Machinery Gear Armies   作:ナイン(あかいろのすがた)

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第3回イベント。その3。

 

『それじゃあ、君も2次応募組なのか』

 

「そうですね」

 

エネミーを倒すための移動中、少年達は親睦を深めるため自己紹介を行っていた。

 

礼儀正しいこのパーティーのリーダー、シュールは少年と同じく2次応募からこのゲームを始めたようで、まだMGAの操作に慣れていないらしい。

 

『人間と同じ動きを全部操作するって、ムズいからなあ。初期組の俺等だって苦労したぜ?』

 

『戦闘中は、今でもミスしたりするねー』

 

残りの2人は最初に当選した、いわゆる初期組と呼ばれる存在だったが、そんな彼らでもMGAの操作は完璧とは呼べないらしい。

 

(……もしかして、あのチュートリアルをクリアするのって相当厳しいのか?)

 

強力な索敵レーダーや姿勢の自動制御プログラムがあると快適だぜ、といったアドバイスを聞きつつ考える。

 

装備を制限され、純粋な技術のみで戦うことになる上、最後は自爆じみた攻撃でしか倒せなかった怪物。イベントに備えた練習の時もその最後だけは変えられなかった。

 

しかし話を聞いていると、そもそも倒せたこと自体がおかしいのではないかと思えてくる。武装の差などはある以上他のプレイヤー相手に慢心してよい訳では無いが、操縦技術だけなら誇ってもいいのかもしれない。

 

『誰かに教えてもらうのもムジィんだよなあ』

 

『このゲーム、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()からね。いくらソフトやハードに量産の難しい新技術が使われていると言っても少なすぎます。そこらのスマホゲームでも数十万はプレイヤーがいるというのに』

 

「だからこそ、皆必死でこのゲームをプレイしてるって感じもありますけどね」

 

運良く兄のオマケで当選してからも調べたが、改めて聞くと5000という発売本数は少なすぎるし、それで2つ目が当選したのは幸運極まりないのだなと思った。

 

興味を持っていなかった少年ですらそう思うのだから、このゲームをやりたいと思っていた人からすれば離れられないのだろう。初心者狩りなんてプレイをしたり、その被害を受けたとしても。

 

そんな雑談を続けながらもエネミーを倒し、目的の地点まで移動する。どうやら拠点から離れるほどエネミーは強く、ドロップ品の価値も上がるとの情報があったらしい。

 

今回の狩りは距離ごとのエネミーの強さやドロップ品集めの効率を調べる目的も含んだもののようだ。言われてみれば、先程1人で戦っていた時には数えるほどしか見なかった戦闘用MGAとの遭遇が明らかに増えている。

 

『では、この辺りでしばらく狩りをしましょう』

 

シュールの指示の通りに付近を移動する。そのまま狩りを続けていると、パーティーの男が声を上げた。

 

『うげえ、またあいつだぜ』

 

その男が見ている方には重装備のMGAがいた。先程戦闘を行ったときはビームを防ぐシールド、実弾を防ぐ硬い装甲で無駄な時間をかけさせられた敵だ。

 

『よし、ここは俺に任せとけ』

 

ドロップ品も他と変わらないので無視するのだと思ったが、男には何やら手があるらしい。しゃがみこんだ男の機体から少し離れる。

 

すると、MGAが持つビームライフルの先端から見える光の色が変化した。放たれた色の違うビームは本来の射程以上の距離を飛んでいき棒立ちのエネミーを貫く。

 

『今のはまさか、強化プログラムですか?』

 

『ああ、すげえだろ?クールダウンこそ長くなっちまうが、俺のとっておきだぜ!』

 

驚愕の声でシュールが尋ねると、満面の笑みで男が返す。チュートリアルで聞いた覚えがある名前の武装だが、実際に使用されているのを見るのは初めてだ。

 

その値段は法外な値になっており、ショップで売られている一番安い、ブレードを振るう速度を少しだけ早くするプログラムですら初期の機体が30体は購入できる。

 

(珍しいものが見れたな)

 

ドロップ品を回収し、全員の機体もほぼ無傷。狩りは非常に順調に進んでおり、気が緩むのも仕方ないことだろう。

 

だが今彼らが立っているのは戦場。油断の代価を支払う機会はゆっくりと、しかし確実に近づいて来ていた。

 

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