。今回は本当に助かったよ」

 

町のガレージでクレジットを分けお互いにフレンドになった後、用事がなくなったので現地解散となった。リーダーのルークさんと握手を交わす。

 

「キミはこれからどうするんだ?」

 

「しばらくは金策して装備を整えようかと」

 

質問に答えただけなのだが、ルークさんは何かを考え出してしまった。問題があったのか聞いてみると、ルークさんは驚きの情報を話しだした。

 

「実は、そろそろ次のイベントが始まるんじゃないかと言われているんだ」

 

「そうなんですか!?」

 

ルークさんは頷き、続きを話してくれる。

 

「1回目と2回目のイベントは開始までの間隔がが一ヶ月半くらいだったんだ。そして、2次応募の時に第2回イベントが開始された」

 

「成る程、それで……」

 

既に2次応募から一ヶ月が経過している。ルークさんなどの一部を除けば新規も育っており、イベント開催の準備も整ったと考えられるだろう。

 

「じゃあ金策を急がなければいけませんね」

 

「……やはり、機体は返した方が」

 

「いえ、それは大丈夫です」

 

まだルークさんは負い目を感じているようなので、提案をきっちり断り遠慮しなくていいことを示す。情報をくれて助かったくらいだから、WINWINの関係でいいのだ。

 

礼を言い町の中心へ歩いていく。振り返るとルークさん達が手を振っていた。こちらも手を振り返す。

 

初めてのフレンドは、随分とお人好しのようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから1週間、ゲーム内で正式にイベント開催が告知された。どうやら第1回、2回とも違う内容のようだ。最近見つけたカフェで紅茶を飲みながらルールを読む。

 

 

 

第3回イベント ALL FOR ONE ルール

 

1.このイベントは50対50のチーム戦となっています。

 

2.このイベントはチーム毎に別のフィールドからスタートします。

 

3.このイベントは自チームのフィールドでエネミーを討伐し、そのドロップ品で砲台型巨大攻撃兵器『ALL FOR ONE』を起動することが勝利条件となっています。

 

4.このイベントはエネミーのドロップ品を使い、相手のフィールドに進軍し妨害を行うことができます。

 

5.このイベントは当日にログインしているプレイヤーからチームメンバーをランダムに決定します。ただし、同じクランに所属しているプレイヤー同士は優先的に同じチームに配置されます。

 

6.このイベントは各チームの戦いからハイライトが制作され、それは全てのプレイヤーが自由に閲覧することができます。

 

 

 

「チーム戦か」

 

危惧していたこと、経験不足な戦場での戦いを行わねばならない状況がもう来てしまった。とはいえ、50対50という変則的な戦いなら1人で行動するのが生きる機会もあるかもしれない。

 

「武装は整えたから、後はとにかく機体の強化だ」

 

1週間の間にショップの試運転機能を使い、新しい機体より使い慣れた機体を鍛える方が良いと結論を出した彼は割のいいクエストがないかデバイスをじっと眺める。

 

とはいえ、機体の大半の性能は彼の求める水準まで達しており金策は余り必要ない。1週間の金策、初心者狩りを狩るなんて真似すらした成果は間違いなく出ていた。

 

ならばさっさと金策を終え強化された武装や機体を使いこなせるようになるべきだ。目星のつけたエリアへの運搬依頼を出し、紅茶の代金を払った彼はガレージへ歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで?結局何人集まれるの、リーダーさん?」

 

グランギニョルの中心にある豪華絢爛な装飾のクランハウス。その会議室で、青髪の少女が部屋の奥に語りかけた。最も華美な椅子に座る黒っぽい赤髪の男は、ゆっくりと方針を話し始める。

 

「……今回のイベント、参加できるのは24人。4人ずつで分隊を組み、組織だった行動で確実な勝利を目指す」

 

その方針は悪く言えばいつも通り、良く言えば今までクランを支え育てた基本中の基本だ。リーダーと呼ばれた青年に黒髪の少年が質問する。

 

「余りの人数はどーすんのー?好きにしていーいー?」

 

「『狂犬』共への対策も必要よ。奴らが味方でも敵でも、ね」

 

青髪の少女もそれに続き疑問をぶつける。リーダーは表情を変えず、またゆっくりと語り始めた。

 

「……できる限り纏め上げろ、リント。『狂犬』含めたトップクランへの対策は、今から主力メンバーで、立てる」

 

「それは良かったわリーダー。貴方の独断で決めるなんて言われてたら私、クランを抜けてたかもしれないもの」

 

恐ろしいことを口走りながら、少女は満足げに頷く。少年は不満そうにしていたものの、渋々といった様子で頷いた。

 

「……1時間後に、集合する。それまでは、好きにしろ」

 

最後の連絡を終え、リーダーが退出する。残った2人もすぐに退出し、クランハウスには静寂が訪れた。

 

それは果たして、嵐の前の静けさなのだろうか。

 

今はまだ、誰も知る由もなかった。

 

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